フェデリコテシオの血統分析①

他の記事の中でも触れているのですが、最近、「フェデリコテシオの理論」と言う血統分析に嵌っています。統計的な裏付けのあるロジックではありませんので、オカルトと切り捨てられるケースも多いとは思いますが、統計的に見れば全ての血統理論が同様に論証されるものではありません。結局は信じるも信じないもその人次第と言うことで良いものかと思います。ちなみにオカルト好きな自分としては、この手の理論にはついつい惹かれてしまうワケです。

そこで、これから数回に分けて「フェデリコテシオの理論」をグリーンファーム所属馬・募集馬に適用した場合、どのような解釈が成り立つのかを考えて行きたいと思います。

注意:ここに記す分析は、「フェデリコテシオの理論」の初歩を聞き齧ったレベルの者の見解であり、本来の理論に照らして誤っている可能性は十分にあります。誤りが有りましたら、ご指摘を頂ければ幸いです。なお、「フェデリコテシオの理論」について、自分は以下のYoutubeチャンネルの動画を参考に勉強させて頂いています。

ドルメロの魔術師ch

「フェデリコテシオの理論」の具体的な適用方法など、詳細については本稿では触れませんので、興味のある方は上記のYoutubeチャンネルなどをご参考にされて下さい。動画作成者の「ドルメロの魔術師ch」様にはこんな陰からですが、感謝の気持ちを申し上げたいと思います。


さて、前置きが長くなりましたが、初回の今回はグリーンファームから募集馬された2頭のロードカナロア産駒について比較検討を行いたいと思います。

ここで、「フェデリコテシオの理論」の基礎を成す考え方として、優先祖先と基礎体力の2つがあります。優先祖先とは当該の仔馬に体型・脚質・気性などの特性を強く遺伝させたご先祖様を指すものです。優先祖先を求める手順としては、まず入口となる最大活性の種牡馬を見つけ、そこから世代を前後させて決定します。これに対し、基礎体力とは文字通り当該の仔馬の体質や心肺能力を示すもので、これは牝系から計算して求められます。

1.ナショナルアンセムの血統分析

優先祖先:Cormorant
基礎体力:50%

まず本仔の最大活性値の種牡馬は活性値8でロードカナロア自身になります。活性値は1年ごとに1加算され、8になると0に戻ることから、2018年産駒のロードカナロア産駒は何れもロードカナロアが最大活性だった年の産駒と言うことになります。更に、ロードカナロアを入口にして、優先祖先を探すと、4代前(父母母父)のCormorantにたどり着きます。これがナショナルアンセムによく似たご先祖様と言うことになります。

そこでCormorantがどのような馬であったのか調べるためにその戦績に当たってみると、1977年のジャージーダービー(GⅠ・ダート1800m)、ゴーサムS(GⅡ・ダート1700m)、ペイショアS(GⅢ・ダート1200m)を制していることが分かります。ここから芝適性の有無を図ることはできませんが、幅広い距離に適性のあることを示していると同時に、ダート1200を制していることから、高いスピード能力もあったことが伺えます。従って芝を走れる可能性は十分にあると思います。

一方、基礎体力値を求めると50%となり、これは平均値であることを示しています。即ち、本仔は虚弱と言う程でもなく、かと言って健康優良とも言えません。少なくともスタミナ豊富と言うワケでは無さそうなので、距離適性は1800よりは若干短い方向が良いかもしれません。以上の観点からすれば、矢野師が本仔の適性を芝のマイル辺りと判断されていることは、本分析にも合致していると見ることが出来ます。

2.モンキャドーの血統分析

優先祖先:セントクレスピン
基礎体力:64%

モンキャドー(モンシュシュの2018)の最大のポイントは父ロードカナロアの活性値がリセットされた年の産駒であると言う点にあります。「フェデリコテシオの理論」では活性値0~3の種牡馬はその性質を産駒に伝えないとされていることから、本仔は母系が表に出た仔馬と言うことになります。最大活性値の種牡馬は活性値6の母父スペシャルウィークであり、ここを入口にして5代目(母父母母父)の凱旋門賞馬セントクレスピンが本仔によく似たご先祖様と言うことになります。

そこでセントクレスピンの戦績を調べてみますと、1959年の仏・凱旋門賞(芝2400m)を制した他にも、独・エクリプスS(2000m)、仏・ギシュ賞(1850m)、独・インペリアルプロデュースS(1200m)を制していることが分かります。短距離からクラッシックディスタンスまでをこなしていることから、幅広い距離適性が伺えます。これは気性的な安定性も示していると考えて良いでしょう。本仔は母系的に見るとダート適正に思えますが、セントクレスピンに特徴が似るのであれば、「芝もこなせる可能性も十分にある」と言うことになります。

一方、基礎体力値を求めると64%となり、これもそこそこ優秀な値と見ることが出来ます。基礎体力値はその算出方法から、0%~100%まで均等に現れるものではなく、60%台ならば評価して良いレベルです。これよりスタミナに不安がなく、母モンシュシュが1800~2000mに良績があることも含めて、本仔も十分に1800以上の距離をこなせるものと考えて良さそうです。

3.おわりに

今回はナショナルアンセムとモンシュシュの2018について「フェデリコテシオの理論」を用いた分析を試みました。両仔馬は同じロードカナロア産駒ですが、1年の差で父系似と母系似が切り替わっている部分が、本理論の面白さであると思います。これでもし、モンシュシュの2018が実際に芝をこなせたとしたら、「フェデリコテシオの理論」への個人的な信頼度が1段上がることになるでしょう。

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