9/25中山5R:スマラグドスは瞬発力勝負を制して新馬勝ち

9/25、中山5R・新馬(芝2000)に愛馬スマラグドスが出走し、良血馬の参戦を尻目に見事な新馬勝ちを飾りました。個人的に、昨年の同時期にドライスタウトが新馬勝ちを収めており、ゲンの良い開催となりました。

栗CWで超抜時計を連発して期待感の高まるスマラグドスでしたが、コントレイルの半弟として注目を浴びるインタクトを始め、多数の良血馬が同レースには集まったことから、本馬の人気は2番手に留まりました。個人的に注目していた馬体重は476Kgで、これは募集時データから一口馬主DBで予測したデビュー時体重とビンゴでした。スマラグドスの兄姉は総じて馬格が小さかったことから、大きく出た本仔には兄姉とは違った活躍が期待されます。

パドックに登場した際は初めての環境に荒ぶる素振りを見せましたが、それも直ぐに収まりました。厩務員さんが1人で楽に引けていたことから、募集時に懸念された気性の問題もここでは全く感じらえません。そして、何よりも目を引いたのはその体型。募集時の駐立写真から全く変わらず、ハーツクライ産駒らしからぬ短足でした。胴回りが太く、トモの面積の大きいことから、一見して愛嬌のある豆タンクでした。もし本馬が成績を残すことが出来たならば、恐らくは人気になりそうな風貌です。

パドックには西園師も臨場されており、鞍上の松山Jと直前の打ち合わせをされていました。当日の西園厩舎は中京に3鞍の出走があるにも関わらず、本馬のみの中山に敢えて臨場されるあたり、陣営の本馬への期待感が伺われます。

本馬場入りした直後は大人しかった本馬ですが、周囲の馬が返し馬に入ると、もう我慢することが出来ません。「走りたくて仕方ない」と言った感じで、返し馬に入って行きました。この辺りに母系にディンヒルの血を引く本馬の気持ちの強さが現れていた様に思います。

ゲート入りは問題なくこなしましたが、後続馬のゲートにトラブルがあり、少々待たされる時間が発生しました。この間の本馬の様子は相当に危なっかしく、立ち上がりかねない雰囲気すらあったのですが、辛うじて我慢が出来ました。

スタートでは少し足を滑らせた感じもありましたが、促されると二の脚が速く、楽に先頭集団に取り付くことが出来ました。外側3番手で1角に侵入すると、そのままポジションをキープして2角も回りきります。
自分が感心するのはこの部分で、行きたがって先行集団に取り付いた割には、ここで楽に折り合うことが出来ました。逃げ馬が物見をする程の超絶スローペースの中で、我慢の効いたことは本馬の距離適性を感じさせるものでした。

レースは超スローペースの中を3番手で進行しましたが、このままでは逃げ切りを許してしまうことから、3角過ぎて自ら仕掛け、4角出口で先頭を伺うポジションに進出。ここからはヨーイドンの末脚勝負となりました。

内のサトノシトラスが外に膨らんだことで不利を受けるシーンがありましたが、これをものともせずと言うか、寧ろ闘志を燃やした感じで跳ね返すと併せ馬の体勢に入り、反対に加害馬を置き去りにします。

低い体高をさらに低くして加速する姿は正に圧巻。短いながらも四肢をシッカリと伸ばして中山の坂を駆け上がる姿が印象的でした。あと、脚の回転速度が明らかに他馬と異なっています。

このままレースは2着馬を0.2秒引き離して見事に優勝。1000M通過が65.4秒の超絶スローのため、全体時計こそ凡庸ですが、自ら仕掛けて上り34.9の最速を記録した点は高く評価できるところです。前週のハーツコンチェルトの様な後続をぶっちぎる競馬は出来ませんでしたが、これはヨーイドンの競馬になった結果であって、内容そのものは完勝でした。

ここで改めて、本馬の長所を確認してみます。まず、スタートダッシュが効いたこと。二の脚が速く、楽に先行集団に取り付けたことは間違いなく武器になります。

2番目は本文でも触れた通り、楽に折り合ったこと。如何にも行きたがる雰囲気を醸し出しながら、実際の競馬の内容は非常に賢いものでした。3角過ぎに鞍上が促すとスッと反応出来た辺りも、操縦性の高さを伺わせます。

3番目は末脚が使えたこと。追い切りの時計から、長く良い脚を使うタイプと思い込んでいたのですが、蓋を明ければ瞬発力勝負で完勝してしまいました。

4番目は坂を苦にしなかったこと、栗東坂の追い切り時計が凡庸であったことから、坂を苦手とする不安があったのですが、中山・芝2000の2度の急坂を難なく登坂したことから、全くの杞憂であったことが判ります。

口取りには松山Jと西園師に加えて、グリーンの河野社長と社台の吉田照哉社長も参加。この豪華なメンバにも、本馬への期待が伺われます。

これは噂話ですが、このとき河野社長と吉田社長の間で、今後の松山Jの騎乗馬について、冗談めかした話がされていたそうです。前週のハーツコンチェルトに続いて、スマラグドスと言う素質馬が現れたことで、松山Jにとっても嬉しい悲鳴になりそうです。

今後の具体的な予定について公式からは未発表ですが、競馬情報誌からはラジオNIKKEI杯・京都2歳S(G2)からホープフルS(G1)を目指す想定が示されています。この通り進めることが出来るならば望外の喜びですが、実際に可能性はある訳ですから、ここは期待を持って今後の発表を待ちたいと思います。

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