サンデーサイレンスのクロス

思う所があって、サンデーサイレンスのクロスと競争成績の関係を調べました。具体的には2世代目以降にサンデーサイレンスの血を有する種牡馬に対し、5代血統表上にサンデーサイレンスのクロスが有る場合と無い場合の勝ち上がり率を調べています。

父父 サンプル数 勝ち上がり率
クロス
有り
クロス
無し
クロス
有り
クロス
無し
偏差
ディープインパクト キズナ 14 116 14.3% 24.1% 0.59
ダノンバラード 3 14 66.7% 42.9% 1.55
ディープブリランテ 30 248 23.3% 27.4% 0.85
トーセンホマレボシ 23 179 17.4% 19.0% 0.92
トーセンラー 5 26 20.0% 15.4% 1.30
リアルインパクト 9 54 11.1% 18.9% 0.59
ワールドエース 12 32 16.7% 25.0% 0.67
フジキセキ キンシャサノキセキ 29 434 13.8% 41.5% 0.33
ダノンシャンティ 15 191 6.7% 28.3% 0.24
ステイゴールド オルフェーヴル 45 334 40.0% 27.5% 1.45
ゴールドシップ 7 47 14.3% 19.1% 0.75
ドリームジャーニー 28 92 35.7% 32.6% 1.10
ナカヤマフェスタ 17 164 11.8% 14.6% 0.81
ダイワメジャー カレンブラックヒル 6 30 33.3% 20.0% 1.67
ハーツクライ ジャスタウェイ 25 168 28.0% 31.5% 0.89
ネオユニヴァース ヴィクトワールピサ 27 377 22.2% 33.4% 0.66
ロジユニヴァース 5 34 60.0% 26.5% 2.26
アグネスタキオン キャプテントゥーレ 13 70 7.7% 14.3% 0.54
ディープスカイ 9 187 0.0% 29.9% 0.00
スペシャルウィーク リーチザクラウン 13 67 46.2% 28.4% 1.63
ゴールドアリュール エスポワールシチー 6 70 0.0% 34.3% 0.00
スマートファルコン 19 159 5.3% 27.0% 0.20
非サンデーサイレンス系 アドマイヤムーン 44 289 15.9% 25.3% 0.63
エピファネイア 80 27 31.3% 22.2% 1.41
グランプリボス 23 64 21.7% 10.9% 1.99
スクリーンヒーロー 58 201 31.0% 28.4% 1.09
トゥザクラウン 16 57 12.5% 19.3% 0.65
ベルシャザール 30 78 13.3% 17.9% 0.74
ローズキングダム 20 56 15.0% 23.2% 0.65

統計的に有意差が有ると判断出来るだけのサンプル数が無いことから、オカルトの領域を出ないデータなので、以下の分析は話半分に読んでください。

まず、上記の種牡馬で総計を求めると、サンデーサイレンスのクロスを有する産駒(サンプル数631)の勝ち上がり率は23%に対して、クロス無しの産駒(サンプル数3865)の勝ち上がり率は28%になります。即ちクロス無し産駒の方がクロス有り産駒に対して約20%勝ち上がり率が高くなっています。この結果については充分なサンプル数に基づいていますので、現状でサンデーサイレンスのクロスは無い産駒の方が勝ち上がり率は高いと言うことが出来そうです。

続いて、個別の種牡馬について見て行きます。まず、サンプル数がそれなりにある種牡馬の中からサンデーサイレンスのクロスが悪影響を与えていそうな種牡馬をピックアップすると、キンシャサノキセキ、ヴィクトワールピサ、アドマイヤムーンが挙げられます。特にキンシャサノキセキの偏差が目立ちますが、同じフジキセキ系のダノンシャンティも同様の傾向であることから、フジキセキ系とサンデーサイレンスのクロスはかなり相性が悪そうです。

反対にサンデーサイレンスのクロスが有利に働く種牡馬は意外にもオルフェーヴルでした。オルフェーヴル産駒のデビュー時の記憶ではサンデーサイレンスのクロスは成績が優れなかった様に思ったのですが、実態は印象と違っていました。
そして、もう一つ驚いたのがグランプリボスです。全体に勝ち上がり率が悪く、種牡馬としての命運は潰えた感のあるグランプリボスですが、サンデーサイレンスをクロスすることで大幅に勝ち上がり率がアップしています。徹底的にここを狙えばワンチャンあるかもしれません。
あとは、エピファネイアですが、こちらはサンデーサイレンスのクロスが有利に働くことが既に知られている様に思います。

更に、サンプル数が少ない中から気になる所をピックアップすると、リーチザクラウンのクロス有り産駒の勝ち上がり率46%が目立ちます。サンプル数が13なのでデータ的な揺らぎの可能性も否定できませんが、興味深い結果ではあります。あとは、キズナのクロス有りの成績が低い点も留意しておきたいところです。キズナについてはこれからデータが増えて来ますので、継続してウォッチしたいと思います。

そして最後に、上記を踏まえてグリーンファーム所縁の牝馬で是非とも配合して欲しい組み合わせがあるのですが、それが「父オルフェーヴル+母モンシュシュ」の組み合わせです。ここにきてオルフェーヴルの配合上の最大のポイントは母系にSadlere’s Wellsの血を有することであることが判ってきましたが、モンシュシュはこれに加えてサンデーサイレンスのクロスも形成します。相当な好相性であること疑いありません。実はこの配合は2018年に一度試されているのですが、残念ながら不受胎に終わっています。是非とも再トライをお願いしたいところです。

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