全日本2歳優駿:ドライスタウトは不安を払拭して圧勝

12/15、愛馬ドライスタウトはJpnⅠ全日本2歳優駿(川崎・ダート1600)への出走を果たしました。今回は「小回り4ターン」「200M距離延長」「初ナイター競馬」「砂の深いダート」等の不安材料を抱えた一戦でしたが、蓋を開ければ何事もなく、格の違いすら見せつける内容で2歳ダート王の称号を手にしました。

当日の馬体重は-4Kg減って520Kg。パドックを周回する姿は前走以上に精悍さを感じさせるものでした。当初、ドライスタウトは本レースへの出走権を確保できず、補欠から繰り上がる形で出走を果たした訳ですが、キッチリと仕上がった馬体重で出てきたことは、日和ることなく目標に向かって準備を進めて来た、陣営の努力の賜物であったと思います。
また、継続騎乗となる戸崎Jは後の勝利騎手インタビューで「この馬とともにG1を獲りに来ました。」と語った様に、馬上で精神統一を図る如き姿が印象的でした。

今回のレースで最もヒヤッとしたのはスタートの直後。13番ライアンが大きく斜行し、内側11番の馬までが進路を大きく妨害される格好になりました。これに対し、10番ドライスタウトはギリギリ難を逃れることが出来た訳ですが。これは単なる幸運として片づけるべきで事象ではなく、ドライスタウト自身が好スタートを決めたことによって回避されたものと考えています。

その後の展開はレース展望のブログ記事で期待した通りとなりました。1角までに逃げた8番カイカノキセキの外2番手のポジションを確保すると、3角~4角の間で先頭に立つ形になりました。結果的に不安材料の1つとされた「小回り4ターン」を苦もなく克服した格好ですが、これには2番手に折り合うことで、最内を空けるコース取りの出来たことが寄与しており、これは戸崎Jの技量とドライスタウトの操縦性を以て実現したものと思います。

そして、自分の想像を超えて来たのが4角で先頭に立つプロセスでした。鞍上が特に追い出すアクションを見せることも無く、持ったままの馬なりで逃げ馬を交わし去ってしまいました。自分はこれを見て勝利を確信するに至りました。

その後は5番コンパスチョンが一瞬迫る形になりましたが、ギリギリまで我慢させてきた戸崎Jが鞭2発でゴーサインを出すと、過去走と同様にギアが上がり、コンパスチョンを置き去りにして行きました。着差こそ2.5馬身差ですが、これは追い出しを遅らせた結果でもあり、着差以上の力の差を見せつける内容でした。

何より、先行して上り最速を記録した競馬は極めて強い内容と言うことが出来ます。勝ち時計の1:39.1はラブミーチャンが記録したレコードを0.8秒も上回るものであり、ハイペースでは無かったことも踏まえると、ドライスタウトの能力が如何に怪物級であるかを表しています。

2歳王者の座を手中にしたところで、注目は今後の予定ですが、レース後のレクチャーにて「3歳は国内に専念する」旨が発表されました。クラブとしては念のためにサウジへの登録を実施していたとのことでしたが、今回の勝利を以て、余裕を持って国内に専念することが可能になったと思います。個人的にも「3歳時の海外遠征」には否定的でしたので、この陣営の判断は諸手を上げて支持したいと思います。もっとも、鞍上の戸崎Jはサウジを意識してこのレースも騎乗したとのことでしたが…。

国内専念と決まれば、次に気になるのが「距離を何処まで伸ばすのか?」ですが、少なくとも1800Mまで対応することが出来るならば、チャンピオンズCを来年の最大目標として設定することが可能です。これは自分が直接聞いた話ではないのですが、チャンピオンズヒルズ厩務員さんからの情報として、ドライスタウト最大の不安要素である喉については特に問題が見られない旨、話があった模様です。それが真実であれば、これ以上の朗報はありません。

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コメント

  1. たいくうん より:

    大変に御無沙汰しております。

    (もはやmackyさんの記憶の片隅にすら残っていないかもしれませんが)、アメリカンツイストで御縁があった、たいくうんと申します。

    mackyさんのブログは、ここ最近ずっと拝見させて頂くのみでした。

    しかしながら、(頻繁に提示される)様々な数値に基づいた論理的なコメントや、馬体について深い考察を巡らせたコメントや、そして何より(冷静沈着なスタンスでも隠しきれない)激しい熱情を帯びたコメントに対し

    「これはスゴいや。本当にスゴいね…」

    といったカンジで、毎回真剣に、本当に真剣に拝見させて頂いていたのですが、

    「こりゃ僕みたいな、アホで胡乱なコメントなんてできないよ」

    といったカンジで、畏敬を通り越して畏怖に近い感覚でブログを拝見させて頂いておりました。

    …しかしながら、正直にですね、有り体に申し上げますと、

    「勝負の世界では、正鵠を射た見解と激しい熱情を併せ持ったとしても、結果はナカナカに出てこないよね…。このブログはスゴく勉強になるケド、結果が出るには相応に時間は掛かるだろうから、僕も絶えずチェックして、色々と学ばせてもらおう…」

    ナドと思っていたのですが、この短期間での此度の快挙…。

    (誉め殺しの意図は全く無いのですが)僕の四半世紀の一口馬主人生と比較したら

    「賢者の慧眼と熱量は、愚者の百代を凌駕する」

    なんてクダラナイ戯言を、たった今、造り出してしてしまいました(苦笑)。

    何はさておき、此度は本当に本当に、本当におめでとうございました。正直申し上げて、心底よりの祝辞が1割、羨まし過ぎて悔しい嫉妬が9割です(笑)。僕もいつかは、他人に嫉妬されるような馬に出資したいです…。

    珍妙かつ異様な長文、大変失礼しました。今後、こちらのブログがドライスタウト号の交流の場になる事もあるかと思うので、このコメントは確認次第削除して頂いて結構です。

    ちなみに蛇足極まりないのですが、馬以外の話題でも(私は完全に門外漢なのですが)mackyさんの、プラモやボードゲームの話題、自分の知識を増やす上でも、非常に面白く、大変興味深く拝見させて頂きました。

    (蛇足はともかく)しつこくて大変恐縮ですが、此度は、本当に本当に、本当におめでとうございました!! 本当に、滅茶苦茶羨ましいです!! 今後の更なる活躍を陰ながら応援させて頂きます。

    では失礼します。

    • macKy より:

      たいくうん様、

      コメントありがとうございます。平素より眉唾な理屈をこねくり回している本ブログですが、ドライスタウトへの出資に付いてはそれら屁理屈とは関係なく、単純に「良いと思った時に迷わず出資できた」と言う点で幸運だったと思っています。
      実際、ドライスタウトはYGG初の満口馬であり、これは多くの方が好評価していたことを示しています。..かと言って、早々に満口になった訳でもなく、誰でも出資は可能でした。決して「一見して走りそうに思えない馬が走った。相場眼が凄い。」とか言う話では無く、普通に迷わなかったことが幸運だったと思っている次第です。

      今後ともよろしくお願いいたします。