アルジェンタータに出資しました

函館競馬場への直接入厩の方針が示されたことで、急遽、出資締め切りが告知されたアルジェンタータでしたが、ここまでの様子見期間で得られた情報を評価して、最終的に出資することに決断しました。以下、アルジェンタータへの出資を判断した根拠を備忘録として残して置きます。

■育成状況
牝馬とは言え、ハーツクライ産駒が破格の1600万円で募集された最大の事由は、馬格の小ささにあったと考えられます。募集時の馬体重は428Kgで、この時点でのデビュー時予測体重は466Kgでしたが、その後も体重は順調に増えてはくれず、年初には409Kgまで減ってしまう状況でした。しかし、調教メニューが強目を開始したころから、体重は順調に増加する様になり、直近の馬体重は442Kgまで増えてきました。恐らく、ここから厩舎で仕上げて行くと、デビュー時の体重は420Kg程度まで減ってしまうと思いますが、それでもサザナミと比べれば十分に大きいワケで、ここは目を瞑ることに決めました。

一方で育成時の牧場コメントは、なかなかもって優秀です。強目を開始して動きの良さが目立ち、スピード能力もありそうで、かつメンタルも安定しているとのこと。馬格以外の面については、申し分のない評価です。

■体型
募集時の写真ではトモの幅が狭いのが気になったのですが、調教が進んだ写真をみると、腹回りが絞れてトモも多少大きくなった感じがします。トモが大きくなった分、背中は短く見えるようになってきました。
特徴的なのは長目の脚で、適性距離は1800M以上と見ています。また、強目の曲飛は気になる所ですが、ここは父ハーツクライ産駒共通の特徴として、ポジティブに評価したいと思います。

■厩舎
出資を決断した大きな理由の1つが預託先厩舎です。2016年産馬では先にスターリーパレードに出資していますが、これは関西馬であるため、なんとか1頭は関東馬へ出資したいと考えていました。その点で、美浦の奥村武厩舎は開業から着実に成績を伸ばしている、若手ではトップクラスの厩舎であり、申し分はありません。奥村武師にはフォーチュンリングでお世話になっていますが、これまでのマネージメントで不安を覚えたことはなく、安心して任せられる厩舎であると認識しています。

■牝系
母シルヴァーカップは非常に仔出しが良く、これまで産駒8頭がデビューして、6頭が勝ち上がっています。更に内5頭は2勝以上あげており、全姉シルヴァーグレイスは準オープンまで上がりました。また、アルジェンタータ出生時の母年齢は14歳で、然して高齢出産と言うほどではありません。1つ上のルッジェーロはヒアシンスS3着からドバイUAEダービーへの出走を果たしており、母年齢からの衰えは顕在化していないと考えられます。

■血統配合
全姉シルヴァーグレイスが活躍している時点で、この血統配合に間違いの無いことは明らかですが、それは別にしても本仔はポイントの押さえられた配合と言うことが出来ます。まず、ハーツクライはMr.Prospectorを持つ母との相性が良いことが知られていますが、中でもMachiavellianとの相性が良好で、シュヴァルグラン,ロジクライは母父がMachiavellianになります。ちなみに、母方にMachiavellianを持つことは、Heloの父母間クロスを構成することを意味しますので、これが機能していると見ることも出来ます。

■名前
アルジェンタータはイタリア語で銀色を意味しているそうです。全く知らない単語でしたが、母(全姉)の名前から継承している点で、良い名前かと思います。

■まとめ
改めて整理してみると、馬格にさえ目を瞑れば、非常に優良な仔馬であり、1600万円の募集価格は極めてお買い得に感じます。さらに、多くのハーツクライ産駒は成長力がありますので、ここからの成長も十分に期待できます。実際、本仔の1つ下の全妹は今年社台RHから募集されており、その募集価格は2400万円に設定されています。ここからもアルジェンタータが破格であることが判ります。

そして最後に、本仔の出資について背中を押したのは、今回の急な募集の締め切り方です。アルジェンタータへの応募状況は50%に満たない状況でしたので、本来の倶楽部としては募集期間を長くしてより多くの出資者を募りたい筈です。これを告知期間を殆ど設けない中で募集を締め切ったと言うことは、出資者を募る意志がなかったとも考えられます。残口は社台ファームに戻されることになるので、社台ファームから何らかの要請があった可能性も考えられます。いろいろと邪推は出来ますが、何れも本仔の評価は上がる方向と考えられることから、ここは出資しておくべき所と判断しました。

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コメント

  1. SHIM より:

    macKyさん、お待ちしておりました!2頭とも御一緒出来て光栄です。
    私のグリーンFへの入会はスターリーパレードとの出会いもありましたが、
    macKyさんのブログの影響も少なからずあったので、本当に嬉しいです。

    アルジェンタータは、強目を乗り出し時計を出しても5/25で442kgと
    体質的にも安定してきたのではないかと想像しています。
    全姉のシルヴァーグレイスは3歳2月のデビュー時点で438kgで、7歳の引退時には464kgと
    まだまだ成長の余地は大きいと感じます。
    考えていたより遥かに早い入厩となりそうですが、早めに勝ち上がり成長を促しながら
    使って行ってもらえれば、上のクラスでも・・・などと期待が膨らみます。

    今後ともよろしくお願いします!

    • macKy より:

      SHIMさま、

      アルジェンタータ、御一緒させて頂くこととなりました。スターリーパレード共々、宜しくお願いを致します。

      アルジェンタータの出資には色々と迷いましたが、最終的には「体重にさえ目を瞑れば、あとは文句の付け所なし」と考えて決断しました。「グリーンFの募集馬はその価格からして何らかのワケありなので、そのワケに拘ったら出資は出来ない」と言う原則を、改めて思い返しています。実際、体重に拘ったらサザナミには出資できませんでしたし..。

      個人的に、アルジェンタータはサザナミの様な「体は小さいけど運動能力の高い馬」に育ってくれると思っています。その根拠は明確に説明できないのですが、これまでの育成コメントを総合的に読み込んでの想像になります。実際、サザナミの育成時のコメントとアルジェンタータのコメントには類似点が見られまして、この辺りも出資を決めた要因だったりします。

      デビュー前の段階はどんなに夢を膨らませても許される時なので、自分としては(血統的にも体系的にも)オークスを狙えるような馬に成長して欲しいと願っています。

  2. 今井 道雄 より:

    SHIMさん、mackyさんへ
    初めまして通称ヒンヒンです。私もギリギリでアルジェンタータ申し込みました。スターリーパレードも愛馬です。いつも楽しく、拝読及び参考に指してもらっています。まだ一年ちょとの、新参者です。競馬歴はタニノムーテェ、アローエクスプレス、クリシバからです。これからも楽しみにしていますので情報宜しくお願いします。

    • macKy より:

      ヒンヒンさま、

      コメントありがとうございます。また、スターリーパレードとアルジェンタータで御一緒とのこと、こちらこそ宜しくお願い致します。スターリーパレードは不安なデビュー戦となってしまいましたが、こういう時こそ愛馬への愛情が試されますね。自分が判断して出資を決断した仔馬ですので、高々1レースで動揺することなく愛馬の力を信じようと思います。

      「まだ一年ちょとの、新参者です。」とのことですが、挙げられた馬名を拝見すると、私などよりも遥かに経験のある方と推察致しました。今後とも色々と教えて頂ければ幸いです。また、アルジェンタータへの応募率は最終的に50%程度で止まったと思われますので、口取りに応募した時の当選確率はかなり高くなると思います。現地で御一緒する機会も多々あるかもしれません。その際はまた、宜しくお願いをいたします。