馬券スタイルの話②

<<前回からの続き>>

2.ワイドを買う理由

前稿で述べた通り、自分が馬券を買う上での目標は、オッズ6倍の馬券を5回に1回の割合(20%の確率)で当てることであり、前述の(1)に示すところの破産確率0.048%の資金運用です。ここで、オッズ6倍の馬券をターゲットとする以上、必然的に3連系の馬券は対象から外れることになります。さらに、馬連・馬単でもオッズ6倍となるのは人気上位馬同士の組み合わせになってきます。しかし、人気サイドの馬券と言うのは本質的に妙味の無い馬券になります。この部分をもう少し説明すると、人気サイドの馬券と言うことは、「より沢山買われている馬券」と同じ意味です。さらに、より沢山買われている馬券と言うのは、より沢山買われる程、大数の法則により、全体平均に回帰して行きます。ここで、回収率の全体平均とはJRAの払戻率に等しいので、ワイド馬券ならば77.5%になります。すなわち、「人気サイドの馬券を買い続けると、確実に回収率は75%前後に収束する」と言うのは数学的な事実です。

以上の通り、回収率が100%を超えて行くためには、非人気サイドの馬券を買わなければなりません。そして、これを自分の目標に置き換えると、「人気サイドではない馬を絡めて、オッズ6倍程度の馬券とする必要がある」と言うことになり、これを満たす券種がワイドと言うことになります。4~6人気で馬券内に入って来そうな中穴馬と、1~3人気(出来れば1人気は避けて、2~3人気)で複勝率が高いと考えられる馬を組み合わせると、ワイドで6倍程度の配当が期待できます。これが自分のターゲットに沿った、狙うべき馬券となります。

まとめると、自分がワイド馬券を中心に買う理由は、オッズと的中率の関係が自分のターゲットゾーンに最も近いことにあります。言い換えれば、オッズ6倍で的中率20%が狙える馬券が見つかれば、必ずしもワイドに拘る理由はありません。単勝でも複勝でもターゲットゾーンに入る馬券が見つかれば、それを購入します。飽く迄も、その様な馬券が最も見かり易い券種がワイドだと言うことです。

加えて、ワイド馬券にはこれまで説明した以外にも幾つかの利点があります。その1つが絶対的な1番人気が存在するレースでも、それを避けた馬券が狙えることです。この様なレースでは的中率は下がりますが、その分、1人気が飛んだ時の配当の上乗せが大きくなります。特に、1人気馬がぶっ飛びそうなレースの場合は狙い目になります。

また絶対的1人気馬Aが居るレースで、穴馬Bを狙う場合は、ワイドA-Bに加えて複勝Bを押さえる組み合わせが有効です。Aが普通に走った場合はワイドと複勝の両方が取れますし、Aが飛んだ場合は複勝Bのオッズが跳ね上がります。何れも場合も配当は確保されますので、穴馬Bを見つけることが出来たならば、絶対的1人気馬の存在に関わらず、馬券を狙うことは可能です。

最後にもう一つ「ワイドのメリット」と自分が考えるのは、「3点ボックス買いであっても、明らかなハズレ馬券を買わないで済む」と言う点です。例えば、馬連を3点ボックスで購入する場合、確実に3点中の2点はハズレ馬券になります。これに対し、ワイドの3点ボックスは3点全て的中する可能性を有していますので、合成オッズを無駄に低下させない効果があります。

<<次回に続く>>

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