DMMフォークロアの2020に出資

DMMバヌーシーより追加募集の掛かった、フォークロアの2020への出資を即断しました。以下、その判断にあたって検討した内容を備忘録として書き残します。


■種牡馬
本馬はキーンランド・セプテンバーセールにて落札され、日本に輸入された外国産馬です。その父馬は1300万ドルを稼いだ世界の賞金王アロゲート。引退後種牡馬生活に入ったアロゲートですが、今年の6月に逝去しており、その産駒は僅か4世代に限定されます

その産駒の日本輸入実績は現2歳馬までに僅か11頭(牡馬6、牝馬5)のみで、残る2世代もこれと同程度かさらに少なくなると予想されます。恐らくは牡馬の輸入が20頭に届くことは無いと思われ、本仔はその貴重な血を継ぐ1頭になります。

一方で、アロゲートの種牡馬能力は明らかになっていません。日本での実績は現2歳馬から4頭がデビューして、ジャスパーグレイトとジュタロウの2頭が何れも新馬勝ちを収めています。特にジュタロウの新馬戦は2着馬を2.4秒離す圧勝で鮮烈なデビューを果たしました。トラック適正がダートであることは前提として、少なくともアロゲート産駒の日本ダートへの対応に不安は無いと考えて良いでしょう。

■牝系
本仔の母フォークロアはBCジュベナイルフィリーズ・メイトロンSの海外GⅠ×2勝を上げた活躍馬です。一方で、兄姉に特筆する成績を収めた馬は出ていませんが、半姉ロードクロサイド(父Unbridled’s Song)は日本の三冠馬コントレイルの母として知られています。ここで、本馬の父アロゲートはUnbridled’s Songの産駒ですから、本仔とロードクロサイドは3/4同血となります。

■配合
アロゲート産駒は数が少なく、配合上のポイントは明らかになっていません。

■駐立写真

胴長ですが脚が長く、如何にも中距離以上に適性のありそうなフレームです。胸が深く、心肺機能も高そう。但し、肩の角度は標準的で首も明らかに長くはありません。繋ぎは短目で立っており、明らかにダート適性と言えるでしょう。脛が太い点と、トモに深さのある点は、個人的な好評価ポイント。前膝の角度に不安はありません。

一方で、気になるのは筋肉の張りがイマイチなこと。本仔への出資判断に当たっては、この点の評価に最も悩みました。只、本駐立写真は輸入後に撮られた写真であり、1歳馬の長距離移動で輸送減りのあったことは想像に難くありません。セールでは矢作師が直接本馬を確認していることからも、多少の緩さはトレーニングで解消されるものと判断しました。

■歩行動画

最近は脛と後肢の管の角度を特に注目しているのですが、飛節の伸びの観点では充分に伸びきっているとは言えません。只、脛が水平線と成す角度は充分に鋭角であり、これに長い脚が加わって大きなストライドを形成しています。可動域としての基準はクリアしていると判断しました。

動かしたときの筋肉の質感は思ったほど緩い印象ではなく、むしろ好印象でした。さらに、歩行速度は速く、キビキビと歩けている点を好評価しました。

■誕生日と母年齢
出産時の母年齢は17歳で、これは高齢域に入っておりネガティブです。但し、母と2代母の平均年齢は11歳で、これは適性範囲になります。高齢の母を若い2代母が補う効果が期待されます。
一方、誕生日は2月5日で早い生まれに分類され、これは高評価されるポイントになります。

■育成
10月に米国から移動して、現在はファンタストクラブにて馴致が行われています。当面の育成はファンタストクラブで実施されると思われますが、非ノーザン系の本馬が移動後に使用する外厩は気になるところです。個人的にはチャンピオンズヒルズが使用されるものと考えています。

■厩舎
預託先厩舎は同クラブのラヴズオンリーユーでBCフィリー&メアターフを制した矢作厩舎で、クラブとの相性は抜群です。また、本仔は矢作師が直接セールで購入を判断されたこと、さらには矢作厩舎の代表馬コントレイルの近親であることからも、本馬が特にケアされることは疑いありません。

■価格
募集総額は7500万円で相応な高額募集になります。但し、本馬のキーンランド・セプテンバーセールの落札価格が50万ドルであることを考えれば、関税と輸送経費で実質的に原価に近い募集価格と考えられます。

もちろん、この募集価格を回収するには重賞を複数勝利する活躍が必要ですが、本仔の場合はその血統的な価値から、(ラニの例を見ても)重賞を1つ勝利すれば種牡馬入りまで視野に入ると考えています。特に、サンデーサイレンスの血を有さない本馬の血統構成は、サンデー系牝馬との相性は抜群であると予想できます。ディープインパクト産駒と配合すれば、コントレイルとニアリーな血統構成が完成します。

■テシオ理論
優先祖先は母フォークロア。テシオ理論的には父アロゲート似の産駒では無いことになります。但し、フォークロア自身もG1馬である上に世代も若いことから、個人的には高評価しています。

更に、母フォークロアの出産時年齢は17歳で、これはテシオ理論的には2回目のMAX活性期に該当します。前年が空胎であることも合わせて、これも好評価できる材料になります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする