ナショナルアンセムの抹消と反省

世間は2020年度募集馬の話題で盛況ですが、その中で愛馬ナショナルアンセムの抹消が決まりました。覚悟はしていましたが、事務的で気持ちの込められない抹消の通知を読むと暗鬱たる気持ちになってしまいます。

ここは気持ちを切り替えて新規募集馬の検討に注力すべき所かもしれませんが、ナショナルアンセムついては過去の自分の出資馬の中でも突出して酷い成績であり、その要因を省みることなくして先に進むことは出来ません。

ナショナルアンセムの競争成績は3走して16,14,17着と言う正に悲惨な成績で、最後はタイムオーバーにより未勝利戦への出走も期日切れとなりました。流石にグリーンFでは高額募集の範疇と言える募集馬が骨折等の特段の頓挫もなく、僅か3走で抹消と言うのは笑い事ではありません。この原因は厩舎云々ではなく、本馬の体質にありました。体質と言ってもスクミの様な症状が出たわけでもなく、「強目を乗ると硬さが出てしまい乗り込みが出来ない」と言う状況でした。デビューも遅れましたし、その後のトレーニングも十分に積むことが出来ないことで、同期との差は着実に開いてしまいました。

ここで本馬への出資に反省を行うには、「何故本馬を選んだのか?如何すれば回避することが出来たのか?」と言う点を考察する必要が出てきます。そして、そのポイントの1つは本馬への出資は消去法的な判断であったということです。本仔の募集年度には特別提供馬としてルヴァンヴェールが提示されてきました。自分としては「ルヴァンヴェールを兎に角欲しい」と考えて、その応募条件を満たすために早期出資を1頭決める必要がありました。即ち、普通であれば様子見をするところを、最も良さそうに見えたナショナルアンセムに見切り発車で出資を決めたと言う状況でした。

詰まるところ、「グリーンFで出資馬を選定するには様子見こそ最強である」と言う結論に帰着します。様子見さえしていれば、ナショナルアンセムの体質の問題は育成段階で察することが出来ましたから出資を回避することが出来ました。要は「相馬眼<<様子見」です。

(反省1)グリーンFでは満口ギリギリまで出資を待つ

一方で、人気馬への出資を考えるならば必ずしも様子見は出来ません。そこで、次に考えるべきことは早期出資を決める場合の注意点です。振り返ってナショナルアンセムへの出資を消去法的に決定した際の根拠は以下でした。

・関東所属馬であること。
・半腱半膜様筋など、筋肉のメリハリが見えたこと。
・可動域が広く柔らかく歩けていたこと。

その一方で、「厩舎がいまいちであること」、「兄姉が走っていないこと」、「配合的に完璧とは言えなかったこと」、などの懸念事項には目を瞑ってしまいました。

ここで、関東馬を優先することは、自分の一口馬主として重視している、「愛馬を直接応援出来ること」「出来るだけ口取りに参加したいこと」と言う要求からすると重要な要素なのですが、「より活躍馬を選ぶ」と言う目的とは相反してしまいます。一口馬主と言う趣味を持続的なもの(今風に言えばサスティナブルなもの)とするためには、今後はこの部分を見直さざるえお得ません。

(反省2)東西の所属は出資馬選定の判断基準としない
(反省3)厩舎の成績は重視する

さらに、ナショナルアンセムの筋肉の強さについては完全に見誤ってしまいました。問題は「カタログ写真を見る限り立派な筋肉が確認できた」と言うことです。即ち、カタログに掲載される写真は所謂「盛った」写真であり、これを見抜くことが必要になります。そこで次の反省点を掲げます。

(反省4)筋肉の強さと質はDVDで判断する。
(反省5)カタログは馬体のバランス確認に使用する。

実際、ナショナルアンセムの募集時の動画を見ると筋肉の強さを感じません。稼働域や柔軟性に加えて筋肉の強さと質をDVDで評価していれば、出資は避けられたかもしれません。

あとは配合はオカルトの一種と割り切って、出資判断の基準としてはプライオリティを下げます。一方で、兄姉の成績は有用な情報として重視します。

(反省6)兄姉の成績は重視。配合は参考に留める。

そして、これらの反省点を踏まえて今後の出資判断のプライオリティを次の様に定めることにします。(不確実な要素より、目の前の現実を優先します。)

馬体(筋肉)>歩様>厩舎>兄姉>配合>東西

以上、長々と反省点を並べて今後の優先順位を整理したワケですが、最後にこれらの基準より上に位置するものが1つあって、それは好きな馬を応援したいと言う「思い」です。これは「活躍馬を見つける」と言う目的とは相反する要素ですが、これを無視してしまうなら一口馬主になる意味を失ってしまいます。回収率を上げることを最優先の目標に置くのであれば、株式に投資した方が遥かに有利であることは間違いありません。

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