今年グリーンFから募集して欲しい仔馬 ④

今年グリーンファームから募集されることを切に願う、クラブ所縁の仔馬をリストアップするシリーズの4回目です。(一覧はこちら
今回ピックアップするのは、初年度産駒が思うように活躍せず、種牡馬としての価値が危ぶまれた所から、昨年は一転して活躍馬を量産して、一気にその潜在能力を開花させた、ハービンジャーの産駒になります。


No4.シュテルンターラーの2017

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :ハービンジャー
母父 :ネオユニヴァース
性別 :牡馬
毛色 :芦毛
FN :27号族
誕生日:2017/04/10
生産 :社台ファーム

母シュテルンターラー(父:ネオユニヴァース)はグリーンファームから募集され、準オープンまで進んだ活躍馬です。また、本仔の叔父シュテルングランツ(父:ステイゴールド・7歳現役)もグリーンファームから募集され、こちらは昨年オープン入りを果たしました。更に、半姉リトルペンタス(父:キングズベスト)と半兄グヴィアズダ(父:ワークフォース)もグリーンファームから募集されましたが、リトルペンタスについては体質的に虚弱であり、結局未出走のまま引退となってしまいました。一方、グヴィアズダの方は脚元に不安を抱えるものの、ここまで2走して掲示板を外していません。無事に走り続けることが出来るならば、勝ち上がりの目途は立った様に思われます。

父ハービンジャーは初年度産駒こそ高い期待に応えるまでの成績を残すことが出来ませんでしたが、繁殖・育成が進むにつ入れてツボが判ってきたのか、確実に産駒の成績が上がって来ています。昨年は秋華賞馬ディアドラの他、ペルシアンナイト、モズカッチャンのGⅠ馬3頭を輩出しており、一気に成績がブレイクしています。この産駒の成績を受けて、一度は250万円まで下がっていた種付け料も、2018年度は350万円に増額されています。非サンデー系種牡馬として使い勝手が良い上に、これほどの成績が残せるのであれば、今後の種付け料は更に上がってゆくことが予想されます。

2.牝系情報

本仔の大叔母にあたる Flaps Up の半弟に、エクリプス賞最優秀2歳牡馬を獲得し、米国で重賞を8勝した、Fly So Free がいる牝系です。一方、近親で目立つ活躍馬は母シュテルンターラ(4勝)と叔父シュテルングランツ(5勝)くらいで、何れもグリーンファームに所属した馬になります。勝ち上がり率は平均的に良好な牝系ですが、何故だかグリーンファームとの相性が良い牝系です。
また、本仔の兄姉については、初仔のリトルペンタスと2番仔のグヴィアズダもグリーンファームから募集されています。3番仔には父キングカメハメハの牡馬が居るのですが、1歳セレクトセール上市の直前に取り消されてしまい、その後の行方は不明です。
ちなみに、ファミリーナンバーはマイナーな27号族です。絶対数が少ないこともあり、特徴的なところは良く判りません。

3.血統配合

前述した通り、ハービンジャー産駒の成績は年々上昇してきています。昨年はGⅠ馬を3頭輩出するまでに至りましたが、その配合ポイントは充分には見極められていません。それでも傾向的には母方にサンデーサイレンス、Mr Prospector、Nureyev(またはノーザンテースト)の全て、または最低でも2つを持つことが有効です。その点で、本仔はサンデーサイレンスとMr Prospectorの2つの血を有していますので、なんとかハードルをクリアしています。

ハービンジャー自身が晩成であったことと、初年度産駒にスピード不足の仔が目立ったことを考えると、「早熟傾向でスピードのある牝系はマッチするのではないか」とも考えられ、その点でも母シュテルンターラーは2歳新馬戦を勝利して、その後も短距離で活躍していますので、良い相性関係になるかもしれません。

4.予想価格(予測モデルは本稿を参照

1600万円(基本:1000万,牡牝補正:+200万,父補正:+300万,母補正:+200万,兄姉補正:-100万)

5.おわりに

まず、ハービンジャーの産駒は普通に「牝馬よりも牡馬が優勢」の傾向がありますので、牡馬に出た本仔の価値は高くなります。その上で、予想価格は1600万円と出ており、比較的値頃なプライシングになっています。本仔は種付け料が回復する前の産駒であることと、兄姉に実績がないことから、割引される要素が多く、最終的に安価な予想価格になっています。今後は価値が上がって行くであろうハービンジャーの牡馬がこの価格で募集されるならば、十分に薬指が動きますし、毛色が母と同じ芦毛であることも、芦毛フェチの心を掴むと思います。

【補足】
ハービンジャー産駒の1歳馬でグリーンファーム所縁の仔馬としては、本仔の他にもオルトリンデの2017(牝馬),チャイナドールの2017(牡馬)が見つかります。オルトリンデの2017は母と半姉がグリーンファーム所属馬でしたので、募集に掛かる可能性は比較的高いのですが、兄姉に体質的に弱い仔が目立つことと、牝馬であること、更に血統構成を評価して、シュテルンターラの2017よりも評価を落としました。
また、チャイナドールの2017については、牡馬である上にG1馬アーネストリーを出した優れた牝系になります。3つ上の全姉チャイナドレスは未勝利に終わったものの、4戦して3着×2回と内容的には惜しいものであり、スペック的には3頭の中で頭一つ抜けていると言えます。但し、グリーンファームとの縁故関係が半兄エンペラーズベストの1頭のみと希薄なため、募集に掛かる可能性は、最も低いと考えられます。一方で、母が高齢出産である点については、グリーンファームで募集され易い要素と言えます。

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