2019年度YGG募集馬の検討

2019年度のグリーンファーム募集馬については、あと2頭の出資を目途に様子見を続けている状況ですが、ここに来て上位候補馬の進捗が総じて冴えない状況に陥ってしまいました。特に社台F生産馬にスクミの症状を現す仔馬が増えており、目を瞑って出資するにはリスクが大きいと言わざるを得ません。

そこで今回は、出資馬の選択肢を増やす目的として、2019年度のYGGオーナーズクラブ募集馬の中から、個人的に気になる3頭をピックアップしてレビューをしたいと思います。ここでセカンドクラブとしてYGGオーナーズクラブを選択した事由は以下の通りです。

・4/1時点で全募集馬に出資が可能。
・入会金が不要。
・ライト会員は月会費が不要。

現時点で「より取り見取り」の状況はグリーンファームを凌ぐものがあり、これまでに培った「様子見作戦」がこちらでも使用可能であることが最大のポイントです。加えて、手数料の類が抑えられていることもセカンドクラブとしては有用な長所となります。ちなみに、ライト会員は1口につき3000円の追加手数料が発生しますが、月会費3000円が免除になるので、年間12口未満の出資であれば、ライト会員の方が低コストとなります。(注:YGGの一口は総額の1/1000です。)

以下、現時点で自分が出資候補と考える仔馬3頭について、評価の高い順にレビューして行きます。

1.サトノアスカの2018

父  :ドゥラメンテ
母父 :Giant’s Causeway
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :22号族
誕生日:2018/03/16
生産 :奥山博
厩舎 :寺島良
募集額:2000万円

出資への筆頭候補は栗東所属ですがサトノアスカの2018です。父は新種牡馬のドゥラメンテ、母父はGiant’s Causewayと言う配合になります。

馬体重は2歳3月末で445Kgなので小柄な部類ですが、バランスの良い駐立姿勢と柔らかい歩様に先ず惹かれました。半腱半膜様筋もしっかりと見えておりスピード能力もありそうです。肩は微妙に立ち気味ですが、芝のマイル辺りまでは十分に走れるものと見ました。さらに、預託先厩舎が若手調教師としてはトップクラスの寺島良厩舎と言う点は評価を最大限に高めるものです。

血統面については父ドゥラメンテの種牡馬能力は未知ですが、ここでは母父のGiant’s Causewayを評価しています。日本競馬におけるGiant’s Causewayの種牡馬としての評価は然して目立つものではありませんが、母父に入った時の勝ち上がり率は46%であり、その高さは無視の出来ないものがあります。一方で、「兄姉と母が全て中央未勝利」と言う点は相当な減点材料であり、この点に目を瞑れるかが出資への鍵となって来ます。

また、「フェデリコテシオの理論」を用いて本仔の血統を評価すると、最大活性値の種牡馬は僅かな誕生日の差で母父のGiant’s Causewayとなり、優先祖先はサトノアスカになります。サトノアスカは然したる成績を残していないことから脚質不明と考えて、サトノアスカ自身の優先祖先を探すとGiant’s Causewayに行きつきます。従って、本仔がGiant’s Cusewayの脚質を継承するならば、適正は芝のマイル~中距離となります。Mr.Prospectorの4×4が残る点はマイナス評価ですが、基礎体力値は79%あって、極めて優秀と言えます。

2.ハンドオブフェイトの2018

父  :ディスクリートキャット
母父 :ジェイドロバリー
性別 :牝馬
毛色 :栗毛
FN :A4号族
誕生日:2018/02/26
生産 :奥山博
厩舎 :田島俊明
募集額:1400万円

次点はハンドオブフェイトの2018で、父はディスクリートキャット。全兄にオープン馬として活躍したキズマのいる牝系です。

キズマの全妹と言うことから配合的な不安はありませんが、自分が本仔を評価しているのは駐立姿勢と歩様の柔らかさです。特に柔らかい歩様は際立っており、芝でも十分走れるのではないかとも思わせます。また、半腱半膜様筋もしっかりと見えており、スピード能力の不安も無いと判断しました。

一方で、本仔の不安材料は預託先の厩舎です。田島敏明厩舎はリーディング100位付近に低迷を続けており、厩舎力としての期待は出来ないと見ています。以前はグリーンファームからの預託馬もあり、バウンシーチューンと言う重賞勝ち馬を出したにも関わらず、近年は預託がありません。只、YGGからの預託馬で現3歳のスターファイターは早々に勝ち上がりを決めていますので、クラブとの相性は良いのかもしれません。

次に、「フェデリコテシオの理論」を用いて本仔の血統を評価すると、最大活性値の種牡馬はMAX活性値8を持つ母父のジェイドロバリー。優先祖先も同じくジェイドロバリーとなり、脚質は芝のマイルになります。基礎体力値は44%と冴えませんが、母ハンドオブフェイトは前年が空胎なので、その分のエネルギーが補填されることが期待できます。

改めて、本仔は是非とも芝で試して欲しいと思うのですが、その点で田島敏明厩舎と言う点が引っ掛かります。往々にしてリーディングが低位の厩舎は柔軟な発想に欠けるケースが多い上に、募集パンフレットでも本仔をダート馬と判断する様なコメントが掲載されています。「最後まで芝を試して貰えない」と言うリスクも覚悟する必要がありそうです。

3.アガサの2018

父  :リオンディーズ
母父 :マンハッタンカフェ
性別 :牝馬
毛色 :青毛
FN :16号族
誕生日:2018/03/19
生産 :前谷武志
厩舎 :小野次郎
募集額:1200万円

最後の候補はアガサの2018です。父は新種牡馬のリオンディーズ。駐立した姿はトモ幅が狭目で、半腱半膜様筋の張りも今一つと、前記の2頭と比較して見劣りする印象は否めません。只、歩様の柔らかさは確かなので、仕上がりの遅さを覚悟した上で候補馬として残したいと思います。

血統的には新種牡馬なので配合的な妙味は不明ですが、本仔の上の2頭は何れも勝ち上がっており、地味ながら仔出しの良い母馬と考えて良さそうです。

一方で、気になるのは小野次郎厩舎のレベルです。調教師リーディングを見る限り、厩舎力に不安を覚えますが、本仔の母アガサは同厩舎所属で新馬勝ちを収めていますし、YGGからの預託馬で現3歳のニーズヘッグも早々に勝ち上がりを決めていることから、本仔も大切に扱って貰えるものと想像されます。

最後に、「フェデリコテシオの理論」を用いて本仔の血統を評価すると、最大活性値の種牡馬は母系のExclusive Native。優先祖先は3世代目に位置することから、3代母のMy Darling Oneが優先祖先となります。このMy Darling One はファンタジーS(GⅠ)に勝鞍があり、脚質はダートのマイルとなります。一方で、父母間クロスの多い点が気になりますが、最も重たく見えるサンデーサイレンスの3×4は父系のスペシャルウィークが0活性のため悪影響をキャンセルすることが可能です。基礎体力値は76%と極めて優秀。まだ若い母馬でもあり、体力面での心配はせずに済みそうです。

おわりに

本稿ではYGGオーナーズクラブの募集馬から3頭の出資候補馬をピックアップしましたが、個人的な総合評価はサトノアスカの2018が頭2つ抜けています。只、YGGオーナーズクラブは一口1/1000の小口募集ですので、その特性を活かして「上記3頭に分散投資する」と言う方法も考えられます。もしくは1頭につき2口(1/500相当)で出資して、「シルクやロードでの出資イメージを体感してみる」と言うのもアリかなと思っています。

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