9/9紫苑S:グランベルナデットは直線で伸びを欠いて10着

9/9、中山11R・紫苑S(G2・芝2000)に愛馬グランベルナデットが出走しました。腸炎の発症によりオークスを止む無く回避し、ひと夏を掛けて立て直して臨んだ復帰戦でしたが、結果は期待レベルに達しない10着でした。

半年ぶりのレースの馬体重は+2kg増加した500kg。相変わらず大柄な馬体ですが、3歳の成長分を考えれば、もっと増えていても良かったかもしれません。パドックを周回する姿は落ち着いて見えて、かつての頭をブンブン振る様な激しい気性は見せていませんでした。

松山Jが騎乗して、馬場入りした直後は煩い所を見せていましたが、返し馬自体はスムーズに入ることが出来たと思います。

恐らく、陣営の立てた作戦は先行して後続に脚を使わせる作戦だったと思います。それにはスタートが鍵になる訳ですが、課題のスタートは無難に決めることが出来ました。そして、スタート後は二の脚が使えて、無理なく4番手で1角に侵入することが出来ました。ここまでは、正に陣営の狙い通りだったと思います。

レースはそのまま4番手をキープして進みましたが、若干の想定外はレースペースが速すぎたこと。1000M通過が58.1秒と言うのは、未勝利戦を先行して勝利したレースよりも1.6秒も速いものでした。松山Jはこのペースで先行しても勝てると考えていた模様ですが、結果を見る限り、「そこまでの横綱相撲で勝つだけの力は本馬には無かった」と言うことかと思います。

3角~4角を5番手で回る頃には既に手応えが怪しくなっており、それでも鞍上が促すと食らいつく気配は見せました。この辺りにはグランベルナデットの根性が見えた様に思います。

結果を見れば、ハイペースに前が崩れる展開であり、差し馬が台頭する形になりました。4角の手応えを見た限りでは、正直、もっと負けてもおかしくない雰囲気であり、寧ろ10着は良く粘った様にも思えます。

問題は今回のレースの敗因を何処に求めるかですが、「極端なハイペースであったことは理由には出来ない」と思っています。それはグランベルナデット自身が狙った展開でもありますし、同じポジションから競馬をしたヒップホップソウルが2着に入ったことからも明らかです。

優勝したモリアーナの競馬は見事でしたが、内容的には展開と神騎乗に恵まれた結果であって、このレースで一番強かったのはヒップホップソウルだったと思います。グランベルナデットのこの日の状態がベストであったとすれば、「ヒップホップソウルとの順位付けは付いた」と言われても反論は出来ません。

只、問題はこの日のグランベルナデットの仕上がり状況です。追い切りを見る限り、明らかにベストな時計ではありませんでしたから、メイチの仕上げではなかったことは明らかですし、ぶっつけ本番でここを選んだこともそれを示唆しています。恐らく陣営は、「メイチで仕上げなくてもここは勝負になる」と考えていた様に思うのですが、「G2はそこまで甘くなかった」と言うのが実情でしょう。

ここまで大負けしてしまうと次走の選択が悩ましい所ですが、「飽く迄も秋華賞を本線とする仕上げの過程であった」と言うことであれば、メイチの状態で秋華賞に挑むのも有りかとは思います。一方では、ヒップホップソウルにも完敗した状態で怪物に挑むのは余りに無謀と考えるなら、堅実に条件戦を勝ってオープン入りを目指すのが常識的かもしれません。

結局のところ、これを決断するのは「グランベルナデットの強さを何処まで信じるのか?」に依るように思います。陣営が「1つ負けた程度で本馬への信頼が揺るがない」のであれば、秋華賞に挑んで欲しいですし、「流石に無理かな?」と考えるならば、条件戦から捲土重来を狙って欲しいと思います。

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