2020年グリーンF募集馬のフェデリコテシオ理論評価

8/12にはグリーンF募集馬の詳細が公開される模様です。本格的に検討が忙しくなる前に、微妙にオカルトネタを1つ片づけておきたいと思います。


1.ナスノシベリウスの2019

優先祖先 :FortinoⅡ
基礎体力値:32%

本仔の種付け年から父ハーツクライは劣勢期に入り、優先祖先は母系の深い階層まで遡ってFortinoⅡ。FortinoⅡの脚質を引き継ぐとすれば、本仔の適性は短距離となり、ハーツクライとは相当異なる脚質となる。一方で懸念材料は最低レベルに低調な基礎体力値。本仔の母系は総じて活性値が低く、特にこの年は母ナスノシベリウスの活性値がミニマムとなる点が大きくマイナスに寄与している。
参考として、全姉ナスノシンフォニーの基礎体力値も43%で低調。成績の割に数が使えていない点は、この基礎体力値の低さが影響しているのかもしれない。ちなみに優先祖先はUnbridled’sSongで、全姉妹ではあるが適正は異なりそうな印象。

2.ジャドールの2019

優先祖先 :Vice Regent
基礎体力値:51%

父ロードカナロアの活性値は2で劣勢期。優先祖先は活性値7の母系のVice Regentまで遡る。戦績は不明。一方で、基礎体力値は51%で平均レベル。フェデリコテシオ理論的には特段の妙味は見い出せない。ちなみに半兄スペラーレの基礎体力値は43%と低調であり、比較すれば本仔の方が上と評価されます。

3.アースサウンドの2019

優先祖先 :モーリス
基礎体力値:63%

父モーリスの活性値は7で、優先祖先もモーリスになる。父の脚質を引き継げば、適正は芝のマイル+α。基礎体力値も63%あって十分に高い。
父母間クロスを良しとしないフェデリコテシオ理論からすれば、直近5代に父母間クロスを有しない本仔の配合は好評価。特にサンデーサイレンスクロスを有しない点は意味があるはず。フェデリコテシオ理論的に妙味を感じる一頭。

4.サザナミの2019

優先祖先 :Green Desert
基礎体力値:56%

父ハービンジャーの活性値は4で劣勢。優先祖先は最大活性値8を持つ母系のGreen Desertで、適正は芝の短距離となる。基礎体力値も56%あって及第点レベル。本仔に母サザナミに似た適性を期待したいのであれば、条件的にはベストマッチと言える。
Danzig, Lyphard, NorthanDancerの3本ある父母間クロスが重たく見えるが、DanzigとLyphardの2本のクロスは活性値が低く無視することが出来る。

5.アースリヴィングの2019

優先祖先 :判断不能(母系側)
基礎体力値:52%

父ルーラーシップの活性度は3で劣勢期のため、少なくとも本仔は母系似となる。ここで、母系の種牡馬は総じて活性度が高く、特にYonaguskaとTabascoCatは活性度が7で日数計算でも差がありません。何れが優位なのか判断不能であり、優先祖先を確定することが出来ない。
基礎体力値は52%で標準レベルであるが、前年が空胎である点は加点評価できる。

6.シンギングセンセーションの2019

優先祖先 :シンギングセンセーション
基礎体力値:70%

父イスラボニータの活性値は7あるのだが、母系のコロナドズクエストが最大活性の8を有しており、これを上回ることが出来ない。従って本仔は母系似となり、優先祖先は母シンギングセンセーションとなる。シンギングセンセーション自身は競争実績がなく、脚質は不明。但し、半姉シングシングシングの優先祖先も同じくシンギングセンセーションであることから、適正はダートのマイル前後と推測される。
一方で基礎体力値が70%あって、これは極めて優秀なレベル。本仔の牝系は総じて活性値が高く、基礎体力値が高く出る傾向がある。これが本仔の兄姉が総じて元気に競争生活を続けていることに繋がっているのかもしれない。ちなみに、半兄アースゼウスの基礎体力値は65%と優秀であるが、本仔はそれをも上回っている。
Mr.Prospectorの父母間クロスを有する点については、イスラボニータの有するMr.Prospectorは0活性であり、クロスの悪影響は無視される。フェデリコテシオ理論的には相当な妙味を感じる募集馬。

7.ティアラトウショウの2019

優先祖先 :マイケイティーズ
基礎体力値:67%

父ドレフォンの活性値5に対し、母父アドマイヤムーンの活性値が8でこちらが優先。優先祖先はその母マイケイティーズになるが、競争実績が無く脚質は不明。一方で、基礎体力値は67%あって非常に優秀。
Mr.Prospectorの父母間クロスを有するが、父系のMr.Prospectorは活性値がギリギリ0で、悪影響を回避することが出来る。スペック的に華の無い募集馬ではあるが、フェデリコテシオ理論的には妙味が見出せる。

8.ウィズザフロウの2019

優先祖先 :オウケンブルースリ
基礎体力値:29%

父オウケンブルースリの活性値は5で、決して高い値ではないが、母系の牡馬の活性値がそれ以上に低いために、オウケンブルースリが優先祖先となる。オウケンブルースリから脚質を継承すれば、適正は芝の中~長距離。
一方で、問題は最低レベルの基礎体力値。29%は相当な不安材料であり、加えて脚質が中~長距離とすれば、スタミナ面で不安が生じる。本仔の基礎体力値の低さは母系の活性値の低さに起因するものであるが、参考までに本仔の叔母で重賞勝ち馬であるローブティサージュの基礎体力値は47%あり、本仔程は低い値ではない。
Mr.Prospectorの父母間クロスがを有するが、父系のMr.Prospectorは0活性であり、悪影響は回避される。

9.ネオヴィクトリアの2019

優先祖先 :Baldski
基礎体力値:48%

父リーチザクラウンの活性値は4で劣勢期。最大活性種牡馬は母系のBaldskiの8で、優先祖先もそのBaldskiである。Baldskiの脚質はダートのマイル~中距離。
一方で、基礎体力値は平均割れの48%。特に母ネオヴィクトリアの活性値が0であることが大きく影響している。但し、この活性値0と最大活性の8は紙一重であり、画一的に取り扱うことには一定の危険性を孕んでいる。もしネオヴィクトリアの活性値について最大活性の8が正解であったとすれば、基礎体力値は72%まで跳ね上がる。この辺りに付いては実馬を見て判断した方が良さそう。
サンデーサイレンスの父母間クロスについては、リーチザクラウンの持つサンデーサイレンスは0活性であることから懸念材料とはならない。

10.イブニングサンダーの2019

優先祖先 :イブニングサンダー
基礎体力値:44%

父イスラボニータの活性値は7あるのだが、母系のMorning Lineの活性値も7あって、日数計算でこちらの方が優勢。結果、本仔は母系似となり、優先祖先は母イブニングサンダー。イブニングサンダーに競争実績は無く脚質は不明のため、イブニングサンダー自身の優先祖先を探すとMorning Lineに辿り着く。Morning Lineの脚質はダートの短距離。
基礎体力値は44%と平均に至らず、これは懸念材料。一方で、Mr.Prospectorの父母間クロスについては、イスラボニータの持つMr.Prospectorは0活性であり、懸念材料とならない。

11.マキシマムドパリの2019

優先祖先 :Highest Honor
基礎体力値:41%

父ハービンジャーの活性値は4で劣勢期。最大活性種牡馬は活性値8を持つHighest Honorで、優先祖先もHighest Honor。Highest Honor はイスパーン賞(GⅠ・芝1850)に勝鞍があり、脚質は芝のマイル~中距離で、母の適性と合致する。
問題は基礎体力値が41%と低調であること。この低調な要因は3代母アドマイスの活性値が0活性となることにあるが、これは僅か数日の計算上の差でこの結果となっている。もしこれが最大活性の8であったとすれば、基礎体力値は65%にまで上昇するので、ここは柔軟に見ておく方が無難であると思われる。
なお、5代血統表上で父母間クロスを有しない点は好評価される。

12.オールドパサデナの2019

優先祖先 :Buckpasser
基礎体力値:63%

キングカメハメハのラストクロップとなる本仔だが、そのキングカメハメハの活性値はこの年から最低の1となってしまう。従って本仔は母系似となり、El Gran Senorを経て6世代目まで遡った、Buckpasserを優先祖先と見る。Buckpasserの適性はダートのマイル~中距離。
基礎体力値は63%で十分に高いが、この年から母オールドパサデナの活性値が1に下がっている点には留意したい。

13.ジェシカの2019

優先祖先 :トニービン
基礎体力値:57%

父リオンディーズの活性値は5。これに対し、母父トニービンの活性値は7でこちらが優勢。優先祖先もトニービンとなる。脚質は芝の中距離。基礎体力値は57%あって及第点。
サンデーサイレンスとNorthan Dancerの父母間クロスを有する点については、スペシャルウィーク経由のサンデーサイレンスが0活性、ダイナカール経由のノーザンテーストが0活性であることから、何れのクロスも弊害とは見なされない。
参考までに、活躍した半兄ジェシーの優先祖先は父エイシンフラッシュ。父系似の産駒であり、本仔とは傾向性が異なるものと考えられる。

14.ファニーストーリーの2019

優先祖先 :ファニーストーリー
基礎体力値:70%

父ドレフォンの活性値は5で、母系のRivermanの活性値6を下回る。優先祖先は母ファニーストーリーで、脚質はダートの短距離。これならば父の脚質とも合致するかもしれない。
基礎体力値は70%あって、極めて優秀。その要因は牝系の活性値が総じて高い点にあり、これならば兄姉の基礎体力値も総じて高くなる。参考までに、活躍した半兄スマートボムシェルの優先祖先は母母Ticket To Danceで、基礎体力値は72%とこれも優秀。
Mr.Prospectorの父母間クロスを有する点については、父系のMr.Prospectorが0活性であることから、懸念材料とはならない。

15.エレンシアの2019

優先祖先 :Soviet Moon
基礎体力値:54%

父ゼンノロブロイの活性値は2で劣勢期。優先祖先は母父ワークフォースを経由してSoviet Moonとなり、競争実績が無く脚質は不明。基礎体力値は54%で標準レベル。Mr.Prospectorの父母間クロスが残る点はマイナス評価。フェデリコテシオ理論的には妙味の薄い配合に見える。

16.ボーナスチャンスの2019

優先祖先 :Baya
基礎体力値:54%

父ジャスタウェイはこの年から劣勢期に入り活性値は1。一方で、母ボーナスチャンスの牝系も活性値が総じて低く、活性値が優勢になるのは6世代目のRivermanまで遡らなければならない。優先祖先は4世代目のBayaで、仏オークス2着の実績がある。脚質は芝のマイル~中距離。基礎体力値は標準レベル。5代血統表上に父母間クロスの無い点は好評価。

17.ベアトリッツの2019

優先祖先 :ベアトリッツ
基礎体力値:57%

父モーリスの活性値は7あるが、母系のTourangeauの活性値8を上回れない。母系似の産駒となり、優先祖先はベアトリッツ。脚質は芝のマイル。
基礎体力値は57%あって、平均を超えている。特に母ベアトリッツ自身が最大活性8である点が高評価。加えて、前年が空胎である点も加点評価できる。
一方で、懸念材料となるのがサンデーサイレンスの父母間クロス。この重たいクロスはキャンセルされず、マイナス評価の対象となる。

18.デザートオブムーンの2019

優先祖先 :グラップユアハート
基礎体力値:50%

父マジェスティックウォリアーの活性値は5で、母系のHighland Parkの活性値7の方が優勢。母系似となり、優先祖先は活躍馬の母母グラップユアハート。脚質はダートのマイル~中距離。
一方で基礎体力値は50%でギリギリ平均点レベル。低調な原因は母系全体の活性値が低いことに拠るが、グラップユアハートの基礎体力値は56%あって及第点をクリアしている。
また、Mr.Prospectorの父母間クロスが残る点についてはマイナス評価。

19.マウントフジの2019

優先祖先 :マウントフジ
基礎体力値:58%

父ミッキーマイルの活性値は7あるが、母系のMost Welcomeの活性値8を上回らない。母系似の産駒となり、優先祖先は母マウントフジ。脚質はダートの短距離。基礎体力値は58%で標準レベルはクリアしている。Be My Guestの父母間クロスが残る点は減点材料。


おわりに

取り敢えず、写真&動画情報を見る前の先入観の無い状態での感想として、次の4頭にフェデリコテシオ理論的な妙味を感じます。

・アースサウンドの2019
・シンギングセンセーションの2019
・ティアラトウショウの2019
・ファニーストーリーの2019

(2020/8/12)ティアラトウショウの2019が抜けていたので追加

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