今年グリーンFから募集して欲しい仔馬 ⑨

今年グリーンファームから募集されることを切に願う、クラブ所縁の仔馬をリストアップする全10回シリーズの9回目です。(一覧はこちら
今回はグリーンファーム所縁の仔馬の中ではプレミアム度が際立って高い、ちょっと無理目のチョイスになりました。


No9.バルドウィナの2017

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :ヴィクトワールピサ
母父 :Pistolet Bleu
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
FN :1号族
誕生日:2017/01/22
生産 :社台ファーム

本仔は、グリーンファームから募集されたベアトリッツの半妹にあたります。ベアトリッツは父がディープインパクトで、降級を挟んで500万条件を2勝し、生涯3.3.3.19の成績を残しました。これに対して、父がヴィクトワールピサに代わった本仔ですが、そのプロフィールは「ベアトリッツの半妹」と紹介するよりも、シンハライトを押さえて桜花賞に勝った「ジュエラーの全妹」と紹介するのが適当な仔馬です。

父ヴィクトワールピサは、ドバイワールドカップを始めとして、GⅠ3勝・GⅡ2勝を上げた活躍馬で、引退後は社台スタリオンで種牡馬生活に入りました。当初から種牡馬としての期待は高かったのですが、ジュエラー以外は突出した産駒が出ておらず、充分に応えるだけの成績が出ていないのが現実です。その状況もあって、今年からは社台スタリオンを出されて、ブリーダズスタリオンへと移籍してしまいました。350万円からスタートした種付け料も、今年度は200万円まで減額されています。

2.牝系情報

母バルドウィナはフランスから輸入された繁殖牝馬で、現役時代には仏GⅢ(ペネロープ賞)に勝った実績があります。日本で繁殖生活に入った後は、ジュエラーの他にもフィリーズレビューと函館スプリントに勝ったワンカラットや、愛知杯2着の実績があるサンシャインなど、多数の活躍馬を輩出しました。更にワンカラットの1番仔であるワントゥワンもオープン入りを果たしており、牝系全体として優良であることに疑いはなく、特に牝馬に活躍馬が出る牝系と言うことが出来ます。また、脚質的にはマイル+αまでの距離に適性が見られ、中距離になると成績が落ちて来る傾向があります。

一方で、ジュエラー以降は活躍馬が出ていないことも事実であり、母が高齢となった影響が出ている可能性もあります。ちなみに本仔は母年齢19歳時の産駒になります。

3.血統配合

ヴィクトワールピサの配合上のポイントは良く判っていませんが、ジュエラーを輩出した事実からして、バルドウィナとヴィクトワールピサの組み合わせに適性のあることは疑いありません。ジュエラー以降は2つ下にエンパイアメーカーが配合されたのを除いて、全てヴィクトワールピサが配合されていることも、それを裏付けていると考えられます。ちなみに本仔の1つ下にもヴィクトワールピサが配合されています。

前述の通り、本牝系の特徴として牝馬が優れる傾向がありますが、ヴィクトワールピサの産駒も牝馬の方が活躍する傾向がありますので、むしろ牝馬に出たことで本仔の価値は高まったと考えて良いと思います。

4.予想価格(予測モデルは本稿を参照

1800万円(基本:1000万,牡牝補正:±0万,父補正:+200万,母補正:±0万,兄姉補正:+600万)

5.おわりに

一応、計算上は1800万円と予想価格が出ましたが、プレミアム度がMAXの仔馬ですので、募集に掛かるとしても2000万円を切ることは難しいと思われます。只、本仔の2つ上の全兄は勝ち上がれませんでしたし、1つ上の半兄も体質的に弱いのか3歳になった今もデビュー出来ていません。父の人気も下降気味であり、母親の高齢出産リスクも考慮すると、3000万円を超える様な価格には至らない様に思います。
見方を変えて、もしグリーンファームから募集されるのであれば、比較的安価に抑えられると思います。反対に3000万円を超える値付けになるならば、グリーンファームから募集される可能性は限りなくゼロでしょう。最近のグリーンファームの募集馬のトレンドの1つが、「活躍馬の下で母が高齢」のパターンであり、本仔もこれに合致していることから、ワンチャンはあり得ると思っています。

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