2022年グリーンFから募集して欲しい仔馬②

2022年度にグリーンファームからの募集を期待する仔馬をピックアップするシリーズの2回目です。(前回はこちら) 今回の5頭は、募集される可能性は低下しますが、マニアックな父馬を持つ産駒をピックアップします。

No6:エルメスグリーンの2021

父  :ニューイヤーズデイ
母父 :アグネスタキオン
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2021年3月17日
生産 :那須野牧場

母エルメスグリーン、姉エルメスショコラ、兄シャンボールナイトが元グリーンF所属馬の牝系で、シャンボールナイトは平地で2勝を上げたのち、障害に転身してオープンでも2着の好成績を残しています。さらに、牝系全体としては3代母シンコウエルメスから連なる一大牝系で、近親に皐月賞馬ディーマジェスティがいる他、タワーオブロンドンの名前も見つかる優良牝系です。那須野牧場としてもこの牝系は牧場に残したいと考えている筈で、牝馬に出た本仔がクラブに卸される可能性は十分にある様に思います。

父ニューイヤーズデイはこの世代が初年度産駒となる新種牡馬で、2歳時にブリーダーズカップJBを制した期待馬でしたが、骨折により現役を引退。早々に種牡馬入りすると、米G1を4勝したマキシマムセキュリティを輩出しています。その後、社台スタリオンにより輸入され、2020年より共用が開始されました。日本では新種牡馬の扱いですが、米国では実績を残しており、種牡馬としての能力に疑いはありません。米国での実績からすると産駒はダート適性に出そうですが、日本馬産地から聞こえる噂では芝もこなせそうな伸びのある仔が出ているとのこと。

No7:トゥルーストーリーの2021

父  :マクフィ
母父 :キンシャサノキセキ
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
誕生日:2021年3月4日
生産 :那須野牧場

母母デフィニットから連なる牝系で、グリーンF所属で京王杯2歳S(G2)を制したボールライトニングは本仔の叔父にあたります。さらに、母トゥルーストーリーに加えて姉レモンマートル、叔父ライクトゥシャイン、シュアゲイトもグリーンF所属馬であり、クラブとの縁故関係が極めて強い牝系です。デフィニットが繁殖生活を終えたことで、本牝系とグリーンFとの縁故はトゥルーストーリーに託された形になりますので、これは大切にし続けたい関係です。

父マクフィはジャック・ル・マロワ賞の他、欧州G1を2勝するなど、芝のマイルで成績を残した活躍馬です。引退後は英国で種牡馬生活に入り、初年度産駒から2頭のG1馬を輩出しています。その後、2016年に日本軽種牡馬協会が本馬を購入して共用を開始しました。日本生産馬からもオールアットワンスが昨年のアイビスサマーダッシュを制し、初の重賞勝利を収めています。種付け料と種付け頭数は共用開始から維持されており、馬産地から一定の評価を受けていることが伺えます。

なお、母トゥルーストーリーは空胎明けで出生時年齢が9歳であり、狙い目の条件を満たしています。

No8:リリーアメリカの2021

父  :シュヴァルグラン
母父 :American Post
性別 :牡馬
毛色 :青鹿毛
誕生日:2021年4月14日
生産 :社台ファーム

近親にG1を4勝したリスグラシューの居る牝系で、半兄リリーブライトがグリーンFの現役所属馬です。リリーブライトは未勝利戦で勝ち上がることが出来ませんでしたが、地方から再転入して、その緒戦で1勝クラスを勝利しています。

父はハーツクライから息子のシュヴァルグランに代わり、リスグラシューとは1/2同血の関係になります。シュヴァルグランは本仔が初年度産駒の新種牡馬で、現役時はジャパンカップを含む重賞3勝を上げています。ハーツクライの後継種牡馬の座は未だ流動的で、シュヴァルグランもその候補の1頭になります。只、社台スタリオンに残れずにブリーダーズスタリオンに繋養されたことは、後継争いに1歩遅れを取ったかもしれません。

兄リリーブライトは2400万円で募集されましたが、本仔は父がシュヴァルグランに代わって種付け料が700万円近くダウンしています。兄姉の成績が優れないことからプレミアムの上乗せもないとすれば、1800万円近辺で募集される可能性があり、血統背景の割に価格的な妙味が出てきます。

ちなみに、テシオ理論では父シュヴァルグランが活性値MAXの優先祖先となり、オカルト的な魅力があります。

No9:サイレントクロップの2021

父  :アルアイン
母父 :シンボリクリスエス
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
誕生日:2021年3月22日
生産 :社台ファーム

3代母レガシーオブストレングスから連なる優良牝系で、レガシーオブゼルダ、サイレンハピネス、ハギノハイブリッド、サイレントメロディ、スティンガー、レッドファルクス、フォーエバーマーク、アーバニティなどなど、重賞勝馬が目白押しの牝系です。サイレントハピネスの仔で本仔の母サイレントクロップは元グリーンF所属馬で、芝とダートの中距離で各1勝を上げています。さらに、その産駒も安定的な勝ち上がり率を示していますが、未だグリーンFから募集されたことがありません。何とかこの辺りで、1頭くらいは募集に掛けて欲しいところです。

皐月賞馬の父アルアインは大阪杯と合わせてG1を2勝した活躍馬で、引退後はブリーダーズスタリオンにて種牡馬生活に入りました。本仔はその初年度産駒となります。現時点で種牡馬としての能力は未知数ですが、種付け料は3年連続120万円を維持しており、馬産地からは一定の評価が得られているものと推察することが出来ます。

本仔はサンデーサイレンスの3×3を形成しており、その強いクロスに不安感を覚えますが、サイレントクロップの産駒はサンデーの3×3で走っている実績があり、過度の心配は無用と思われます。

No10:アースリヴィングの2021

父  :カリフォルニアクローム
母父 :Yonaguska
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2021年4月29日
生産 :新井昭二牧場

母アースリヴィングは元グリーンF所属馬で、兵庫ジュニアグランプリで2着の成績を収めた後、UAE遠征を敢行して2着2回の好成績を残しました。更に、その産駒も全てグリーンFから募集されており、初仔のシネマソングスは4勝を上げてオープン入りし、JBCレディスクラッシック(G1)への出走を果たしています。

父カリフォルニアクロームはケンタッキーダービーとプリークネスステークスを制した米国クラッシック2冠馬で、全米3歳チャンピオンと全米年度代表馬の称号を得た大活躍馬です。引退後は種牡馬生活に入りましたが、2年後に日本企業に売却され、2020年よりアロースタッドにて繫養が開始されました。本仔はその初年度産駒となります。正直、このクラスの活躍馬が日本で共用されることに驚きを隠せません。

なお、カリフォルニアクロームの産駒としては持ち込み馬のネフィリムが先んじてJRAデビューを果たしてしており、1勝を上げた後、兵庫ジュニアグランプリへの出走を果たしています。只、早熟なタイプと言うよりは、時間を掛けて力を付けて行くタイプの様に思われ、トラック適性はダートの長い距離にありそうです。

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