2019年グリーンFから募集して欲しい仔馬①

昨年に続いて、今年も「2019年グリーンFから募集して欲しい仔馬」のシリーズを始めてみたいと思います。このシリーズはグリーンファーム所縁の牝馬の産駒の中から個人的に期待する仔馬をリストアップしようというもので、2018年はここに示した10頭を選びました。

しかし、実際に募集に掛かったのはシュアゲイト(デフィニットの2017),ピンクレガシー(バルドウィナの2017)の2頭のみと言う、寂しい結果に終わりました。ここでピックアップした仔馬は何れも募集に掛かれば自分的には出資候補となるスペックであり、2頭が募集されれただけでも御の字とも言えるのですが、それでも低すぎるヒット率にはモチベーションが下がってしまいました。そこで今年は穴狙いは少し控えて、募集される可能性も考慮して期待する仔馬を探して行くことにします。

..と言う訳ワケで、今回は2019年度で最も募集して欲しい仔馬になりますが、悩みに悩んで次の仔馬を期待度No1に推したいと思います。


No1:ファビュラスセンスの2018

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :ロードカナロア
母父 :グラスワンダー
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :22号族
誕生日:2018/02/02
生産 :社台ファーム

2.牝系情報

母ファビュラスセンス,半姉ファビュラスギフト&ファビュラスライン,叔母ムスカバードの4頭がグリーンファームから募集されており、クラブとの縁故関係の非常に強い牝系です。母ファビュラスセンスは2走目で未勝利戦を脱出しましたが、500万条件で壁に突き当たり、2着×2回・3着×1回を記録したものの結局2勝目を挙げるには至りませんでした。もっとも、募集価格1260万円に対して獲得金累計2573円を稼いでいますので、一口クラブ馬としては相応の活躍はしています。
兄姉をみると本仔が5番仔になりますが、上は全て牝馬で何れも未勝利に終わっています。2つ上のファビュラスギフトも2歳6月の早期デビューを果たし、新馬戦4着と好走をしましたが、その後剥離骨折を発症してしまい、未だ勝利を上げることは出来ていません。
一方で、本仔の近親としては叔父に国際GⅠに勝ったシャドウゲイトや、JBCスプリント2着のサトノタイガーがおり、牝系全体としては十分華やかであると言えます。また産駒の距離適性は短距離から中距離までこなしており、芝・ダートを問わず走っています。そういう点では種牡馬に応じた産駒を出す牝系と言えるのかもしれません。

3.種牡馬

ロードカナロアは初年度産駒より多数の重賞勝ち馬を輩出しており、近年では突出した種牡馬成績を残しています。産駒の幅広い適性と性別に関わらない競争能力は父キングカメハメハを凌いでいます。成績的には既にディープインパクトに近づいており、種牡馬として比較すべき対象はサンデーサイレンスと見る方が正しいのかもしれません。

本仔が種付けられた2017年の種付料は初年度産駒の活躍前であったことから価格据え置きの500万円でしたが、その後の種付料は800万円→1500万円と大幅な高騰を続けています。その観点からすれば、ロードカナロア産駒にリーズナブルな価格で出資出来るのは今年度が最後とも考えられます。

4.血統配合

本仔を募集期待馬のNo1に選んだのは、もちろん父がロードカナロアと言う点が大きいのですが、取り分け血統配合に妙味のある点がポイントになります。

ロードカナロアの鉄板配合として最も有名なのは、アーモンドアイに代表されるサンデーサイレンス+NorthanDancer(特にNureyev)を有する牝馬との組み合わせです。これに対しファビュラスセンスはサンデーサイレンス+NorthanDancer(Danzig)ですので、悪くはありませんが、クリーンヒットと言う程でもありません。..では何処に惹かれたかというと、それはもう1つの成功パターンであるRobert+Danzigを有する牝馬との配合パターンにあります。この配合は京阪杯→シルクロードSを連勝中のダノンスマッシュや小倉2歳S→京王杯2歳Sを連勝したファンタジストと同じ血統構成であり、ロードカナロア本来の短距離適性の産駒を生み出す配合と目されています。特にファンタジストはサンデーサイレンス+Danzig+Robertを有する点でファビュラスセンスと一致する上に、母母父ディンヒルと母父母Amerifloraは何れも「父Danzig+母父His Majesty」でニアリーの関係にあり、隙の無い配合と見ることが出来るでしょう。

5.予想価格(予測モデルは本稿を参照

価格:1300万円(基本価格:1000万円,本馬補正:+ 0万円,父系補正:+500万円,母馬補正:+ 0万円,兄姉補正:-200万円)

一応、予測モデルに従うと募集価格1300万円と算出されるのですが、1つ上の半姉ファビュラスラインが1400万円で募集されたことを考慮すると、この価格はちょっと現実的ではありません。ストロングリターンの種付料は50万円でしたので、差額にして450万円が上乗せされると考えると1400+450=1850万円となり、この辺りが最低価格ラインになるかと思います。

6.まとめ

産駒成績のアベレージを考えると、今はロードカナロア産駒に出資することが一口馬主としては最も手堅い選択であると思います。前述した通り、ロードカナロアの種付料は凄いスピードで高騰しており、グリーンファームから募集が掛かるのも今年が最後になる可能性も充分にあり得ます。その中で、牝馬の本仔は上が全て未勝利である上に、母も1勝馬止まりであり、セールで評価されるスペックではありません。それならば強い縁故関係があるグリーンファームから募集されることも無理筋ではないと思います。

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