2020年度グリーンF募集馬の第一印象③

2020年度のグリーンファーム募集馬について、ファーストインプレッションを書き残すシリーズの3回目です。(前回はこちら
今回は残りの6頭についてレビューしてゆきます。


14.シンギングセンセーションの2019

父  :イスラボニータ
母父 :コロナドズクエスト
性別 :牡馬
毛色 :黒鹿毛
FN :3号族
誕生日:2019/04/05
生産 :那須野牧場

半兄アースゼウス、カヴァレリア、シングシングシングの3頭がグリーンFから募集されている牝系です。これまでに上記の3頭がデビューして、アースゼウスとシングシングシングが勝ち上がり、カヴァレリアも大井で頑張って走り続けている様に、地味ながら仔出しの良い母馬と言えます。特に健康面に不安のない産駒を出している点は評価できるのではないでしょうか。

父は新種牡馬のイスラボニータ。シングシングシングまではダート系の種牡馬が配合されて来ましたが、1つ上のキチロクサイレンス(父ビクトワールピサ、未デビュー)から芝系の種牡馬が配合されており、これがどのように出るかが興味のあるところです。只、「フェデリコテシオ理論」で分析すると、母系のコロナドズクエストの活性度が高く、本母からはダート馬の出る可能性が高いと判断されます。

もっとも、仮にダート馬であったとしても「那須野牧場生産の牡馬」と言う時点でグリーンFとの相性は抜群ですから、何気に期待値の高い募集馬である様に思います。

15.イブニングサンダーの2019

父  :イスラボニータ
母父 :Morning Line
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
FN :5号族
誕生日:2019/03/30
生産 :社台ファーム

本仔は「若い母馬に実績の少ない種牡馬を配合した産駒」で、グリーンFの募集馬としては、しばしば見られるパターンです。母イブニングサンダーは輸入繁殖牝馬で国内の競争実績はありません。本仔はその初子になります。また、父イスラボニータも新種牡馬で、フジキセキの後継としてはキンシャサノキセキと並ぶ期待がされていますが、その種牡馬能力は未知数です。

両親何れも実績のないことからスペックからの判断材料は乏しく、本仔については実馬を見てから全てを判断するより無さそうです。

16.マウントフジの2019

父  :ミッキーアイル
母父 :Orientate
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :21号族
誕生日:2019/04/16
生産 :那須野牧場

母マウントフジは元グリーンF所属馬で、44戦3勝と言う「無事是名馬」を地で行く成績を残しました。繁殖に上がった後は、初仔と2番仔がグリーンFから募集されましたが、初仔は故障により募集中止、2番仔のフラワーエッセンスも両前膝に骨片が生じ、除去手術から大きく出遅れる状況となっています。頑強な母の特徴が産駒には引き継がれていないところは大変残念と言わざるを得ません。

父ミッキーアイルは今年から産駒がデビューする種牡馬ですが、まだ競争実績は少なく種牡馬としての能力は未知数です。只、ディープインパクト系の種牡馬であることから、サンデーサイレンスのクロスはマイナス要因と考えられますが、母マウントフジはサンデーサイレンスの血を有しませんので、その点での懸念は生じません。

何れにしても、本仔については実馬を見た上で脚部の不安を有無を見極めることが、先ずは重要であると思います。

17.エレンシアの2019

父  :ゼンノロブロイ
母父 :ワークフォース
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
FN :9号族
誕生日:2019/02/25
生産 :那須野牧場

エリザベス女王杯を制したエリモシックを祖母に持つ牝系です。母エレンシアは元グリーンF所属馬でしたが、馬格が極めて小さく、3歳4月のデビュー戦の体重が392Kgしかありませんでした。体質的にも虚弱で調教を十分に積むことがことが出来ず、結局、2戦目も大敗した時点で競走馬としての能力は見限られてしまいました。

本仔の父はゼンノロブロイで、牝系は間違いなく良血と言えるのですが、如何せん母が小柄で虚弱体質であったことを考えると、その初仔も体質面が真っ先に気に掛かるところです。もし本仔の馬格も小さく出ていれば、出資には躊躇することになりそうです。ちなみに、今年も特別提供馬が設けられるとすれば、本仔がその第一候補ではないかと予想します。

18.ネオヴィクトリアの2019

父  :リーチザクラウン
母父 :ディープインパクト
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
FN :3号族
誕生日:2019/05/16
生産 :ノーザンファーム

ノーザンF生産の1頭で、近親にグリーンFの過去の所属馬は見つかりません。叔父にオープン馬ジュンバルカンのいる牝系で、母ネオヴィクトリアは芝のマイル以下で2勝を上げています。本仔はその2番仔で、1つ上のグランデモナルカはデビュー前のため、兄姉に勝利実績はありません。

父は一口馬主クラブの募集馬としては珍しいリーチザクラウン。初年度産駒からシンザン記念(GⅢ)を制したキョウヘイを出したことで、社台スタリオンへの移籍を果たしました。これはスペシャルウィークの後継種牡馬と言う意味も大きかったものと思います。

本仔の配合上のポイントはサンデーサイレンスのクロスの存在ですが、ここで示した通り、リーチザクラウン産駒はサンプル数は少ないもののサンデーサイレンスのクロスがプラス評価となる希少な種牡馬です。特に3×3と言う重たいクロスはキョウヘイと同配合であり問題とはなりません。またNijinskyのクロスを有する点もキョウヘイの配合と一致します。

マニアックな種牡馬であり、募集価格も抑えられるものと思いますが、配合上の妙味があって、個人的に大いにそそられる募集馬です。

19.ウイズザフロウの2019

父  :オウケンブルースリ
母父 :アグネスタキオン
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :8号族
誕生日:2019/02/02
生産 :ノーザンファーム

ノーザンF生産の募集馬です。改めて見ると今年はノーザンF生産馬が4頭募集されており、例年よりも1頭多くなっています。叔母に阪神ジュベナイルF(GⅠ)を制したローブティサージュとオープン馬ブランノワールを擁する牝系で、半兄キタサンバルカンも先日2勝目を上げていると言うなかなかの良血です。

一方、父は種牡馬としてはマニアックなオウケンブルースリで、この牝系に配合した理由は全くの謎です。菊花賞馬オウケンブルースリは引退後種牡馬生活に入りましたが、毎年の種付数は10頭前後に留まり、寂しい状況が続いています。2017年度の種付数は僅か1頭まで減少してしまいましたが、2018年に産駒オウケンムーンが共同通信杯を制したことで、種付数が僅かに増加しています。

本仔はその2018年の生産馬であり、この年の生産頭数は12頭になりました。この中から活躍馬が出るか否かがオウケンブルースリの種牡馬生活を決することになりますが、そう言う意味では優れた牝系に種付けられた本仔への期待度は大きいなものがあるかもしれません。


以上、なんとか19頭のファーストインプレッションを書き切りましたが、現時点での自分の注目度は次の通りです。

無条件:サザナミの2019

本命 :マキシマムドパリの2019、ナスノシベリウスの2019
対抗 :アースサウンドの2019、ベアトリッツの2019
穴  :ジェシカの2019、ネオヴィクトリアの2019

取り敢えず、元出資馬サザナミの初仔には予算外で無条件で出資します。出来れば特別給付金で賄える金額だと良いのですが..。😅

あとは1~2頭を実馬を見て判断することになりますが、マキシマムドパリの2019とナスノシベリウスの2019は即満口の可能性が高く、恐らく様子見は不可能でしょう。この2頭に応募してしまうと、今年の予算枠は早々に打ち止めとなってしまいます。只、ジェシカの2019やネオヴィクトリアの2019にも相当そそられるものを感じており、様子見枠を1頭分残すかもしれません。

何れにしても、今年は東西の所属を無視して気に入った仔馬に躊躇なく応募したいと考えています。

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コメント

  1. kaito より:

    macky様、ご無沙汰しております。
    kaitoと申します、以前にcoralgreenのネームで投稿させていただきました。
    特にSNSなどはやっていないのですが改名しました。

    本年もグリーンの新規募集が始まり楽しみなラインアップでうれしい限りです。
    昨年もこの時期に楽しみと書かせて頂きましたが、未だローズボウルにしか出資しておりません。追加でワイドアウェイク、ヴェイルオブナイトを考えていますが入厩が決まってから出資しようかなと思っています。
    ノルマンで3頭に出資しましたが、デアリングタクトのような馬はもう出ないでしょう。

    実は、2019年産の先駆けとして社台でオルフェーブル産駒のカトマンブルーの2019に申し込みましたが抽選で外れました。これが3番人気になるとは?(新規なので10/75の確率で当選)
    本来なら既会員の方はは第二希望、第三希望と記入するのですが、消去法で決めたくなかったので一頭入魂で申し込みました。とりあえず2000万以下でと思ったのですが・・・

    さて、グリーンの2019産ですが先行で満口見込みはmackyさんと同じく3頭は間違いないと思います。特にサザナミはサイズが標準以上でもし堀厩舎ともなれば母馬優先での大抽選会になる気がします。
    恐らくナスノシベリウスは武井厩舎、マキシマムドパリは武英、杉山厩舎、関東なら尾関、田中博厩舎あたりの若手になるような気がします。
    残口点灯はアースサウンド、ベアトリッツ、次点でジャドール、アースリヴィングかなと予想します。無料馬がいるとすればボーナスチャンス(10%)マウントフジ(20%)エレンシア(70%)でしょうか。販促のため複数頭かもと思っています。

    一口馬主を初めて8年になりますが、この時期にカタログを見るのが一番楽しいです。そろそろG1を狙える馬を選びたいものです。

    長文になりすみません、またブログを楽しく読ませていただきます。
    それでは失礼します。

    • macKy より:

      改めましてKaito様、ご無沙汰しております。

      まずは、ローズボウルでご一緒出来ているとのこと、よろしくお願い致します。ローズボウルについては「2020年はキズナ産駒は募集されない」と言う読みもあり、スクミの懸念には目を瞑って出資を決めましたので、なんとか解消されることを祈っています。ノームコアの様に育成時にスクミが出てもGⅠを制する馬もいるワケですし。

      そして、この募集馬発表の時期は最も期待が高まって、色々考えるのが楽しい時期ですね。今年は例年以上に出資したくなる馬が満載で、財布との相談をしてしまいます。サザナミ、マキシマムドパリは当初から予算化されていましたが、ナスノシベリウスは嬉しい誤算でした。実は今年からキャロットへの入会を検討しているのですが、資金が枯渇してしまうかもしれません。

      もしサザナミの預託先が堀厩舎でしたらサプライズですが、近年のグリーンFを見ていると、限りなくそれは難しい気がします。現実ラインとして、サザナミは関東入厩で田中博厩舎、パリは関西入厩で杉山厩舎or西村厩舎が希望です。ナスノシベリウスは武井厩舎ならばウエルカムですね。ちなみに、アースサウンドは尾関厩舎、ベアトリッツは音無厩舎と予想します。あと、関東の若手では宮田師が優秀そうな雰囲気ですので、関東厩舎のテコ入れとして例年の預託先から見直して欲しいところです。

      特別提供馬の予想はKaitoさんの予想に100%同意ですが、このラインナップなら自分は見送ってしまうかもしれません。今年からは一口馬主を持続的な趣味と出来るように、(プラスに出来るとは思ってませんが)収支を意識して出資馬を決めたいと考えています。今までは口取りや現地応援を目的に関東馬シバリ等をしていたのですが、今年からは走りそうな馬を最優先して出資を決めて行くつもりでいます。(もっとも、サザナミだけは無条件で行きますが..。)