Amazon Echo Dot を買った話

少し前の話ですが、AIスピーカーなるものを購入しましたので、今回はそのレビューを書いてみたいと思います。

まず、AIスピーカーと呼ばれる商品は、Google, Amazon, LINEなどネット系企業を主体に、幾つかの種類が発売されているのですが、自分が購入したのはAmazonが販売する「Echo Dot」と言う製品になります。定価5980円のところを、アマゾンの夏季セールの際に2980円で購入しました。AIスピーカーとしては最も安価な価格帯の製品になります。

なお、Amazonからは「Echo Dot」に加えて「Echo」「Echo Plus」の計3種が販売されています。「Echo Dot」はその廉価版の位置づけですが、核となる機能に大差はありません。取り敢えずAIスピーカーなるものを体験することが目的であれば、「Echo Dot」を使ってみれば充分です。ちなみに、Amazonの製品は定期的にセールが行われますので、急ぎでないならば待ってみるのも一考です。

さて、AIスピーカーなる物で一体何が出来るのか、そもそもそこが良く判りませんでした。AIと称する以上はインテリジェントな動作をする筈ですし、スピーカーですから音が出る物でしょう。一方で、テレビや照明を音声で操作する様なデモを見かけたりですが、それがAIスピーカーとどの様に関係するのか不明でした。
「なんとなく色々なことが出来そうな気がする」代物なワケですが、実際に触れてみて機能概要がようやく把握できました。取り合えず主たる動作・機能をまとめてると次のような感じになります。

1.家庭内のWifiを介してネットワークに常時接続する機能。
2.ニュースや天気予報などの情報を音声で読み上げる機能。
3.Amazon Primeの会員ならば追加料金なしでAmazon Musicの音楽を聴取可能。
4.より多くの音楽を聴くためにはAmazon Music Unlimitedへの加入が必要。(有料)
5.クイズ、交通情報、料理レシピ、などの情報を読み上げる機能。
6.タイマー、目覚まし時計、等の時計に類する機能。
7.家電の操作には、スマート家電コントローラと呼ばれる製品が別途必要。

まず、スピーカーから出力する情報やデータはインターネットから入手する必要があり、その為には「Echo Dot」をインターネットに接続する必要があります。そのセットアップをする為に、スマホに専用アプリをインストールする必要があるのですが、この一連の初期設定の流れは正直言って判り難いです。自分の場合は一般の方よりもコンピューターリテラシーが高い属性だと思うのですが、予備知識なしで設定に臨んだ結果、少々戸惑いを覚えました。機械の設定にあまり自信の無い方は、予めネットで設定の流れを調べて置くと良いかもしれません。

なんとか初期設定を完了出来れば、ニュース・天気予報・タイマーなどの機能は無料で使うことが出来る様になります。一方で、音楽に関しては著作権の問題から流石に無料とは行きません。只、Amazonのヘビーユーザーである自分の場合は、既にAmazon Primeの有料会員でしたので、Amazon Musicは追加料金無しで利用することが可能でした。Amazon Musicは登録曲数が限定的(100万曲)で、新しい曲はあまり無いのですが、反対に80年代~90年代の古い曲は手厚いので、自分の様なオヤジには案外これでも充分だったりします。例えば、「松田聖子の曲をかけて」と指示すれば、松田聖子のプレイリストからランダムに曲を流してくれます。

一方で「ユーミンの曲をかけて」と指示をしても、「松任谷由美さんの楽曲はAmazon Musiceにはありません。Amazon Music Unlimitedに加入することで聴取可能になります。」みたいな返事が返されてしまいます。この様に、より多くの曲(4000万曲)を聴くためにはAmazon Music Unlimitedへの加入が必要であり、これには月額980円が必要になります。ちなみに、Amazon Primeの会員であれば月額780円にディスカウントされます。また、Amazon Echoからの使用に限定したコースならば月額380円で利用可能ですが、この場合はスマホやPCから曲を聴くことは出来ません。

一ヶ月間は無料で試せると言うことなので、取り敢えずAmazon Music Unlimitedに加入してみたところ、確かに再生可能な曲の数は増えました。しかし、最新のヒット曲が漏れなくカバーされている訳ではありません。曲数が40倍に増えただけの変化は感じられませんでした。実際に、ユーミンの曲は流れる様になりましたが、曲数は僅か3曲しかありませんでした。
恐らくこれに関しては、好みの音楽のジャンルによって有用性が違ってくる可能性があります。洋楽中心に聞く方にとっては曲数の増加が顕著でも、邦楽中心の方にはメリットが小さいのかもしれません。

そう言う意味では、Amazon Music Unlimited以外の邦楽に強い音楽配信サービスを使用すると言った選択肢もあり得ます。ちなみに、Amazon Echoは「dヒッツ」「うたパス」と言った音楽配信サービスにも対応していますので、それらを検討するのもアリでしょう。

なお、音楽を聴くことをメインに考えるならば、Echo Dot付属のスピーカーでは流石に貧弱です。Echo Plusの様な上のクラスの製品になると音質は確実に上がる様ですが、EchoシリーズはBlueToothを内蔵していますので、BlueToothスピーカーを購入してEcho Dotに接続する方が、コストパフォーマンスが高いと思います。この場合は、スピーカーだけ風呂場に持って行くと言った活用も可能になります。例えば安価な物では↓こんなのが良さそう。
http://kakaku.com/item/J0000027480/

最後にテレビやエアコンの操作をAmazon Echoを用いて音声で行う方法ですが、これには電気製品が特定のIOT対応機器ではない限り、別途、スマート家電コントローラと総称される機器を導入する必要があります。例えば安価な物では↓コレ。
http://kakaku.com/item/K0001042099/

これらは元々、スマホを各種リモコンの代わりに使用するための機器ですが、これとAmazon Echoをネットワーク接続することで、Amazon Echoが音声命令をを解釈し、動作をスマート家電コントローラに指示することで、テレビやエアコンの音声操作が可能になります。只、現状では家電側の対応が不十分なこともあって、使用上の制約が多く、過度な期待はしない方が良さそうです。これに関しては必要なコストが実現可能な機能に見合う物か、十分に評価する必要があると思います。

さて、AIスピーカーのAIとは何なのでしょうか?もちろんAI=人工知能ですが、Amazon Echoには学習やフィードバックによって進化する機能はありません。基本的には「賢い音声認識装置」の位置づけなので、AIを称するにはちょっと大仰な気もします。只、我が家の音声認識装置として最も使用しているのが愛車のカーナビなのですが、この音声認識能力があまりに「わからんちん」なのに対し、Echoの認識能力は比較にならないほど優秀です。この音声認識能力の進化を体験するだけでも、Echoを使ってみる価値はあるかもしれません。

ところで、Amazon Echoを使用する為には、「アレクサ(Alexa)」と接頭詞を付けて指示を始める必要があります。例えば、天気予報を知りたいなら「アレクサ、今日の天気を教えて」みたいに話しかけることになります。この”機械に話しかける”と言う非人間的な行為が最初はなんだかバカっぽいと言うか、こっ恥ずかしい感じを覚えたのですが、不思議なまでに使っている内に慣れてくる自分が居ることに気付きました。この感覚だけは、実際に使ってみないと判らないと思います。なんとなく未来的と言うか、機械と人間の関係性が変わってゆく様な、新時代の感覚が味わえるかもしれません。

最後に、製品に対する個人的な評価としては、「興味があったら試してみては如何でしょう」のレベルです。決して「騙されたと思って使って見ることを勧めます」のレベルではありません。只、個人的にはもう少し使い倒してみたいと思うので、BlueTootスピーカの導入も検討しています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする