レインボーフラッグについて思うこと

今週のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)にレインボーフラッグの出走が確定しました。グリーンF所属馬がGⅠ競争に出走すること自体が極めて珍しいことなのですが、特に本馬は8歳にして初出走を実現した、一般にも珍しい事例ではないかと思います。自分はレインボーフラッグの出資者ではありませんが、本馬は安価に募集されながら故障知らずで堅実に走り続けた、極めてグリーンFらしい競争馬であると思っています。そこで本稿では、レインボーフラッグについて以前から感じていたことを、書いてみたいと思います。

レインボーフラッグは自分が一口馬主を始めた翌年にグリーンFから総額1200万円で募集されました。社台F生産馬ながら兄姉に実績馬は存在せず、父馬も種牡馬人気があったとは言い難いジャングルポケット。配合と牝系を中心に募集馬を選定していた当時の自分としては、全く出資対象として考えることが出来ませんでした。実際、一般的な人気も低く、残口が十分残った状態で募集は締め切られたと記憶しています。

しかし、この募集馬を見逃さずに見事に出資した方々が存在したこともまた事実です。これは鮮明に覚えているのですが、ネット上の掲示板に「レインボーフラッグは歩様が凄く好みなので出資したい。」旨の書き込みがされていました。

当時の自分は、馬の歩様の良し悪しは分からないので全く評価していませんでした。しかし、「歩様が良い」と言われて改めて動画を見返しても、やはりその良さは理解することは出来ませんでした。

その後、数年を時を経て、自分も歩様の良し悪しを判断すべく努めて来ました。その結果、以前よりは勘所が掴めてきたと思っているワケですが、そう言う目で改めてレインボーフラッグの募集馬動画を見てみると、確かにこの募集馬の動きは普通とは違って見えてきます。

筋肉の質感の良さを文字で表すことは難しいのですが、明らかに見て取れることは関節の可動域の広さと飛節の伸び具合です。一口馬主DBのコラムで岡田牧雄氏が解説されているのですが、その中で「飛節が最後まで真っすぐに伸びる馬は走る」とコメントされています。

その意味は「上図に示す赤色と黄色の斜め線の成す角度が180°に近いことが望ましい」と言うことです。しかし、単にこの2本の線が直線状であっても角度が鉛直に近ければ、地面を蹴り出すことによる推進力は得られません。そこで、自分の解釈は「赤色と黄色の斜め線が直線状で、かつ水平線に対してより鋭角を成す」ことが重要であると解釈しました。そして、この観点でレインボーフラッグの歩様を見たとき、後肢が極めて大きく後方に伸びきっていることが判ります。今考えると、前述したレインボーフラッグの歩様を好評価された方々には、このあたりの動きの良さが見えていたのではないでしょうか。

さらに、1完歩の広さについては、同時に前肢がどの程度前に出ているかで、ある程度の判断が出来ると考えています。上図の緑線の成す角度がより鋭角であるほど、前肢は前方に出ていると解釈することが可能です。

もちろん、関節が柔らかいだけで速く走れる訳ではなく、筋肉の強さが重要な因子であることは間違いありません。これに関して前述の岡田牧雄氏は「内ヨロが張っていることが大切である」旨を示されています。ここで内ヨロとは上の駐立写真の黄色い円の部分を指しますが、レインボーフラッグはこの内ヨロの部分がシッカリと張り出している様を見て取ることが出来ます。

安価にも関わらず走る馬を見つけたいと思ったときに、「如何にすればレインボーフラッグを見逃さずに出資することが出来たのか?」と、常々考えることは有為であると思っています。そして、そのポイントは「関節の可動域の広さ」「飛節の伸び」「内ヨロの筋肉」を見極めることにあったのではないかと考えています。

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コメント

  1. だかにゃん より:

     はじめまして。だかにゃんともうします。
     レインボーフラッグに出資してる者です。新しい携帯から、通りすがる形で読ませていただきました。
     なるほど、図説から理解するのも変な感じですが、嬉しいものですね。つい、メールしてしまいました。
    私の場合、この馬のポイントとしてG1を6勝している近親、ラクティにも注目しました(隠れ良血)。またカタログの馬体で、ゴムまりのような印象を持ち、即決したと記憶してます。

    • macKy より:

      たかにゃん様、

      コメントありがとうございます。Twitterでもレインボーフラッグ出資者の方からコメントを頂いたのですが、その方は「冬を越して見違える様に成長をした姿を見て出資しました」と言われていました。レインボーフラッグは、牝系や兄姉の成績を上辺から眺めただけでは出資の難しい募集馬だと思うのですが、実際に出資された方は様々な角度から評価して出資を判断されておられますね。カタログスペックと実馬の両面から見て行くことが必要であると、改めて感じている次第です。