今年グリーンFから募集して欲しい仔馬 ③

今年グリーンファームから募集されることを切に願う、クラブ所縁の仔馬をリストアップするシリーズの3回目です。(一覧はこちら
グリーンファームで「パリ」と言うと、マキシマムドパリ・エトワールドパリのマドモアゼルドパリの産駒が真っ先に思いつきますが、今回ピックアップするのは、もう一つの「パリ」の産駒になります。


No3:ラブリネスオブパリの2017

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :キングカメハメハ
母父 :サンデーサイレンス
性別 :牡馬
毛色 :黒鹿毛
FN :3号族
誕生日:2017/4/14
生産 :社台ファーム

本仔はグリーンファームから募集されたシャンパーニュ(父:チチカステナンゴ)とトゥールエッフェル(父:フレンチデュピティ)の半弟にあたります。シャンパーニュは3歳クラッシック戦線から頭角を現し、菊花賞への出走も果たした活躍馬です。菊花賞では最終的に15着に沈んでしまいましたが、先行して一瞬の夢を垣間見せるレース内容でした。また、4歳になってからも、万葉S(オープン)で2着の良績を残しています。一方、トゥールエッフェルは現在5歳の現役馬で、いまいち勝ちきれない競馬が続きましたが、ようやく4歳末になって500万条件を勝ち上がってくれました。シャンパーニュは芝、トゥールエッフェルはダートと、トラック適性こそ異なりましたが、何れも先行脚質の芦毛馬です。
父キングカメハメハは、サイアーランキングでこそディープインパクトの後塵を拝していますが、健康面の事由から種付数を抑えていることを考慮すると、質的にはディープインパクトに見劣りしない能力を示しています。昨年もダービー馬レイデオロを輩出しました。種付け料も年々高騰を続けており、18年度の種付け料は1200万円にまで上がっています。種付け料もディープインパクトの次点ですが、ディープインパクト産駒の大半が軽い馬場で能力を発揮するのに対して、キングカメハメハ産駒はダートでも走れる点で優れています。

2.牝系情報

Mercalleから連なる牝系で、本仔の祖母が秋華賞馬のファビュラスラフィンになります。その仔のラブリネスオブパリは1000万条件まで勝ち上がり、その3番仔と5番仔がグリーンファームから募集されたシャンパーニュとトゥールエッフェルになります。牝系全体を見渡すと、3勝~5勝を上げた馬が散見される様に、総じて安定した勝ち上がり率を残す優良な牝系です。
また、ファミリーナンバーは3号族で、スペシャルウィーク・ウォッカ・メイショウサムソンなどがこの系統に属しています。

3.血統配合

父がキングカメハメハで、母父がサンデーサイレンスの組み合わせですので、これは配合としてはもう鉄板と言えます。同じ組み合わせにはドゥラメンテやローズキングダムなど、活躍馬が多数いますし、グリーンファームの代表馬となったマキシマムドパリも同じくこの配合です。更に、札幌記念2着のナリタハリケーンはキングカメハメハ産駒で本仔の従弟に当ります。血統構成は完全に一致しますので、もはや外れようが無い組み合わせと言えます。

4.予想価格(予測モデルは本稿を参照

2500万円(基本:1000万,牡牝補正:+200万,父補正:+1000万,母補正:100万円,兄姉補正:+200万円)

5.おわりに

キングカメハメハ産駒は牡馬>牝馬の傾向がありますので、牡馬に出た本仔はそれだけで評価が高くなります。予想価格は2500万円となりましたが、もし本仔が3000万円以下で募集されることがあれば、自分は出資を即決すると思います。それ程の高スペックな仔馬であると思いますが、そうなるとグリーンファームから募集が掛かる可能性は、正直言って低い様にも思います。只、クラブとしては過去2年連続でディープインパクト産駒が募集されていませんし、去年はキングカメハメハ産駒の募集もありませんでした。サイアーランキングの上位2頭が募集に掛かる気配も無い様では、流石に社台系クラブとしての看板に偽りが生じてしまいます。過去2年間の募集馬の不振を払拭する意味でも、ここは発奮して本仔の様な良血を(出来るだけ安価に)募集に掛けてくれることを願いたいと思います。

【補足】
キングカメハメハ産駒の1歳馬でグリーンファーム所縁の仔馬としては、本馬の他にもウィングレットの2017(牡馬),プランタンビジューの2017(牝馬)が見つかります。
プランタンビジューの2017はまだ2番仔で兄姉の実績こそありませんが、牝系はカレンチャンが出ている様に非常に優秀です。ラブリネスオブパリの2017と比較すると、グリーンファームとの関連性が弱いので、募集期待馬としては次点としましたが、ラブリネスオブパリの2017の募集が難しい様であれば、代わりにこの仔を是非募集して欲しいところです。
一方、ウィングレットの2017はウィングドウィールの半妹,ウィングソルジャーの半弟,アメリカンツイストの姪の関係にあり、グリーンファームとの繋がりはラブリネスオブパリの2017以上に強固です。只、残念ながら牝馬に出てしまったことと高齢出産であることから、期待度はラブリネスオブパリの2017よりは下になります。もっとも、「評価が見劣りするが故にグリーンファームから募集される可能性が最も高い」と言う考え方は成り立つかもしれません。
なお、待望のマキシマムドパリの下(マドモアゼルドパリの2017・父キングカメハメハ)は、残念ながら不受胎となってしまい、今年の募集対象馬はありません。

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