グリーンF追加募集・オメガグレイスの2017

残念ながら故障により募集中止となったムニラーの2017の代替えなのか、グリーンファームから追加の募集馬が発表されました。新たに募集された仔馬はオメガグレイスの2017。タートルボウル産駒の牡馬になります。

先に開催された愛馬会の集いにて先行告知されていましたが、今月の会報で正式に発表されました。動画を除いた基本情報は出揃ったことから、現時点でのインプレッションを書き残しておきたいと思います。なお、受付は12/6のAM10:00から先着順で、電話での受付になります。


オメガグレイスの2017

■基本情報

父  :タートルボウル
母父 :サンデーサイレンス
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
FN :1号族
誕生日:2017/03/10
生産 :社台ファーム
価格 :1600万円
厩舎 :武英智厩舎

■牝系情報

エリンバードから連なる牝系で、近親にはオークス馬エリンコートや毎日杯を勝ったミュゼエイリアンの名前がある、華やかな成績を修めている一族です。本仔の母オメガグレイスも生涯5勝を挙げた準オープン馬で、その産駒にはオメガブレイン,オメガエンブレムと言った活躍馬が出ています。本仔出産時の母年齢は18歳なので、高齢域に入った出産ではありますが、1つ上の半兄オメガラヴィサンは先日500万条件を勝ち上がっていますので、年齢的な心配は無用と思われます。ちなみに本牝系のファミリーナンバーは1号族です。

一方で本牝系とグリーンファームの過去の所属馬に縁故関係はありません。一族の大半にオメガの冠名が付与されている通り、原禮子さんの保有馬が中心になります。そして、本仔の懸念材料はこの点に尽きる様に思われます。何故ゆえに、本仔については原禮子さんの保有馬にならなかったのでしょうか?🤔 常識的に考えれば、「出来に問題があった為に、社台ファームとしては超優良顧客にオファーする訳に行かなかった」と考えるのが自然でしょう。本仔の2つ上の半姉モーヴ(父シンボリクリスエス)は同様にオメガの冠名が得られておらず、結局未勝利のまま地方へ転籍されています。今回、グリーンファームの追加募集馬となった経緯も、何かしらのワケ有りと考えるべきでしょう。

■血統配合

父タートルボウルは本仔の種付を行った翌年に急逝しています。250万円でスタートした種付料は最終的に100万円まで下がっており、期待されたレベルの活躍馬を出すことは出来ませんでした。只、最近は配合と育成のツボが判って来たのか、主にダート戦で走る馬が出て来ています。父がマイラーであったことから、スピードのある産駒も出ていますので、存命であればハービンジャーの様に復権のチャンスもあったかもしれません。

タートルボウル産駒の配合上のポイントを考えた時、1つの答えは「Northern Dancerの血を持ったサンデー系牝馬」であると考えています。特に母系にNijinsky, ノーザンテーストの血があると打率が上がる感触ですが、本仔にこの2つの血はありません。但し、Northen Dancerの血脈としてStorm Bardの血がありますので、最低限のツボは押さえられています。特に、Storm Bardと父系にあるNight Shiftは何れもNorthan DancerとChop Chopの血を有しいます。弱いニアリークロスを形成することから、配合的な妙味はあると思います。

■厩舎

本仔の追加募集はムニラーの2017が募集中止になった件の代替え色が強く、預託厩舎は継続して武英智厩舎となっています。今年、調教師デビューして現在8勝。特に目立った成績は上げていませんが、これについてはもう少し長い目で見てあげる必要があるでしょう。

■馬体

測尺は発表されていませんが、募集時(11月末)の馬体重は454Kgです。これを一口馬主DBの馬体重成長シミュレーションに掛けると、デビュー時の予測体重は454Kgと算出されました。ダート馬になる可能性も考えると、もう少し膨らんでくれた方が嬉しいのですが、小さすぎて困るレベルでは無さそうです。
駐立写真を見た印象は、11月の写真であることもあって、非常に良い感じを受けています。短足では無いことからマイル位までは走れそうですし、背中が短くて緩い曲飛であるところは、個人的に好みのスタイルです。

■募集価格

価格:1600万円

ムニラーの2017の代替え候補と言う趣旨に因ったのか、「牡馬で1600万円」の条件が踏襲されています。しかし、スクリーンヒーローの牡馬とタートルボウルの牡馬が同じ価格となると、スペック的に見劣りする感が否めません。一方で、同父のジュエルオブナイルの2017が牝馬で1600万円であることを考えると、相対的に「ジュエルオブナイルの2017の方が出来が良い」と言う判断になってきます。

更に、以前ネタにしたプレミアム値を本仔についても計算してみると-63ポイントとなりました。即ちカテゴリとしては「ノーマル馬」の分類になります。ヨタ話であることは承知の上で「グリーンファームの(中でも社台系の)ノーマル馬は競争成績が振るわない」と言う分析結果が出ていることから、お買い得とは言い難い価格設定に感じます。

■まとめ

オメガグレイスの2017は優れた牝系の産駒であり、駐立した姿も好印象な仔馬ですが、正直言ってワケあり感が満載です。タートルボウルの牡馬で1600万円と言うのも割高な印象の価格設定であり、「同じ父で同じ価格ならば、ジュエルオブナイルの2017の方に行きたい」と言うのが正直な感想です。関西馬と言う点も含めて、自分的には出資対象にはなりそうもありません。

一方で、募集中止馬の代替え募集と言う観点で見ると、直近でエクストラファインの例がありました。エクストラファインの募集は相当人気が無かったらしく、聞いた話では出資者が10人に満たなかったそうです。その結果、出資者は口取りに当り放題ですし、ゼッケンも好きに貰えた様です。更に、このタイミングの追加募集ですので、名付け親になれる可能性も相対的に高いと言えるでしょう。「取り敢えず1勝すれば良い」と割り切るには少々割高な価格設定ですが、美味しいポイントは色々とあるかもしれません。

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