2023年グリーンFから募集して欲しい仔馬③

2023年にグリーンFから募集して欲しい仔馬をピックアップするシリーズの最終回です。今回は「募集可能性は低いながら、ワンチャン期待したい魅力のある仔馬」をピックアップしました。(第1回はこちら) (第2回はこちら)

No1:シルバーフォーの2022

父  :シルバーステート
母父 :Majesticperfection
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年4月7日
母年齢:8歳(4番仔)
生産 :新井昭二

母シルバーフォーは米国からの輸入競争馬で、那須野牧場が馬主として走らせましたが、3連続2桁着順で登録を抹消。繁殖入りした後、2番仔のアリアージュがグリーンFの特別提供馬として募集されました。しかし、そのアリアージュも中央4走して2桁着順が3回と振るわず、こちらも早々に抹消されています。

この様に、未だ中央での勝利の無いシルバーフォー産駒ですが、3番仔のマジックオブラブは北海道サマーセールで420万円で落札されると、先日、大井競馬で見事な新馬勝ちを飾っています。このことからも、シルバーフォーの繁殖能力を見限るのは早計と言えるでしょう。

本仔はシルバーフォーの4番仔ですが、父がシルバーステートに変わるところに魅力を感じます。シルバーステートは自身が重賞未勝利ながら若くして故障引退し種牡馬入りしたワケですが、5戦4勝の成績は種牡馬入りするには十分魅力的な成績です。実際、繁殖牝馬の質に恵まれない中で、ウォーターナビレラ・エエヤンと言った芝の重賞勝馬を産出しています。今年のAEIは1.3を超えていますし、特に牡馬の成績が優れる点は本馬と合致するものです。

以上の様に、詳細を見ると魅力の多い本仔ですが、外面的なスペックは母と兄姉が中央未勝利の馬であり、セリに上市しても評価は得られ難いと思われます。それならば、グリーンFに卸して貰えれば、1200万円以上で募集出来ますので遥かに利があるものと思います。

そして、秘かに自分が期待しているのが、本仔が今年の「グリーンF特別提供馬」として募集されることです。グリーンFの特別提供馬は馬代金無償とは思えないほど良質な馬が提供されることで知られていますし、エイシンバンバの様に同じ母馬から複数の特別提供馬が出た例もあります。さらに、牝馬よりも牡馬の方が多い傾向もあり、これらは本仔のスペックに合致しています。

もし本仔が特別提供馬として募集された場合には、今年も先行申し込みが避けられない状況になりそうです。

No2:アサクサティアラの2022

父  :ルーラーシップ
母父 :ディープインパクト
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年1月25日
母年齢:12歳(5番仔)
生産 :社台ファーム白老

本仔についてはグリーンFとの関係性が強固とは言えないのですが、1つ上の半姉ダズリングティアラがグリーンFから募集されています。

本仔の叔父ファイングレインが高松宮記念(G1)を制した牝系で、母アサクサティアラ自身も3勝を上げましたが、現状で産駒から中央勝ち馬は出ていません。本仔はその5番仔になります。

スペック的には目立った血統背景と言えませんが、ルーラーシップ+ディープインパクトの配合に妙味を感じます。この組み合わせからはキセキが出ていますし、牝馬としても昨年の阪神JFで3着に入ったドゥアイズが同配合になります。

正直、本仔がグリーンFから募集される可能性は低い様に思うのですが、当たりが出るならそろそろな頃合いですし、もし募集してくれたらちょっとしたサプライズです。

No3:ペディクラリスの2022

父  :マインドユアビスケッツ
母父 :サンデーサイレンス
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
誕生日:2022年4月10日
母年齢:19歳(11番仔)
生産 :社台ファーム

マチカドベニザクラから連なる優良牝系で、本仔の叔父に中京記念(G3)を制したマチカネオーラがいます。母ペディクラリス自身も中央で4勝を上げ、TKC女王杯(Jpn3)で3着に入る成績を残しました。グリーンFとの関係では、本仔の2つ上の半姉シルヴァティカがクラブ所属馬になります。

縁故関係の強さから見れば、本仔がグリーンFから募集される可能性は低く、実際、本仔の1つ上はセレクトセールに上市され、1億1000万円で落札されています。只、募集の可能性がワンチャンあると考えているのは本仔が牝馬である点です。ペディクラリスの産駒は牡馬に偏重しており、これまでの唯一の牝馬がグリーンF所属のシルヴァティカです。

社台Fからすれば、この優良牝系を簡単に手放すとは考え難く、将来的に牧場に戻せる提携クラブに卸す可能性は高いものと想像できます。しかし、高齢出産馬と言うマイナス面もあって、本家筋からの募集は難しく、アウトレットのグリーンFに回って来ると言うストーリーには一定の信憑性があるかもしれません。

自分が本仔をグリーンFから募集して欲しいと願う理由は父マインドユアビスケッツにあります。実はグリーンFに縁故の有る2022年度生産馬の中にマインドユアビスケッツ産駒は5頭も存在したのですが、内4頭は他のクラブに卸されたことが確認できています。残された最後の希望がこのペディクラリスの2022であり、少なくとも1頭はグリーンFにも回して欲しいところです。

No4:シュテルンターラーの2022

父  :レイデオロ
母父 :ネオユニヴァース
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年5月5日
母年齢:15歳(8番仔)
生産 :社台ファーム

母シュテルンターラーは元グリーンF所属馬で、中央4勝を上げた活躍馬です。さらに、その2つ下のシュテルングランツもクラブ所属馬で、中央5勝を上げた後にファンドが解散されましたが、後のオーナーの手によって大井・東京記念競走で地方重賞を制覇。その勢いでJBCクラッシック(Jpn1)への出走も果たしました。

母シュテルンターラーを含めて、本仔の近親には5頭ものグリーンF所属馬が存在しており、クラブとの縁故性の非常に高い牝系なのですが、シュテルンターラーの2番仔グヴィアズダを最後にグリーンFからの募集が途絶えています。

この募集が途絶えた原因の一つが「シュテルンターラーの仔出しが悪いこと」で、グヴィアズダ以降で3頭が競走馬登録をされていません。何れにしても、本牝系を社台Fに残すことを考えると、レイデオロを配合した本仔を残すことは十分に考えられる施策であり、その場合は本家よりもグリーンFに近いこの血統がクラブに卸される蓋然性は高そうです。

最大の問題はシュテルンターラーの仔出しが悪い点で、本仔が無事に競争馬になれるレベルの仔馬であれば、グリーンFから募集して貰えそうな気がします。

No5:ジャストザマリンの2022

父  :ルヴァンスレーヴ
母父 :ディープブリランテ
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2022年2月27日
母年齢:8歳(3番仔)
生産 :那須野

グリーンFから募集される定番牝系の1つにファストアズライトの牝系があるのですが、今年はラヴアズギフトに産駒が無いことから、そこからの募集が期待できません。来年以降はファストアズエバーとグランマリアージュが代替わりしてくれるので、安定供給が約束されるのですが、今年に限っては空白が生じる可能性が高そうです。

そこで、この空白を何とか埋める候補として、ジャストザマリンの2022をピックアップします。ジャストザマリンはラヴアズギフトの3番仔で、新馬勝ちを収めた後、フェアリーS(G3)で4着に入る期待馬でした。しかし、(恐らく故障があった模様ですが)その後の成績が伸び悩んでしまい、4歳で引退して繁殖生活に入りました。ちなみに、ジャストザマリンは昨年の繁殖牝馬セールに上市されたのですが、直前で取り下げになった経緯があり、母馬の所有者は那須野牧場が継続しています。

本仔はジャストザマリンの3番仔で、その魅力は父がルヴァンスレーヴである点です。ルヴァンスレーヴについては、前回、エレンシアの2022で触れましたので詳細は繰り返しませんが、その競争実績から種牡馬としてのポテンシャルは非常に高いと考えています。

エレンシアの2022かジャストザマリンの2022、何れかでもグリーンFから募集されることを期待しています。

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