グリーンファーム募集馬の近況フォロー(5回目)

グリーンファーム17年度募集馬の近況フォローの5回目です。(前回はこちら。)今回も、公式サイト情報を縦横に評価して、各馬の現在の状況を把握して行きたいと思います。募集馬に拠って情報の更新回数に違いがありますが、ここでは前回以降の情報は網羅して考えるものとします。

注:各項目の印の意味は次の通りです。
  ◎:最高評価、○:高評価、△:プラス評価、-:評価なし、×:マイナス評価

1601.アスティ(満口)

・社台Fで育成中。(-)
・左前のソエは収まった。(-)
・脚元の不安は解消。徐々にペースを上げる。(○)
・直線1本×週3回(ペース不明)+周回1200M(-)
・休ませた分、馬には活気がある。(-)
・周回コースでは集中を欠く為、メニューを工夫する。(-)
・馬体重442Kg、1月末回から+2Kg(-)

社台Fで育成中。年末に発症したソエもようやく落ち着き、トレーニング内容も週3回直線コースで乗られています。但し、ペースに付いては記載が無く、何処まで進んでいるのか判断は付きません。
一方で、ソエ自体は若駒によく見られる症状であり、調教が遅れたこと以外は、致命的なものではありません。早期にソエをクリアに出来たことは、「デビュー後に発症するよりも、むしろ良かった」と前向きに捉えることも出来るかもしれません。
休養してきた割には体重が殆ど増えていない点は残念なところ。また「調教中に集中を欠く」と言う部分も、継続的にメンタルの課題がコメントされていることから、引き続き注視が必要です。

1602.アースビルボード(残50口未満)

・チェストナットFにて育成中。(-)
・トモに疲れが生じたが現在は解消した。(-)
・キャンター3000M(17~20秒)。(△)
・食べた物が身に付き、肉付が良くなった。(○)
・化骨検査では成長途上。完了まで無理しない。(-)
・ムキになり易いが、精神面の成長は見られる。(-)
・馬体重440Kg、前回から+26Kg(◎)

チェストナットファームにて育成中。中間でトモに疲れが見られたため、トレッドミルで様子が見られましたが、現在は通常のメニューに復帰しています。3000Mを17秒で乗っており、距離もラップも着実に伸びているのは好印象。そして何よりも評価できるのは、乗り込みながら体重が増えて来ている点でしょう。これまでは「肉付を良くしたい」のコメントが目立ちましたが、一気に440Kgまで増えてくれたことは大いに安堵できる材料だと思います。化骨検査の結果については、現時点で成長途上なのは普通なことでで、気になるものではありません。成長過程で極端な負荷をかけるのは好ましくありませんが、現状はその様な状況になく、特に問題は無いと思われます。このまま、イイ感じに状態が上がって行くと良いと思います。

1603.ガーデンコンサート(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週3回坂路入り。2本目は14~15秒。(○)
・梅雨明けの移動も視野に入る。(△)
・乗り込みながらも馬体が増えている。(○)
・馬体重470Kg、前回から+13Kg(◎)

ノーザンFにて育成中。週3回の坂路をこなし、ペースも14秒台まで上がって来ました。その上で、体重が継続的に上がっていることも高評価で、これ以上ない育成状況と言えます。この進捗であれば、梅雨明けに移動して、夏から秋に掛けてデビューが出来るものと思われます。過去にスピード面のコメントが無い点は気になりますが、血統的に問題は無いと考えて良いでしょう。

1604.アーチザンバレット(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・直線1本×週3回(14秒~15秒)+周回1200M(△)
・素直で操縦性が良い。現在のメニューならば余裕がある。(○)
・夏の北海道シリーズでのデビューを考える。(△)
・馬体重496Kg、前回から+10Kg(◎)

社台Fにて育成中。引き続き直線1本を14秒~15秒のペースで乗り込まれており、順調な育成状況とみて良さそうです。ただ、1月から15秒ペースで乗られていた点を考えると、ラップの伸びはそれ程でもありません。14秒台前半なのか後半なのかも知りたいところです。一方で、乗り込みながらも体重が着実に増えている点は好印象です。本仔は恐らくダート馬だと思うので、このレベルで体重が増えるのはウェルカムです。
これを受けて夏の北海道シリーズでのデビューも検討されており、プラス評価して良いのですが、これまでも小島(茂)師は早期入厩を好む傾向が見られますので、単に「入厩時期が早い」と言うだけで過度に高い評価はしない方が良いかもしれません。(ルーチェスプマンテもボーンレガシーも早期入厩が行われましたが、結果は伴いませんでした。)

1605.アルジェンタータ(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・直線1本×週3回(14秒~15秒)+周回1200M(△)
・しっかりと動けており、豊富なスピードを感じる。(○)
・メニューはこなせるが、体重の増加は緩やか。(×)
・馬体重426Kg、前回から+18Kg(△)

社台Fにて育成中。成長を促すために、調整放牧を挟みましたが、現在は通常メニューに追いついています。直線コースを週3回走って、ペースも14秒台であり、休んでいた割には状態は他馬に追いついた感触です。この辺りが、「しっかり動けている」のコメントに繋がっている様に思われます。
一方で、本仔の課題は依然として体の成長です。一時期408Kgまで落ちた体重は426Kgまで戻しましたが、ここから増えて来てくれません。動き自体は良さそうなので、何とか身になって欲しいところです。

1606.クワドラード(受付中)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週3回×2本(15~16秒)のペースで坂路入り。(△)
・成長を促すため、ペースは15秒台に抑えている。(-)
・中間に一週間のリフレッシュを挟んだ。(-)
・乗り込みながらも体重が増えてきた。(△)
・馬体重449Kg、前回から+10Kg(○)
・成長を見ながら、夏から秋にかけての移動を目指す。(-)

ノーザンF空港にて育成中。引き続き、週3回の坂路入りを続けていますが、成長を優先してタイムは15秒台に抑えられています。その効果も合ってか、ここに来て体重がグンと増えているのは評価できます。本仔のについては、確実にダート馬となりますので、仕上げを急ぐよりも、先ずは体を大きくする方を優先することは頷けるところです。トレーニングメニューはガーデンコンサートよりも遅れてしまいましたが、目標に向かって焦る必要は無いと思います。前回も書いた様に、このまま体重が460Kgを超えてくれるならば、体形や姿勢は好みなので、評価を上げて行きたいと思います。

1607.レコルダーレ(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・直線1本×週?回(内2回は強め)+周回1200M(△)
・直線コースでは上がり2Fを27.5-13.8を計時。(◎)
・体の使い方が上手く、気持ちもある。(○)
・強めを乗った後も飼葉の食いは落ちないが、身に付いてこない。(-)
・馬体重422Kg、前回から-6g(×)

社台Fにて育成中。調整状況はかなり順調で、直線コースでラストの2Fを13秒台のラップで刻んでいます。社台Fで育成中の仔馬の中ではトップクラスの進捗状況と思われます。動きの良さが目立ちますので、早期移動の話が出て来ても良さそうですが、体が小さいこともあり、無用に急がない方針なのかもしれません。1月初に442Kgあった体重が調教で絞れたとは言え、422Kgまで減ってしまっているのは不安材料となります。

1608.プランタンヴェール(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・直線1本×週?回(内2回は強め)+周回1200M(△)
・直線コースでは上がり2Fを28.5-14.2を計時。(○)
・体は立派だが、気持ちは前向きで、骨格は確りしている。(○)
・早期デビューが視野に入る。(△)
・スピードがあるが、やや一本調子の面もある。短距離適性。(-)
・馬体重495Kg、前回から-17Kg(○)

社台Fにて育成中。調整状況は順調そのもので、直線コースでラストの2Fを14秒台前半のラップで刻んでいます。レコルダーレの時計には劣りますが、進捗状況が良いことに疑いはありません。馬格ある点がレコルダーレに勝るところであり、早期デビューが視野に入っています。ここに来て体重も-17Kgと絞れており、495Kgは牝馬としては相当良いレベルに仕上がってきたと思います。一本調子の面も含めて短距離向きとのことですが、父がワークフォースなのでスピードがあると言うのが何よりの安心材料です。ゴールドケープもそうですが、ワークフォース産駒は牝馬の短距離で走る傾向が見られますので、本仔は適性が十分にあると見ています。

1609.スターオブザナイル(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・右前膝の骨端炎は痛みが無くなり完治の状況。(-)
・ウォーキングマシンとトレッドミルでキャンターまでの調整。(-)
・追って騎乗を再開する予定。(-)
・馬体重495Kg、前回から+15Kg(-)

社台Fにて育成中。右膝に骨端炎を発症し、その治療に注力してきましたが、漸く「完治」の判断が出ました。トレーニングメニューはウォーキングマシンとトレッドミルを使ったキャンターまでの状態であり、乗り運動はこれからになります。他馬と比較してプラス評価は出来ませんが、本仔としては完治出来たことが何よりの朗報であったと思います。トレーニングの遅れた分は、焦らずに取り返して行ければ良いでしょう。
現在の体重は更に増えて495Kgとなりました。流石にこれは運動不足で緩んだものと考えられますので、先ずはこの体重が、骨端炎発症前の480Kg前後まで絞れて来ることが、仕上がり状態の目安になると思います。

1610.ライクトゥシャイン(残100口未満)

・ノーザンF空港で育成中。(-)
・右トモの様子を見ながら進めてきたが、坂路入りした所で再発。(×)
・歩様が落ち着くまで待って、ウォーキングマシンを再開する。(×)
・馬体重448Kg、前回から+6Kg(×)

年末に寝違えて右トモの歩様を気にする様になって以来、様子を見ながら調教が進められて来ましたが、販路入り出来る所まで進んだところで、歩様に乱れが発生してしまいました。残念ですが、歩様の乱れが収まるのを待って、ウォーキングマシンからトレーニングを再開することになります。
また、現在の体重は448Kgであり、運動を控えている割に体重が増えていないことも、マイナス評価せざるを得ません。

1611.ハートビートダンス(残100口未満)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週?回×2本(16~17秒)のペースで坂路入りを続けている。(-)
・成長を優先して軽めのメニューに抑えている。(-)
・馬体重464Kg、前回から+10Kg(○)
・成長を見ながら、夏から秋にかけての移動を目指す。(-)

ノーザンファーム空港にて育成中。販路入りは続けていますが、馬体の成長を優先したメニューとなっており、これはクワドラードと同じ状況です。トレーニング内容はトップグループから遅れていますが、ここは焦らずに進めた方が後々良い結果につながると思いますので、ノーザンFスタッフの技術力を信頼するのが良いと思います。
一方で、成長優先のメニューの効果もあって、体重は着実に増加しており、464Kgまで増えて来ました。出来ればもう少し増やしたいところですが、良い方向に進んでいることに間違いはないと思います。

1612.サムシングジャスト(受付中)

・チャンピオンズF淡路にて育成中。(-)
・坂路2本18-16秒ペースの調整。(-)
・追って15秒ペースに上げる予定。(-)
・大柄だが太く見せず、素軽い動き。(○)
・4月中旬過ぎに第一陣として栗東入厩の可能性。(△)
・馬体重503Kg。(○)

チャンピオンズF淡路にて育成中。ポジティブなコメントが多く、4月には栗東入厩も検討されている様であり、全体に好印象です。特に大柄で動きの重いことを心配していましたので、「素軽い動き」のコメントは評価出来ます。但し、現状で坂路が16秒ペースであり、まだ強めが乗られていない状況を考えると、過度に高い評価は早計です。
一方で、馬体重の503Kgは牝馬としては大柄ですが、調教メニューがアップすればここから絞れて来る筈なので、丁度良い感じに着地することが出来そうです。

1613.レガーロブロッサム(満口)

・社台Fにて育成中。(-)
・成長を優先してメニューを落としたが現在は再開。(-)
・直線1本×週3回(16秒)+周回1200M(-)
・中間ですくみの症状が見られたが現在は回復。(-)
・成長を促すため、15秒台へのペースアップは暫く待つ。(-)
・馬体重431Kg、前回から+5Kg(-)

社台Fにて育成中。アルジェンタータと同様に、一旦進んだメニューを落として、体の成長を優先している状況です。焦らずに成長を促すことは悪くない策と思われますが、その割に体重が増えて来ないのが残念なところです。

1614.スターリーパレード(満口)

・ノーザンF空港にて育成中。(-)
・週3回坂路入り。2本目に14~16秒。(○)
・1月末にリフレッシュ調整を挟んだ。(-)
・15-15を開始して馬体が維持できている。(△)
・父産駒の傾向と異なり、筋肉量が豊富。(△)
・順調ならば、4~5月の移動も視野。(△)
・馬体重509Kg、前回から+5Kg(-)

ノーザンF空港にて育成中。週3回坂路入りして、内2日は2本を乗っています。2本目は14-15秒のペースも始めていて、引き続き順調そのものです。強めに移行しても馬体重が増えているのは頼もしい限り。あとはスピード能力が確認できれば不安要素はありません。

1615.ファビュラスギフト(受付中)

・社台Fにて育成中。(-)
・直線1本×週?回(内2回は強め)+周回1200M(△)
・直線コースでは上がり2Fを27.6-13.9を計時。(◎)
・強めの調教に移行しても順調に進んでいる。(○)
・熱くなり過ぎることもなく、シッカリとした動き。(△)
・夏頃にはデビュー出来そう。(△)
・馬体重455Kg、前回から+5Kg(△)

社台Fにて調整中。気性面のネガティブなコメントが消えて、総じて良好なコメントで占められる様になりました。強めに移行してから調子が上がっている印象で、2Fから13秒台のラップを連ねています。時計的にも着実に仕上がってきている印象なので、夏競馬デビューも十分に意識出来そうです。強めを開始しても体重が維持できているのも好印象。この一ヶ月で急激に状態が良い方向に変化したと思います。

1616.ファストアズエバー(受付中)

・坂東牧場にて育成中。(-)
・坂路調教を開始。週3回×2本(ラスト17秒前後)(△)
・追って15-15の強めを開始する予定。(-)
・体力が付いてきて、余裕で坂を上がっている。(△)
・スピード能力高そう。(○)
・早期始動も可能。(△)
・馬体重448Kg、前回から+15Kg(◎)

坂東牧場にて育成中。2月から坂路入りを開始して、順調に乗り込みが進んでいる様です。追って15秒台の強めを開始するとのことで、これが余裕でこなせれば、十分に早期始動の目も出てくると思います。乗り込みを重ねながらも、馬体重が増え続けているのは高評価。血統的に間違いなく短距離馬ですので、「スピード能力が高そう」のコメントは安心感があります。この仔もこの1月で一気に状態が好転した一頭です。

おわりに

この一ヶ月で状態が良い方向に変化した仔が多く見つかる印象です。中でも変わり身を感じたのが、ファビュラスギフトとファストアズエバーの2頭です。特にファビュラスギフトは一気に状態が好転した印象を受けました。

一方で、進捗のトップクラスはガーデンコンサートとスターリーパレードの2頭で、先月から変わりありません。これに続くグループがプランタンヴェール、ファビュラスセンス、アーチザンバレット、サムシングジャスト、ファストアズエバァーと言った感じでしょうか。

ちなみに、個人的な追加出資候補は、関東馬から選びたい事情も含めて、第一候補がプランタンヴェールで第二候補がアルジェンタータです。アルジェンタータは最大の不安材料である体重がまた戻りましたので、後ろ髪を引かれる様に、未だに見切りを付けられないでいます。一方で、プランタンヴェールは状態が良くなる一方であり、このまま一気に入厩まで進んでしまうことになれば、追加出資を決断することになりそうです。(出来れば今年の募集馬を先に確認したい所なのですが..。)

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コメント

  1. SHIM より:

    macKyさん、いつもお世話になります。
    ハーツ産駒牝馬2頭で迷っていて、今回の更新のmackyさんの評価を見に来ました。
    でもファストアズエバー(スピード能力)もすごく良く思えてきましたし、
    今回の更新は、募集馬が総じて前向きな評価をされていたので、悩みが深まります。
    この時期に育成過程を検討しながら社台系の募集馬を選べるのは、グリーンFの
    利点の一つだと思いますが、逆に目移りして困ってもいます。笑

    まだ様子見は出来そうなので、mackyさんの次回更新の評価を期待しています!
    他力本願で申し訳ありません。

    • macKy より:

      SHIMさん、コメントありがとうございます。

      自分も一度ハーツクライ産駒に出資してみたいと思ってアルジェンタータのウォッチを続けているのですが、如何にもハーツクライ産駒の選び方は決め手に欠ける感じで悩ましいです。血統配合的な決め手があればそれに頼って出資の踏ん切りをつけることも出来るのですが、そう言ったものが良く判りません。取り合えずアルジェンタータについては、成長待ちとして、入厩ギリギリまで粘ると思います。恐らく、入厩よりも前に今年の募集が発表されていると思うので、最後はそちらと財布の具合を勘案して決めることになりそうです。

      一方で、プランタンヴェールは早期入厩の可能性が高いとなると、今年の募集馬の発表を待つことは難しそうです。恐らく締め切りコールが掛かったら、申し込みをしてしまうと思います。

      PS.
      ハートビートダンスは如何しても柱立姿勢の左前脚が気になってしまいます。尤も、グリーンの募集馬は安価な分だけ多少の難点には目を瞑る必要があるのも事実であり、そこがグリーンファーム出資馬選択の最大の悩みどころですね。