2019年度グリーンファーム募集馬の検討(関東編)

前回の関西馬編に続いて今回は関東馬についての検討内容を書き記して行きます。

【注意】
・あくまでも個人の見解です。
・状況の変化で見解を変えることが普通にあります。
・歩様の良し悪しは判らないので評価しません。
・馬に優しく、厩舎には厳しいです。

【補足】
・プレミアム値についてはここを参照願います。

・予測体重についてはこの辺りを参照して下さい。
 (本文中の予測体重は9/4の馬体重を用いて更新しています。)
・管囲についてはここを参照して下さい。


1810.オールドパサデナの2018

■血統・配合・牝系
2019年のファーストシーズンサイアーランキングでトップに立っているのが本仔の父キズナです。スタートダッシュこそリアルインパクトの方が上でしたが、ビアンフェとルーチェデラヴィタと言うオープン勝ち馬を輩出したところで、キズナの方が完全に上に出る形となりました。..と言うよりも、全種牡馬の中でも現時点で2歳馬のサイアーランキングトップがキズナですから、その種牡馬能力はもはや疑う余地はありません。現状で、ディープインパクトの後継種牡馬の座に最も近いのはキズナと言って良いでしょう。加えて、距離とトラックを問わずに産駒が成績を残していることも種牡馬として評価できるポイントです。
一方で、キズナの配合上のポイントは十分に明らかになっていませんが、間違いなく傾向性があるのは母系にMr.Prospectorの血を持つことです。現在、キズナ産駒は44頭デビューして11頭が勝ち上がっていますが、この内の7頭がMr.Prospectorの血を有しており、さらにその全てがNorthan Dancerの血も有しています。このMr.ProspectorとNorthan Dancerの血を母系に持つことが有意であることは疑いなく、オールドパサデナはこの2つの血を有しています。更に、件のビアンフェはこれに加えてUnbridledの血を有していますが、この点についてもオールドパサデナは合致しており、本仔の配合に間違いはないと見て良いでしょう。
なお本仔については、過去のグリーンファーム募集馬との縁故関係は見られません。

■馬体
肩と繋ぎの角度が寝ていて胴が長目であることから距離適性は中距離がこなせると思います。4月生まれの割には既にトモに張りが出て来ていますが、もう少し面積があればさらに良かったと思います。デビュー時の予想体重は496Kgで、馬格としても十分でしょう。
只、芝を走れるだけのスピードがあるか否かはなんともまだ言えません。オールドパサデナ自身はダートで5勝を上げていますし、その兄弟も良績はダートに集中しています。トラック適性については、今後の育成情報を読み解いて行くしかありませんが、どうもキズナと言う種牡馬は母系の良さを引き出すタイプに思えますので、本仔の適性はダートの中距離の様な予感がします。なお、鼻の穴が大きい所はプラス評価できます。

■厩舎
本仔の募集馬としての最大の懸念材料が厩舎です。林厩舎は一昨年開業して、昨年はリーディング139位。今年も現時点で114位と、活躍には至っていません。上位騎手の起用率が低い点も残念なところです。
グリーンファーム所属馬としては現3歳のプランタンヴェールが預託されましたが、惜しい所で勝ち上がることが出来ませんでした。レース選択を見ていると、「有力厩舎ならば勝ち上がれたのではないか」と思わせるところもあり、マネージメント能力は現状で十分とは言い難いと見ています。

■価格
募集価格2000万円は、キズナの種牡馬成績と牡馬であることを踏まえると、美味しい価格設定と思えます。恐らくは来年度の種付料は上がりますから、この価格帯で募集されることは無くなると思われます。また、本仔のプレミアム値は486でプレミアクラスとなっています。社台系生産馬でプレミアクラスの募集馬は好成績を残す傾向がありますから、本仔の期待値も相当高いと見て良いでしょう。

■総評
検討すればするほど、死角のの少ない募集馬と思えてきます。最大の懸念材料が厩舎ですので、これを飲み込めるか否かが出資判断の分かれ目となりそうです。様子見は十分可能と思われますので、当面は筋肉の発達状態のチェックと、スピード能力の見極めが肝要になると思います。もし芝で走れるだけのスピード能力が確認出来ましたら、本仔の評価は確実にアップすることになります。

1811.アースサウンドの2018

■血統・配合・牝系
母アースサウンドとその産駒3頭の全てがグリーンファームから募集されているクラブお馴染の血統です。配合・牝系についてはこちらの第一印象も参照して下さい。

■馬体
募集時の駐立写真を見ると肩と繋ぎが極端に立った印象で、距離適性に不安があったのですが、9/4に公開された写真を見るとこれが随分違った印象に変わっています。特に肩の角度が寝気味に変化しており、これならばマイル~中距離を走ることが出来そうです。2月生まれと言うこともあって、筋肉の発達も目立ち始めています。特に縦長のトモの形は個人的に好みです。デビュー時の予想体重は470Kgで、牝馬としては十分なサイズ感になりそうです。
気になるのはトラック適性で、上2頭がダートで勝ち上がったことを考えると、ダート適性になる可能性が高そうですが、現在の姿を見る限りは芝で走れないと言う根拠は見出せません。
一方で、顔つきがイマイチ凡庸に映る所は気になります。また、鼻の穴が小さく見えるところも減点材料と考えています。

■厩舎
田中博康厩舎に依託されます。クィーンスプマンテをGⅠ馬に導いたことから、クラブとの関係は強固で、開業初年度から有力馬が依託され続けています。若くして騎手から調教師への転身を決断し、調教師試験に一発合格を果たしたことからも相当な努力家で研究家であることは疑いなく、その成績は着実に上昇しています。開業3年目にして美浦の中堅厩舎レベルには達しています。この勢いが続けば、数年の内にトップクラスまで成長しても不思議はないと思っています。是非、グリーンファームの代表厩舎になって欲しいと思います。

■価格
牝馬で2000万円と言うのはグリーンファームでは高額募集の部類に入ります。只、アースサウンドの産駒は何れも募集価格が高額でしたので、それを継承していると言うことになります。プレミアム値は536でプレミアクラスになり、活躍が期待できるレベルです。

■総評
カタログ写真を見た時点では下げていた評価が、9/4の写真で回復しており、取り敢えず不安感は無くなりました。あとは新種牡馬ドゥラメンテをどの様に評価するかに掛かってくると思います。セレクトセールを始めに各種セールで好況を博した通り、ドゥラメンテの種牡馬成績が高いものになれば、今後の募集価格は高騰することになりますから、今の内に出資しておくと言う判断もありかもしれません。
現時点で残口は100を切っていますが、これ位ならば入厩直前まで様子見は可能かと思います。ここは、芝で走れるだけのスピード能力があるのか、じっくりと見極めたいところです。あとは、上2頭が喉周りの疾患を発症していますので、これに類する兆候が出ないかも注視して行く必要があるでしょう。
最後にもう一つ、本仔については育成先牧場がノーザンファームになるのか、チェストナットファームになるのか、注目したいと思います。もし、ノーザンファーム育成になる様でしたら、評価を1段階上げて良いでしょう。

1812.レイヨンヴェールの2018

■血統・配合・牝系
母馬レイヨンヴェールがグリーンファーム所属馬で、東京ダート専用機として3勝を上げる活躍をしています。牝系・配合についてはこちらの第一印象を参照してください。

■馬体
カタログスペックにいまいち華の無い本仔ですが、駐立姿勢には目を見張るものがあると思います。若干短足気味ではありますが、肩と繋ぎの角度が寝ていて、全体にゆったりとした作りはバランスが良く好感が持てます。4月生まれにも関わらず、既に筋肉の発達が見えており、深い胸とトモの形は個人的に好みです。左後一白はオカルトですが、それも含めて馬体に関してケチをつけるところは見当たりません。

■厩舎
想像以上に馬体の作りが良く見えただけに、残念なのが厩舎です。個人的にこちらの厩舎はNGと決めていますので、如何に他の条件が優れていても出資する可能性はありません。これならば、母馬と同じ武藤厩舎で良かったと思うのですが…。

■価格
価格が先行発表された時点では、牡馬とはいえ高い値付けだと思ったのですが、どうやら出来の良さが価格に反映されたものと考えて良さそうです。只、プレミア値を求めると186となり、プラスながらギリギリでノーマルクラスになりました。あと少し高い値付けでしたら、より信頼度が上がったのですが、微妙なラインになりました。

■総評
繰り返してしまいますが、厩舎が違っていたら真面目に出資候補として検討していました。本当に惜しいと思います。どうしてグリーンファームは優良な仔馬をこの厩舎に複数頭も預託してしまうんでしょうか..。残念でなりません。

1813.アイアムルビーの2018

■血統・配合・牝系
グリーンファームの過去の所属馬との縁故関係は見当たらない仔馬です。スクリーンヒーローの産駒は昨年もムニラーの2017が募集されましたが、故障により募集中止になってしまいました。改めて、グリーンファームとしては初のスクリーンヒーロー産駒となります。只、これまでのスクリーンヒーロー産駒は牡馬に活躍馬が偏重する傾向があり、牝馬に出た本仔の評価は下げざるを得ないのですが、一方で現2歳馬のスクリーンヒーロー産駒の成績は全体に上昇基調にあり、牝馬の成績も改善傾向にあります。これは、モーリス・ゴールドアクターの活躍によって肌馬の質が大幅に上がったことと無関係ではないと考えられます。
そういう意味で、本仔の母アイアムルビーもオープン2着の実績のある優良な繁殖牝馬であり、牝系としても筋が通っていることから、本仔の評価は単に牝馬だからと言って単純に下げて良いとは言い切れません。加えて、スクリーンヒーロー産駒はHaloのクロスを有することが重要であることが判っており、Haloクロスを有するならば牝馬であっても成績はそれほど落ちません。そして、本仔もこのHaloクロスを有しています。

■馬体
最初に発表された測尺の値が、体重412Kgで管囲19.1mmと小さいものだったことと、スクリーンヒーローの牝馬と言う色眼鏡から、正直なところ本仔の詳細な検討は後回しにしてしまいました。しかし、9/6に更新された馬体重は440Kgまで増えてきており、駐立した姿も更に立派になってきました。
これは、最新の情報で大きく変わったと言う話ではなくて、真剣に見れば最初から明らかだったのですが、本仔の駐立姿勢を見ると、肩と繋ぎの角度が緩やかで、胸が深く立派な腹袋を有しています。背中は短くて、所謂、長躯短背なスタイルです。トモの面積がもう少し大きいと理想的なのですが、これは3月生まれの分も含めて今後の成長に期待したいところです。サイズ感こそ小ぶりですが、全体的なバランスは相当高いと、改めて評価をしています。

■厩舎
ライトリーチューン以来、5年ぶりの牧厩舎への預託馬となりました。厩舎リーディングでは2018年こそ成績を落としましたが、それを除けば安定して40位前後をキープしており、関東では信頼の出来る厩舎であると、個人的に評価をしています。牧厩舎の特徴的なこととして、鞍上には自厩舎所属の木幡(巧)騎手を徹底的に乗せ続けていることが上げられます。恐らく、「自厩舎の馬には良くわかっている鞍上を載せるのが一番」と言う、強い信念があるものと想像します。もちろん、面倒を見ている若手を育てようと言う見識もあると思いますし、それが判るだけに木幡騎手も自厩舎の馬では特に成績を残しています。職人気質な雰囲気は感じますが、木幡(巧)騎手を絶対に受け付けないと言う縛りでもない限り、安心して任せられる厩舎だと思います。

■価格
1600万円で募集されました。これは昨年のムニラーの2017と同額ですが、種付け料が大幅に上昇していることを考えれば、リーズナブルな募集価格になった気がします。恐らくこれは、牝馬であることと、馬格の小ささが割り引かれたものと考えて良いでしょう。

■総評
本仔については、馬格の小ささとスクリーンヒーローの牝馬であることを如何に評価するかで判断が変わってくると思います。そして、この2つは様子見をすることで、ある程度の見極めが出来ると考えています。入厩まで満口になる可能性は無いと思いますので、ここはじっくりと成長を見極めて行きたいと考えています。個人的には今年の出資候補馬の筆頭と言えるかもしれません。

1814.アースグリーンの2018

■血統・配合・牝系
リスペクトアース,ピオレドールの半妹です。母アースグリーンを含めて何れもグリーンファームの所属馬でした。血統・牝系・配合などについてはこちらを参照して下さい。

1つ配合に関して補足をすると、本仔のポイントは母方のMr.Prospectorクロスで、これがラッキーライラックと共通である旨、これまでも指摘をしてきましたが、最近の配合評価の中でオルフェーヴルに対して重要なのはMr.ProspectorよりもSadler’s Wellsであることが明らかになってきました。そして、件のラッキーライラックもこのSadlre’s Wellsの血を有しています。Mr.Prospectorの血が有用であることは間違いないのですが、それだけでは十分で無いことは留意をしておきたいと思います。

■馬体
首の太さが目立つ他は標準的なスタイルなのですが、何よりも気になるのは馬格です。2月生まれにも関わらず線の細い印象で、9/6付けの馬体重は430Kgまで増加しましたが、デビュー時の予測体重は438Kg止まりです。一般に、牝馬で438Kgならば懸念する材料では無いのですが、オルフェーヴル産駒としては「馬体重があるほど走る(馬体重のない馬は走らない)」の傾向性があるため、この馬格の無さは相当な懸念材料と言わざるを得ません。また、目つきが若干悪い所も気になります。

■厩舎
もはや何も言うことはありません。なんとかこの牝系を他の厩舎に回してもらうことは出来ないものでしょうか…。

■価格
募集価格は1400万円となりました。オルフェーヴル産駒としては大分価格が落ち着いてきた印象です。一方でプレミアム値は-264のディスカウントクラスとなりました。ここで、非社台系生産馬でディスカウントクラスの牝馬は絶望的に走っていないデータがあることから、馬格の無さも含めてリスクがあると考えておいた方が良いでしょう。

■総評
オルフェーヴル産駒ながら配合的な妙味のある仔馬なのですが、悪い想像は当たるもので、結局は件の厩舎に預託されてしまいました。この時点で、自分的には出資候補から完全に外れています。

1815.クーデンビーチの2018

■血統・配合・牝系
400Kgそこそこの小さな馬体で5勝を上げる活躍をしたサザナミの半妹です。血統・配合・牝系についてはこちらの第一印象を参照して下さい。

ちなみに第一印象の中で触れた全姉グレースベイのその後ですが、最高着順が3着で補正タイムも「96」まで出ましたが、結局未勝利のまま中央引退となりました。只、芝で4走した内の3走が重馬場だったことは、運が無かったと思います。

■馬体
グレースベイの募集写真を見ることが出来たので、これと比較して見たのですが、第一印象は姉妹だけあって良く似ています。只、全体的な作りは本仔の方がゆったりしており、比較して良い様に映ります。特に、グレースベイは繋ぎの角度が急だったのですが、本仔はそこまで立った繋ぎはしていません。毛色も栗毛と鹿毛の違いがあることからも、受け継いだ形質はそれなりに違うと考えて良いと思います。
ちなみに、半姉サザナミとは相当違った印象を受けます。デビュー時の予想体重は472Kgと出ており、これだけでもサザナミとは全く異なるサイズ感です。

■厩舎
個人的に注目していた預託先厩舎は伊藤大士厩舎に決まりました。調教師リーディングは毎年100位以下を彷徨っている状況です。厩舎を重要視する自分的には水準に達しないレベルとなります。グリーンファームからはシングシングシングやルーチェミラコロなどの転厩馬の受け入れ先となっていますが、最初から預託されたルコンセールの育成では傍目に疑問点が多く、気性面の課題も克服できない状況でした。やはり評価は下げざるを得ないと思います。また、低ランク厩舎らしく、起用騎手のレベルもイマイチ冴えるものがありません。

■価格
牝馬で1400万円と言う価格設定はヴィクトワールピサ産駒としては意外に高いプライシングになったと思います。プレミアム値は-64とほぼ中央で、カテゴリーはノーマルクラスとなりました。残念ながら、社台系生産馬でノーマルクラスの馬は成績が伸びない傾向がありますので、本仔についても注意を払う必要があります。特に様子見をするなかではスピード能力の見極めと、トラック適性を見極めておきたいところです。

■総評
一口馬主として最初の出資馬がサザナミだった自分としては、半妹の本仔にも是非とも出資したいと考えています。そう言う事情もあることから、曇った眼鏡で本仔の評価をしないように自分を戒めてきたのですが、それでも素直に評価して馬体は水準以上のものがあると思っています。
そういう意味では、預託先厩舎が本当に残念でなりません。出来ることなら、半姉ホウオウマリリンを管理した経緯から奥村武厩舎に預託して貰えていたら、即出資を判断しても良いレベルだったのですが…。
最後に、本仔のファミリーナンバーは今年の募集馬では唯一の2号族です。この2号族とグリーンファームの相性は驚異的なものがありますので、オカルトながら出資への背中を押す情報になります。

1816.デザートオブムーンの2018

■血統・配合・牝系
本仔の母デザートオブムーンはグリーンファームの所属馬で、ダートで3勝を上げる成績を残しています。血統・配合・牝系についてはこちらの第一印象を参照して下さい。

■馬体
肩と繋ぎの角度が急で重苦しさは残りますが、短い脚と太くて短い首を含めて明らかに短距離に適性のある馬体をしています。背中が短い所は好印象で、特にトモの面積が素晴らしいと思います。これから筋肉が付いて行ったときに何処までの馬体になるのか、楽しみになります。只、これは言い換えれば現時点で筋肉の成長が顕著ではないことを意味しています。本仔は2月生まれですので、もう少し筋肉が見え来ていても良い様に思います。現在の馬体重は460Kgでデビュー時の予想体重は464Kgで、サイズ感は既に収束している状況です。
血統的に、トラック適性はダートだと思いますが、繋ぎの長さを見ると芝でも走れそうな気もします。この辺りはスピード能力に掛かって来ますので、様子見しつつスピードの有無をチェックして行きたいところです。

■厩舎
1年ブランクが空きましたが、再び奥村武厩舎への預託が行われました。奥村武厩舎とグリーンファームの相性としては、フォーチュンリング、アルジェンタータの2頭が本当に惜しい所で勝ち上がれなかったワケですが、出資者であった自分の感想としては、レース選択に不満は無く、むしろ良く考えられていて好感が持てました。
2019年は急激に成績を落としていますが、前年はリーディング30位台であり、着実に美浦の上位厩舎となっています。個人的に安心して任せられる厩舎と認識していますので、今後もグリーンファームとの間で良好な関係が築かれることを願っています。

■価格
募集価格は1400万円になりました。牝馬で短距離ダート適性になる可能性が高いと考えれば、この募集価格には若干高目の印象を受けるのですが、それだけ馬体の出来が良いと言うことかもしれません。プレミアム値は86でノーマルクラスとなりました。社台ファーム生産のノーマルクラスの馬は走らないと言うジンクスがありますから、今後の成長を注視して行く必要があると思います。もっとも、同じくオカルト要素として本仔は左後一白ですから、個人的には評価が高くなります。

■総評
まだ緩いので身が入ってくるまで様子見が必須な仔馬ですが、トモの面積からして身が入った時の破壊力には相当なものがあるように夢想しています。またそのときに、芝で走れるだけのスピードがあるかも要注目です。

1817.レースウィングの2018

■血統・配合・牝系
今年のノーザンファーム生産馬の中の1頭で、グリーンファームの過去の所属馬との縁故関係は見当たらない仔馬です。血統・配合・牝系についてはこちらの第一印象を参照して下さい。母レースウィングは高齢出産ですが、自身は5勝を上げた準オープン馬です。

■馬体
繋ぎの角度は普通ですが、何よりも肩の角度が立っているところが気になります。これだけ角度が急になると前肢の動きに重苦しさが出てしまいます。ルーラシップ産駒らしく脚が長い所は良いのですが、筋肉の発達はまだ見えていません。これは4月生まれと言う点も影響しているものと思います。現在の馬体重は461Kgで、デビュー時の予想体重は482Kgと出ています。

■厩舎
預託先は尾関厩舎となりました。尾関厩舎は今年こそ成績が伸び悩んでいますが、基本的にはリーディング上位30位前後をキープしている厩舎です。グリーンファームから継続的に預託馬のある美浦の厩舎としては、間違いなくトップと認識して良いでしょう。自分は出資馬がお世話になったことが無いのですが、傍から見ている限り、安定した厩舎運営をされている様に思います。関東では希少な安定して任せられる厩舎であると認識しています。

■価格
母と兄姉の成績からすれば、1400万円の募集価格は割安と言ってよいのですが、これは高齢出産な部分が割り引かれていると考えるのが妥当でしょう。プレミアム値は-64でノーマルクラスとなります。プレミアム度からみると活躍が期待できるクラスには入っていません。

■総評
自分的には高齢出産は気にしていないのですが、全体にメリハリのない体の方は気になります。今後、様子見をして行く中では、筋肉の発達を見守って行きたいと思います。そして、もう1つの問題が切り立った肩の角度。この体型のままでは距離がもたない可能性が出てきます。スラリとした脚長からすれば、中距離以上の芝を走らせたいところですが、現状ではバランスを欠いた状況になってしまっています。

1818.ノーブルリーズンの2018

■血統・配合・牝系
父は新種牡馬のアジアエクスプレスで、今年のノーザンファーム生産馬の中の1頭です。グリーンファームの過去の所属馬との縁故関係は見当たりません。血統・配合・牝系についてはこちらの第一印象を参照して下さい。

■馬体
肩と繋ぎの角度は寝ていて、重苦しさはありません。胴長で明らかな短足からは短距離適性であると考えられます。只、短距離を走るには筋肉の発達が今一歩です。4月生まれなので焦る必要はありませんが、それでも全体的に迫力が掛ける感じは否めません。現在の馬体重は436Kgで、デビュー時の予想体重は462Kgになります。まだまだ成長余地が大きいことになります。なお、目つきがやや冷徹な印象を受けるところは気になります。

■厩舎
高柳瑞樹厩舎への預託が決まっています。2017~2018に掛けて調教師リーディングが90位台まで落ち込みましたが、今年は春先の好調もあって60位台まで回復してきています。グリーンファームからの預託馬がコンスタントに続いている厩舎ですが、個人的にはNGに一歩手前で評価はしていません。レーヌジャルダンがお世話になっていますが、レース選択に工夫が見られず、厩舎力と言うものを感じることがありません。

ちなみに、ノーザンファーム生産馬→高柳瑞樹厩舎の組み合わせは、本仔で年連続になります。流石に偶然とはいえかんがえ難く、牧場側の意向と言うのも存在するのかも知れません。

■価格
募集価格は1000万円でした。安価であることは間違いありませんが、プレミアム値は-124のノーマルクラスですので、必ずしも割安なワケではありません。非社台系の新種牡馬と言うことであれば、これ位が妥当な価格と言うことになります。

■総評
馬体のバランスは悪くないのですが、まだまだ馬が幼くて、今後の成長を見守る必要があります。本仔のポイントは父アジアエクスプレスで、これを如何の様に評価するかで出資判断も変わってくると思います。アジアエクスプレスの父であるヘニーヒューズは産駒デビューの初年度から高い勝ち上がり率を残しており、同様の活躍はアジアエクスプレスにも期待されるところです。只、個人的には厩舎がマイナス評価ですので、ここから目を見張るほど馬が変わってこない限り、出資の対象にはならないと思います。


以上、なんとか全頭評価を書き上げたところで、現在の自分の有力出資候補は以下の通りとなっています。

◎ アイアムルビーの2018
○ オールドパサデナの2018
▲ スルーレートの2018
× クーデンビーチの2018
△ デザートオブムーンの2018
穴 アースサウンドの2018

なんだか、当初の順位付けとは随分変わってしまいました。😅

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