GFレディオブフィフティの2022に出資

既に出資の確定しているレディオブフィフティの2022について、その出資判断に際して検討した内容を備忘録としてまとめます。出資決定から随分と時間が経ってしまいましたが、出資を決めた時点での情報をベースに記載して行きます。


■種牡馬
父エピファネイアはその気性の激しさから皐月賞と日本ダービーを2着に敗れましたが、クラッシック最後の1冠菊花賞を制覇。その後は4歳時にジャパンカップを制し2つ目のGⅠを勝利しましたが、5歳時に左前繋ぎに靭帯炎を発症し、そのまま引退となりました。5歳春までの競走馬生活でレース数は僅か14戦に留まった様に、数の使える馬ではありませんでしたが、その競争能力には高いものがありました。

種牡馬生活に入った後は、初年度産駒から3冠牝馬デアリングタクト、翌年は皐月賞馬エフフォーリアを輩出したことで、種牡馬人気が一気にアップ。本馬が種付けられた2021年の種付料は1000万円で、2022年~2023年は1800万円にまで高騰しています。

■牝系
母レディオブフィフティは米国からの輸入繁殖牝馬で、現役時代はクレメントLハーシュS(G1・芝1700)を制した実力馬です。日本に輸入された後は本馬の上に3頭の競争馬を産出していますが、何れも期待されたレベルの成績は残せていません。

■配合
母父After Marketは日本での産駒が存在しないため、配合上の優劣を論じることが出来ません。より広義に、Storm Cat系と捉えても父エピファネイア-母父Storm Cat系の配合例は10例しか存在しておらず、傾向性を評価するにはデータが不足しています。只、その内の1頭のランスオブアースは関東オークス(Jpn2)で3着の成績を残しています。

■測尺(参考
募集開始時点(8/3付)の測尺情報は以下の通り。

体高:161.0 胸囲:184.0 管囲:21.3 体重:516kg

本馬への出資を決断した大きな理由の一つがこの測尺値です。2月初の生まれとは言え、牝馬とは思えないレベルの雄大な馬格を誇っています。参考に示すとおり、馬格のある牝馬はそれだけでも1勝クラスの能力はあると考えており、これは高く評価すべき特徴と考えました。

但し、問題は巨大化のリスクです。一口馬主DBより提供されるデビュー時馬体重のシミュレータに依ると、本仔のデビュー体重は522kgと推定されたことから、極端な巨大化のリスクは回避できると割り切りました。

■駐立写真(参考

やや胴長ですが脚が長く、中距離以上の適性を感じます。バランス的に短い背中が特徴的で、その分だけ胸とトモの幅が広くなります。特に寝気味の肩と胸幅の広さは目を惹きます。前後で見ると、胸前の発達が目立ちますが、トモも中殿筋の発達が確認できます。この中殿筋も本馬への出資を決断した大きな理由の1です。飛節は曲飛傾向で、キレる脚が使えることが期待されます。

なお、体重が重たい分だけ脚元の故障が心配ですが、前膝の位置は標準的で故障に繋がる所見は確認できません。

■歩行動画(参考

飛節が曲飛傾向であることも影響して、後肢の蹴りは完全に伸び切っていませんが、踏み込みは前方に深く入っています。また前肢の動きが非常に柔らかく、前方に大きく振り出されている点が印象的です。トータルの可動域としては十分広くとれており、加点評価しています。

前後から見た歩様は左後肢が微妙に外向している様にも見えますが、微々たるものでノーマルの範疇に入ると思います。むしろ、飛節にブレが見られない点を評価したいと思います。

筋肉の質感については自分の理想とする「プルルッ」よりは少し硬い印象なのですが、敢えて「大型馬の割に緩過ぎない」と前向きに解釈することにしました。

ちょっと気になるのは歩速にキビキビ感の無い点ですが、これは雄大な馬体から見て止む無しと考えました。むしろ、力強さを感じさせる動きだと思います。

■誕生日と母年齢(参考1参考2参考3
本仔の出産時の母年齢は13歳で、参考1に示す通り、出生時母年齢としてはギリギリ好成績を示す範囲にあります。また、2代母の出産年齢は7歳であることから、母との平均年齢は10歳となり、参考2に示す通り、これは理想のレンジに入ります。

更に、本仔の誕生日は2/10であり、参考3に示す通り、高い勝ち上がり率を残しています。

■生産と育成(参考
生産と育成は社台Fにて行われます。詳細は「レーヌジャルダンの2022に出資」の当該項を参照。

■厩舎(参考
預託先厩舎は栗東の西園正都厩舎。2026年2月に定年が予定されています。グリーンFとは繋がりの非常に強い厩舎で、過去にはアンデスクイーンで交流重賞を制覇しました。直近ではスマラグドスが好成績を残しつつあります。また、調教師リーディングでも常に20位前後の好成績をキープしています。

厩舎の育成方針は基本的にスパルタ傾向で、強めの追い切りを行い、出走数も多めです。そう言う点で、体質が弱く、調教の積めない馬は合わない可能性がありますが、雄大な馬体を誇る本仔であれば、西園厩舎のハードトレーニングにも十分応えてくれると考えました。

また、個人的に重視する指標である「クラブ馬勝ち上がり率=45%、クラブ馬回収率=141%」は、何れも平均レベルをクリアしています。また、年間出走回数は4.2走でこれも平均値以上で、管理馬房数あたりの頭数も3.0で平均値です。

■価格
募集価格は2800万円。グリーンFの牝馬の募集価格としては高額の部類に属する価格設定です。もっとも、本仔の種付けられた年の父エピファネイアの種付料は1000万円ですから、極端なプレミアムが乗せられているワケではありません。普通に高額の範囲と捉えるべきでしょう。「グリーンF募集馬にしてはアウトレット感の無い馬体と動き」を考えれば、妥当性のある価格設定だと思います。

■テシオ理論
本仔の種付けられた2021年は父エピファネイアの活性値が3であり、劣勢期の産駒と見なされます。優先祖先は母系の深い世代ですがハッキリとしません。毛色が芦毛である点も含めて、母系似の産駒と考えられます。また、基礎体力値は68.8%で、高い数値を示しています。

■余談
本仔の評価のポイントは良くも悪くも馬体重です。牝馬が500kg前後の馬体重で競馬が出来れば大きなアドバンテージになりますが、520kgを超えてしまうと、反対に成績が低下します。脚元の不安も生じることから、巨大化が回避されるかが出資判断のポイントになります。自分は牝馬である点と2月上旬の誕生日から、募集時の馬体重は成長の早い分であって、将来的な巨大化は防げる方に賭けて出資を決断しました。

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