グリーンファーム募集馬の近況フォロー(1回目)

今回から、グリーンファーム愛馬会の募集馬情報を継続的にフォローしてみたいと思います。グリーンファームの募集馬の近況報告は概ね2W~4W間隔であり、その頻度は正直言って充分と言えるものではなく、また1回の更新の情報量も決して多くありません。そこで、その少ない情報を縦横に読み込んで、募集馬の状況を把握し、時にはコメントの行間を読んで想像を働かせてみたいと思います。先ずはその初回として、9/28頃に更新された情報を元に近況をフォローして行きます。

注:各項目の印の意味は次の通りです。
  ◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価

1601.クィーンスプマンテの16(完売)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・1回/週ペースで直線入り。(○)
・馬体重410Kg、前回から+6Kg(△)
・少し感度が高く、音に敏感。(×)

社台Fに移動して、順調に育成がスタートしました。軽量なのは初めから分かっていたことで、その中では体重が+6Kg増えています。1回/週の直線入りは他馬と比較して先行した進捗状況と言えます。この時期から「音に敏感」の情報がありますので、将来的な気性の問題に繋がらないか、注意してゆく必要がありそうです。

1602.アースリヴィングの16(残口僅か)

・育成牧場(チェストナットF)に10月中に移動予定。(×)
・放牧をしながら初期馴致。成長を促す。(-)
・馬体重436Kg、前回から+21Kg(◎)

育成牧場への移動が他馬よりも遅れていることはマイナス評価です。何らかの問題が生じていた可能性もあります。育成先がノーザンFではなく、チェストナットFになったのも評価としてはマイナスです。
一方で、「小柄な仔馬なので成長を優先する」と言う考え方は理解できます。その効果なのか、体重が+21Kgと大幅に増えており、これは高評価できます。トレーニングを進めることを採るか、じっくり育てることを採るかで、後者が選択されているとも考えられます。

1603.アースサウンドの16(完売)

・育成牧場(ノーザンF空港)に移動。(○)
・2回/週のペースで、ハッキングキャンターで坂路入り。(◎)
・馬体重468Kg、前回から-9Kg(○)

育成牧場に移動して、既に週2回の坂路入りを行っています。他馬と比較して、最も進んでいるグループと見て良いでしょう。なにより、ノーザンF育成になったことは加点要素です。馬体重は前回より-9Kgですが、坂路トレーニングの開始で絞れてきたと考えることもできます。ダート馬ならばもう一段成長して欲しい所ですが、牝馬なので、これ位の体重でも止む無しかもしれません。募集馬全体の中でも特に順調な育成状況にある様に思われます。

1604.マルカアイチャンの16(受付中)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・1回/週ペースで直線入り(○)
・反応良好だが、力任せな面あり。楽に加速ができない。(×)
・馬体重480Kg、前回から-3Kg(-)

社台Fへの移動を完了し、週1回のペースで直線入りしているところは他馬と比較して先行した進捗状況です。
一方で、「力任せな面があって楽に加速が出来ていない」のコメントが気になる所です。現時点で体重が480Kgあり、更に成長して行くことを考えると、大型馬であるが故の仕上がりの遅さに繋がるかもしれません。スピード不足の可能性をケアする必要がありそうです。

1605.シルヴァーカップの16(受付中)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・周回コースでキャンター調整(△)
・前進気勢旺盛。脚捌き力強い。柔軟な動き(○)
・馬力強化が課題。(×)
・馬体重431Kg、前回から-7Kg(-)

社台Fへの移動を完了。周回コースでキャンター調整を続けており、直線入りはしていません。他馬と比較して一歩遅れている状況です。「前進気勢が旺盛で柔軟な動き」と言うのはプラス評価ですが、裏を返えすと、筋力不足の不安が見え隠れします。募集時の柱立写真を見てもトモの迫力に欠けますので、単に馬体重だけではなく、姿形のフォローもして行きたい所です。

1606.カドリーユの16(受付中)

・育成牧場(ノーザンF空港)に移動。(○)
・周回コースでキャンター1200m。(△)
・馬体重417Kg、前回から±0Kg(×)

ノーザンF牧場への移動を完了。現在は周回コースでキャンターの調整です。ノーザンFの育成は社台Fよりも坂路調整を中心に行われることから、現時点で坂路に入れていないことは、進捗的にトップグループでは無いと考えられます。また、情報更新の遅滞の可能性もありますが、馬体重が前回報告値から増えていない点は、かなりの不安材料です。「成長を促すことを優先して、坂路入りを控えている」と考えるのが妥当な線かもしれません。

1607.ラクリモーサの16(受付中)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・右飛節に外傷を負うも順調に回復(-)
・周回コースでキャンター調整(△)
・小柄だがやるき充分。(△)
・馬体重430Kg、前回から-17Kg(×)

社台Fへの移動を完了。右飛節に怪我をした影響なのか、直線入りが遅れています。只、不可抗力な怪我による遅れであれば、挽回は容易と考えられるので、成長の遅れ程は心配する必要はないと思います。「小柄だがやる気充分」のコメントは悪くありませんが、体重が前回発表値の447Kgから-17Kg減しているのは気になります。受傷により直線入りが遅れている中で、体重が減ってしまったのは環境変化に因るものなのか、今後の馬体重の推移を注視したいと思います。

1608.プランタンビジューの16(受付中)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・周回コースでキャンター調整(×)
・大きな体を持て余し気味。(×)
・ちょっとしたことで体を硬くする。敏感。(×)
・馬体重485Kg、前回から-8Kg(○)

社台Fへの移動を完了。この仔の場合、馬格は十分あるので、トレーニングで絞って行きたい所ですが、未だに直線入りが出来ていない点はマイナス評価になります。「大きな体を持て余し気味」であれば、どんどん進めて行って欲しい所ですが、思うように進められないのは気性的な問題をケアしている可能性を感じます。臆病な性格らしく、今後の直線入りが遅れる様ですと心配です。
なお、体重が-8Kg減っているのは、大型化が懸念されるこの仔としてはむしろ好評価になります。

1609.ジュエルオブナイルの16(完売)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・1回/週ペースで直線入り(○)
・操作性良く、姿勢の良い走り。(○)
・動きはまずます。シャキッとしている。(○)
・全体的に筋力アップしたい。(-)
・馬体重465Kg、前回から+1Kg(△)

社台Fへの移動を完了。週1回のペースで直線入りもしており、先行した進捗状況です。ポジティブなコメントが多いのも好印象。なお、「全体的に筋力アップが必要」とのコメントについては、先行グループでもあることから、これからのトレーニングでじっくり鍛えて貰えれば良い話だと思います。体重は牡馬なのでもう少し増えてくれると更に良いと思います。

1610.デフィニットの16(残口僅か)

・チェストナットFで馴致後、ノーザンF空港に移動。(○)
・ノーザンFでのトレーニングはこれから開始。(×)
・移動後も落ち着きあり。(○)
・体付きはダート向き。(○)
・馬体重428Kg、前回から-4Kg(×)

チェストナットFで馴致を行い、他馬より一か月遅れてノーザンF空港に移動しました。育成先がノーザンFに決まったことは高評価ですが、移動が遅れた理由が何処にあるのかは気になるところです。事務的な問題なのかは不明ですが、トレーニングの開始が遅れた事実はマイナス評価です。「気性的に煩い」と言う噂が聞こえたこともあり、気性面の問題で移動が遅れた可能性もあるでしょうか?
一方で、「移動後も落ち着いている」のコメントは、不安があるぶんだけに好印象です。半姉トゥルーストーリーも気性面で苦労していましたので、ネガティブな所が似ない様に祈るところです。
「血統的にダート向きの体型」と言うのは加点要素ですが、ダート馬としては体重が増えていない所は、今後も注視してゆく必要がありそうです。

1611.ハートビートワルツの16(残口僅か)

・育成牧場(ノーザンF空港)に移動。(○)
・1~2回/週のペースで、坂路を20秒ペース。(◎)
・ある程度進めたらリフレッシュを挟む予定。(△)
・馬体重433Kg、前回から-2Kg(-)

育成牧場に移動して、既に週1~2回の坂路トレーニングを行っています。他馬と比較して、最も進んでいるグループと言えます。今後リフレッシュを挟むと言うのも、トレーニングが進んでいる裏返しなので、好意的に捉えて良いでしょう。体重はもう少し増えて欲しい所ですが、坂路開始後の体重としては、悪いものではないと思います。

1612.ツルマルオトメの16(受付中)

・育成牧場(チェストナットF)に移動。(-)
・1歳春時に胸前に外傷を負っているが特に影響なし。(△)
・ダートでキャンター2000mのメニュー。(〇)
・大柄だがスッキリした馬体。スピードありそう。(〇)
・馬体重495Kg、前回から-6Kg(△)

育成牧場に移動。ダートコースで2000mキャンターのメニューを開始しており、まずは順調な出だしの様です。大型馬故の動きの重さが懸念される本仔だけに、「スッキリした馬体でスピードありそう」のフォローコメントは好印象です。只、現時点で体重495Kgありますので、巨大化のリスクは解消していません。
一方、「1歳春に胸前を受傷していた」と言うのは今回が初耳でした。特に影響なしとのコメントなので、継続的にケアする必要は無さそうですが、「この影響で募集価格が安価に抑えらた」と見るならば、お買い得と言う可能性もあります。

1613.サクラサクⅡの16(完売)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・周回コースでキャンター調整(△)
・頑固な面があるが、改善してきている。(×)
・小柄で筋肉増強が必要。(×)
・馬体重431Kg、前回から-5Kg(-)

社台Fへの移動を完了。周回コースでキャンターのメニュー。未だに直線入りのコメントはなく、先頭よりも進捗は遅れています。当面は成長を促すことを優先しているのかもしれませんが、体重の増加が止まっているのは気になるところです。
一方、気性面の煩さを示すコメント出ている点には今後も注意する必要がありそうです。直線入りが極端に遅れる場合は、気性の問題を心配する必要が出て来ます。

1614.アドマイヤヒラリーの16(残口僅か)

・育成牧場(ノーザンF空港)に移動。(〇)
・ウォーキングマシンで調整(×)
・馬体重504Kg、前回から-4Kg(-)

ノーザンF空港への移動を完了しましたが、まだ馬場入りが出来ていません。平均よりも遅れているグループと言えます。馬格は十分にある仔なので、馬場入りが遅れている理由が良く判らず、心配するところです。只、コメントには「問題が無ければ坂路で乗り進めていく」ともありますので、すぐにメニューが追いつく様ならば、心配は杞憂となります。

1615.ファビュラスセンスの16(受付中)

・育成牧場(社台F)に移動。(△)
・周回コースでキャンター調整(△)
・父の産駒らしい気の入り易さ。真面目さは長所。(△)
・馬体重459Kg、前回から-11Kg(-)

社台Fへの移動を完了。周回コースでキャンターの調整で、直線入りのコメントはまだありません。先頭よりは遅れているグループです。馬体重は現時点では適当な感触ですが、気性に関するコメントはポジティブに評価すべきなのか良く判りません。取り合えず、コメント上で「本馬の長所」とされていますので、プラス評価と考えることにします。

1616.ラヴアズギフトの16(受付中)

・育成牧場(坂東牧場)に移動。(-)
・ダク1000m、ハッキング1600mのメニュー(△)
・スピードありそうな動き。(〇)
・馬体重440Kg、前回から-11Kg(-)

育成先の坂東牧場に移動して、ダク1000m&ハッキング1600mの調整メニューです。坂東牧場で育成を行う事例がグリーンファームでは珍しく、前例との比較が出来ないため、横並びの進捗評価が困難です。「スピードありそうな動き」のコメントはプラス評価ですが、経験的にこの時期の「スピードありそう」は、比較的よく見かけるコメントなので、過度なプラス評価は不要と思っています。
(PS.改めて坂東牧場の過去の育成馬を調べてみると、障害王者のオジュウチョウサンが、生産&育成ともに坂東牧場でした。)

おわりに

コメントを全体に俯瞰して見て、現時点での育成状況が特に順調に見える仔は、アースサウンドの16・ジュエルオブナイルの16・ハートビートワルツの16の3頭の様に思います。この仔たちについては、早期始動の可能性も比較的高いと予想します。

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