2018年度グリーンファーム募集馬の馬体重変化をフォローするシリーズの2回目です。(前回はこちら)
本来であれば11月末に更新を予定したシリーズなのですが、結局ここまで遅くなってしまいました。正直なところ、今回は更新を見送ることも考えていたのですが、先ずは結果を報告する前に、発表を躊躇した事由について説明をしておきたいと思います。
まず、本シリーズで示すデビュー時の予測体重は「一口馬主DBにて提供される馬体重成長シミュレーション」を用いて算出される値ですが、このシミュレーションのインプットデータは対象となる仔馬の誕生日、性別、測定日、測定体重の4つになります。この4つのデータの内、誕生日と性別については紛れの無いものですが、測定日と測定体重についてはクラブの情報を信頼するしかありません。しかし、今年に限ってはクラブからの発表値が信頼しきれない状況です。
そして、信頼性に疑問をもっに至った事由は、11/10の更新情報と12/3の更新情報で馬体重に変化のない仔馬が多数存在すると言う状況に尽きます。具体的に、社台ファーム育成の7頭(オメガグレイスの2017は除きます)と、武田ステーブル育成の2頭の計9頭の馬体重に変動がありません。これは「体重に変化が無かった訳ではなく、クラブが牧場に問合せをしていない」ことを意味すると考えて間違いないでしょう。
シミュレーションのインプットデータに信頼がおけない時点で、得られる結果にも意味は無いと言えるのですが、一応シリーズとして続けて来た手前もあり、これら事情を説明した上で今回の結果を示すことにします。
なお、このような状況を考慮して、今回のシミュレーションに際しては次のようにデータを取り扱いました。
・社台ファームと武田ステーブル育成馬の体重測定日は11/8とする
・その他牧場の育成馬の体重測定日は11/30とする
馬名 | 募集時予測 | 9月予測 | 10月予測 | 11月 予測 |
今回 増減 |
8月20日 | 9月15日 | 10月20日 | |||
アースサウンドの2017 | - | 458 | 456 | 454 | -2 |
アースリヴィングの2017 | 496 | 500 | 474 | 472 | -2 |
ナショナルホリデーの2017 | 448 | 444 | 432 | 410 | -22 |
リボントリコロールの2017 | 434 | 434 | 422 | 406 | -16 |
ファビュラスセンスの2017 | 434 | 436 | 416 | 398 | -18 |
ガヴィオラの2017 | 450 | 452 | 434 | 424 | -10 |
エイシンバンバの2017 | 490 | 492 | 466 | 460 | -6 |
バルドウィナの2017 | 438 | 442 | 416 | 406 | -10 |
デビルズコーナーの2017 | 520 | 516 | 502 | 490 | -12 |
デフィニットの2017 | 494 | 496 | 454 | 452 | -2 |
オンシジュームの2017 | 450 | 456 | 442 | 420 | -22 |
ジャドールの2017 | 502 | 498 | 482 | 478 | -4 |
ジュエルオブナイルの2017 | 442 | 454 | 420 | 416 | -4 |
カクテルの2017 | 500 | 496 | 476 | 468 | -8 |
ラヴアズギフトの2017 | 482 | 488 | 474 | 458 | -16 |
トロピカルブラッサムの2017 | 470 | 468 | 452 | 440 | -12 |
マウントフジの2017 | 460 | 458 | 420 | 414 | -6 |
オメガグレイスの2017 | – | – | – | 454 | – |
疑念のあるシミュレーション結果に対して考察をすることに意味はないと言えるのですが、それでも今回の結果が全て予測体重が減少する方向に振れているのはシミュレーションとして異常であり、入力に異常値が入っていることの証左と考えられます。特に社台ファーム育成馬の予測体重が総じて大幅に下がっており、これを額面通りに扱うのは危険です。
ちなみにオメガグレイスの2017を除く社台ファーム育成馬×7頭の予測体重の平均値が419Kgであるのに対して、その他の仔馬の平均値は453Kgあります。この偏差はデータのバラツキとして片づけるには余りにも大きな差異であると言えるでしょう。
一般的に言って、馬体重は出資馬選定の為の重要なファクタの1つですから、クラブ側にはその様な意識を持って、真摯な姿勢で会員に向き合い、情報更新に努めて頂けるよう、強く求めたいと思います。