2022年度グリーンF募集馬の発表➀

7/2、グリーンFの2022年度の募集馬が発表されました。募集頭数は全20頭で、昨年より1頭増えています。昨年までは「外国産馬1頭を追加する可能性を考慮して半端な19頭で募集している」と考えられましたが、この数年間、外国産馬を募集していない状況から、今年は最初からその可能性を捨てている様に思われます。

生産牧場の内訳は、社台F(10頭→8頭)、ノーザンF系(3頭→2頭)、那須野系牧場(6頭→10頭)と、大幅に那須野系牧場の生産馬が増加しています。特に、那須野系牧場の募集馬10頭の内、8頭はグリーンFとの縁故馬であり、既会員にとっては嬉しいラインナップとなりました。(注:後編で説明する通り、フィロンダンスを那須野系牧場ではなくノーザンF生産としてカウントする場合、上記の数字は少し変わります。)
さらに、全募集馬の中で母馬がグリーンF所属の馬が半数の10頭を占めており、例年以上に母馬優先権の有用性が高まっています。特に根拠はありませんが、那須野系牧場へのシフトと、特定の牝系へのフォーカスは、クラブの特色として今後も続いて行く様な気がします。

なお、 で採り上げた15頭の「募集して欲しい仔馬」からは8頭が募集されており、個人的には大満足の募集馬リストとなりました。


以下、各募集馬について、第一印象を短文でメモ書きして行きます。まずは最初の10頭から。
※ 馬名の前の■をクリックするとnetkeibaの当該馬の頁が開きます。

ヴァインドレッサーの21(父イスラボニータ)社台F

半兄が毎日杯3着のタイセイサミット。叔母にはG1馬コイウタの居る優良牝系。但し、本仔の出生時母年齢が19歳と高齢なのが難点。一方で、タイセイサミットの8歳下にあたり、オカルトながらテシオ理論での1サイクル下になる点は興味を引きます。

ゴールドケープの21(父ヴィクトワールピサ)社台F

母ゴールドケープはフィリーズレビュー(G2)3着、祖母ジュエルオブナイルは小倉2歳(G3)1着の記録を持ち、何れもグリーンFの所属馬でクラブ所縁の牝系。ヴィクトワールピサの産駒は活躍馬が牝馬に偏る点が残念。

ロータスクイーンの21(父ヴィクトワールピサ)那須野

母ロータスクィーンは米国から輸入された外国産馬。那須野牧場名義で走らせましたが1勝に終わっています。本仔はその2番仔。本仔もヴィクトワールピサ産駒の牡馬である点が残念。今年の特別提供馬の有力候補?

プランタンビジューの21(父エピファネイア)社台F

祖母スプリングチケットから連なる優良血統。G1馬カレンチャンは本仔の叔母。半姉プランタンヴェールが元グリーンF所属馬。気性的に難しい所もあって、中央未勝利に終わったものの2着と3着があり、もう一歩で勝ち上がれる所には来ていました。エピファネイアの牡馬でサンデーサイレンスの3×4を持つと言う、カタログスペックは売れ筋なだけに、何故グリーンに回ってきたかが気になるところ。

アースリヴィングの21(父カリフォルニアクローム)新井昭二

母が元グリーンF所属で海外遠征で2着×2回の大活躍をしたアースリヴィング。その全ての仔もグリーンFから募集され、シネマソングスがオープン入りを果たすなど、クラブではお馴染の牝系。姉テネルが事故により競争馬デビューを出来なかったことから、アースリヴィング産駒の牝馬としてはシネマソングス以来となる。本仔もまた、小笠厩舎預託となるのか..?本仔の詳細はこちらも参照。

パイレートクイーンの21(父キタサンブラック)社台F

3冠牝馬デアリングタクトの名前がある超優良牝系。グリーンFとの縁故関係は見つかりません。母パイレートクイーンは1勝止まりで兄姉は中央未勝利。この辺りが、本仔がグリーンFに回って来た理由?ここは、今後デビューする1つ上の全姉ルージュメアリーの成績に注目したい。キタサンブラック産駒は活躍馬が牡馬偏重である点に注意。

ライクザウインドの21(父ジャスタウェイ)坂東牧場

言わずと知れたウインドインハーヘアの超優良牝系で、本仔の叔父がディープインパクト。本仔の出生時母年齢が21歳で高齢出産がネックだが、2つ上のアサヒが東京スポーツ杯(G2)を2着しており、年齢だけで嫌うのは早計かもしれない。むしろ、母が高齢の分だけ、父がディンヒルと言う面白味がある。ハーツクライ+ディンヒルはNIXの関係として知られており、本仔の姪アドマイヤミヤビがデイリー杯クイーンC(G3)を制している。父がジャスタウェイに変わってもその有用性は期待できる。

エイシンバンバの21(父シャンハイボビー)那須野

母エイシンバンバは米国から輸入された外国産馬で、未勝利のまま引退。繁殖牝馬として那須野牧場に買い取られ、その産駒は全てグリーンFの所属馬。特に初仔のルヴァンヴェールは特別提供馬として応募者に無償で配られたもので、この春に1勝クラスを突破する活躍中。父シャンハイボビーは今年産駒が日本デビューするが、兄姉は海外で活躍をしており、種牡馬としての実績は十分。その産駒は短距離適性に出る傾向があり、エイシンバンバとは好相性になると思う。

アースサウンドの21(父デクラレーションオブウォー)ハシモトF

母アースサウンドは兵庫ジュニアグランプリ(G2)2着、全日本2歳優駿(G1)3着の活躍馬で、その産駒も1頭を除いてグリーンFから募集され、クラブには馴染の牝系。兄姉の勝ち上がり率は高いが、1勝クラス止まりと言うのも事実。喉鳴りや脚部不安など、産駒に故障の多い点が気掛かり。父デクラレーションオブウォーは今年産駒が日本デビューする新種牡馬だが、既に海外でG1馬を出しており、種牡馬能力に疑いはない。1月生まれは魅力。本仔の詳細はこちらも参照。

アンデスクイーンの21(ドレフォン)ノーザンF

母アンデスクイーンは元グリーンF所属で、交流重賞を3勝した大活躍馬。間違いなく本仔が今年の募集馬の筆頭人気となる。募集価格が気になるところだが、何れにしても優先期間での満口は必至。母馬優先権が適用されるが、「母の出資者は少なかった」と言う噂もあり、権利を有さない会員にも回る口数はある筈だが、実績勝負はかなり厳しいものが予想できる。父ドレフォンは初年度産駒が昨年デビューして、いきなり皐月賞馬のジオグリフを産出した。ここで、ジオグリフの母アロマティコと本仔の祖母レイナカスターニャは姉妹であることから、3/4同血の関係となる。本仔の詳細はこちらも参照。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. あーるぐれい より:

    こんにちは
    無事アンデスクイーンの子が募集されて一安心というところでしょうか。
    判断難しい良血も多いかなあと。
    ノーザン系は3頭だと思われます。(アンデス、ライクザウインド、フィロンルージュ)
    念のため。

    • macKy より:

      あーるぐれい様、

      ご指摘ありがとうございます。フィロンルージュに関しては後編の方に記載しましたが、恐らくはノーザンFからハシモトFへの委託生産馬で、育成はノーザンで行われる可能性が高いと考えています。只、飽く迄も推測の域を出なかったため、冒頭の頭数は2頭としてしまいました。、