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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

理想的な展開に

今日の東京市場は、概ね昨晩に予想した通りの展開に。中国の暴落余波からNYがあっさりと立ち直ったことで、東京も堅調なスタート。予想的には、東京は前日終値近辺からスタートして寄り底と思っていたのですが、NYが予想以上に強く、東京は多少GUして始まりました。

私的には昨日書いた予定通り、寄り付にて予算枠一杯まで仕込みました。もう、あとはボックス圏を破ってくれるのを祈るのみ。

結果的に日経は長大陽線をつけて引けました。理想的な展開だと思います。5月10日の高値17827円を終値で越えていることは上昇トレンドが続いていることを示唆しており、買いに安心感も生じたと思います。只、今日の終値で、尚、上値抵抗線上とも見ることも可能です。ここはなんとか明日も騰げてもらい、抵抗線も完全にブレイクしてくれることを切に願います。

日経平均は、今日で2月28日の上海ショックの暴落時に空けた窓の下端に到達しました。テクニカルアナリストの中には窓の下端に達したことで、下げに転じるなどと予想している人も居ます。しかし、ここから上は真空地帯ですから、もう1つ弾みさえ付けば、18050円までは軽く飛ぶ可能性を秘めています。状況的にはここで上に行かなくて何時行くの?って感じ。
唯一の不安材料は、現時点でNYがマイ転してしまったこと。昨晩の様に再度リバってくれると良いのですが..。

一方で、CMEは17950円を越え、18000円目前まで来ました。このまま行くと、大きくGUしてスタートし、そのまま寄り天と言う可能性も出てきますが、それでも構わないので、一旦上に出て欲しいと思います。

所で、今日の寄り付きで行った仕込では、先日来考えていたことを実行に移しました。と言うのは、手持ちキャッシュを全てつぎ込んでのバスケット運用です。詳細については別エントリーに記しておきたいと思います。

2007年06月02日

ボックスを脱出

週末の東京市場は期待通りの展開。ボックス圏を完全に打ち破り、ザラ場で日経が180000円を回復。終値こそ週末の利益確定売りに押され、上髭を付けてしまいましたが、それでも一応、陽線を保っています。

後半になって上値が重くなったのには、上海が下げに転じた影響が囁かれていますが、はたしてどの程度の影響だったのかは判りません。なんでも、キャピタルへの課税のうわさが流れたとか?個人的には中国A株の暴落は各国の株価に既に織り込まれている気がします。下落しているのはA株だけで、H株やレッドチップに影響が出ている訳ではありません。A株だけの問題ならば、世界の株価に影響を与える可能性は本質的には無いはずです。何れにしても、これからA株に投資するのは投機を越えて博打だと認識してます。

その後のNY市場も比較的堅調。一時、怪しげな時間帯もありましたが、なんとかプラスを保って引けています。雇用統計に注目があつまりましたが、コンセンサスを越える強い数字。こうなると、インフレ懸念→利上げ観測、が出て、株価にはマイナスになるかと思いましたが、そこまでの数字とは認識されていない模様です。むしろ、利下げを織り込んできていると言う噂もあるようで、果たして如何なるものか??

一方で、経済の好調を背景にドル高/円安が加速してきました。一瞬でも円高に転んでくれると、海外投資用のドルが作れるのですが、いまの円安状況では新規海外投資には二の足を踏んでしまいます。押し目待ちに押し目無しでしょうか?ボーナスが支給されると、個人投資家の海外投資が増えそうですし、当面はさらなる円安基調かも。

逆に、円安が加速したことで、週明けの東京市場も堅調なスタートが期待されます。米国の自動車販売台数も回復した様ですし、景気後退懸念が薄れたと判断されれば、出遅れ気味の自動車やハイテクセクタの巻き返しが見られるかもしれません。循環物色が機能してさらに相場の上昇があることを期待します。来週の日経平均の目標は18350円に期待を込めて置きたいと思います。尚、CMEの引け値は18050円と、18000台を越えてきています。


保有株式の状況としては、概ね堅調でした。新興/小型株はイマイチですが、主力銘柄が頑張ってくれています。木曜日から始めたバスケット運用も絶好調なスタートを切り、ここまでで2%超の上昇。初期費用分のマイナスを早くも埋めてしまいました。

海外の方は今のところ静観中。中国には当面手を出しません。私の稼ぎ頭だった、シンガポール&マレーシアについては、再エントリーのタイミングを計っている状況。新高値を取りに行くまで待つ予定でいますが、なかなか越えそうで越えてきません。インドにはかなり投資してみたい気持ちがあるのですが、適当なETFがないのが辛いところ。ティッカーINPって言う、ETFでもCEFでもない新たな投資商品を見つけましたが、IBでは取引不能のようでした。

中国・シンガポール・マレーシアを売った資金は全てDBVに逃避させていますが、このDBVがここに来て何気に好調。(円安・豪ドル高が寄与している?) おかげさまで、資金が遊ばないで済んでくれています。

なんか、全体にツイてる感じ。

年初来の運用成績を精査

今年前半を振り返るには少し早いのですが、結果が確定する前に状況を把握することで、ダメな所も多少の改善を図れるのではないかと思い、投資成績を改めて精査してみました。

昨年来、資産全体はお陰さまで右肩上がりを続けており、何気に心安らかな日々を送ることが出来ていた訳ですが、細かく見てゆくと問題が多々あることが浮き彫りに。

..で、問題なのはやっぱり日本株への投資状況。2月末の世界同時株安までは順調に回復を続けていましたが、その後がいけません。着実に利益を減らし続けています。「日本株全体が低調なんだから仕方ないじゃん」と思っていたりしたわけですが、改めて日経平均と比較してみると、まぁ見事なまでのアンダーパフォーム。orz  株価が上昇基調の間は若干オーバーパフォーム気味なのですが、軟調に成ってからの下落速度が日経平均よりも酷くなってます。

この原因をマクロ的にみると、新興/小型株の不調の分が足を引っ張っていると言う結論になるのですが、だから投資成績が下がっても良いと言うことにもなりません。何らかの手を打たないと..。

投資に当たっての私の基本方針は、始めにアセットアロケーションを定めてしまうことにあります。例えば今年なら、日本株へのアロケーションは金融資産の25%程度を目標にしています。更に、日本株の場合、この中身を投資方法に応じた運用比率を決めます。現状では、

 (1) 年間スパンでの中長期投資(50%)
 (2) 1306を利用したシステムトレード(25%)
 (3) 個別バリュー銘柄への投資(15%)
 (4) 個別グロース銘柄への投資(10%)

がその具体的な内分け。そして、この4分類について、年初来の成績を改めて調べてみた訳です。その結果、

 (1) 中長期銘柄への投資は大幅なプラス。任天堂を筆頭に、東芝・三井不動産がかなりの
   リターンを残しています。対日経平均も大幅にオーバーパフォーム。
 (2) システムトレードはトントン。前半に出したプラスを後半で吹き飛ばしました。現在、アル
   ゴリズムを見直して再運用を開始。
 (3) 個別バリュー株投資はまあまあのプラス。一つ大化けが出ると美味しい投資クラスです
   が、今回はUEXが一発当ててくれました。
 (4) ..でもって、個別グロースの成績がもう最悪。ボロボロ。見る影無し。何も言うことは御座
   いません。

結局、グロース株(もしくは材料株)投資さえしなければ、投資成績は余裕で日経平均に勝てたと言う事になります。ポートフォリォ上10%しか占めないこのセクタがここまで足を引っ張るとは..。orz

材料に飛びつく投資はプロに絶対勝てないと判っていながら、今度こそと思って手を出す。そして負ける..。「判っちゃいるけど止められない」って奴。

ジャストシステムさえ無ければここまで酷くも無いんだけど、結局その他銘柄も大した利益を上げてません。ジャストシステムの3年間塩漬けは決定したので、今後は、バリュエーションを無視した対象への新規投資を厳禁すること。これが成績向上の鍵を握りそうです。

しかし、インデックスを上回ることに難しさを改めて、思い知らされます。

アクティブ投信を見直す

さて、自らの日本株への投資成績がインデックスに及ばないと言う現状を見せつけらえるに付け、「どうせなら日本株もインデックス投資しちゃえば良いじゃん」と言う内なる声が聞こえてきます。そもそも、海外についてはインデックス投資でそれなりの成績が上がっている訳で、日本株もそれに倣わない手も無い訳です。

では何故、これまで日本株の投信は買わずに、裁量取引でやってきたかと言うと、
 ・投信の長期投資だけでは退屈。
 ・アクティブ投信は手数料が無駄に高いだけ。どうせ長期ではインデックスに勝てない。
 ・でも日本株のインデックス投信のリターンは期待するほど高くない。
結局、ハイリターンを求めて個別投資をして、結局インデックスに負けてると言う次第。orz

もう、ここは素直に宗旨替えして、ポートフォリオの一部を日本株投信に充てて、投資成績をインデックスに近づけた方が良いのでは? 1306を購入して放置する? ...なんて考えてみたりもする訳。


さて一方で、ジェレミー・シーゲル博士は著書の中で、「インデックス投資は素晴らしいが、もう少し良い投資方法がある」と言っています。そして、これが好配当銘柄を選別したインデックス投資です。それならば、日本の投信でも好配当銘柄に投資するものを探せば良いものが埋もれているかもしれない。なにせ、日本ではお客さんが儲かる金融商品は積極的に宣伝しない傾向がありますから。

..と言う訳で、長い前振りですが、探してみました。..で見つかりました候補が。三菱UFJ投信より売られている「日本新世紀・日本株インカム・ファンド」と言う商品です。(注:運用期間は短いでずが、「好配当日本株ファンド(2ヵ月決算型)」と言うのもあり、これもマザーファンドは同じと思われます。)

運用成績を見て、驚いたと言うか、眼から鱗が落ちました。マルキール博士の論より、アクティブ投信がインデックス長期で勝ることはないと頭から信じていたのですが、このチャートを見ると、参考指標(TOPIX)を長期に渡って余裕でアウトパフォームしています。

設定来の分配金込みの運用成績を年利換算してみると、16.66%でした。すっ、素晴らしい!なにより、2000年からのITバブル崩壊の被害を全く受けていないことが凄いです。好配当は「下落相場に強く、上昇相場ではアクセルになる」と言う、シーゲル博士の理論を見事に裏付けた結果が出ています。

改めて、モーニングスターでこのファンドを確認してみると、評価はきっちりと「★★★★★」を獲得していました。5年のシャープレシオが1.39で、これは当然の評価でした。何故、これだけ成績の良いファンドがネット上での話題には上がって来ないのかちょっと不思議。

今回は、信託報酬の高さ(1.62%)だけに注意していると、見落としがあることを認識しました。ちなみに、信託報酬は「好配当日本株ファンド(2ヵ月決算型)」の方が何故か大分と安く(1.115%)設定されていますので、表面的にはこちらの方がお得に見えますです。(注:ファンドオブファンズの様な2重コストになっている可能性があります。目論見書をよく読まないと最終的なコストの高低は判断できません。)

2007年06月03日

そしてマイバスケットへ

..と言う訳で、日本株のアクティブ投信の購入を真剣に考えるに至った訳ですが、やはり商品の細部を検討してしまうと、どうしても気に入らない所が目に付いてしまいます。

不満の筆頭は信託報酬。1.575%はETFと比べてしまうとやはり高い。これにクレームしたら始まらないのは判っていながら、やはり高いものは高い。今回は特に長期投資を前提にしているので、僅かでも日々のマネージメントフィーは安く抑えたい。

更に気に入らないのが、分配方式。毎月分配と年1回分配の何れかをを選べるなら、もちろん年1回の方が良いのですが、それ以上に分配金を出さずに内部留保してくれるのが理想。しかし、日本の投信ではお国の指導もあって、分配金を極力出す方向にシフトしてしまっています。もしこの「日本株インカム・ファンド」が今後も年利17%で回ったとして、キャピタルゲイン分をすべて配当に回してしまうと、税金分で年間で1.7%のロスとなり、それだけ福利効果が低下します。更に、来年以降に減税措置が撤廃されると、3.4%のロス。

この分配金を出さないケースの年利17%と、3.4%をロスして年利13.6%で回した場合、10年後の騰落率はそれぞれ380%と258%となり、かなり無視できない差として跳ね返えることになります。


こうなると、もう一つ工夫の余地は無いものかと考えてもみたくなる訳です。..で、浮上したのがミニ株を用いたバスケット投資。インデックスに連動させるマイバスケットと言う投資方法については、以前から手段としては存在したわけですが、然してメジャーな手法にはなりませんでした。この理由は幾つかあって、

 ・売買コストが掛かり過ぎたこと。
 ・投資単位1/10のミニ株を使っても、かなりの資金を用意しないと、インデックスに正確に
  追従することが出来なかったこと。

等がその原因に上げられます。

只、ネット證券のシステムと手数料は日々競争し進歩していますので、この分野でも改善がされている可能性があります。

そして色々と、證券各社のシステムを調べてみた訳ですが、最終的にベストと思われる方法が発見できました。これが、E-Trade證券のS株です。ポイントは以下の通り。

 ・1株から取引出来るので、限られた資産でもインデックスへの追従が容易に可能。
 ・以前に比べて、手数料が大きく割引されていた。1取引当たり、税込みで0.63%で、
  最低手数料の設定なし。

単に売買手数料だけを見れば、日興や大和などの方が安くなる可能性があるのですが、以後のポートフォリオのメンテナンスを考えたとき、少数株数の取引が可能なことは、柔軟な運用が可能となり、メンテナンスコストも安く上がることになります。

このS株を用いたマイバスケットシステムを投資信託風に整理すると次のように対比することが可能です。尚ここでは、ポートフォリオをインデックスに追従する為に、1年間で資産の1/3を売買する必要があると仮定します。

 ・最低申込金額:不定(組み入れる株式の単価次第)
 ・購入時手数料率(税込):0.63 %
 ・信託報酬及び監査報酬(税込):0.21 %
 ・解約時手数料率(税込):0.63 %
 ・決算日:なし
 ・配当金:なし

解約時の手数料が高めになるのが難点ですが、それ以外は投信としてみればかなり優れた長期投資向きの商品と見ることが出来ると思うのですが、如何でしょう?

(注:ポートフォリォを調整する段階で利益確定が発生する可能性があり、その分は税負担が発生してしまいます。出来れば、定期的な積立を行い、インデックスへのトラッキングはその追加分の資金で賄えば、無駄な利益確定を避けることが出来そうです。)

日本好配当株バスケット投資

てな訳で、ファンドを買う代わりに、S株を用いてバスケットを構成することまでは決定しました。

あとは何に連動させるバスケットを組むかです。もちろん、「日本新世紀・日本株インカム・ファンド」に連動させるのが1つの方法な訳ですが、よりベターな選択は無いのか考えて見ます。

そこで気になるのが、本家シーゲル博士の息が掛かるWhisdomTree社が組成したDNL (WisdomTree Japan High-Yielding Equity )と言う海外ETF。実は最初に日本株の投信を検討する前から、この海外ETFの存在は頭に有りました。只、何も日本株に投資するのに、態々とドルに換えて為替差損をこうむる必要もないだろうと言うことで、投資対象からは外ししまっていました。

しかし、マイバスケットを組むとなれば話は別。ファンドのポートフォリォ構成さえ判れば、どんなバスケットも組成することは可能です。そして有り難いことに、DNLが連動するインデックス(WisdomTree Japan High-Yielding Equity Index)はここにその構成が日々アップデートされ、掲示されています。

これで、DNLと同等のバスケットを組成することは可能になりました。あとは、「日本株インカム・ファンド」と比べて、どちらが良いかを判断するだけ。そこで、ちょっと期間は短いですが直近1年間の騰落状況を比較してみることにしました。(注:DNLは円建てに変換してから比較しています。)

DNL_JP-Income.gif

まぁ期間的にも、これだけを見て単純に優劣を決するのも如何なものかとも思うのですが、DNLが全体に頭一つ抜け出している感じなので、今回のバスケットはDNLに倣って組成することに決定します。

以下、バスケットを運営する当たっての細則を次の通り定めます。

 ・バスケットの構成は15銘柄とする。
 ・1株単価が5万円を越す値嵩銘柄はバスケットから除外する。
 ・1位~10位に入る銘柄は必ずバスケットに含める。逆に、一旦バスケットに含めた
  銘柄ついては、20位ランク外になるまではバスケットに残しておく。(無用に細かい
  ポートフォリオ調整で無駄なコストを発生させないため。)
 ・四半期毎に、バスケットの構成比率をインデックスに一致させる。
 ・構成比がインデックスと比べて1%以上乖離する銘柄があれば、月毎に修正する。
 ・配当金は再投資する。
 ・月々積立を行い、資産規模を増やして行く。
 ・単元株数に達した銘柄については通常株式に都度切り替えて行く。
  (優待があれば、これもゲット。)
 ・運用期間は5年区切りで、基本10年を予定。

さて、今までに無い長丁場の投資計画。結果は如何に?

2007年06月05日

弱い様で、もしかして強い?

今日の東京市場は、先週末に予想した通り、堅調なスタート。しかし、結局上値を追う力は無くズルズルと失速し、結局寄り点に。しかし、これを弱いと見るか否かは微妙な所。GUして陰線を引きましたが、それでもプラスで引けたあたり、結構強いようにも感じます。

今日、ズルズルと下げた原因が上海の暴落にあるとする見方が主流の様ですが、私はあまりその様には感じていません。先週も書きましたが、既に中国A株の暴落は織り込まれていると思います。実際、上海が暴落している最中に、日本より影響を受けそうなシンガポールが堅調な値動きをしていました。(同様に香港も堅調でした。)明日もまだ上海は下げると思いますが、東京への影響は本来限定的であると考えます。

しかし、東京市場は今週末がメジャーSQですので、安く落としたい勢力は中国の下落をトリガーにして、東京市場の売り崩しを図る可能性もあります。今日も恐らく、そんな動きがあったのではないかと思うのですが、それでも前日比でプラスを保った辺り、かなり強いのかもしれないと考える次第です。

まぁ、この辺りは大人の都合で動くので、弱小投資家は傍観しているよりしかたありません。個人的には日経18350円を目指して↑のスタンスは崩さないでいます。(フルインベストメント状態なので、何とか上に行って欲しいですぅ。)

一方、海外の方も微妙な展開中。ダウ・ナスは下げて始まりましたが、今現在は大分戻して来ています。新興国株も全体的に軟調ですが、ダウ・ナスが戻せば一緒に戻りそうな雰囲気。

基本的に、上海の暴落は織り込み済みと言うスタンスでいますので、今日を押し目と考え、一旦外していたアジア新興国株の買戻しを開始することにしています。具体的には、FXI、EWM、EWS、EPP、INPを少しずつ打診買いしいます。

尚、これまではインドへの投資はCEFであるIIFを利用して行っていましたが、今回はINPを購入してみています。(先週まではIBで買おうとするとエラーになったのですが、今日は買えました。)

INPは厳密にはETFでは無い新しい投資商品です。正式名称はETNです。IIFに比べて流動性が高く、CEFの様なプレミアム/ディスカウントは付かないので、購入可能ならばこちらの方が勝手は良さそうです。(MSCI India Index に連動します。)

ETNに関しては改めて別エントリーで触れたいと思います。


2007年06月08日

本当に強いの?

昨晩は欧州と米国が大荒れ。CMEも大きく値を下げたことから、東京市場もこれに鞘寄せした軟調なスタート。しかし、じわりじわりと盛り返し、結局引け値は僅かなプラス。明らかに、明日のSQを睨んだ大人の都合が垣間見れる値動きです。

この世界的な悪い地合の中でプラスを保ったと言う点で、やはり今の東京市場は強いと見るのが筋なのでしょうか。明日、SQを通過した後に、真の相場の強さが明らかになるのかもしれません。
正直、個別銘柄で見ていると、それほど強さも感じない微妙な雰囲気です。まぁ、日経だけでなく、TOPIXもプラスで引けているので、やはり全体にプラスなんでしょう。(でも、何故か保有銘柄の動きはいま一つ..。納得いかんです。orz)

日経平均はチャート的にも悪くなく、これからボーナスが支給されることも考えれば、18300円を目指す展開をメインシナリオに置くことは変えてません。只、海外の情勢がやはり気がかり。欧州の利上げは想定の範囲ですが、米国がここまで堅調な景気指数を示すのはちょっと予想外でした。まさか、本当に利上げが意識される状況になるとは..。まぁ、各種指数を信じるなら、景気上昇に併せた利上げ懸念なので、決して悪い話では無いと思います、長い目で見れば景気が続くと言う事でしょう。スタグフレーションじゃないってことで。只、なんとなく今の米国の好況が信用できないってのが不安の種だったり。

また、欧米が利上げ基調となると資金の供給が絞られてくるので、新興国の株式市場に悪影響が出るのが心配です。最大の資金供給源である日本さえ利上げしなければ、大丈夫だと思いますが、ここで福井さんがとち狂って緊急利上げなぞぶち上げようものなら大混乱は必至ですね。まぁ、今の時点でそれは無いとは思いますが。

ちなみに、日銀の利上げは債券相場の流れから8月説に信憑性が出てきている様です。(参院選前にやりますか?)


さて、こんな商状の中、保有銘柄の値動きはあまり芳しくありません。先日始めたバスケット運用はまだ含み益が出ていますが、今日は結構下げました。好配当が銘柄中心なので、長期金利が上昇傾向になると、値動きは厳しくなるのかもしれません。

長期金利の上昇で大ダメージを受けているのがリート。手持ちのビ・ライフだけでなく、リート全般がボロボロになってます。流石にここまでが値上がり過ぎたかもしれません。地銀あたりが売りに回りましたかね..。まぁ、リートはアセットアロケーション上、今の割合でホールドなので、ジタバタせず静観するつもりです。ちなみに、現在のビ・ライフ投資法人の配当利回りはまだ3%超です。5年債とのスプレッドを見てもまだ差はあるので、そろそろ下げ止まってくれると信じたいところ。

一方、海外市場の方は、先日打診買いを入れた新興国系のETF(FXI, EWS, EWM, EPP, EEM, INP)を昨晩の下げで全て損切り。やはりちょっと早まった仕掛けでした。確実に上昇トレンドを見てから再度仕掛けなおします。

売った資金は再度DBVに突っ込みました。現在の様な株にも債権にも動き難い状況では、金利に先高感のある通貨に逃げるのが最善手でしょうか。FXEを買っとくのが正解かも。あと、ゴールドが何気に底堅い感じなので、GLDの買い増しも考慮してみます。

Alpine Global Dynamic Dividend Fund (AGD)

今回も変り種のETF/CEFのネタ。

「Alpine Global Dynamic Dividend Fund (AGD) 」は世界の株式に投資して好配当を得ることを目的としたCEFです。世界の好配当株に投資するETFとしては、以前のエントリーで記した「WisdomTree International Dividend Top 100 Fund (DOO)」があります。今のところ、DOOはかなり良いリターンを上げているので、これに優るファンドを見つけるのは困難な情勢ですが、このAGDはある意味でかなり変り種です。

普通、好配当株ファンドと言うと、好配当を継続的に続けている企業に投資することで、インカムゲインとキャピタルゲインを狙って行きます。しかし、同じインカムゲインを狙うにしても、このAGDのアプローチは根本の考え方が違います。

さて、このAGDがどうやって高インカムゲインを狙っているかと言うと、これがセコくて失笑してしまったのですが、配当を得る回数を増やすことで高インカムを達成しようと言うもの。要するに、配当の時期が近い銘柄に投資して、とにかく配当を掠め取ろうと言うこと。日本でも某株式評論家がカレンダー投資と言う投資法を説いていますが、正にアレです。笑

より詳細な投資ロジックは書ききれませんが(手抜き)、基本的な考え方は次の通り。まず、投資対象を3カテゴリーに分けます。1つはバリュー株で好配当の銘柄、2つめはグロース株で好配当の銘柄。この2つに投資対象については、極普通の投資を行います。

ポイントは3つめのカテゴリー。このカテゴリーの銘柄ではローテーション戦略を用いて、高いインカムゲインを狙います。まず、通常ならば四半期毎に配当金を得るところを、配当月の異なる2つのグループの投資対象を用意します。そして、この2つのグループへの投資を適当な期間(恐らく3ヶ月毎)でスイッチして行きます。こうすることで、各グループから年間で3回の配当を得ることが出来、合計で年6回の配当機会を得ることになります。

要は、「上手く立ち回って、通常の配当金の1.5倍を稼ごう」と言うワケです。ETF-Connectのサイトより現在の配当利回りを調べてみると、年換算で8.14%でした。結果的にかなりの高インカムを叩き出しています。

更に、分配金込みのリターンを調べて見ると、設定来で年利換算34.11%とまずまずの好成績を残しています。尤も、現時点で1年弱の運営状況なのでバックデータとしての期間は短いですが..。出来ればもう少し長い運用データが見たい所です。(注:本ファンドは毎月分配なので、単純にYahoo Finance でチャートを表示するとトータルリターンを見誤ります。)

本ファンドはCEFなので、高プレミアムの時を避けて購入する配慮は必要ですが、流動性は意外にあるので、投資対象として面白そうなファンドではあります。グローバルファンドなのでボラリティは比較的抑えられる所に、インカムゲイン分で8%を超えるリターンがあるのは、結構魅力的だと思います。

そして更に、Alpine社では新たなCEFを2つ組成しています。1つがAODでもう1つがAWP。AODはAGPの投資戦略を更に推し進め、2ヶ月毎に投資対象をスイッチすることで、年に8回の配当機会を得ようと言う代物。現在の分配金の利率は年間で10.1%と、AGDを軽く凌いでいます。トータルのリターンがどうなるかは今後を見守る必要がありますが、監視して行きたいファンドではあります。(ぶっちゃけ、インカムゲインが10%あれば、キャピタルゲインは0%でも許します。もちろん、マイナスはダメ。)

最後のAODはこれは投資対象を不動産産業に特化したもの。不動産サイクルに応じて、金融業・建設業・不動産業の間で投資比率を変化させ、高リターンを狙います。また一方では、件の高インカム戦略を用いて、年間8回の配当を狙おうと言うもの。初回の配当もされていない状況なので、どの程度のパフォーマンスが出るか今のところ不明です。キワモノ好きの方、如何でしょう?笑

2007年06月09日

SQ抜けたら弱かった?

今日の東京市場はSQ値の算出日。しかし、晩のNYは大荒れと言うか土砂降り。流石にこれでは、何気に強かった日経も今日は如何にもならないだろう。..ともはや達観して眺めていたところ、予想以上に高い寄付き。結果的に窓が空くこともありませんでした。これならば、逃げるつもりだった人は、そこそこ逃げられたかもしれません。今回はオトナ様々だったかも。

しかし、オトナの事情で堅調を続けていた東京市場もSQ通過後は見事に失速。まぁ、こんなもんでしょ。今回の世界同時株安の原因が長期金利に上昇にあることは衆目の一致するところ。東京市場でも金利上昇に弱い不動産業やその他金融業が派手にヤラレてます。反面、恩恵を受ける銀行や保険業は好調だったようです。

問題は何故ここへ来て、世界的に長期金利が上昇しているのか、これが良く判りません。明確なトリガとしてあったのはユーロの政策金利の利上げですが、これは以前から織り込み済みだった筈で、急に大騒ぎするものではありません。

米国の方は雇用統計が良かったことからインフレが懸念され、利上げ→長期金利上昇と言うことでしょうか。尤も、現状でイールドカーブは長期金利が短期金利を上回る、一般的な状況になった訳で、今までが変だったと言うほうが正しそう。

問題は日本で、何故長期金利が上がってるのか、理由は良く判りません。日銀の利上げを織り込んだ動きと言う事なんでしょう。しかし、こうなると逆に日銀は利上げしにくくなった様な気もします。明らかにこれまでの利上げが景気を失速させる方向で影響が出てきていますし、今回の金利上昇でも株式市場が急激に弱含んだのを見ると、やはり参院選の前の利上げは難しいんじゃないかと..。

さて、問題は今後の見通しですが、日本株については依然として強気を継続したいと思います。今日も下げたとは言え、NYの様な崩れるような下げ方でもありません。日経の週足チャートは依然として下値支持線でサポートされた形を保っています。

むしろ思うのは、不動産株やREITが急落しすぎなのではないかと..? 年内に1%まで政策金利を上げてくることは予見の範囲内ですし、それならば、現在の長期金利の値も、想定内の数字の筈です。ちょっと狼狽しすぎなのではないかと、自分を慰めてます。(やっぱビ・ライフ、売っとくべきだったか~~??)

一方、海外の方は、今現在のNYの動きは落ち着きを取り戻した感じです。ダウ&ナスは微妙な感じですが、それでも今のところは、プラスをキープしています。

..で、ヘッジのためと言うか、おまじないとしてと言うか、少しベアファンドを買いましてみました。いつもの得意技で、これも曲げるようであれば、結果として日本全体にはプラスなので、それはそれで良いですから。買ってみたのは「UltraShort Dow30 ProShares (DXD)」と「UltraShort Real Estate ProShares (SRS)」の2つ。「UltraShort Basic Materials ProShares (SMN)」も買ってみたいのですが、IBでは何故かエラーになって今のところ購入できてません。もし、SMNが買えるようならば、資金的にDXDは即時処分してしまうかもしれません。

2007年06月10日

口座維持費ルールを変更④

すっかり更新を放置してたこのエントリー。実は一応の決着が自分の中では付いてました。

先ず、ここまでの流れを整理すると..。

 ・今年に入ってHSBC Offshore支店の口座維持費の無料化条件がハードルアップ。
  更に口座維持費もメチャメチャアップ。
 ・外貨預金だけで条件クリアしようとすると全体のアセットアロケーションが崩れてしまう。
 ・投資口座を開けば維持費は無料になるので、投資口座を開くことを画策。
 ・HSBC Offshoreのサイトと我が家の相性が悪く、トラブル発生。解決すべくメールでやりとり
  するも、なかなか拉致があかず..。
 ・なんとかクリアして、アプリケーションを作成。サイン認証をHSBC東京支店に頼もうとしたら、
  認証サービスを東京支店は止めてしまっていた。

..と、これが前回までの話の流れ。

さて、その続きですが、サイン認証をしてくれる第三者機関を捜索。この種の書類を郵送で見知らぬ事業体に送って認証してもらうのも嫌なので、直接足を運べる範囲で、受けてもらえる所をネットで捜索しました。そしてなんとか、いけそうな所を横浜で1つ発見。

..で、早速見積もりをお願いしたところ、これがもう高くて、びっくら。ジョイント口座なので認証箇所も通常の2倍あるのですが、総費用はなんと27600円也。ちょこちょこっとサインするだけで、この値段とは正に言い値そのもの。(こんなに美味しい商売なら、自分で行政書士の資格をとってみようかと、まじめに考えましたヨ。)

更に、直接事務所に行くのはダメで、全て郵送のみとのこと。こう言われてしまうと、「事務所なんて形だけの営業体制なんじゃない?」と穿った見方も出てくるわけで、余計に心配に..。

金額的にも納得は行きませんでしたが、それ以上にその他の諸々の部分が気に掛かり、取り合えずこの業者さんは見送り決定。その後、忙しかったこともあり、本件はしばし放置モードに。

ところで、HSBC Offshoreの口座は全て定期預金口座に入金しており、セービングアカウントには残高がありませんでした。つまり、口座維持費を避けるために資金を他支店に移動するにしても満期を待たなければならない状況でした。逆に、セービングアカウントに残高が無い状態で、HSBCは口座維持費を引いてくるのかにも興味がある所。もし引かれるなら、セービングアカウントの残高がマイナスになって行く筈です。

..と言うことで、暫く口座を監視していのですが、残高がマイナスになる気配は一向にありません。その後、良く見ると、僅かに利子で残っていた数ドルが口座維持費として引かれているのに気付きました。これって、「残高があると引かれるけど、ゼロにしておけば引かれないってことジャマイカ?」

それならば、話は簡単。常に定期預金口座に全額を突っ込んでおいて、セービングアカウントに残高を残さなければ問題なし。最後に注意すべきは満期のときにまとめて引かれないようにすること。恐らく維持費の引き落としは月末などの決まった日付に行われるとだろうから、満期になったら直ぐに、定期口座に入れ直してあげれば大丈夫でしょうと。

てなわけで、けっこう姑息な結果に落ち着いたのですが、ゴミ投資家らしく、無駄なコストの発生は回避できてラッキーでした。まぁ、数年したら維持費無料になるくらいの資産を預けますんで、HSBCさんにはもう少し我慢してもらおうと思います。 笑

ETNって何だろう?

新手のETFもどき商品た出たと言う事で、これは知らなきゃいかんだろうと調べてみました。

「Exchange Trade Note」が正式の名称。ETFの正式名称が「Exchange Trade Fund」で、「上場型投資信託」と訳されてることから、ETNは「上場型有価証券」とでも訳せば良いのか?(正規の和名はまだ定まってないっぽい。)

..でもって、名称からたどり着くのは、ETFの債券版みたいなものってこと。(超いい加減。)要するに、何らかのインデックスに連動して価値が変化する債券と言うことでFA。

流石にこれじゃアバウトなのでもう少し突っ込むと、次の様な代物になります。

 ※ ここでは現状で最も有名なETNと思われる「iPath」について記述します。
  (そもそも、「iPath」以外のETNが組成されているのか不明だったり。)

 ・英バークレイズ社が発行する債券。
 ・満期も設定されています。(だいたい30年みたい。)
 ・満期以前のトレードは証券取引場を介して可能。
  (要するにETFと同じく、株式の様に売買できます。)
 ・ETFと同様に、空売りも可能。
 ・市場ではそのETNが連動するインデックスの値でトレードされます。
  例えばINP(iPath MSCI India Index ETN )の場合、「MSCI India Total Return Index」に
  連動した価格でトレードされます。

..と言うわけで、ここまでの説明ですと、「ETFとまぁ同じように扱える金融商品」っていうことで、第一段階修了。

じゃぁ、何がETFとちゃうのって言うと、最も重要なのはiPathはバークレイ社が発行し、価格を保障する無担保社債だと言う事。ETFが現物相当の株式なり商品なりを確保して上場しているのに対して、iPathはバークレイ社の信用だけで成り立つ金融商品です。

つまり、ETFならば購入者の負うリスクは、相場の騰げ下げだけですが、ETNの場合は債券のデフォルトリスクも併せて負うことになります。ぶっちゃけ、バークレイがアボーンしたら、iPathは紙切れになっちゃうって言うこと。

まぁ、巨大金融会社であるバークレイズの社債がデフォルトを起こすとは到底思えない訳で、その点での心配は然して不要と思うのですが、今後ETNの種類が増えてくる状況になれば、妙な発行母体のETNは掴まない注意は必要になるんでしょう。

逆にETFと比べてETNは、特に発行側のメリットが大きいと推察されます。なにせ、債券を発行した後は価格を保障すれば良いだけで、裏でポートフォリォを調整するコストは発生しません。当然、マネージメントフィー(信託報酬と言う用語もここでは適切ではないですね)は少なくて良い筈です。

この管理費が安く上がる分だけ、投資家に還元してくれれば優れた金融商品になるのですが、iPathに関してはそれほどマネージメントフィーは安くありません。INPのマネージメントフィーは0.75%であり、高くはありませんが「まぁこんなもんか」程度です。

また、他のメリットとして、現物を伴わなくて良い分、組成自体が物理的に容易と言うことも挙げられます。例えば、以前からプラチナのETFは噂に上がりますが、業者の抵抗から現物の確保が進まず、組成が未だにされません。これがETNならば現物の確保は不要ですから、比較的容易に実現できる可能性がありそうです。即ちETFの仕組みでは実現できない商品がETNならば実現できる可能性を秘めていると言えます。

ところで、ETFに対するETNの本当のウリは別な所にある様です。ETNはETFの様な配当金/利息などの分配を行いません。そもそも、現物を裏で保有している訳ではないので、配当金や利息が発生することが本質的にないのです。即ち、分配金による基準価格の低下も無く、当然、インカムゲインに対する課税も発生しません。これは複利効果を最大限に期待する長期投資家に対しては魅力的な特徴です。

要は「ETNに対する課税は売却するとき以外には発生しない」と言うことです。これは私の様な海外からの投資家にとっても意味のある話です。

あとは良く判りませんが、米国では株式と債券でインカムゲインに対する税制が異なっていたりするかもしれません。この辺りで税制の抜け道を突いている可能性もありますが、日本人には関係ない話でしょう。(たぶん)

さて、iPathですが、現在、次の8種の商品が組成されています。

 ・iPath S&P GSCI Total Return Index ETN (GSP)
 ・iPath Dow Jones-AIG Commodity Index Total Return ETN (DJP)
 ・iPath S&P GSCI Crude Oil Total Return Index ETN (OIL)
 ・iPath MSCI India Index ETN (INP)
 ・iPath EUR/USD Exchange Rate ETN (ERO) (ERO)
 ・iPath GBP/USD Exchange Rate ETN (GBB)
 ・iPath JPY/USD Exchange Rate ETN (JYN)
 ・The iPath CBOE S&P 500 BuyWrite Index ETN (BWV)

上3種はコモディティインデックスに連動するETN、4番目がインド株式インデックスに連動するETN、続く3種が外国為替レートに連動するETN、最後のBWVはSP500のオプション取引に関するインデックスに連動するETN、です。(BWVについては別の機会があれば触れて見ます。)

以上で説明終わりなのですが、ひとつ私が判らないことがあります。と言うのはERO, GBB, JYNの様な為替レートに連動するETNに関してです。厳密にどの様なレートをインデックスにしているのか不明なのがいけないのですが、もし現物を保有していたら発生するであろう利息がどのように処理されているのかが判りません。

例えば、同じユーロを対象とするEROとFXEを比べてみると、FXEはEUR/USDのレートに連動するため、保有するユーロ相当の資産から発生する利息分を毎月の分配金として、ホルダーに分配しています。しかし、ETNはその仕組みから一切の分配は行いません。それならば、利息の分だけ基準価格が上昇してくれないと、投資する価値がありません。(誰だって迷わずFXEを買うはずです。)

この疑問に対する合理的な解決は、利息分だけ基準価格が上昇する他はありません。検証するにはFXEとEROの基準価格の変化を比べてみるのが簡単です。しかし、EROは組成から間が無く、Yahoo Financeで基準価格の経過を見ることが出来ませんでした。もう少しすれば、この点はハッキリすると思われます。

ちなみに、コモディティに関しては配当/利息は発生しないので、この疑問はありません。MSCI India Index については、(たぶん)インデックス自体が配当金を織り込んだものになっていると思われるので、インデックスに連動さえしてくれれば、配当金分だけ損すると言うことにはならないでしょう。


最後に、改めて信用リスクの問題を考えてみます。確かにETNは債券なので、バークレイがアボーンしたら、債券としてはデフォルトを起こします。投資したお金はパーで、そのリスクは投資家が負わなければなりません。この点では明らかにETNはETFに劣るのですが、我々日本人の個人投資家からみた場合、海外ETFもETNも然して変わらないかもしれません。..と言うのは、もし海外のETFが上場廃止に追い込まれた場合、その対価を確実に回収できるか、現実問題としてかなり微妙です。それなりと語学力と交渉力を持って、なおかつ時間に余裕がなければ、資産の回収は困難になるとみるべきでしょう。

その点で、ETFもETNも信用リスクは大差ないと考えて良さそうです。これは、「だからETNでも大丈夫」と言う話ではなくて、「ETFでも経営の怪しい組成元の商品は信用リスクを伴う」と言うことです。Wisdom Tree社が組成するETFは運用成績から私のお気に入りなのですが、信用リスクの点では用心する必要があると思ってます。

WisdomTree社がナスダックに上場してくれると、少しは安心なんですが..。

2007年06月11日

保有銘柄(2007/06/8・円建て)

・日本株への投資枠は減らしましたが、フルインベストメント継続中です。
・好配当銘柄へのバスケット運用を開始しています。

■長期運用銘柄

1.個別株式

 - 東芝(フラッシュメモリ・原子力)
 - JR東日本(電子マネー・駅中開発・不動産開発)
 - 任天堂(DS・Wii)
 - 三井不動産
 - 塩野義製薬(業界再編・インフルエンザ新薬)
 - 雪印乳業
 - ビ・ライフ投資法人
 
2.ファンド

 - 三菱UFJ投信・外国株式インデックス *1
 - 富士投信・みずほウェルズファーゴ・エマージング株式 *2
 - DKA・みずほJ-REIT *2
 - DIAM・ワールド・リート・インカム
 - 東京海上・エネルギー・食料関連ファンド

  *1: 三菱UFJ銀行のATMと振込み手数料無料化のために保有
  *2: みずほ銀行のATMと振込み手数料無料化の為に保有


■トレーディング銘柄

[バリュー]
 - セガミメディクス(業界再編)
 - ADM(Wiiの加速度センサ、AU携帯の指紋センサ)
 - 東京カソード(業績回復)
 - 武富士(業界再編)
 - 銀行業株価指数連動ETF

[バスケット運用]
 - トヨタを含む15銘柄

[システム運用]
 - TOPIX連動型ETF

[塩漬]
 - ジャストシステム(xfy)

2007年06月13日

ヘタレてますねぇ

今日の東京市場は結局続落。昨晩のNYが引けに掛けてマイ転したことで、雰囲気の悪いスタートを切りましたが、結局リバることも無く、ジリ下げ。ホント、日経は勢いがないと言うかヘタレてます。

そもそも月曜日の値動きからしてダメ。先週末のNYが反発したことから、東京も反発が期待されましたが、然して高く寄り付いた分けでのないのに、結局寄り天。アジア各国が一斉反発したのに比して、なんとも情けない..。

まぁ、他の国は先週の下げ幅が大きかったので、その分リバが大きいのは当たり前と言えばそうなのですが、テクニカル的に↑に行く条件が揃っていながら足踏みしてしまうのは何なんでしょ?私的には、今の相場付きを見ると、上値が重い欧米や中国を除く新興国よりも日本の株の方が買い易く思えるのですが、やはり私が世間からズレてるんでしょうか。

..とは言え、日本株に対する当面のスタンスは変えないでいます。目先は下げても、17700円から折り返して、18350円を目指してもらいたいと思います。飽くまでも日足に囚われず、週足をみてトレンドを判断したいと思います。(17500円を大きく割り込んで行く様だと、要警戒状況です。)


さて、保有株の値動きはと言うと、日経に平均に連動してすっかりダメ。 ..とはいえ、今日のところは不動産・REIT関連が下げ止まってくれたので、精神的にかなり救われてます。

「エビちゃん」こと「ビ・ライフ投資法人」も何とか750000円で底打ちしてくれた気配です。取りあえず、この急落局面で売るつもりは無かったのですが、リバを待ってJ-REITのボジションを少し調整することは考えようと思います。手段としては、エビちゃんを処分して、その資金の一部でJ-REITのファンドを購入し、全体のリバランスを図ることを検討します。

エビちゃんはレジデンス系なので、値上げ交渉は容易ではなく、将来的な利回りの向上は期待し難いことが予想されます。その分、利回りが長期金利に十分に勝っていて欲しいのですが、長期金利が2%を超えてくると、利回りの差としてはもう1つ物足りなくなってしまいます。ならば、オフィス系の様に、将来的な賃貸料のアップが見込めるREITの比率を上げる方向で調整すべきでは無いかと考えた次第。あと、REITが値上がり過ぎたことで、ポートフォリォに占める構成比率が、年初に計画した比率を超えてしまっていると言う事情もあります。


一方、海外の方は反発はしたものの、株式の値動きは全体に重い感じが残ります。只、↓に転ぶかと思えばそうでも無く、微妙な状況になってます。取りあえず、先週末にヘッジで買ったダウ連動ベアファンド(DXD)は損切りしました。一方で、もう1つ仕込んだ不動産セクタ連動ベアファンド(SRS)は残してあります。

ところで、先週の急落局面で、トレーディング用の資産から新興国株を全て処分してしまいました。これに再エントリーしたいのですが、そのタイミングに迷っています。(縄跳びに跳び込めないって感じ。)

そこで、方針を次の様に決めることにしました。この先は、「直近の高値を切り上げた銘柄から再エントリーする。」、で行きたいと思います。
このルールに寄れば、CAFが直近の高値をブレイクしていましたので、バブルを承知で再エントリーしました。(..と言っても、ほんの打診買いレベルです。)

あとは、FXIも高値更新しているので、これも今晩中に仕込みます。一方で、東南アジア・インド・南米辺りは、今晩のNYが下げており、今暫くの間、高値更新待ちになりそうです。

PowerSharesから新規ETF

新たに5つのETFが、マニアックなETFを組成し続けているPowerSharesより、6月13日(水)に設定させます。

PowerSharesのETFには、これまでもニッチなセクタを狙ったものや、RAFI・ValueLineと言ったストラテジックなもの、また各種ベアファンドや、ロング&ショート戦略(私がお気入りのDBV)のものなど、他には見られない先進的な商品群を展開しています。

しかし、これまでのPowerSharesのETFは、その大半が米国内企業を投資対象としたものでした。(一部例外あり。)しかし、今回組成する5つのETFは、何れも米国企業を含まないグローバルETFになっています。


(1) PowerShares Global Water Portfolio (PIO)

昨年来、強い注目を集めている、水資源に関わる企業に投資するETF。同社のETFに同じくPHOと言う水資源関連がありますが、PHOが米国企業中心なのに対して、こちらはグローバル企業が対象になっています。ETFが追従するインデックスの過去の成績は、過去5年で年利回り23.32%、シャープレシオ1.45と、非常に良好です。
PIO.gif


(2) PowerShares Global Clean Energy Portfolio (PBD)

同じく、クリーンエネルギーに関わる企業に投資するETF。やはり、同種のETFとしてPBWがありますが、こちらはそのグローバル版です。インデックスの過去の記録は、過去5年の平均利回りが20.87%、シャープレシオ0.92です。リターン的にはEAFEとほぼ同程度の成績です。
PBD.gif


(3) PowerShares Dynamic Developed International Opportunities Portfolio (PFA)

今回の5つのETFを見ていて、私が最も興味を惹かれたのがこのETF。投資対象は米国を除く比較的先進国の企業です。(香港が4%入ってます。)
問題は追従するインデックスですが、「QSG Developed Int'l Opportunities Index」がそれになります。只、この具体的な中身が良く判りません。「Quantitative Services Group」と言う所が提供しているインデックスで、何らかの数値モデルを用いて割安な銘柄をリストアップし、適当な比率でこれを構成させている様です。(QSGのサイトを見てみましたが、具体的なロジックは不明でした。)
で、何にが凄いかと言えば、当然成績。インデックスのバックテスト結果を見ると、5年の平均利回りが27.16%、10年の平均利回りが21.83%、シャープレシオが1.3です。ついでに、過去10年間で、年間収支がマイナスになったのが、2002年の1回だけ。しかも高々-2.18%。とても、先進国の企業に投資した成績とは思えません。本当なら、これだけあれば、あとは要らないんじゃないかと、マジで思ったりして。
PFA.gif


(4) PowerShares Dynamic Asia Pacific Portfolio (PUA)

こちらはアジア太平洋地域の企業を投資対象としたETF。(日本は含まれていない模様です。)PFAと同様にQSD社が提供するインデックス「QSG Asia Pacific Opportunities Index」に連動します。バックテストの結果を見ると、5年平均で31.02%で、シャープレシオはなんと2.23です。(びっくら)
只、アジア圏が対象なので、10年でみると成績は少し落ちて、平均10.78%です。(これでも十分高いですが。PFAの成績の前ではちょい色あせします。)
PUA.gif


(5) PowerShares Dynamic Europe Portfolio (PEH)

ヨーロッパ主要国の企業を対象としたETF。(東欧は含まれません。)やはり、QSDが提供するインデックス「QSG ACtive Europe Index」に連動します。バックテストの結果は、5年平均で24.41%、シャープレシオ1.6です。また、10年平均でも年利20.13であり、これもPFAに負けず劣らず驚きの結果です。
PEH.gif


PFA, PUA, PEH の各インデックスのデータを見ると、何れも2000年~2003年の下げ相場でも、プラス若しくは微減の成績を叩き出しています。この下げ相場での強さが、トータルの好成績につながっていることは疑いありません。
これだけの成績が安定的に出せるなら、ボラティリティの高い新興国に投資する必然性は感じられなくなってきます。PFA, PUA, PEH に資産を3等分して、長期放置するのがもしかして最強だったり?

過去の成績が良くても、未来に約束するものは何も無いと判っていながら、それでも傾倒してみたくなるだけのデータです。

2007年06月17日

世界同時株高だったり?

今週の相場状況は振り返ってみるとジェットコースター状態。先週末より米国を皮切りにして、世界的な長期金利の上昇傾向が強まり、結果的に債券相場と株式相場の両方が大幅な下落となりました。特に米国10年債の金利上昇が急峻で、チャート上の上値抵抗線をブレイクし掛かり、長期的に下落傾向にあったトレンドが、上昇トレンドにハッキリと転換して来ていることを感じさせるものでした。

これを受けて、NYの値崩れ状態は長期的な調整入りすら感じさせる危険な状態でした。しかし、辛うじて金利上昇にストップが掛かり、週末の物価指数も市場予測通りでインフレ懸念も後退、一旦は金利も下落傾向に入ったことから、株式相場も反発をしてくれました。

東京市場もこれを受けてかなりセンチメントが悪化し、不動産セクタや公益セクタなどの、金利上昇に弱いセクタが大きく売り崩されました。しかし、下値抵抗線が機能したこともあり、外国株に比べて下落幅は限定的だったと思います。結果的に米国長期金利が一服したのに呼応して、日本国債の利回り上昇もストップが掛かり、週末2日続けてのGUとなっています。

更に、金曜日の引け後に日銀の政策決定会合を受けて福井総裁の会見があり。今回、利上げが無かったことは当然として、7月の利上げに関しても毎度恒例の「予断を持たずに臨む」としたことから、今回は何時もとは逆に7月の利上げには消極的と判断され、これも金曜夜のNYの上昇に一役買った様に思います。

思うに、今回福井さんがいつもとは逆にタカ派発言をしなかったことについては、急激な長期金利の上昇が経済面で危険であることを、真剣に憂慮したのではないでしょうか。米国市場の先行きにも若干の懸念を示していますし..。
市場的には8月利上げを織り込んで来ていることから、ここで無用な波風を立てて金利上昇を煽るよりは、落ち着かせる発言をして、日銀としては粛々と8月に利上げを敢行する作戦ではないかと思ったりしております。

さて、これを受けての来週の作戦ですが、先ず月曜日がGUスタートすることは確実です。CMEの終値が18180円なので、これに鞘寄して始まるのは確実です。しかし、こうなると三空叩き込みが出来てしまうので、チャート的には売りを誘うかもしれません。理想的には18008円の窓を埋めてから上昇して欲しいのですが、逆に18180円を越えてスタートする様だと、寄天の可能性もありそうです。但し、世界的には同時株高の様相も呈し始めて来ているので、大きく売り崩ずされることもないと楽観もしています。

寄付きの日経平均が18180円を付けてしまうとすれば、次の上値抵抗線は日足で見たときの18240円近辺ですが、これはあっさりと破れそうな気がします。更に、次の抵抗線は週足で見た時の18580円ですので、当面はこれを目指す展開を期待したいと思います。

..と言う訳で、東京市場についてはブル継続です。一方、NY市場に関しては悩ましいところですが、こちらは中立から強気ポジションへと転換中です。QIDを損切りして、ポジションを半分に落とす一方で、資金退避させていたDBVを利益確定して、新興国系のETFとグローバル系のETFのポジションを回復させています。新興国に関しては中国・南米辺りの戻りが強く、シンガポール・マレーシアの戻りは重いことから、今回はEEBを買ってみました。

あと、新規に組成されたPIOも試し買いしています。水関連については世界的な投資テーマですし、同種のPHOの値動きが良いことから、グローバルなPIOは更に期待できる気がします。

金属の次は農作物?

LMEでは買占めに対する課税強化が実施されたことで、最後まで暴騰を続けていたニッケルもバブルの終焉を迎え様としている気配です。これまで商品市況ではレアメタル・原油・ベースメタルと物色の行方が変化して来ましたが、次は農作物がそのターゲットになるのかもしれません。

青が農作物相場に連動するETFのチャート(DBA)で、赤が鉄・銅などのベースメタル(DBB)、黄が原油(USO)、緑が金(GLD)を表しています。ベースメタルがピークを打ったのとは対照的に、長らく底練りを続けてきた農作物が動機づいて来ています。

私としては次は金が来ることを期待してポジションを取ってきたのですが、長期金利の上昇もあり、金の調整はもう少し続くかもしれません。ジム・ロジャースは、バイオエネルギーが原因で今年はコーンの生産量ばかりが増えて、他の穀物類が不足することを指摘してますし、これに夏に水不足でも輪をかけようものなら、短期的な上昇が起きるかもしれません。

すこしポジションを増やしておこうかと思ったり。

会社四季報

先週の金曜日は会社四季報の発売日でした。尤も、この日は相場そのものが大きく動いていたこともあり、いつもなら見られる四季報相場的な値動きは控えめであった様な気がします。(むしろ、この日は売られ過ぎ銘柄にスポットが当たっていた感じでした。)

さて、四季報相場への対応ですが、今回は次のような行動で臨んでいます。まず、四季報は購読契約して、発売日前日に入手します。(と言っても届くのは前日の場が引けてからの時間帯指定お届けですが..。)

..とは言え、一晩早く入手できることはやはり重要です。私の場合、会社から帰宅して、四季報に目を通せるのも夜の12時位から。ここから、いかに早くスクリーニングして美味しそうな銘柄を見つけ出せるかが勝負なワケです。

そこで、私がやるスクリーニング手順は次の様なものになります。

 (1) ページ端に「↑↑大幅増額」のマークがあるものだけを見て、後は無視。
 (2) PBRが1.2倍程度以下であること
 (3) 予想PERが15倍程度以下であること
 (4) 前期が赤字でないこと
   (これは条件的には微妙ですが、君子危うきに近寄らずと言う事で..。)
 (5) 株主資本比率が50%程度以上あること

ここまでを四季報でスクリーングしたら、最新のチャートをチェックします。

 (6) 株価が既に急騰していないこと
   (先行発売される投資ジャーナル等のせいか、数日前から値上がりしてる
    銘柄に多々ぶつかります)
 (7) 買残がつみあがっていないこと
 
以上の条件をクリアする銘柄を見つけられたら、あとは企業サイトなどを見て気分で投資先を最終決定します。


今回の場合、前日に武富士が自動ロスカットされたことで投資資金を余っていたこともあり、上記手順でこの資金の新たな振り向け先を物色しました。

結果、やはり時間が足りず、四季報の前半だけをチェックすることしか出来ませんでした。..で、仕方なく、ここから絞り込むことになりました。..で、最終選考まで残ったのが、次の銘柄。

 ・山崎建設
 ・インフォコム
 ・日特エンジニアリング
 ・ミューチュアル

そんなこんなで、最終的にはミューチュアルを選択し、四季報発売日の寄り付きでこれを仕込んでます。ちなみに、ミューチュアルのファンダメンタルズは次のような感じ。
 
 ・PBR:0.7倍
 ・予想PER:10.2倍、9.5倍
 ・自己資本比率:59.2%

堂塔たるバリュー銘柄だと思います。(改めて見ると、竹田和平さんが大株主に名を連ねており、和平銘柄でした。)

しかし、結局金曜日は前日比マイナスで寄り付いた後、終値は変わらずで終了。終始、四季報相場的な値動きとは無縁でした。(出来高少ないし..。)尤も、前回の四季報の際に選んだ日本アンテナも、ジワジワと上がり続けましたので、二匹目のドジョウに期待したいところです。

ちなにみ、スクリーニングに残った中での今回の当たり銘柄は日特エンジニアリングで、寄り付きで買ったとして、終値で約3.7%の上昇でした。

2007年06月18日

Claymore/BNY BRIC ETF (EEB)

最近、思うところあって、国内に保有しているファンドの再配分を検討しています。現在国内で保有するファンドの中には、ロクに検討しないまま購入してしまったものや、当時は存在した購入理由が現在は無くなってしまったものがあったりします。まぁ、ぶちゃけた話、海外で買った方が効率的なファンドは海外で保有して、日本で保有するものは日本ならではのファンドを保有したいと言うこと。

..で、特に非効率に見えるのがエマージング株式ファンドや、BRICsファンドの類。国内で販売されるこれらのファンドは、初期費も信託報酬もかなり高めに設定されており、更には成功報酬を取るものすら散見されます。

そこで今回はお安くBRICsに投資できる、所謂、BRICsファンドのETF版は無いかと言う話。1年ほど前までは、BRICと言っても、中国・ブラジルについてはETFが設定されていましたが、インド・ロシアに関しては適当なETFが無く、CEFで代用せざるを得ませんでした。

そこで、今回の「Claymore/BNY BRIC ETF (EEB)」の登場です。昨年9月に設定されたこのETFは、BRIC4ヶ国にまとめて投資できるお手軽な代物です。

EEBが追従するインデックスは「BNY BRIC Index」で、これはADR又はGDRに存在するBRIC4ヶ国の企業から構成されるものです。構成比率の決定論理は良く判らないのですが、時価総額基準をベースに調整が施されている模様です。またインデックスの構成は四半期毎に見直されます。

最新の国別の構成比を見ると、
  Brazil 45.88 %、
  China 35.79 %
  India 13.56 %
  Russia 4.77 %
となっており、ロシアの比率が極端に低く抑えられている点に特徴が現れています。

信託報酬は0.6%と、新興国のETFとしては標準的な比率であり、国内のBRICsファンド群と比べれれば、1%以上も低コストになります。またインデックスのバックテスト結果では、5年間のリターンが年利換算33.3%。シャープレシオは1.20で、エマージング株ETFの標準的な成績です。

BNY_BRIC.gif

取り合えず、BRIC4ヵ国のETFを個別に買い込んでポートフォリオを構成するのが面倒な人には、有用なETFと言うことが出来ると思います。(ロシアの比率が少ない辺り、個人的にも好評価です。)

更に、EEBの設定来のリターンを国内で販売される主要BRICファンドと比較した結果を次に示します。(注:EEBは円建てに換算し直して比較しています。)

EEB.gif

これを見ても、ボラティリティは高めですが、リターン面では好成績を残しています。HSBCやシュローダーには完全に勝ったと言って良いでしょう。

日興BRICsとの比較ではほぼ互角ですが、ボラティリティを重視すれば日興BRICsの方に軍配が上がりそうです。日興の方の国別構成はブラジルが突出して高く、次がロシアになります。中国はかなり少なめの構成比ですが、A株が含まれている辺りは特徴的です。

改めて日興BRICsファンドを調べてみると、信託報酬が1.76%と、他のBRICファンドよりは若干抑え目に設定されています。また、成功報酬と言ったふざけた追加コストも無く、分配金を殆ど出さない等、結構好感の持てる商品になっています。

長期運用する場合を考えれば、信託報酬の差がリターンに効いて来て、最終的にEEBの勝ちとなる可能性も高そうです。但し、日本で購入しなければならない事情があるなら、日興BRICsファンドはファーストチョイスと言えるかもしれません。

2007年06月19日

三空、開いちゃいました

今日の東京市場はある意味で想定通りの値動き。寄り付きは若干CMEの引値より甘くなったものの、そこから18180円を目指して上昇。しかし、18200円の壁は破れずに敢え無く終了。まぁ、懸念された寄り天を回避して陽線を引いたところは評価してあげたいと思います。只、上値を追うだけの力強さに足りなかったのも事実。

結果的に週末に予想した通りの値動きになったことで、三空が出現することになりました。高値圏で出たと言うよりは、リバウンドの過程で形成した三空なので、何処までの意味を持つのか微妙ですが、教科書通りに売り仕掛ける人も現れるんでしょう。(「今日みたいな日に売れる人が、相場に勝てるのかなぁ~」なんて思ったり。)

..とはいえ、私自身のスタンスは強気継続です。多少押したとしても、18500円を目指す展開は崩していません。そもそも、三空と言っても、個別銘柄ならともかく、指数の三空に何処まで意味があるのか、懐疑的だったりします。「大阪 → SGX → CME → 東京」と相場が動いている中で考えたら、窓なんて開いていない訳で、米相場の時代とは話が違うって言えば違うでしょう。

むしろ怖いのは三空よりも今晩のNY。なにやらサブプライムローン絡みで、またも融不安の噂が流れているそうな。NYが大荒れになって、この世界的に良いムードを破壊しないことを切に祈りたいと思います。(幸いなことに、今のところ、NYは軟調ですが破壊的ではないです。)

..でもって、今日の保有銘柄ですが、概ね指数に連動した値動き。不動産セクターが大幅反発してくれたのは、精神的に安心材料でしたが、エビちゃんの値動きが重いのがちょいと心配。やはり、レジデンシャル系のREITは戻りが悪そう..。

週末に微妙な中間決算を出したADMは、取りあえずプラスで引けてこれも安心。大幅経常増益にも関わらず、純益マイナスと言う、中途半端な上方修正(なのか?)になってしまいました。まぁ、割安な上に増益基調は揺るがないので、のんびり付き合うしかありませぬ..。

また、バスケット投資の方は久々に含み益に転じました。概ねですが、ここまでは日経連動の動きになってます。

2007年06月22日

PowerShares・怒涛の組成ラッシュ

先日5つのETFを組成したPowerSharesから、更に4種のグローバル系ETFが組成される模様。

今度は"FTSE RAFI Index"に追従するもので、以下がその4つのETF。

 PEF - PowerShares FTSE RAFI Europe Portfolio
 PJO - PowerShares FTSE RAFI Japan Portfolio
 PAF - PowerShares FTSE RAFI Asia Pacific ex-Japan Portfolio
 PXF - PowerShares FTSE RAFI Developed Markets ex-U.S. Portfolio

FTSE RAFI Index に関しては、最近、野村からもファンドが発売されることもあり、基本的な情報が日本語でも紹介されてます。

要は、時価総額規模でインデックスの構成比率を重み付けするのではなく、資産価値・配当・売上高などの要素で数値化してやろうと言う代物。一説では、時価総額ベースよりも高リターンが期待できるとか出来ないとか? まぁ、出来ないなんて言ったら売れないんですけど..。(^-^;)

シーゲル博士の配当規模ベースのインデックスもこのサブセットと言うか、どっちが元祖かとか、色々と話のネタはありそうですが、投資家的に知りたいのは何が最も高リターンを期待できるかっていう一点かと。

意外なまでに底堅い

昨晩のNYが金利の再上昇を受け、後半に入り大崩したことを受けて、連れ安が懸念された東京市場でしたが、18100円で反発し、結局プラス引け。急騰後のタイミングと言うこともあり、フルインベストメントの私も、もう少し下押すことを覚悟していたのですが、私が想像してた以上に底は固いのかもしれません。

結局今日の押しでも日経は窓埋めに至りませんでした。一方で、TOPIXは銭の単位での隙間は残るものの、一番上の窓をほぼ埋めています。まぁ、厳密にはこれを埋めきっていないとすれば、3日間窓を埋めなかったことで、三空完成からの目先調整の流れは終わり、明日からは元気良く↑を目指して欲しい所です。いつもなら、「まぁアメリカ次第ですが..」と言う枕詞が付く所ですが、今日の底堅さを見れば、日本株の独歩高の可能性もアリではないかと..。

実際、世界市場のチャートと日経のチャートを比較すると、中国を除く他国が総じて頭打ちの形状を示しているのに対して、日経は上昇トレンドを崩していません。円安が止まる気配が出れば、海外勢の買いにも拍車がかかり、一気に水準訂正もあるんじゃないかと夢想してます。(只、騰落レシオが120台に近づいている点は不気味ですね。暫し揉んで、レシオを100台に下げることが出来れば安心なんですが..。)

..と、日経が底堅いのに対し、保有銘柄については、サッパリ冴えない状況に陥ってます。他の監視銘柄に比べて保有株だけが何故か軟調。銘柄的な偏りが原因になっているとマズイですが、そういう切り口は見つかりません。まぁ、「こういう日もあるさ」と割り切るしかないのかも..。

唯一頑張ったのが東芝。久々の4桁復帰です。(何年ぶりだ?) 逆に、心労を掛け続けてくれるのが、エビちゃん。本当に困った娘です..。

あと、別エントリーで書きますが、バスケット運用の銘柄を大幅に入れ替えてます。


一方、海外の方は微妙な情勢が続いています。やはり、アメリカの経済情勢は油断がならない感じです。金利が再上昇が続く様だと、世界的にも影響が出そうです。米国株の弱気は継続して、懲りずにベアファンドを買い直しました。今度はQIDではなくSRSの比率を上げてます。あと、利が乗ったCAFを一旦手仕舞って、FXIに乗り換えてます。

PS.
現時点で、NY市場はマイ転しています。やはり弱そうなので、追加でSKFも仕込んでみました。

バスケット運用(フォローアップ)

先日開始した、日本株のバスケット運用のフォローアップです。

6月初旬に組成したバスケットでしたが、ここへ来て、トラッキングしているインデックス(WisdomTree Pacific ex-Japan High-Yielding Equity Index)の方に大幅な銘柄入れ替えが行われました。

インデックスの構成銘柄をここまでドラスティックに変更してくるとは、正直想定外で、面食らってます。これまでの構成上位15銘柄の内、7銘柄が構成銘柄から消えちゃいました。最も構成比率の高かったトヨタ自動車も、3位のキャノンも、跡形もありません。(^-^;)

インデックスの構成論理からすると、スクリーニングされた銘柄を配当額で加重することから、3月決算の内容を受けて比重が落とされたか、そもそも最初の銘柄スクリーニングから落ちたかのか、さてどっち?

行き成りのことで焦りまくりですが、見込み違いと言えども早々に止める訳にもいかず、バスケットの大幅構成変更を断行。結果的に資産の0.3%強のマネージメントフィーが発生しちゃいまいました。orz

既に見込みんだマネージメントフィーに達してしまっており、当初の目論見もどこへやらですが、今後1年間大幅な入れ替えが発生しない可能性もある訳で、何事も経験として続けて行きます。
(まぁ、日経225をオーバーパフォーム出来るなら、それで良い訳で..。と、強がってみる。)

しかし、これだけの銘柄入れ替えを目前にすると、一口にパッシブ運用と言っても、日経やTOPIXとは異にする、ものであることが、改めて実感されます。銘柄入れ替えのコストも、トラッキングするインデックスのタイプに拠って、大幅に異なるものになりますねェ。単純に信託報酬の高安だけで優劣を論じてはいけないと言う事でしょうか。

2007年06月23日

日経は粘ったけれど..

先ずは、金曜日の東京市場から回想。前晩のNYが前日の急落から半値戻す引け味の良さを見せたことから、東京市場も続伸が期待されたところでしたが、朝から予想外に弱く、利益確定売りに押される展開。まぁ、一気に上げてくる展開でしたので、週末に利益確定が出るのも理解できない分けじゃない。むしろ、18100円台でリバってた所に、強さを感じたりもします。

只、個別を見てゆくと、輸出系銘柄が指数を引っ張る展開で、逆に内需関連はボロボロ。円安と金利高の影響で、強弱が2分する状況。保有銘柄でも、東芝と任天堂が相変わらず強い一方で、不動産関連が再度下落。なんとか、金利だけでも落ちついて欲すい所。えびちゃんも遂に70万台陥落です。(^-^;)

あと、銀行関連も軟調で、これはヘッジファンドの破綻をキッカケにして、再び米国サブプライムローンの問題が再燃し日本まで波及してきている悪寒。(後述)
逆に、小型株は案外安定していた気がします。四季報相場をアテ込んで仕込んだミューチュアルでしたが、一週間で地味に5%上げて来ました。(^o^)v

また一方で、中国市場は不穏な動き。強気一辺倒だった上海市場が軟調に転じた一方で、香港は強さを保っています。当初、QDII拡大の話題が出たころから、A株→H株の資金シフトが起きるのではないかとの予測がありましたが、ここへ来て動きが明確に出てきたのかも。(数日前にCAFを処分してFXIに乗り換えましたが、これが結果的に大成功。もちろん単にツイてただけっす。)


..で、掛かる状況を受けてのNY市場でしたが、完全に失速しました。前日に戻した分を吐き出して、更に下落。なんかダウントレンドの方向性が見え隠れし始めました。ダウが$13264を割るようだと怖いですね。

ところで、この日のNY市場の最大の話題はBlackstone(BX)のIPOでした。$45で寄り付いたものの、結局、寄天で終値は$35.06。スタート価格こそ割らなかったものの、全く見せ場はなく、市場の弱気を象徴している感もありました。(私も一度リバった所で、投機に参加してみましたが、再度下値を割り込んだ時点で、とっとと脱出しました。取りあえず、祭りには参加したぞ..と。)

今回の相場の下落は、長期金利の上昇もありますが、主因はベアスターンズ傘下のヘッジファンド2社が破綻したことと言うのが専らの論調。債権者のメリルが担保のサブプライムローンのCDOを売りに出したものの、担保価値通りには処分できず、結局、保護者のベアスターンズが出てきて救済したとか。その救済額が32億ドルと言うのですから、やはり巨額。(^-^;)

まぁ、これで本件が幕引きしてくれれば良いのですが、問題はCDO自体に額面通りの担保価値が無いことが、(うすうすは皆知ってたけど)周知の事実となってしまったこと。金融機関に信用懸念が出てくると、世界市場に波紋を広げそう。日本企業も野村とか三菱UFJとか、噂が色々あったと思うので、月曜日がちょっと心配。

そんな状況なので、日経がどんなに頑強でも、泣く子と地合いには勝てないと言う感じもしてきます。日本だけ見ている限り、まだまだ強気でいるのですが、場合によっては一旦25日線までの下落は覚悟かも。(何れにしても強気継続。)
但し、月曜日の寄りで銘柄の入れ替えを行うかもしれません。フルインベストメントはキープです。


最後に、個別のトレードとしては、放置モードの日本株に対して、海外株(ETF)は銘柄の入れ替えを行ってます。新し物好きとして、PowerSharesから出たETF2種を仕込み、代わりに同セクタのETFを処分してます。

 ・EZU、DFE一部処分 → PEH購入
 ・DNH全処分 → PUA購入
 
特に、ポジションを増減させる話ではないので、下落相場中でしたが、構わず断行。
あとは、予算枠以上にポジションを取ってきたDBVを一旦利益確定してます。(予算分はホールド継続。)

また、円安が止まらず、海外に送ったままドル替え出来ず、放置モードになっている日本円をなんとか有効活用したいと思い、ADRで日本株を買うことにしました。..で、今回仕込んだのはオリックス(IX)。現在、バリューライン的に、良い所に位置してる気がします。これまでも、IXとは愛称が良く、殆ど負けた記憶がないので、今回も頑張ってくれよと。

StateStreetからもBRICのETF

昨日、StateStreetよりBRICsを投資対象とするETFが新たに組成されました。

 - SPDR S&P BRIC 40 ETF (BIK)

BRICs対象のETFとしてはEEBに続いてこれが2つ目になります。真っ先に気になるのは4ヶ国の構成比率ですが、最新状況では、

  China 39.46%
  Brazil 27.13%
  Russia 25.08%
  India 6.87%

となっています。EEBではブラジルが高く、ロシアの比率が極端に低いのですが、こちらのBIKではインドの比率が低く抑えられています。この辺りがファンドの特徴といえば特徴になるんでしょう。まぁ、好み次第ということで。

ちなみに、インデックスの成績では、過去5年の平均リターンが34.62%で、これはEEBの33.3%とほぼ同じレベルになります。

一方、信託報酬は0.4%となっており、EEBの0.6%に比して僅かに低コスト設計です。まぁ、BRICが投資対象となると、1日で1%以上も値動きするのがザラですので、年間で0.2%の差に何処までの有為性があるかは疑問ではありますが..。

尤もこれは、ETF間の比較論であって、他のミューチュアルファンドと比較すれば圧倒的に安い手数料であることは疑う余地がありません。もはや、BRICs投資もETFがあれば十分と言うことでFA。

あと、気になるのは流動性ですが、初日を見る限り、約定に苦労しない程度の、そこそこの取引量はありました。EEBよりは多少劣ってますが、直に遜色ないものになると思われます。

2007年06月24日

保有銘柄(2007/06/22現在・外貨建て)

・北米はベアETFを用いて、ショートポジションを継続中。

■長期保有銘柄

[ユニット・トラスト・ファンド]

- Fidelity ASEAN (Class A)
- Fidelity American Diversified Fund (Class A)
- Franklin Mutual European Fund (Class A)
- Templeton Eastern Europe (Class A)
- HSBC Managed Growth Fund (Class A)
- Shloder Select BRIC's Equity


■トレーディング銘柄

[中南米]
- 現在なし

[中国]
- iShares FTSE/Xinhua China 25 Index (FXI)

[インド]
- 現在なし

[アジア・太平洋]
- PowerShares Dynamic Asia Pacific Opportunities Portfolio (PUA)

[アフリカ・中東]
- 現在なし

[BRIC]
- Claymore/BNY BRIC ETF (EEB)

[北米]
- UltraShort Real Estate ProShares (SRS)
- UltraShort Financials ProShares (SKF)

[西欧]
- iShares MSCI EMU Index (EZU)
- WisdomTree Europe Small Cap Dividend Fund (DFE)
- PowerShares Dynamic Europe Portfolio (PEH)

[コモディティ]
- PowerShares DB Agric (DBA)
- U.S. OIL FUND (USO)
- streetTRACKS Gold Shares (GLD)
- iShares Silver Trust (SLV)

[グローバル・セクター]
- PowerShares Global Water Portfolio (PIO)
- Market Vectors Gold Miners (GDX)

[REIT・不動産]
- 現在なし

[債券]
- BlackRock Debt Strategies Fund II (DSU)
- Aberdeen Asia-Pacific Income Fund (FAX)
- Global High Income Fund (GHI)
- Templeton Global Income Fund (GIM)

[為替]
- PowerShares DB G10 Currency Harvest (DBV)

2007年06月26日

結構粘りましたが..

最悪の地合いの中でスタートした東京市場。どうなることかと思いきや、特にGDすることもなく、意外と高い寄り付き。更に午後にはプラ転まで演じてくれたりして、あまりの強さにもうびっくら。しかし、ここで下手にドテンしたりすると、見事に嵌め込まれるわけで、2時から棒下げを開始すると、結局久々の陰線で終了。

今日は上海市場が引き続き大荒れで、世界的に悪い地合いは継続中。その中で、日経だけが踏ん張れってのも、やはり無理って言えば無理な話。只、日経は未だに3つ目の窓すら埋めていないことから、かろうじて強さは感じられます。(欲言えば、リバって終わりたかった..。)

悪地合いの中での唯一の救いはやはり円安か?これが輸出産業の下支えをしてくれている感じ。一方で、今日も内需はボロボロ。不動産セクタなど見る影なし。(それに、円安も収まる気配が出ないと外人さんの買いが入らなくなりそうで、デメリットのほうが大きくなりそうな..。)
寧ろ、しぶとかったのは小型・振興。意外に、本格的な出直りムードだったり?

保有株は基本的に見所なし。一方で、週末に中間決算を発表したADMが急反発。但し、急騰の原因はどうもネット上の提灯記事っぽい。まぁ、PBR1倍割れ・業績回復基調・任天堂関連銘柄、とくれば買い煽りのネタには事欠かない銘柄なので、認知されれば一段高も二段高もする可能性はあり。既知の情報で相場が急騰する所などは、小型市場が効率的では無いことを示すものと思います。

所で、このADMのこの手の急騰ですが、これまでの経験では1日で呆気なく収束するケースが多々見られました。でも、今回は本物になるかもしれません。と言うのも、本日新たに中計が発表されており、09年10月期には、純益2倍の強気な計画が示されました。年度毎に売上高20%増を掲げてたりしまして、「本当に大丈夫なん?」って思ったりする訳ですが、リーダーの強気な姿勢は高く評価してあげたいと思います。(こうなりゃ2年間位ストロングホールドしますか。)

あと、高配当銘柄バスケット運用に続いて、本日からもう1つ別のバスケット運用を試行しています。これについては別エントリーにて改めて..。

2007年06月28日

持ち堪えられず

東京市場は世界的な地合の悪さに抗うことが出来ず、遂に陥落。日経平均は窓を開けて下落したことでアイランドリバーサルの形となりました。

状況的には宜しくないですが、下値支持線が控えており、ここで反発してくれることに期待が掛かります。勝負所は17700円台。ここが破れる様ですと、上昇トレンドが崩れ掛かることになります。一旦下げてから反発を期待しますが、さて如何なることか..?

..とは言え、私の手の内としては、ポートフォリオの大半が長期運用予定銘柄になってしまった為、基本的にはホールド継続が前提です。(銀行業ETFは一時処分するかも。)

一方、NY市場は、今も微妙な値動き中。ダウは変わらず近辺で、ナスダック平均は徐々に下値を切り上げて行っています。このまま進んでくれると良いのですが、明日の朝になってみるまで、結果は判りません..。

サブプライムローンの問題が再燃したことで、世界市場は強烈に不安定になっています。更に円高気配まで出てきており、これでキャリートレードにも影響が出ると、更に地合の悪化が懸念されてきます。

そこで、今日は一部ETFをリバランスして、安全策を図っています。

 ・EZUを処分
 ・EEBを処分してCAFを買い増し
 ・DSUを処分してDBVを買い増し
 ・IXを買い増し
 ・SRS、SKFを買い増し

DSUを処分したのは、米国債券に信用不安を覚えた為。SRS、SKFを買いますことで、ヘッジを掛けています。後は、円高基調のため、米ドルのままホールドしたくないことから、IXを追加購入しています。

2007年06月30日

貸金業バスケット運用

週初のエントリーで少し触れましたが、先に組成した好配当株のバスケットに続いて、新たなバスケットをもう1つ始めてみました。

今度のバスケットは、名付けて「貸金業バスケット」。グレー金利撤廃の影響で業績低迷し、極限まで売り叩かれている業界/銘柄に分散投資しようと言うもの。

これまでも、消費者金融銘柄としては武富士を保有していましたが、長期金利上昇の流れの中で値崩れし、損切りされてしまいました。只、投資テーマ的に諦めてしまうには惜しいセクタなので、今度は広く浅く保有することで、ボラティリティを下げて長期保有をし易くしようと言う作戦。

今回、バスケットに入れるのは、消費者金融・クレジット・商工ローンの3セクタ。これらをそれぞれ、約45%・40%・15%の割合で構成します。尚、本構成比率の決定に理論的バックボーンはありません。思いっきり個人的な気分で決めてます。(^-^;)

そしてそして、選んだのが次の10銘柄。

 ■消費者金融
  武富士
  アコム
  アイフル
  プロミス
  
 ■クレジット
  UFJニコス
  クレディセゾン
  イオンクレジット
  OMCカード
  
 ■商工ローン
  SFCG
  ロプロ
  
こうして並べて見ると、思いっきり社会的に不人気な企業が並びました。まだまだ先の見えないセクタですが、これ以上の底割れは無いと信じています。日経平均に逆行し易い銘柄も多く、一種のヘッジになることも期待してます。

ここまで下がれば、あとは上がるだけ。業界再編は確実に起きるでしょうから、分散させれば、どれかが当たりくじを引くはず。外資が大きく買っている企業も見られます。

先ずは1年を目処にホールドするつもりでいます。怖いのは金利の上昇でしょうか..。尚、コストがもったいないので、本バスケットに関しては特にリバランスは行わない予定です。

お化粧ですか?それとも?

昨晩のNYの引け味が悪かったことで、リバウンドも1日で終わりかと思われた東京市場でしたが、望外に強い全面高の展開。結局18000円台を奪還し、再び上値を伺う気配を示しています。

但し、注意すべきは今日が6月末日だったこと。なんでもこの日は、マイナスにならない特異日らしい。まぁ、アノマリーと言っても何らかの理由が(判らないだけで)隠れている可能性が高いと考えられます。本アノマリーについては、半期末のリターンを数字上改善したいと言う大人側の事情があるのと、ETFの配当取りの動きが出てくることでの底上げ効果が絡んでいるように思われます。

もう一つ、アノマリー話とは別に、今日はCPIの発表がされています。結果的にエネルギーを含む物価指数が-0.1%で予想通りのマイナス。更にエネルギーを除外した物価指数が-0.3%で、前回よりも下落。明らかに物価は下げ止まってません。もはや、「企業収益の改善が家計に波及する」と言う、日銀が描くダム論は、完全に見通しを誤ったと言えるでしょう。実際問題として、企業は従業員に対する報酬を大きく改善はしてませんし、その一方で、定率減税廃止分だけ税負担は増えているのですから、そりゃ個人消費が改善するワケはありません。

また、失業率も低下してませんし、物価上昇圧力を示すデータは何処にもありません。こうなると日銀の利上げには厳しい状況になっていると言う見方も浮上するかもしれません。巷では8月利上げ説が有力ですが、これ以上冴えない指標が出続ければ、8月の利上げは日銀にとっても正念場になるかもしれません。今日の市場は、8月利上げが不透明になってきたことを市場が織り込み始めていると言う見方もできるのかも。


保有銘柄の状況としては、これだけの全面高なので、総じて良い一日になっています。只、新興小型株は再び物色の圏外に追いやられたかもしれません。

手持ちのなかで特に強かったのが東芝。この数日間、好材料が出ていたのにも関わらず、地合いの悪さから上値が押さえつけられ続けていました。これが今日、歯止めが取れたことで、一気に上昇する結果になっています。思うに、最近の東芝の値動きにはこの種の動きが目立つように思います。寄付きが高くて結局下げて終わったような日の後は、狙い目かもしれません。

バスケット×2種の運用については、高配当バスケットの方が全面高。一気に含み損を減らして、手数料分のマイナスまで戻しました。もう一つ、貸金業バスケットに関しては日経に逆行し易い銘柄が多いこともあり、今日は物色の圏外。現状で、手数料も含めて若干の含み損が続いてます。

また、今晩のNYは寄付きから徐々に上昇する展開でしたが、何時もの如く失速気配が漂ってきました。このままマイ転する様では、週明けのセンチメントを悪化させるかもしれません。尚、今日はCAFを再度処分して、FXIに乗り換えています。

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