今年グリーンFから募集して欲しい仔馬 ⑧

今年グリーンファームから募集されることを切に願う、クラブ所縁の仔馬をリストアップする全10回シリーズの8回目です。(一覧はこちら
期待度の高い順からリストアップしてきたこともあり、ここまでの仔馬は全て牡馬になってしまいましたが、残すところ3頭については牝馬をリストアップする予定です。


No8.サイレントクロップの2017

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :クロフネ
母父 :シンボリクリスエス
性別 :牝馬
毛色 :黒鹿毛
FN :9号族
誕生日:2017/01/31
生産 :社台ファーム

母サイレントクロップはグリーンファームから募集され、生涯2.2.6.19の成績の残しました。1000万条件を勝つことは出来ませんでしたが、未勝利戦をダート、500万条件を芝で優勝しており、距離も1400~2000まで幅広い条件に適応しています。引退後は繁殖に入り、2016年に初仔(父タートルボウル)を産出し、本仔が2番仔となります。なお、1つ上の2016年産駒はレックスPROから募集が掛かっています。

父クロフネはNHKマイルCとジャパンCダートの芝とダートの2つのGⅠに優勝した希少な種牡馬で、特にダートの異次元の走りは伝説的でもあります。「史上最強のダート馬は何?」みたいなアンケートがあれば、大抵トップに推されるのがこのクロフネです。引退後は種牡馬生活に入り、ここでも芝馬ホエールキャプチャ、ダート馬ホワイトフーガ、果ては障害馬のアップトゥデイトまで、トラックを問わず活躍馬を生み出しています。一方で、種付数と種付料は年齢と伴に減少傾向にありますが、それでもなおサイアーランキング上位10位内を確保し、社台スタリオンに留められていることは特筆すべきことと言えるでしょう。これは、サンデーサイレンスを持たず、脚質的にもオールマイティな、その血の有用性に拠るところが大きいと考えられます。

2.牝系情報

レガシーオブストレングスから連なる一大牝系であり、その仔レガシーオブゼルダを始めとして、多数の重賞勝ち馬を輩出している、極めて優秀な牝系です。サイレントクロップの直近では一つ上のサイレントメロディがマーチS(GⅢ)に勝っている他、母サイレントハピネスはGⅡを2勝しています。また、サイレントメロディとサイレントハピネスの何れも芝とダートの両方を走っており、こちらもトラックを問わない牝系と言えます。前述したとおり、サイレントクロップの産駒は16年産駒が初仔で、本仔が2番仔になります。デビューした仔はまだいませんので、真価が問われるのはこれからになります。

ファミリーナンバーはバランス系とも言われる9号族です。アパパネ、メイショウマンボ、ハープスターなどが属しており、牝馬に優れていると言う説もありますが、キタサンブラックもこの9号族です。

3.血統配合

まず、父クロフネ-母父シンボリクリスエスの配合には、端午S(OP・ダ1400)に勝ったディーズプラネット(牝)が出ていますので、この配合に懸念の無いことは明らかです。またRobertoの父母間クロスも同じく持つことになります。

一方で、自分がこの仔を評価するポイントは牝馬であることそのものです。クロフネの産駒はホエールキャプチャやカレンチャンを始めとして、牝馬の活躍馬が多数出ていることに特徴があります。更に、前述のディーズプラネットも牝馬であり、この組み合わせの牝馬には一定の実績があることになります。また、クロフネとサイレントクロップの牝系の何れもトラックを問わず活躍馬を出している点も共通していますので、その産駒も幅広い条件で活躍できるものと期待できます。

4.予想価格(予測モデルは本稿を参照

1200万円(基本:1000万,牡牝補正:±0万,父補正:+200万,母補正:+100万,兄姉補正:-100万)

5.おわりに

予想価格は1200万円と算出されており、血統背景を考えれば、かなりのお得感のあるプライシングになりました。これは、牝馬であることや、兄姉の実績が無いことで割り引かれていることに拠る訳ですが、本血統背景から見るとむしろ牝馬の方が期待できる点で妙味があります。ちょっと惜しいのは、芦毛ではなく黒鹿毛に出てしまったことかと思いますが、競争能力との関係はありません。この血統背景でこの価格であるならば、安価な牝馬がよく走る、グリーンファームらしい募集馬になると思います。

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