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PowerSharesから新規ETF

新たに5つのETFが、マニアックなETFを組成し続けているPowerSharesより、6月13日(水)に設定させます。

PowerSharesのETFには、これまでもニッチなセクタを狙ったものや、RAFI・ValueLineと言ったストラテジックなもの、また各種ベアファンドや、ロング&ショート戦略(私がお気入りのDBV)のものなど、他には見られない先進的な商品群を展開しています。

しかし、これまでのPowerSharesのETFは、その大半が米国内企業を投資対象としたものでした。(一部例外あり。)しかし、今回組成する5つのETFは、何れも米国企業を含まないグローバルETFになっています。


(1) PowerShares Global Water Portfolio (PIO)

昨年来、強い注目を集めている、水資源に関わる企業に投資するETF。同社のETFに同じくPHOと言う水資源関連がありますが、PHOが米国企業中心なのに対して、こちらはグローバル企業が対象になっています。ETFが追従するインデックスの過去の成績は、過去5年で年利回り23.32%、シャープレシオ1.45と、非常に良好です。
PIO.gif


(2) PowerShares Global Clean Energy Portfolio (PBD)

同じく、クリーンエネルギーに関わる企業に投資するETF。やはり、同種のETFとしてPBWがありますが、こちらはそのグローバル版です。インデックスの過去の記録は、過去5年の平均利回りが20.87%、シャープレシオ0.92です。リターン的にはEAFEとほぼ同程度の成績です。
PBD.gif


(3) PowerShares Dynamic Developed International Opportunities Portfolio (PFA)

今回の5つのETFを見ていて、私が最も興味を惹かれたのがこのETF。投資対象は米国を除く比較的先進国の企業です。(香港が4%入ってます。)
問題は追従するインデックスですが、「QSG Developed Int'l Opportunities Index」がそれになります。只、この具体的な中身が良く判りません。「Quantitative Services Group」と言う所が提供しているインデックスで、何らかの数値モデルを用いて割安な銘柄をリストアップし、適当な比率でこれを構成させている様です。(QSGのサイトを見てみましたが、具体的なロジックは不明でした。)
で、何にが凄いかと言えば、当然成績。インデックスのバックテスト結果を見ると、5年の平均利回りが27.16%、10年の平均利回りが21.83%、シャープレシオが1.3です。ついでに、過去10年間で、年間収支がマイナスになったのが、2002年の1回だけ。しかも高々-2.18%。とても、先進国の企業に投資した成績とは思えません。本当なら、これだけあれば、あとは要らないんじゃないかと、マジで思ったりして。
PFA.gif


(4) PowerShares Dynamic Asia Pacific Portfolio (PUA)

こちらはアジア太平洋地域の企業を投資対象としたETF。(日本は含まれていない模様です。)PFAと同様にQSD社が提供するインデックス「QSG Asia Pacific Opportunities Index」に連動します。バックテストの結果を見ると、5年平均で31.02%で、シャープレシオはなんと2.23です。(びっくら)
只、アジア圏が対象なので、10年でみると成績は少し落ちて、平均10.78%です。(これでも十分高いですが。PFAの成績の前ではちょい色あせします。)
PUA.gif


(5) PowerShares Dynamic Europe Portfolio (PEH)

ヨーロッパ主要国の企業を対象としたETF。(東欧は含まれません。)やはり、QSDが提供するインデックス「QSG ACtive Europe Index」に連動します。バックテストの結果は、5年平均で24.41%、シャープレシオ1.6です。また、10年平均でも年利20.13であり、これもPFAに負けず劣らず驚きの結果です。
PEH.gif


PFA, PUA, PEH の各インデックスのデータを見ると、何れも2000年~2003年の下げ相場でも、プラス若しくは微減の成績を叩き出しています。この下げ相場での強さが、トータルの好成績につながっていることは疑いありません。
これだけの成績が安定的に出せるなら、ボラティリティの高い新興国に投資する必然性は感じられなくなってきます。PFA, PUA, PEH に資産を3等分して、長期放置するのがもしかして最強だったり?

過去の成績が良くても、未来に約束するものは何も無いと判っていながら、それでも傾倒してみたくなるだけのデータです。

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2007年06月13日 01:05に投稿されたエントリーのページです。

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