YGGウェルアウェイの2022に出資

随分と時間が経ってしまいましたが、今年のYGG募集馬であるウェルアウェイの2022への出資が確定しています。以下、その出資判断に際して検討した内容を備忘録として記録しておきます。


■種牡馬
父キタサンブラックは重賞を10勝し、内8勝がG1と言う突出した名馬であり、その産駒もこれまでに3世代がデビューして、何れも高いAEIを記録しています。特に現3歳世代では賞金総額こそドゥラメンテに及ばずの2位でしたが、AEIは2.57のハイスコアを記録してドゥラメンテを抑えています。そのドゥラメンテも急逝された上に、キタサンブラックの繁殖の質が今後上昇することを考えれば、本馬がリーディングサイアー座を獲得することも、遠くないものと思われます。

ここで、キタサンブラック産駒について留意すべきことは、「牡馬の成績が圧倒的に牝馬に優る」と言う点です。牝馬の成績も平均以上は記録していますが、高いAEIの源泉は牡馬によるものと認識する必要があります。そう言う意味で、牡馬である本仔の期待値は高いものになると考えれます。

■牝系
母ウェルアウェイはドイツからの輸入繁殖牝馬で、その妹Well Timedが独オークス(G1)を制している良血です。一方でウェルアウェイ自身の成績は7戦1勝であり、目立った成績は残せていません。本仔はその4番仔で、1~2番仔は海外で生産されて未勝利。3番仔のピカパンドーラは国内で生産され、セレクトセールにて4510万円で落札されましたがこちらも未勝利に終わっています。

■配合
父キタサンブラック-母父Monsunの組み合わせは実績例が少なく、評価は不能です。一方で、父サンデーサイレンス系-母父Monsuneの組み合わせは無難な成績を残しており、少なくとも本配合に問題があることは無さそうです。

クロスに関しては父母間クロスを有しないアウトブリードであり、基本的には良いと思います。只、キタサンブラック産駒についてはサンデーサイレンスをクロスした産駒の方が成績を残しており、その点では残念かもしれません。

■測尺(参考
7/19の測尺情報は以下の通り。

体高:153.2 胸囲:173.3 管囲:20.0 体重:422kg

もう少し胸囲が大きいと加点材料になりましたが、全ての測尺値は個人的な出資判断基準をクリアしています。また、一口馬主DBによるデビュー時予測体重は472kgと算出されました。牡馬としてはもう少し欲しい所ですが、減点材料になるレベルではありません。

■駐立写真(参考

胴長ですが脚長があり、距離をこなせそうな体型です。背中が短く胸幅とトモ幅が広い点が好印象。肩が寝ていて首長が十分にある点も、中距離以上の適性を感じさせます。

一方で、全体的に筋肉の発達は目立ちませんので、今後の成長を見守りたいところです。中殿筋の発達スペースはありますので、ここにシッカリとした筋肉を付けたい所です。前膝の位置に不安感はありません。

■歩行動画(参考
参考ページに記した通り、歩行動画で自分の重視するポイントの1つが、関節の可動域であり1完歩の大きさです。以下は、本仔の後肢の可動域を測定したものです。

蹴りは飛節が最後まで伸びており、踏み込みの角度も十分にあります。極端に広い可動域でこそありませんが、加点要素のある可動域です。

一方で筋肉の質感については、自分の重視する「プルルッ」感よりも頼りなく、緩い感じを受けてしまいます。今後鍛えて行って何処まで緩さが抜けるのかが重要なポイントになりそうです。

■誕生日と母年齢(参考1参考2参考3
本仔の出産時の母年齢は12歳で、参考1に示す通り、まだ成績の下降する年齢には達していません。また、2代母の出産年齢は8歳であることから、母との平均年齢は10歳となり、参考2に示す通り、これは好成績の期待出来るレンジに入ります。

また、本仔の誕生日は2/20なので、参考3に示す通り、誕生日としては平均よりも上の評価が出来ます。

■生産と育成(参考
本仔の生産は田端牧場で、育成は森本Sで行われます。森本SはYGGが近年多様している育成牧場で、特に2021年産駒では好成績を残しつつあります。個人的には出資馬のトレブランシュがお世話になっており、育成スタイルには好印象を持っています。BTCの施設を利用する育成牧場ですが、立ち上げペースの早い点と、登坂本数の多い点が好成績につながっている気がします。

また、森本Sは美浦TC近郊にも牧場を有しており、関東馬であれば外厩として利用可能な点が加点材料になります。関西と違って、関東には社台系以外に有力な外厩の無いことから、特に関東馬にとっては大きなメリットになります。

■厩舎(参考
預託先厩舎は美浦の大竹厩舎です。これは過去に半姉ピカパンドーラを管理していた繋がりによるものと考えられます。

大竹師は調教師リーディングの50位前後を安定してキープしており、関東では10位前後の成績を残す有力厩舎です。特筆すべきは師が麻布大学獣医学部を卒業して獣医師免許を保有している点でしょう。これにより、他の厩舎では見逃されるかもしれない故障や病気に際しても、早く適切な一次処置が期待できます。

参考ページに示した評価指標を確認すると、得意条件は芝で、距離は満遍なく成績を残しています。芝の中長距離で成績を期待する本馬としては、適性の良い委託先と考えられます。
クラブ馬回収率=140%、クラブ馬勝ち上がり率=47%は及第点以上。平均出走回数=3.7は少な目ですが、馬房あたり頭数=3.2は標準的です。これは1頭の馬をジックリと厩舎で仕上げて出走させていることを示しています。
起用騎手は上位騎手と外国人騎手で50%を超えており、関東の厩舎としては上位騎手を確保できる厩舎と言えます。

■価格
募集価格は1980万円です。最近のYGGの募集馬としては高額募集になりますが、キタサンブラック産駒でしかも牡馬の価格としては破格と言える価格設定です。庭先取引のため、裏事情は不明ですが、この価格設定であれば多少の粗には目を瞑れてしまうレベルです。

ちなみに、本仔が種付けられた2021年のキタサンブラックの種付料は底値の300万円でした。そう考えれば、本仔の1980万円の価格設定も成り立つのですが、2023年は1000万円、2024年は2000万円に高騰した種付料を考えると、二度目は有り得ない価格と言えます。

■テシオ理論
オカルトであることを前提で、テシオ理論を適用すると、本仔は父キタサンブラックが劣勢期に入った年の産駒であり、本仔は母系似と考えられます。優先祖先は母系のYoung Generationから更に深いところになりますが、あまりに深すぎて追い掛ける意味は無さそうです。

■余談
本仔の評価ポイントはキタサンブラック産駒の牡馬であることであり、その破格の募集価格にあります。募集時点での馬体や歩様は及第点レベルかもしれませんが、それでいてこの価格設定であれば見送る理由は見つかりませんでした。

一方で、最大の懸念材料は筋肉量の不足とその成長曲線と考えています。勝ち上がりさえ決めてしまえば焦らずに成長を見守ることが出来ますので、空き巣狙いでも何でも構わないので、早いタイミングで勝ち上がりを狙って欲しいと思っています。

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