インゼルTCは出資を見送り

今月の24日に募集馬の先行受付期間を終了するインゼルTCですが、種々の検討を行った結果、出資は見送る判断となりました。以下、その事由をメモしておきます。

インゼルTCへの出資見送った最大の要因は出資をしたい馬に思う様に出資の出来ない可能性が高いことです。正直、クラブ設立のニュースを見たときに、実績の無いクラブがここまで人気することは想像できませんでした。

ちなみに、自分の検討結果で取り敢えず上位候補に選んだのは以下の3頭。

エレクトラレーンの20(父ハーツクライ)
スターズアンドクラウドの20(父ジャスタウェイ)
チカリータの20(父マインドユアビスケッツ)

そして、これらは何れも中間発表段階から抽選対象となっています。新たなクラブに支払う会費を考えたとき、500口募集馬に対し少なくとも3口を出資する前提でいましたが、如何もこれが難しそう状況です。..かと言って、自己評価が下の募集馬に数合わせで出資するのも嬉しくありません。

そして、もう1つ引っ掛かったのが、50口募集馬と500口募集馬の2カテゴリを用意して、その会員サービスに差をつけている点でした。これは運営側が「お客さんに対して差をつけることを是とする思想」であることを示しています。
優良顧客を優遇することは客商売としては理解できますが、それはお客さんには知られないように行うべきであって、あからさまに行うのことには違和感を感じずにいられません。結婚記念日に高級レストランに行った時に、シェフが常連風のお客さんとテーブルで長話をしていたりすると、あまり気持ちの良いものではありません。常連でも一見様でも同様にサービスをするお店の方が、自分は好ましく思います。

また、50口と500口の2カテゴリを用意する理由を経営的に考えてみても、あまり面白くない想像が成り立ちます。社台やサンデーの様な40口クラブは会費からの利益を求めず、馬の売却益で儲けるビジネスモデルであることが容易に判ります。そしてこの場合、会員数は少ない方が、事務運営費を縮減することが可能になります。

一方で、DMMバヌーシーの様な超小口クラブは馬の仕入れ価格差からの利益は求めず、会費収入を利益の源泉とするビジネスモデルと判断出来ます。この場合、事務作業の効率化に投資して固定費の削減を図ることで、スケールメリットによる利益が生み出せます。

それでは、インゼルの50口と500口の併用は何を意味しているのでしょう?これは穿った見方かもしれないのですが、500口会員からは会費による収入を求め、50口会員からは可処分所得の大きい富裕層の顧客を求めていることが想像されます。インゼルは牧場系クラブではありませんから、募集口数が捌けるならば50口でも500口でもクラブの収入は同じはずです。そこに敢えて差を付ける意図は、クラブ運営とは別の所にある様に思えます。

..言い換えれば、「運営上の固定費は500口会員を多数集めることで案分して貰う」と言う経営戦略とも考えられます。50口会員と500口会員では月会費に2980円と1980円の差が付けられていますが、全体の会員数の差を考えれば経費の負担率は500口会員の方が寧ろ大きい筈です。そう考えたとき、50口会員の方が500口会員よりもサービス面で優遇されることに、妥当性は見出せませんでした。

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