2018年度グリーンファーム募集馬の近況フォロー①

スタートが遅れてしまいましたが、昨年に続いて今年もグリーンファーム募集馬について公式サイト情報を縦横に評価して、各仔馬の育成状況を把握して行きたいと思います。取り敢えず初回の今回は、1/11までの公開情報をまとめてフォローしたいと思います。
ちなみに、2018年度のグリーンファーム募集馬の育成は社台F・ノーザンF・チェストナットF・吉澤ステーブル・武田ステーブルと細かく分散しているのが特徴であり、これにはクラブ運営上の意図が何かしらあるのかもしれません。何れにしても進捗状況の横の比較が難しくなったことについては留意しておく必要があります。

注:各項目の印の意味は次の通りです。
  ◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価

1701.アースサウンドの2017(残100口弱)

・チェストナットFで育成中。(-)
・BTCに通いトレーニングを実施。(-)
・キャンター3000M(25-20秒)、坂路も併用(△)
・2ハロンを15秒まで伸ばして余裕あり。(○)
・飛びが大きく、スピードに乗せた方が良い。(△)
・心身ともに幼い。(-)
・背が高くバランス良い歩様。(△)
・1/11の馬体重502Kg、12/27から+12Kg(○)

チェストナットFにて育成がスタートされています。状況は至って順調の模様で、BTCにてトレーニング中の仔馬の中では先行グループであると思われます。一方で、馬自身がまだ幼いことにかんしては、現時点でケアする情報ではないでしょう。正月休みの影響も考えられますが、乗り込みながら体重が増えているのは好印象です。
強いて気になる点を挙げるとすると、兄姉と異なり育成牧場がノーザンファームではなく、チェストナットファームになったことかと思います。但し、今年に関しては非社台系牧場からノーザンファームに育成を任せた仔馬が1頭もいませんので、本仔の出来に拠る判断では無く、政策的な判断である可能性も高そうです。
駐立写真については前脚を突き出気味の立ち姿が個人的には気に掛かります。

※本仔の駐立写真はチェストナットFのサイトでも確認が可能です。

1702.アースリヴィングの2017(残50口弱)

・チェストナットFで育成中。(-)
・BTCに通いトレーニングを実施。(-)
・キャンター3000M(25-20秒)、坂路入りは不明(-)
・まだフワフワした走りで幼さ残る。(-)
・2ハロンを15秒まで伸ばしてもしっかり動けていた。(△)
・全兄よりもボリュームがある。好馬体。(△)
・落ち着きがあり理解力が高い。(△)
・1/11の馬体重456Kg、12/27から±0Kg(-)

チェストナットFにて育成がスタートされています。同じくBTCに通いトレーニング中のアースサウンドの2017と比較すると、進捗状況は微妙に遅れている様です。
全兄と比較してボリュームがあると言うのは好評価。更に、神経質な面が指摘されていました全兄と比べて、本仔は「落ち着きがあって理解力も高い」とプラス評価のコメントがされています。
駐立写真をみると募集時写真よりも脚が長くなった印象を受けます。一方で、背中も微妙に長くなった感じがして、スタイル的には兄アースビルボードの方が個人的には好みだったりします。

※本仔の駐立写真はチェストナットFのサイトでも確認が可能です。

1703.ナショナルホリデーの2017(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・年末の発熱で体を減らした。(×)
・腰回りの筋肉に成長の余地あり。加速力はこれから。(-)
・大人しく従順。物覚えが良い。(△)
・馬体重436Kg、前回から-4Kg(-)

社台Fにて育成中です。社台ファームが改修を終えて、待望の坂路調教が可能になりました。すでに週3回坂路入りして効率的に負荷を掛けることが出来ており、昨年までの育成とは全く中身が変わって来ています。ノーザンFに近いメニュー構成が取れていることは確実にプラスになると考えられます。
12月に発熱したのは減点材料ですが、調整メニューは他の社台ファーム育成馬と同等ですので、大きな影響はなかったと考えて良さそうです。一方で、馬体重が昨年末時点で440Kgまで増えており、馬格の小さすぎるリスクが解消してきている点は、本仔については安心材料と言えます。
気性に関しては繰り返し「大人しく、従順で物覚えが良い」旨のコメントがされています。本仔は牝系にディクタスの血がある上に、その父Sanctusの父母間クロスがありますので、気性面が荒くなるリスクがあったのですが、どうやら杞憂に終わりそうです。
駐立写真はトレーニングで絞れたのか、募集時に比べてトモが寂しくなった様な印象があります。更なる筋肉の成長が欲しい所です。

1704.リボントリコロールの2017(残100口未満)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・まだトモの力がアンバランスな部分がある。(×)
・バランスよく蹴れる様、姿勢をケアして調教する。(-)
・自らグイグイ走るタイプではないが、人には従順。(微妙)
・シルエットが綺麗。柔らかみのある走り。(-)
・馬体重438Kg、前回から+3Kg(-)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
一方で、走りのバランスの悪い点が繰り返しコメントされている点が気に掛かります。フォームに問題がある様であれば、仔馬の内に矯正をしておきたいところです。
本仔も馬格に不安がありましたが、現時点で438Kgまで来ましたので、大分リスクは解消してきました。
駐立写真をみると、募集時から変わらず脚の長さが目に付きます。一方で、トモ幅が狭く、背中が長く見える点も変わっていません。一層の実が入ってくることを期待するところです。これは個人的な予感でしかありませんが、本仔の課題はスピード面の不安解消となる様な気がします。

1705.ファビュラスセンスの2017(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・扶助を強めると頼りない面があったが改善した。(-)
・坂路入りしてから気合が乗ってメリハリが出た。(△)
・軽い脚捌きで運動センス良し。スピード感がある。(○)
・走りに前向きなタイプ。(-)
・馬体重430Kg、前回から+10Kg(◎)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
当初のコメントでは「扶助を強めたときに頼りない面がある」とされていましたが、トレーニングを重ねる中で解消した模様です。一方で、気性面の前向きさと動きの良さに関するコメントは特筆された感じを受け、行間から出来の良さが読み取れます。
また、本仔については馬格の小ささが不安材料でしたが、それも乗り込みながら+10Kg増えてきました。まだ安心できるレベルではありませんが、このまま成長を続ければ遠からず不安は無くなりそうです。
駐立写真を見ると、短足で後ろよりも前が勝っている感じであり、首も短く短距離適性であることは間違いなさそうです。脛が太いところは好印象。半姉よりも募集価格が高く設定された割には見栄えのしない募集状況でしたが、ここにきて価格に見合った出来になってきたかもしれません。

1706.ガヴィオラの2017(受付中)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・坂路(17秒)×2~3回。(-)
・馬体はキープ出来ているが、もう少し馬体が欲しい。(×)
・馬体を膨らませながら進めて行く。(-)
・馬体重410Kg、前回から-5Kg(×)

ノーザンF空港にて育成中です。17秒ペースで週2~3回坂路入り出来ているところは評価できますが、如何せん馬体が増えてくれません。成長を促しながらの育成の様ですが、直近で-5Kg減らしての410Kgと言うのは、流石に体質面の不安が拭えません。遅生まれの仔馬ですので、ここからの体重の増加に期待したいところです。
駐立写真をみると、脚が微妙に伸びた印象を受けます。キンシャサノキセキ産駒ですが、短距離専門と言う訳ではなく、マイル辺りまで対応できそうな気がします。一方で、短距離を走るには筋肉量が寂しい感が否めません。

1707.バルドウィナの2017(残16口)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・発熱が収まってからは順調。力強さが伴ってきた。(△)
・坂路入りしてから気合が乗り過ぎるくらい。(○)
・調教中も大人しく従順。メンタルに問題なし。(△)
・馬体重448Kg、前回から+10Kg(◎)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
熱発はありましたが、その後の育成状況は順調の様であり、坂路では気合の乗った走りが出来ている様です。その上で、馬体重も+10Kgの448Kgまで増えており、募集時に不安視された馬格の小ささは杞憂に終わったと見て良さそうです。加えて、気性面の問題もみられない模様で、ここまでの育成状況は至って順調とみることが出来そうです。
駐立写真をみると、如何にも幼く見えた募集時の写真と比べて随分とシッカリしてきた印象を受けます。特に胸前の発達が見えますし、トモにも張りが出てきました。少し気になっていた前脚の着き方も11月の写真では特に気になりません。背中が短く、首が太く、脛も太いと言う、個人的には大いに好みのスタイルになってきました。流石は血統馬と言った雰囲気が出て来た様に感じます。2018年度の最高価格募集馬ですが、価格以上の出来になりそうです。

1708.デビルズコーナーの2017(残12口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・坂路(18秒前後)2本×週2回。(-)
・11月に誤嚥による熱発で調教を休止した。(×)
・飼葉の喰いが旺盛。(-)
・大人しくおっとりした性格。(-)
・馬体重538Kg、前回から+2Kg(-)

ノーザンF空港にて育成中。11月に熱発を起こして調教を休止しています。現在は販路を18秒ペースで2本×週2回のメニューに復帰していますが、他のノーザンF空港育成馬の進捗と比較すると、若干遅れを取った状況です。熱発の原因は誤嚥によるものとの診断されています。誤嚥は飼葉喰いの旺盛な馬が起こしやすいとのことで、今後もそのリスクを抱える可能性があります。
一方で、大型の馬格に加えて調教を休んだことに拠り、最新の馬体重は538Kgまで達しています。ここから調教を積んで行けば絞れてくるものと思いますが、ここからさらに体重が増える様ですと流石に問題になると思います。普通であれば、「飼葉の喰いが良い」と言うのはプラス評価できるのですが、ここまで太目になっているとそれも不安要素になりかねません。駐立写真を見ると、流石に腹回りが緩い様に感じます。募集時よりも背中が伸びた印象で、「せったれ」気味にも見えるところは気になります。
最後に、募集時点で本仔の懸念材料は「兄姉の競争成績が優れない」点にあると考えていましたが、1つ上の半兄ディアブルノワールも馬格の割に成績が残せておらず、依然として不安の拭えない状況が続いています。

1709.デフィニットの2017(残100口弱)

・吉澤ステーブルにて育成中。(-)
・BTCに通いトレーニングを実施。(-)
・ウッド1000Mと坂路(20秒)のメニュー(-)
・体力が付いてきた印象。(-)
・走りが軽く、きれいな跳び。(△)
・柔らかい動き。スピードありそう。(△)
・とても素直な性格。(-)
・馬体重448Kg(12月末)。(-)

吉澤ステーブルにて育成中です。トレーニングはBTCに通って行われており、現在のメニューはウッドと坂路を併用しています。同じくBTCを利用しているチェストナットF育成馬とはメニューが微妙にことなるため単純比較が出来ないのですが、概ね同等レベルの進捗の様に思われます。
最新の体重情報は12/27の448Kgですが、育成開始時に412Kgまで減ったことを考えると、大分と体も戻ってきた印象です。駐立写真をみても、全体に筋肉の発達が見られます。背中が短いところも好印象ですが、本仔の兄姉の懸念材料として脚部の不安があり、本仔も膝の着き方に若干の不安を感じないでもありません。
育成スタッフのコメントは総じてプラス評価できるものですが、育成牧場の差によるバイアスもありますし、吉澤ステーブル育成の過去情報も少ないことから、評価は固めに見ておくことにします。

1710.オンシジュームの2017(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・坂路入りしてから、テンから自分で動ける様になった。(-)
・エピファネイア産駒らしい癇性の良さが出て来た。(△)
・エピファネイア産駒としてはコントロールの効くタイプ。(-)
・11月初に帯道が荒れて、数日休んだ。その後は問題なし。(-)
・胴が伸びて前後のバランスがとれてきた。(-)
・幅のある馬体。(△)
・馬体重446Kg、前回から-4Kg(-)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
坂路調教を開始して以降、エピファネイア産駒らしい癇性が顔を出している様ですが、コントロールは出来ている様ですし、適度な癇性は競走馬として不可欠ですので、ここはプラス評価にしたいと思います。11月に帯道があれて調教を休みましたが、それも数日とのことなので特に懸念する必要はないかと思います。最新の馬体重は446Kgで、乗り込みながら体重は戻ってきました。これならば、馬格が小さすぎるリスクは無さそうです。
駐立写真をみると、背中が短く軽度な曲飛は個人的に好みのスタイルですが、微妙に斜尻に見えるところは気になります。トモの更なる発達が欲しいところです。

1711.ジャドールの2017(残100口弱)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・積極性を身につけるために工夫した。先頭を走ると前進気勢が出る。(-)
・大型馬で緩いが脚元に問題はない。(-)
・初めてのことにも動じないどっしりした性格。(-)
・馬体重490Kg、前回から+12Kg(△)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
過去のコメントで前進気勢に欠ける点が心配要素として伝えられていましたが、試行錯誤の結果先頭を走らせるのが最も良いとのこと。気性的にもおっとりした性格の様なので、これがズブさに繋がらることのばい様、育成時からケアしてもらう必要がありそうです。特徴は掴めてきたとのことなので評価はフラットにしていますが、今後も注視して行く必要がありそうです。筋力アップの必要性も都度コメントされていることから、スピード不足の可能性も留意しておいた方が良いかもしれません。
一方で、最新の馬体重は490Kgで着実に増加して来ています。クロフネ産駒でスピード能力も不明である点を考えるとダート馬の可能性が高い様に思いますので、体重はもう少し増えても問題ないと思うのですが、募集時に巷の噂で上がっていた前脚の不安を考慮すると、この辺りで体重をキープした方が良いのかもしれません。敢えて脚部へのコメントが出ていることも、穿った見方をすれば気になります。
駐立写真をみると胴長短足のイメージから若干背が伸びてバランスが良くなった様に感じます。只、それでも距離適性は短い方だと思いますので、やはりスピード能力がポイントになりそうです。

1713.ジュエルオブナイルの2017(残100口弱)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・坂路入りしても順調だが良化はスロー。(×)
・もっと積極性が欲しい。(×)
・スピードに乗せた時の走りは良い。(-)
・気が入ることなくリラックスして調教できている。(-)
・馬体重432Kg、前回から+4Kg(-)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況面での遅れはありませんが、コメントの行間からは不安要素が読み取れます。「積極性が欲しく良化がスロー」と言う指摘は、今の時点としては止む無いことかもしれませんが、評価上は厳しく採りました。最新の馬体重は432Kgで、育成開始時の416Kgからは随分と回復してきましたが、更なる体重増加が欲しいところです。
駐立写真をみると牝馬らしいシャープなシルエットで個人的には好みのスタイルをしています。只、前脚が微妙に弓気味に見える点が気にならないでもありません。

1714.カクテルの2017(残100口弱)

・武田ステーブルにて育成中。(-)
・ダート2400~2800Mを25秒ペースのメニュー。(-)
・年末に休みを入れてトモの疲れが抜けた。(-)
・体力強化に励みたい。(-)
・馬体重483Kg(12月中旬)。(-)

武田ステーブルにて育成中です。グリーンファームから武田ステーブルに預託されるのはおそらく初めてかと思いますので、進捗状況の把握が難しいところです。牧場毎に育成の方針も違いますので、何が正解とは言い難いのですが、それでも社台ファームが坂路を設けたことで、社台F・ノーザンF・BTC利用の育成馬が年明け前から坂路調教をしている点と比較してしまうと、正直なところスローペースな感は否めません。
本仔はエピファネイア産駒ですので気性面が気になるところですが、気性を推察出来るような情報は特に上がっていない様です。最新の馬体重は12月中旬時点で483Kgで、着実に増えている点はプラス評価できるところですが、育成メニューが軽めの分だけ他の募集馬と比較して割り引く必要があるかもしれません。
最新の駐立写真は逆光で良く見えないのですが(写真を撮られる方はもう少しカメラの扱いを勉強して欲しいです)、募集時から変わらず前駆もトモも筋肉の発達が見られますし、特に脛が太い所が好評価です。但し、調教メニュー的にみて全体的に緩目かもしれません。

1715.ラヴアズギフトの2017(満口)

・武田ステーブルにて育成中。(-)
・ダート2400~2800Mをキャンター。ペース不明。(-)
・テンションが少し上がりやすく、気難しい面あり。(×)
・大分集中して走れる様になってきた。(-)
・馬体重473Kg(12月中旬)。(-)

武田ステーブルにて育成中です。カクテルの2017と同じくダート2400~2800Mで乗り込みが行われていますが、こちらはペースの情報がありません。
全姉と同様に気性面に難しいところが見られる様で、それも含めてハードな調教を控えている気配が感じられます。他牧場の育成馬が坂路入りしている状況と比べてると、進捗的な遅れは確かです。但し、気性面で拗らせると後々が面倒なことになりますので、ここは慎重に進めるに越したことはないかもしれません。この辺り、全姉の育成を行った坂東牧場であれば、経験を生かして扱うことが出来たと思うのですが、育成牧場を買えたことが吉と出るのか凶とでるのか、今後の育成見守りたいと思います。最新の馬体重は12月中旬で473Kgあり、調教メニューが軽いながらも牝馬としては十分な大きさに育ってきています。全姉よりも一回り以上大きい感触です。
駐立写真をみると、一見して立派なトモが目に付きます。背中も短く見える様になって、如何にも推進力のありそうなシルエットになりました。気性面の問題が顕在化しなければ全姉以上の走りが期待できそうです。

1716.トロピカルブラッサムの2017(受付中)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・坂路(16~17秒)2本×週3回。(○)
・遅生まれながら牝馬の中で進んでいるメニュー。(-)
・コンスタントに乗り込みながら体重が増加。(○)
・馬体重435Kg、前回から+7Kg(-)

ノーザンF空港にて育成中です。現在のメニューは週3回坂路を16~17秒のペースで2本こなしており、グリーンファーム募集のノーザンF育成馬の中では進捗状況が最も進んでおり順調そのものです。遅生まれと言うこともあって、募集時の体重は413Kgと小ぶりでしたが、進んでいるグループの中にあって着実に体重を増やしているところは頼もしい限りです。現在の体重は435Kgですが情報更新の度に増加を続けていますので、遠からず安全圏に達するものと思います。一方で、気性面についてのコメントは今のところ上がっておらず、状態については不明です。
駐立写真を見ると、募集時から変わらず脚の長さが目に付きます。トモが立派で背中が短く、軽い曲飛で目を惹くシルエットになりました。中距離以上の適性でキレる脚を使ってくれそうな予感がします。只、脚が長い分だけ如何しても膝下も長くなりますので、多少なりとも故障のリスクは上がるかもしれません。

1717.マウントフジの2017(受付中)

・吉澤ステーブルにて育成中。(-)
・BTCに通いトレーニングを実施。(-)
・ウッド1000Mと坂路(20秒)のメニュー(-)
・体力が付いてきた印象。(-)
・トモ幅があってスピード能力もありそう。(○)
・真面目で一生懸命走る馬。(△)
・馬体重442Kg(12月末)。(-)

吉澤ステーブルにて育成中です。トレーニングはBTCに通って行われており、現在のメニューはウッドと坂路を併用しています。同じくBTCを利用しているチェストナットF育成馬とはメニューが微妙にことなるため単純比較が出来ないのですが、概ね同等レベルの進捗の様に思われます。
最新の体重情報は12/27の442Kg。育成開始時に一度減らした体重でしたが、乗り込みながら戻ってきています。「トモ幅がしっかりしておりスピードもありそう」のコメントは高く評価したいと思います。更に、走りにも一生懸命で気性面の問題も無さそうと言うのも評価出来ます。
駐立写真を見ると、立派なトモが目立ちますが前駆にも同様に筋肉がついて来ています。短足気味で筋肉質であることから、確実に短距離適性になるものと思われます。
育成スタッフのコメントは総じてプラス評価できるものですが、デフィニットの2017と同じく吉澤ステーブルのコメントは甘めのバイアスが掛かっている感触もありますので、気持ち割り引いて読み解いた方が良いかもしれません。

1718.エイシンバンバの2017(満口)

・チェストナットFで育成中。(-)
・BTCに通いトレーニングを実施。(-)
・キャンター3000M(25-20秒)、坂路入りは不明。(-)
・12月初に熱発したが、その後の体調に問題なし。(-)
・ムキになりすぎず素直で乗りやすい。(-)
・ペースアップにスムーズに対応。(△)
・1/11の馬体重474Kg、12/27から+4Kg(-)

チェストナットFにて育成中です。トレーニングはBTCに通って行われており、現在のメニューはキャンターで3000Mを25秒で終いを20秒と言った内容です。他のBTCトレーニング馬と違って、まだ坂路入りは行われていない模様。素直で気性面の問題もなさそうで、特に進捗の遅れる要素は読み取れず、坂路入りが遅れている理由は不明です。12月初に熱発した影響は考えられますが、体重は増減していませんので大きな問題ではなかったと見ています。現在の体重は474Kgで、乗り込みながら着実に増加しているのは良い傾向です。
駐立写真をみると脚長は短足と言うほど短くありませんが、距離適性はマイル以下ではないかと思います。血統的にはダート馬であると考えるのが自然ですが、繋ぎの角度をみると芝でも走れるかもしれません。問題は芝に対応できるスピードの有無になるかと思います。

※本仔の駐立写真はチェストナットFのサイトでも確認が可能です。

1719.オメガグレイスの2017(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・坂路1000M(20秒)×3回。周回コース2000M×2回(-)
・普段は大人しいが馬場入りして前進気勢が高い。(△)
・成長の余地を十分に残した幼い体型。(-)
・脚元も丈夫。(-)
・馬体重480Kg、前回から+16Kg(○)

社台Fにて育成中です。前述の通り、社台ファーム育成馬がこの時期から坂路入り出来ること自体が大きなプラス材料と言えます。メニューについては他の社台ファーム育成馬と同様の内容であり、進捗状況に差は見られません。
大人しい性格で気性面の心配はなさそうである一方で、前進気勢も出て来ている点は好評価できます。体重も最新情報で480Kgに達しており、馬格面の問題は無さそうです。
駐立写真をみると、全体に筋肉の付き方が甘い印象を受けますが、背中が短くトモ幅がある点は好ましく感じます。体型的には胴長短足気味なので、芝orダートに関わらず距離適性は短い方向と予想しますが、その為にはダッシュが効くだけの筋肉の発達が欲しいところです。

おわりに

以上、2018年度募集馬の育成状況をフォローして来ましたが、現在の応募状況をみると未だに満口馬は特別提供馬のエイシンバンバの2017を除けばラヴアズギフトの2017の唯1頭であり、「出資馬が選り取り見取り」と言うのはグリーンファームの面目躍如(謎)たる所でしょうか。😅 そう言う意味では今年度も「様子見」を選択した人が勝ち組だったかもしれません。

自分は既に予定2頭の出資を決めてしまったことから追加の出資は予定していないのですが、今回改めて全募集馬の育成状況を通して見たところで、募集時よりも個人的な評価の上がった仔馬を上げてみると、その筆頭はバルドウィナの2017です。
募集開始時は馬格が小さく、これだけの良血がグリーンファームから募集されたこと自体を懐疑的に見る目も多かったと思いますが、ここに来て体重は着実に増加しています。シルエットも流石の良血馬と思わせるものがあり、グリーンファームにしては高額の募集も十分にペイする様に感じます。もし本仔が関東から募集されていたら、追加でポチってしまったかもしれません。

一方で、馬体の見栄えと言う点に絞れば、最も惹かれるのはラヴアズギフトの2017です。立派なトモを見ただけでも、確実に全姉を上回る成績を残してくれそうですが、課題は姉同様で気性面の克服になりそうです。

最後にもう1頭ピックアップすると、トロピカルブラッサムの2017が良い感じに育って来ました。本仔については募集時から注目をしており、馬体の成長が鍵になると見ていましたが、期待通りの成長を見せています。ノーザンF育成馬の中では最も順調であり、これが格安の募集と言うのは中々のお買い得の様に感じます。そして何より距離適性が長そうに見える点が魅力的です。

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コメント

  1. たけお より:

    グリーンファーム入会考えております。
    詳しい解説付きの近況大変参考になります。トロピカルブラッサム写真で見た瞬間閃きました。私的にはもしかして牝馬でトーセンホマレノボシ代表産駒もある?とも思えました。mackyさんの近況レポートで更に積極的に様子見の気持ちが固まりました。もう一頭早期デビュー勝ち上がり可能な馬を見極めつつ、予算の目処が立つ4月後半まで残口がある事を願います。

    • macKy より:

      たけおさま、
      はじめまして。コメントありがとうございました。

      トロピカルブラッサムの2018は、個人的にかなり気になっている仔馬です。「安価なノーザンF生産のトーセンホマレボシ産駒で西村厩舎所属」と言うのは、今日出走したスターリーパレードとマル被りなのですが、そのスターリーパレードも勝ち上がりへの道筋が見えてきたことで、本仔への出資のハードルもより下がってしまいます。

      もう一つ、自分の中ではこの仔が出資していたフォーチュンリングとイメージ的に被ります。やはり安価なノーザンF生産の牝馬で、ディープの孫で脚が長かったところが髣髴とさせるのですが、フォーチュンリングは能力の高さを見せながらも原因不明の歩様の乱れから、善戦及ばず勝ち上がることが出来ませんでした。勝手な思いですが、本仔が勝ち上がってくれればフォーチュンリングの無念を晴らせる様な気がしたりします。

      ちなみに、トロピカルブラッサムの2018ですが「最後まで満口になることは無い」と断言できます。余裕で様子見が可能ですが、(突然明日までとか)猶予期間なく応募を締め切って入厩してしまうパターンはありますので、入厩情報にはよくよく注意をしておくことをお勧めします。

      グリーンファームはサービス面では時代遅れな面のあるクラブですが、その裏返しとして良い意味でのノンビリムードのあるクラブです。なんと言うか達観されている会員さんの多いクラブですので、その辺りの水が合えば良いクラブになるものと思います。グリーンファーム会員になられた暁には宜しくお願いを致します。