フェデリコテシオの血統分析⑥

「フェデリコテシオの理論」の初心者が、これを用いてグリーンファーム所属場・募集馬の分析を行ってみるシリーズの6回目です。(前回はこちら。

注意:ここに記す分析は、「フェデリコテシオの理論」の初歩を聞き齧ったレベルの者の見解であり、本来の理論に照らして誤っている可能性は多分にあります。もし誤りが有りましたら、ご指摘を頂ければ幸いです。なお、「フェデリコテシオの理論」について、自分は下記のYoutubeチャンネルの動画を参考に勉強させて頂いています。本稿では「フェデリコテシオの理論」の具体的な適用方法など、詳細には触れていませんので、興味のある方は下記のYoutubeチャンネルなどをご参考にされて下さい。

ドルメロの魔術師ch


さて、早くも6回目となる今回は、2019年度グリーンファーム募集馬について「フェデリコテシオの理論」を用いた分析を実施したいと思います。ここで、モンキャドー・レモンマートル・フラワードラム、ローラーコースターの4頭については、既に①~⑤回の中で分析を行っておりますので、今回は残る募集馬の中から気になる募集馬×8頭をピックアップして、分析をして行くことにします。

1.リリーブライト

優先祖先:ハーツクライ 又は リリーアメリカ
基礎体力:66%

リスグラシューと3/4同血と言うことから注目を集め、募集直後に満口となったリリーブライトです。最大活性の種牡馬は父ハーツクライと母系のLyphardが共に最大活性値8で並んでおり、Lyphardの母Lymaraの誕生日が不明のため、何れが優先であるか、判断することが出来ません。一方で、優先祖先は血統表の1代目に位置することが確定していますので、ハーツクライが優勢であれば優先祖先もハーツクライ、Lypardが優先であれば、優先祖先はリリーアメリカとなります。そして、ハーツクライが優先であれば脚質は芝の中距離、リリーアメリカが優先祖先であれば、仏・ラカマルゴ賞(L)に勝鞍があることから、脚質は芝のマイルクラスと考えることが出来ます。

ちなみに、本仔が種付けられた2017年は、父ハーツクライと母リリーアメリカの何れもMAX活性の年回りに当たっており、何れにしても優先祖先はMAX活性に当たります。

また、基礎体力値は66%あり、これは文句なく優秀なレベルです。特に母リリーアメリカと4代母Maradadiの2頭がMAX活性である点は評価がアップするところです。厳密には優先祖先が確定しない本仔ですが、何れにしても「フェデリコテシオの理論」的には高評価できる募集馬と判断することが出来ます。

【参考】
リスグラシューの優先祖先は母系のLypardであり、脚質は芝のマイル~中距離と判断されます。

2.ジャンドゥーヤ

優先祖先:ウェルシュマフィン
基礎体力:60%

現在のグリーンファーム所属馬の中で最も若いオープン馬である、サムシングジャストの半妹です。父はヴィクトワールピサから新種牡馬のリオンディーズに変わりました。本仔も募集開始直後に満口となった1頭です。

本仔の最大活性の種牡馬は母父のタイキシャトルになります。本仔の種付け年度のリオンディーズは活性値4の劣勢期であり、産駒に直接的は影響を及ぼせません。さらに、優先祖先は3世代目にいることから、タイキシャトルを入口にその母ウェルシュマフィンが優先祖先となります。ここでウェルシュマフィンの競争成績を調べてみると、フィーニクス1000ギニートライアル(GⅠ・芝1400)に勝鞍があることから、本仔の適性は芝の短距離にあると推測されます。一方で、基礎体力値は60%ありますので、十分良好なレベルと言えるでしょう。

ここで、本仔に出資される多くの方は、サムシングジャストと同様の活躍を本仔に期待されていると思います。そこでサムシングジャストについても調べてみると、父ヴィクトワールピサがMAX活性期にあたっており、優先祖先もヴィクトワールピサになります。即ち、サムシングジャストは父系似の産駒であり、芝の中距離適正を引き継ぎましたが、ジャンドゥーヤについては母系の特色を引き継いで、芝の短距離適性であると「フェデリコテシオの理論」的には推測されることになります。

3.パソロブレス

優先祖先:Mr.Prospector
基礎体力:48%

2019年度募集馬の中で、ノーザンファーム生産馬として注目される1頭です。父エイシンフラッシュが人気的に微妙な本仔ですが、本仔の種付け年度のエイシンフラッシュは劣勢期に入っており、直接的に産駒に影響を及ぼすことはありません。本仔の最大活性種牡馬は母系のMachavellianになります。さらに優先祖先は6世代目に位置することになりますが、ここでは5世代目で打ち切って、Machavellianの父であるMr.Prospectorを優先祖先と考えます。従って、本仔の適性は短距離ダートと推測されます。また、基礎体力値は48%で、平均値を下回るレベルです。

本仔の配合を「フェデリコテシオの理論」的に見ると、気になるのがMr.Prospectorのクロスの存在です。サイアーラインのMr.Prospectorの活性値が計算上無視できない値であり、父母間クロスが残ってしまいます。アウトブリードを基本とする「フェデリコテシオの理論」からすれば、3本あるMr.Prospectorのクロスは目障な存在と言えるでしょう。

4.マンハッタンガデス

マンハッタンガデスに対する「フェデリコテシオの理論」の適用については、先にこちらの記事で触れているのですが、書き漏らしも含めて改めて整理をしておきます。

優先祖先:ノヴェリスト または マンハッタンフィズ
基礎体力:64%

本仔の最大活性種牡馬は、父ノヴェリストか母系のLucianoの何れかになります。どちらも最大活性値8を取り、優劣の判断がつきません。一方で、優先祖先は1世代目に位置することが確定しており、優先祖先は父ノヴェリストか、母マンハッタンフィズの何れかになります。もし、ノヴェリストが優先祖先であれば、MAX活性値を持った父が優先祖先になるパターンとなり、これは一種の成功パターンとして個人的に考えています。(注:「フェデリコテシオの理論」にその様な解釈はありません。飽く迄の個人的な見解です。)ノヴェリストが優先祖先になれば、適正は芝の中距離以上となります。

一方、マンハッタンフィズが優先祖先になれば、距離適性はマイル~中距離にシフトすると思われます。マンハッタンフィズ自身は3走しかしておらず、その適正は十分に明らかになっていないのですが、マンハッタンフィズの代表産駒であるコロンバスサークルとアプリコットフィズの2頭は、何れも優先祖先がマンハッタンフィズであり、本仔と同じパターンに該当します。

以上の様に、本仔が父系に似ても母系に似ても、その配合は「フェデリコテシオの理論」的には有望であると考えられます。更に、基礎体力値も64%あり、非常に優秀な値を持っています。

5.ミラコロヴェルデ

優先祖先:スルーレート
基礎体力:67%

本仔の父キンシャサノキセキは南半球産のため、誕生日が半年ずれて計算に悩むのですが、ここでの最大活性種牡馬は母母父Seattle Slewの7になります。そして優先祖先は1.5世代前となることから、これを「2世代前までは遡らない」と解釈し、優先祖先は母スルーレートであると判断します。そして、母スルーレートの戦績を見ると、距離1600~1800で芝とダートの両方に適性を示しています。従って、本仔が母の適性を引き継ぐのであれば、キンシャサノキセキ産駒としては比較的珍しい、距離の持つ競走馬になる可能性があります。

また、基礎体力値も67%で非常に優秀であり、キンシャサノキセキ産駒としてはちょっと面白い存在と言えるかもしれません。

6.ローズボウル

優先祖先:オールドパサデナ
基礎体力:85%

初年度産駒が絶賛大活躍中のキズナ産駒です。本仔の種付け年度のキズナの活性値は7であり、十分高い値を有しているのですが、本仔の場合は母父のエンパイアメーカーがMAX活性値8を有しており、こちらの方が優先となります。即ち、オードパサデナの産駒の大半は母系似の産駒になることを意味しています。そして、優先祖先は1世代目に位置することから、母オードパサデナが優先祖先となります。ここでオールドパサデナの戦績を確認すると、ダートのマイル前後に良績があることが判ります。

一方で、本仔で際立つのが基礎体力値の85%です。これはもう、これ以上ない秀逸な値と言うことになります。特に優先祖先である母オールドパサデナがMAX活性である点が重要です。さらに、母母のフジオールドブロックもMAX活性であり、ボトムラインに2頭のMAX活性を有すると言う、健康面では極めて優良な産駒であると考えられます。

父キズナに似た競争馬となることを願いつつ本仔に出資しますと、イメージと違ってしまう可能性があるのですが、「スピードのあるダート馬」と割り切って出資すれば、長く活躍の期待できる競走馬になってくれそうです。

一方で、懸念材料は半姉エルセントロ(父ゴールドアリュール)の成績です。ここまでダートで4走して全く結果が出ていません。エルセントロの最大活性種牡馬はエンパイアメーカーでローズボウルと同じですが、優先祖先は6世代目のBuckpasserとなります。適正はダートの中長距離となり、ローズボウルの背景とは相当異なるものとなっています。

7.ハリウッドルビー

優先祖先:アイアムルビー
基礎体力:55%

本仔の最大活性種牡馬は母父のSaint Liamであり、父スクリーンヒーローは優勢になりません。さらに、優先祖先は1世代目にいることから、優先祖先は母アイアムルビーとなります。ここでアイアムルビーの戦績を確認すると、芝とダートに出走実績がありますが、良績はダートの短距離に集中していることが判ります。従って、本仔の適性もダートの短距離にあると推測されます。また、基礎体力値は55%を確保していますので、懸念されるレベルではありません。

本仔への出資を考えたとき、気になるのは1つ上の全姉グラナートロートの成績でしょう。グラナートロートは母アイアムルビーに倣って、短距離ダートに条件を変えて明らかな変わり身を見せましたが、依然として勝ち負けできるレベルには達していません。そこでグラナートロートの優先祖先を調べてみると、母父Saint Liamであることが判ります。Saint Liamはダートの中距離で活躍した競走馬ですので、距離を短くしたことが裏目に出たかもしれません。距離は1600~1800のままダートを試して欲しいところです。

8.シエルドゥレーヴ

優先祖先:Jameela
基礎体力:45%

ノーザンファーム募集の1頭であり、預託先が安定の尾関厩舎と言うことからも注目を集める募集馬です。本仔の最大活性種牡馬は母系のGulchで、活性値7を持っています。このGulchの活性値が高いことが、レースウィング産駒から主にダート馬が出る要因となっていると考えられます。さらに、優先祖先は4世代目にいることから、Gulchを入口に探してJammelaが優先祖先として行き当たります。そしてJameelaの戦績を確認すると、ダートの1600~2000でGⅠを3勝した名牝であることが判ります。従って、本仔の適性は母系から引き継いでダートのマイル~中距離にあると考えられます。

一方で、本仔の懸念材料は基礎体力値の低さです。45%と言うのはケアすべきレベルと考えられます。育成状況をウォッチして、無理の効かない感じであれば、注意を払った方が良いかもしれません。

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