アースビルボードの再評価

昨日の予告通り、唐突ですが募集馬アースビルボードについて、改めて評価をしてみたいと思います。これを考えたきっかけは、先の皐月賞の結果であり、今年はオルフェーヴル産駒のエポカドーロが下馬評を覆して見事な差し切り勝ちを決めました。オルフェーヴル産駒は2歳時の(特に牡馬の)成績が振るわなかったことで、種牡馬としての能力に疑念が生じていましたが、桜花賞~皐月賞のクラッシック2戦を終えた段階で、産駒が2着と1着を上げた事実は流石に無視し難いと思います。
さらに、2歳戦では冴えなかった牡馬の勝ち上がり率も、3歳になって着実に上がって来ています。その上で、超大物も排出するとなると、オルフェーヴル産駒であることを事由に安直に出資を見送って本当に良いものか、再度評価したくなりました。しかし、現2歳のグリーンファーム募集馬の内、残口があるオルフェーヴル産駒はアースビルボードの唯1頭のみです..。

そこで以下、アースビルボードについて、改めてその加点要素と減点要素を考えてみました。

【加点要素】
・父オルフェーヴルの種牡馬評価が急上昇している。
・配合上の妙味がある。(後述)
・半兄にも勝ち上がりの光明が見えた。
・シルエットが個人的に好み。
・歩様が良く見える。(注:相馬眼はありません。)

【減点要素】
・体が薄い。
・5月生まれとは言え、体重が軽すぎる。
・ムキになって走る傾向がみられる。
・ノーザンF育成にならなかった。
・個人的に厩舎がNG。

まず加点要素ですが、年が明けて牡馬のオルフェーヴル産駒の成績が急上昇しているのはデータ的に明らかです。昨年の成績が4.13.7.67:単回率31%,複回率49%であったのに対し、今年は9.11.12.60:単回率85%,複回率133%を記録しています。黙って複勝を買えば回収率が100%を大幅に超えますので、これは覚えておいて損はありません。暫くの間、積極的に狙える馬券だと思います。

つぎに、オルフェーヴル産駒の配合上のポイントは未だ明らかになっていませんが、ラッキーライラック、ロックディスタウン、エポカドーロなどの活躍から、母方にMr.Prospectorの血を持つことが肝であることは疑いありません。さらに、血統解説本「配合パズルでアタリはわかる」の著者である”くりがしら”さんの指摘に拠ると(自分は3冊全て読破しました)、「Mr.Prospectorに加えて、母方にBold Ruler+Princequilloの血を併せ持つことがオルフェーヴル産駒配合のポイント」と言う仮説が提示されていおり、Mr.ProspectorとSecretariat(Bold Ruler+Princequillo)の血を有するアースリヴィングは、この条件を満たしています。

https://www.instagram.com/p/BhnZPF-F8uk/?hl=ja&taken-by=kurigasila

さらに兄姉の成績ですが、半兄シネマソングスが先日の初ダートで変わり身を見せて勝ち上がりの光明が見えて来ました。時計自体は速くありませんので、未だ心配は拭えませんが、それでも溜めてキレる脚を見せてくれたことは、本仔への期待に繋がると思います。

そして、これまでの”出資馬の近況フォロー”でも書いていた様に、本仔のシルエットは個人的にかなり好みです。長躯短背で、首回りはしっかりしていますし、適度な曲飛はキレる脚を想像させます。只、最新の駐立写真をみると、胴長短足方向にシフトしている気配があり、あまり距離は保たないかもしれません。

一方で明らかな減点要素は、体が薄く、体重も軽いことです。体質的な弱さが懸念され、充分な調教が積めないリスクがあります。これは半兄シネマソングスにも顕在化した問題でした。加えて、半兄シネマソングスがノーザンFで育成されたのに対して、本仔はチェストナットFに育成が委託されています。本事実を以て、本仔の1歳時の評価が劣るものであったことは疑いありません。将来的にノーザンFの外厩施設がつかえないのは、間違いなく本仔にとって痛手となります。

ただ、体質的な懸念要素は様子見を続けることで、本質的な問題として顕在化するのか、成長と共に自然と回避されるのか、見極めることが可能です。これこそがグリーンファーム最大のメリットですので、有効に活用しない手はありません。なお、育成時のコメントで、頻繁に「ムキになって走る」の指摘があったことは留意しておく必要があります。気性難が競走馬として良い方向に出る可能性もありますが、短足気味の体形も含めて距離が保たない可能性が高くなります。

最後に、個人的に問題なのが預託先の厩舎です。今後、仔馬の状態がどんなに良化しようとも、この点が譲れないかもしれません。ローテーションやレース選択に不信感が湧いてしまうと、ストレスが果てしなく溜まることになります。これは「正しいか正しくないか」の話ではなく、「自分考えと合わない厩舎の仔馬には出資しない」ことが、精神衛生的に大切であると考えています。

ちなみに、アースビルボードの1つ下もオルフェーヴル産駒の牡馬になります。この仔もグリーンファームから募集される可能性がそれなりに高いと思いますので、その節は厩舎を変えて頂けると出資し易くなりますので、クラブ側の配慮を願いたいところです。

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