2019年グリーンFから募集して欲しい仔馬③

2019年度グリーンFから募集して欲しい仔馬の3回目です。(一覧はこちら

第1回~第2回とロードカナロア産駒を続けて選んできましたが、今回は同年度に種牡馬デビューしたオルフェーヴル産駒をピックアップします。当りハズレの大きいことから、種牡馬としての人気はロードカナロアに水を空けられてしまいましたが、それでも初年度からGⅠ馬×2頭を輩出した様に、一発の魅力の大きい種牡馬です。


No3:アースグリーンの2018

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :オルフェーヴル
母父 :Street Cry(IRE)
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :4号族
誕生日:2018/02/10
生産 :那須野牧場

2.牝系情報

母アースグリーンはグリーンファームの外車シリーズとして購入された外国産馬でしたが、骨折もあって僅か3走のみで引退をすることになりました。引退後は繁殖に上がり、若い母馬として産駒を排出していますが、その内のリスペクトアースとピオレドールの2頭がグリーンファームから募集され、何れも勝ち上がりを果たしています。特に雄大な馬格を誇るリスペクトアースはラジオNikkei杯・京都2歳S(GⅢ)で2着、共同通信杯(GⅢ)で4着を記録し、皐月賞(GⅠ)への出走を果たしましています。なお、これまでのアースグリーンの産駒は何れも牡馬であり、牝馬は本仔が初めてとなります。

3.種牡馬

3冠馬オルフェーヴルは大いなる期待の下に種牡馬生活に入り、多数の優れた繁殖牝馬を集めました。その初年度産駒の中からラッキーライラックとエポカドーロの2頭のGⅠ馬を輩出したことは流石とも言えるのですが、平均的な産駒の成績となると正直言って芳しいものではりませんでした。所謂、ホームランか三振かの極端な種牡馬であり、その主たる要因は馬格の小さな仔が多いことと、晩成傾向の仔が多いことに拠るものと考えられます。それもあってか、600万円でスタートした種付料は2019年度では400万円まで下がっています。もっとも、産駒が走らない原因が明らかになってきたことから、今後は配合を工夫することで、打率が改善する可能性は十分にあると考えられます。当れば大きな種牡馬であることは確かであり、打率を上げる処方箋さえ明らかになれば、優れた種牡馬に化ける可能性は十分にあると考えられます。

4.血統配合

前述の通り、オルフェーヴル産駒は打率の低さに問題がありますので、頭数を絞った一口馬主の出資対象としては正直言って選びにくいのですが、それでも本仔を募集期待馬シリーズの3番手に採り上げたのは、その血統配合の魅力によるものです。

まず、オルフェーヴルの代表産駒であるラッキーライラックとエポカドーロの共通点として有名な配合パターンとしては、母系にMr.Prospector+BoldRuller+Princequilloの血を有する非サンデー系牝馬であることが挙げられますが、アースグリーンの2018はこの条件を満たしています。特に、特徴的なことは母系内にMr.Prosectorのクロスを有している点であり、これはラッキーライラックと共通の血統構成になります。

次にもう一つの特徴として、アースグリーンはNortanDancerの血を有していません。これに関して、オルフェーヴル産駒で5代血統表の母系にNorthanDancerを有する産駒と持たない産駒の勝ち上がり率を比較すると、有する産駒の勝ち上がり率が19.9%に対して、持たない産駒の勝ち上がり率は28.8%となり、両者には明確な差異のあることが判ります。但し、エポカドーロは母系にNorthanDancerを有していることから、絶対的にこれがNGと言うワケでもありません。しかし、安定的な活躍を出資馬に期待するのであれば、押さえておきたいデータと言えるでしょう。

最後にもう一つ、オルフェーヴル産駒は栗毛の馬の成績が他の毛色の馬よりも優れていると言うデータがあります。2/26現在、栗毛の産駒は100頭出走して29頭が勝ち上がっており、勝ち上がり率は29.0%。これに対し、その他の毛色の産駒は138頭出走して勝ち上がった馬は30頭で、勝ち上がり率は21.7%。明らかに栗毛の産駒の成績が頭一つ抜けています。オカルトの類の様にも感じますが、「種牡馬と同じ毛色の産駒は成績が比較して良い」と言う分析があったと思うので、無視は出来ないデータかと思います。

5.予想価格(予測モデルは本稿を参照

価格:1500万円(基本価格:1000万円,本馬補正:+0万円,父系補正:+500万円,母馬補正:-200万円,兄姉補正:+200万円)

予想価格は1500万円と比較的リーズナブルな価格となりましたが、父の人気が下降気味であることを考慮すれば、割と良い線を突いている様な気がします。

6.まとめ

最後に一つネガティブな情報ですが、オルフェーヴル産駒の成績は牡馬の方が牝馬より優位であるというデータが存在します。しかし、それでも本仔を募集期待馬として選んだのは、その血統背景の魅力に依るものです。加えて、オルフェーヴル産駒は馬格の小さな仔が多いのに対して、半兄リスペクトアースの様な雄大な馬格に育ってくれることを期待すれば、それだけで本仔への期待感は大きく膨らむものと思います。


【2019/3/2 追記】

毛色と勝ち上がり率の関係を示す数値について、地方競馬の勝利が含まれていたため、中央競馬のみの集計に修正しました。

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