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2007年12月 アーカイブ

2007年12月02日

取り合えず一服

総悲観モードも漂いかけた相場状況でしたが、3連休を明けて漸く潮目の変化が現れました。やはり市場へのインパクトが大きかったのは米国の経済状況。金融機関に関わる悲惨なニュースの連発にFEDが利下げの気配を打ち出したことで、世界的な株安の流れにもブレーキが掛かった格好です。

また、シティバンクの救済にオイルマネーが入ったことも、サブプライムローン問題の不安解消の一助となった他、米ドルの買い支えも連想させるものとなりました。そんなこんなで、米ドル安の流れも一旦底打ち。週末は一気に111円台まで戻しています。

日経平均は月曜日から反転を開始し、終わってみれば前週末比で800円の棒騰げとなりました。只、金曜日には25日線にまでタッチし、そこで跳ね返される形で終わっています。問題はこのまま跳ね返されてしまうのか、更に上を目指すのかなワケですが、周りの情勢的には今暫くは上を目指す展開が予想されます。

幾つか、その事由を考えて見ますと、まず、最も大きいのは米国市場の雲行き。11日に予定されるFOMCで米ドルの利下げがあるのは確実ですから、それまでの間に大きく売り崩される確立は低いと思われます。
また、米ドル安の流れが一旦は止まったことも大きいです。日経平均米ドル建てのチャートを見ていると、上値抵抗線までは順調に戻しそうな気がしないでもありません。


(日経平均米ドル建て。チャートの作成にはOmegaチャートを利用。)

そこで、戻りの目処を幾つか設定するとすれば、先ずは上方の窓の下端である15891円。続いて、窓を埋める16081円。これは16000円の心理的抵抗線とも重なるので、一つのポイントになりそう。そして、次は13週移動平均線が位置する16200円付近。これが越えられれば17000円も視界に入ってくると思われます。まぁ、そこまで行く為には、11日の米ドルの利下げ幅が幾らになるが重要ではあります。(因みに、私の予想は希望を込めて-0.5%の利下げ。そして、年末に向けて世界同時株高へ。^^;)


さて、そんな中で行った先週のトレードですが、海外の方は前週からすでに買いまくりモードに入っていたこともあり、今週もこれを継続。DBV等の債券に逃げていた資金も再び株式に投入し、EEBとGDXの買い増しを実行。また、日本国内でもHSBCブラジルオープンを大幅に買い増してます。

更に、資金投入のタイミングに迷っていたインドにもエントリー。但し、Pノート規制で裁定が効かなくなりプレミアムが急上昇してるINPを避けて、香港市場で2836.hkを購入しています。
(ちなみに現在のプレミアムはなんと15.8% ^^;)

一方、日本株ですが、1つ大きな決断をしました。..と言うのは、1306を用いて約1年間運用してきたシステムトレードを停止することに決定しました。最大の理由はここ数週間の1日辺りのボラティリティの上昇にシステムが付いていけなくなったこと。運用成績ではTOPIXをアウトパフォームはしているものの、トータルリターンがマイナスなのは事実。特に、最大ドローダウンが過去5年間のワースト値を超えてきたことで、システムの運用の断念を決断。

資金的にも手数料率を下げるために比較的大きな枠を用意して運用しており、今後はこの枠も外国株式への投資に振替えることとします。ちなみに、これを実行すると、日本株へのアセットアロケーションは20%に迄低下します。

只、システムトレード的な投資を全面的に止めてしまうのもまた悔しいので、資金規模を縮小した上で、別ロジックで運用することを考えています。具体的にはブルベアファンドを利用したスイング系のトレードを行います。取り合えず先週は、28日の下げの局面で「ブル2.5日本株ポートフォリオ」のナンピン買いを敢行しました。

2007年12月03日

亜玖夢博士の経済入門 / 橘 玲

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「臆病者のための株入門」の著者、橘玲氏の新作です。何だか不思議なタイトルですが、"経済入門"とされているので、マネー解説本の一種と思い込み易いのですが、実際は小説と見なした方が良い内容です。そういう意味では、橘氏のデビュー作である「マネーローンダリング」以来の久々のストーリー物が登場したということに成ります。

さて、内容的には物語だと思うものの、構成は変則的と言うか多分に実用書的。物語は章立てになっており、各章ではテーマに即した突拍子も無いショートストーリーが展開します。そして、各ショートストーリーが全体の更に突拍子も無いストーリを紡ぎ上げて行くと言う仕掛けです。

..で、ポイントになるのはやはり橘氏らしい各章のテーマ。それぞれ、"行動経済学"であったり、"ゲーム理論"、"ネットワーク論"だったりします。そして、最後には"ゲーデルの不完全性定理"までも、話が発展して行きます。

「臆病者のための株入門」でもそうだったのですが、橘氏の著作の醍醐味は、本来であれば難解な論理展開を適当に要約してしまい、本質的に知っておくべきところだけを抽出して提示してくれるところにあります。中間の論証はあくまでもおまけ。あえて厳密性を排除することで、話を判り易く読者に展開してくれます。

即ち、「臆病者のための株入門」が現代ファイナンス理論をそのエッセンスだけを抽出して平易に提示していたのに対し、「亜玖夢博士の経済入門」ではこれを他の数理学の範囲まで広げて見せたものと言う事ができます。
従って、本書は基本的に投資や資産形成に役立つ本ではありません。では何かと言えば、より広い意味で、「人が生きてゆく上で知っておいた方が良いこと」、「知っておくことで生き方が変わる可能性があること」について説明している本であると言う事ができます。

私が感じるに、著者が本書に込めた最大のポイントは、最終講の「ゲーデルの不完全性定理」にあると思います。さしもの橘氏も「不完全性定理」の解説を平易に行うことは難しかった様ですが、「不完全性定理」を以って「人類の希望」と評している点こそが、著者が読者に伝えたかった点であると確信しています。そう「この世界に完全なものなどない」のです。


【評価】
(私を含めて)橘氏のファンであれば必読の一冊です。本書から得られる事柄は、人それぞれ違うかもしれませんが、それでも何かを残してくれるであろうことは疑いありません。
また、橘氏の著作に触れたことがない方でも、純粋に読み物としてみて十分に面白い一冊かと思います。特に、過去にブルーバックスを好んで昔読んだ経験のある人にはフィットする一冊ではないでしょうか。
逆に、厳密な論証が必要な純理学系の人には本書はあまりお勧めできません。また、投資本として本書を手にすることは完全に間違いですので注意して下さい。

最後に、敢えて本書の内容をを投資と結びつけるとしたら、「不完全性定理」ではないかと思います。以下、あくまでも個人的な考えですが、ゲーデルの不完全性定理(あるいはハイゼンベルクの不確定性原理)の様な、論理学的な(物理学的な)絶対性を否定する真理は人類の未来に対する自由性を保証してくれる、正に「人類の希望」です。そして私はこれらの理論を尊重するが故に、マルキール等が唱える「効率的市場理論」を如何しても信奉することが出来ないでいます。

おすすめ度:★★★★☆

2007年12月05日

人生後半戦のポートフォリオ / 水木 楊

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タイトルだけで判断すると、如何にも退職後の資産運用のアドバイスを目的とした書籍だと思ってしまいますが、それは早合点。本書の副題は「時間貧乏からの脱出」となっており、時間の有効活用を説くものです。

まぁ、「時間の活用」をテーマにした本は色々とあるとは思うのですが、本書が特徴的なのはバランスシートの考え方を導入している点。そして、ここで考えるバランスシートは、会計上のBSとは一味違ったものになります。ここが著者の最大の主張なのですが、「カネとモノに時間を加えてバランスシートを考えなさい」という話。
人間は自らの自由時間を会社に売ってサラリーであるカネを得て、それを使ってモノを買う。逆に言えば、モノを我慢すればカネも要らないし、その分だけ好きなことをする自由時間が増えることになります。

要はカネ・モノ・時間はトレードオフされる関係にある。どれに重点を置くかはその人の考え方次第かもしれない。でも、常識的に考えれば、3者のバランスを取って生活を行うことが、人生を有意義に過ごすことに繋がるだろうと言うワケ。

本書ではこのバランスを取るための考え方のヒントが述べられています。そのスタートとして最も重要なことは自らの自由時間の金額換算した価値を知ること。自分の持つ1時間の価値(要するに自給みたいなもの)が幾らなのかを知ることだけでも、生活の組み立て方が大きく変わる可能性を秘めています。

例えば、時給が5000円の人が居たとする。この人がタクシーを使うことで1時間早く目的地に着けるとすれば、タクシー代は3000円でも高くないことになる。同様に、メイドさんを雇うことで家事に割く時間が節約できるなら、節約できる時間の価値とメイドさんに払う給与を天秤に掛けて、その意味のあるなしを考えれば良いって言うこと。


【評価】

個人的に時間の考え方を見直す良い契機になったことで、読む価値があったと思っている作品です。只、万人に進められるかと言うと、必ずしもそうではなくて、読者の年齢を選びます。タイトルには「人生後半戦の」と記されていますが、本書を読んで最も有益なのは仕事が多忙を極める30歳以降の方でしょう。20台の方が読んでも無駄とは思いませんが、ピンと来ない部分があるかもしれません。逆に、「人生後半戦」と言っても、定年を過ぎて年金暮らしの方が読んでも、もはや得られるものは少ないと思われます。

おすすめ度:★★★★☆

2007年12月10日

強気?弱気?さてどっち?

サブプライムローン問題もいよいよ政治の出番と言うことで、先週は噂の徳政令法案が提示されました。所謂、サブプライムローンの最たる詐欺的部分である金利の上昇契約を5年間据え置くと言うもの。

まぁ、金利を据え置くだけで借金を棒引きにしてくれるワケではないので、徳政令と言うのは日本語的にもちょっと違うような気がするのですが如何なんでしょう?「無理な借金をした奴ほど報われるのはおかしい」と言う論調も聞こえますが、別に借金をチャラにしてくれるのではないのだから、それほど不公平な話でもない様に思います。それなら、日本の自己破産制度の方がよっぽど不公平ではないかと...。

この法案、ブッシュやポールソンが発言した時点では株価への反応が薄かったのに、バーナンキが支持した途端に株価が急反発。「これじゃブッシュも形無し」と言うコメントも多々みられましたが、私が思うに、バーナンキが支持したことで、次のFOMCでの利下げが確定的になったと市場が判断したのではないでしょうか。-0.5%利下げ路線で正解な気がします。

そんなこんなで、日本市場も週末に掛けて上昇基調。先週書いた節目の一つである、上方の窓を埋める16081円を付けて、その後16000円を割ったところで終了。まぁ週末なので多少の売りが出るのは仕方のない所でしょう。

今週、予想通りFOMCが-0.5%の利下げを行うなら、日経平均も再び↑を目指すことは固いところだと思います。取り合えず、次の節目は13週移動平均線が位置する16200円レベル。次いで、16485円・16796円の上方の窓が意識されるものと思われます。

只、注目している日経平均ドル建てチャートを見ると、147~148ドル付近が上値抵抗線となります。仮にドル円が現在の111.5円で留まるとすると、上値の目処は16500円近辺と言う事になりますから、次の窓を1つ埋める辺りが正念場に見えてきます。17000円台を回復するには円安が115円台まで戻らないと苦しいのではないかと...。

さて、取り合えず落ち着きを取り戻したかに見える世界市場ですが、ネット上の書き込みを見ると、強気派と弱気派が拮抗している様に思われます。強気派の根拠は金融緩和の拡大による金余り。一方、弱気派の根拠はサブプライム問題の先送りに対する悲観論。どちらが正解なのかは2週間先のお楽しみ。ちなみに私は、強気派です。但し、基本的に強気なのは新興国株で、日本株に関しては戻り売りに要注意だと思ってます。


最後に、先週のトレードの記録。基本的に強気なので、FOMCの結果が出る11日をターゲットに、最後の買い仕込みを実行中。まず外国株は、SKFとSRSのベアETFを処分してフルロングへ転換。処分した資金でFXIとUNGを買い増し。あと、米ドル利下げ→世界的インフレ傾向と予想して、不動産関連久々に仕込むことを決定。只、米国の不動産は流石にダメなので、米国を含まない不動産系のグローバルファンドを物色。最終的にAWPとDRWを半分ずつ打診買いしています。

また、インド株も買い増ししました。今度はFidelityダイレクトで、「FWF インドフォーカス・ファンド(米ドル建て)」を仕込んでます。

一方、日本株に関しては資金を縮小しているのでもはや動きようが無いのですが、僅かに「日本株ブル2.5倍ポートフォリオ」を買い増ししています。このブルファンドに関しては、16500円近辺でポジションをキャッシュ→ベアへスイッチングする計画でいます。

2007年12月16日

結局、弱気派の勝ち

師走というのは何故だか忙しいもので、私も本業の多忙さにかまけて、相場に十分に対峙できていません。(まぁ、飲み潰れてて、NY市場が見れなかったりって言う話でもあるワケですが。^^;)

..っでもって、先週はNY市場も非常に忙しいというか、バタバタしてるというか、ボラティリティの高い1週間。ポイントは11日にFOMCで発表される金融政策だった訳で、私的には-0.5%の利下げを予想(と言うか希望)していましたが、結局は-0.25%の利下げ幅に留まりました。そしてマーケットは失望売り。完全にヨミが外れました。せめて公定歩合だけでも-0.5%下げて欲しかったのですが..。

更に市場がバタバタした原因の1つが、1日遅れで発表された欧米日による協調介入。これで市場はFOMCによる下げ分の1/2までは戻したのですが、最後に米国CPIの伸び率が急進すると言う、利下げ基調を妨げるデータが出てきて再び下落。もはや、強気派には泪目の展開...。

強いて、助かった点を上げるとすれば、為替レートが再び円安基調に推移してきていること。このお陰で、マイ・ポートフォリォへのダメージは微妙に緩和されてます。あとは、ボーナス資金をFOMC前に投入したいと言う欲求をなんとか我慢できたことが救いと言えば救い。


さて、東京市場はというと週足が再び長大陰線に。今後、クリスマスに向かって外国人の取引量が減ることも考えると、再び下へ大きく押す可能性が高そう。頼みは個人マネーですが、ボーナスをもらっても日本株への投資を考える人は少ない気がします。(如く言う私も、日本株への追加資金投入はサラサラ考えてませんし..。)

問題は下値の目処を如何見るかですが、直感的には日経平均14700円付近でしょう。14670円を切り下げると、底が見えなくなるのでかなりイヤです。只、日経平均ドル建てでみると、下値の抵抗線は135.5ドル付近なので、為替レートが113円をキープすれば、下値は15300円で踏みとどまることになります。(ちなみに上値の抵抗線は148ドルで、16700円付近。)

..と言うワケで、今週の作戦としては、日経が15300円付近まで落ちたら再び日本株ブルファンドを少し買い増し。更に、15000円を割ってくる様でしたら、更に日本株ブルファンドを買い増しして、あとは来年マルマル放置しようかなんて考えてます。


最後に、先週のトレーディングの記録ですが、相変わらず日本株の売買は無し。一方、米国市場の方では、下げ局面への対応を図るために微妙にキャッシュを増やしてます。具体的には、明らかに仕掛けを早まったAWPとDRWを処分。また、政治的に冴えないFXIを再度外しました。あと、IFも売り抜けようと試みましたが、上手く約定せず。この辺りは流動性が低い銘柄の辛いところ。

ちなみに、次に大きく押すことがあれば、MOOを買い増ししてやろうかと考えてます。

2007年12月23日

Discount & Distribution

先週末のマーケットを見ると、「そろそろサブプライムローン問題も底が見えてきたのではないか?」と思わせる雰囲気も無いではありません。それならそうで、また次の一手を考える必要が出てきます。そして今、ちょっと注目しているのが、CEF(Closed-End-Fund)のディスカウントレートと分配利回り。先の急落局面から必要以上に売り叩かれてしまい、ディスカウントレートが上昇し、かつ、配当利回りも上昇しているファンドが多数見られます。基本的にETF派の私ですが、CEFが割安に放置されるなら、それに乗らない手は無いのではないかと...。

さて、CEFのディスカウントと利回りを調べようと思ったら、ETFConnectのサイトを使用する方法が手っ取り早い。Premian/DiscountとYeldのそれぞれでソートできるので、割安に売り込まれているファンドを容易にスクリーニングすることが出来ます。

..でもって、割安なファンドを探してみたワケですが、なかなか強烈に売り込まれているファンドが多数見つかります。しかし、そこはダテに売り込まれている訳でもなくて、結構胡散臭いものも混じってたりします。特にCDO等のサブプライムローン問題に関わってそうな資産を含むファンドは、さすがに怖い。いくらディスカウントレートが高くても、そもそもプライシングそのものが怪しいのでは、割安なのか割高なのか判りません。正に玉石混合。逆に言えば、「サブプライムローン問題とは無縁そうなファンドで、割安な水準まで売り込まれているファンドを探せば良いのでは?」と言う話でもあります。


以下、私が惹かれた割安と思われるCEFをピックアップするとこんな感じ。

(1) Morgan Stanley China A Share Fund (CAF)

筆頭はコレ。所謂、中国A株のCEFです。サブプライムローン問題とは別に、中国市場の急落を背景にして売り込まれてます。A株自身がバブル気味でしたので、下落も止む無い状況ですが、現在のディスカウントレートは-28.26%で、相当な割安水準と見ることが出来ます。(ちなみに、週末の急騰前の時点では、ディスカウントレートが-30%を越えていました。)中国市場の調整もそろそろ終わりと見るなら、FXIを仕込むよりもこちらのCAFの方が投資妙味がありそう。


(2) Morgan Stanley Emerging Markets Domestic Debt Fund (EDD)

所謂、エマソブを投資対象とするファンドです。現地通貨建てなのがポイント。これは、私が従来から保有していて、含み損を抱えてしまっている銘柄ですが、現時点でのディスカウントレートは-12.73%に達しており、一方で配当利回りは12.11%もあります。サブプライム問題から債券への投資は二の足を踏む状況ですが、本ファンドの保有銘柄の殆どはソブリン債なので、サブプライムローンによる汚染はほぼ無いものと思われます。


(3) Morgan Stanley Global Opportunity Bond Fund (MGB)

これも、モル・スタが組成する債券ファンド。ディスカウントレートは-14.04%に対し、配当利回りが13.53%と、EDDよりも更に割安です。投資先は新興国を含むグローバル市場で、投資対象もソブリン債を中心に社債などにも投資されます。投資範囲が広い分だけ、変な資産が含まれていないか不安がありますので、その分EDDよりも割安なのかも?只、EDDに比べて運用実績が長い点は評価できます。


(4) Evergreen Global Dividend Opportunity Fund (EOD)

エバーグリーンが組成する、グローバル好配当株ファンド。投資対象は欧米を中心とした、公益・エネルギー・通信セクターの株式です。現在のディスカウントレートは-14.54%、配当利回りは12.2%と相当な割安。保有資産を見ても特にサブプライムローンとの関連は見当たらず、なぜココまで売り込まれているのか、ちょっと理由が判りません。流動性もそこそこあり、特に問題は無い様です。なにか見落としているポイントがあるのか、それとも単なる売られ過ぎなのか、気になります。仕込んでみたい気はしますが、ちょっと悩ましい感じ。

家庭で遊ぶテーブルゲーム

日経新聞の金曜日のオマケに「NIKKEIプラス1」ってのが付いてきます。世間の流行を知る上で、投資ネタにも使えたりして、案外役に立つ別刷なのですが、その1面に「家庭で遊ぶテーブルゲーム」なるテーマが取り上げられていました。こりゃ、一応ボードゲームをタイトルに掲げる当ブログとしても、コメントしないワケには行きませぬ。

往々にして、マスメディアにボードゲームが取り上げられる場合、底が浅くて判っていない、思わず閉口してしまうケースが多いのですが、そこは日経(?)、意外とマトモな記事でした。予想以上にちゃんとしてるので、思わず誰が関わっているのかを確認してみると、一階さん、草葉さん、能勢さん、百田さん、安田さん(敬称略)と言った、日本トップクラスの識者が名を連ねており、これならさもあらんと納得をした次第。(まぁ、残りのメンバーには怪しいのも混じってますが..。)

紙面には、ランキングが10位まで掲げられています。個人的には「人生ゲーム」なんていう代物が4位に居座っているのが気に入らない訳ですが、まぁ、国内で売られているボードゲームのランキングとしては結構イイ線かもしれません。

ちなみにランキングトップの「チケットトゥライド」はドイツ年間ゲーム賞もとった、あらゆる意味で真に優れたゲームです。子供と一緒にファミリーで遊べますし、大人同士でグラスを片手に遊ぶことも可能です。8歳以上のゲームだからといって決して子供だましではないのです。

3位の「カタン」もかなりの好ゲームですが、記事にあるように若干大人向けかもしれません。しかし子供の理解力は素晴らしいですから、初めに大人がちゃんと遊んであげれば、直ぐに大人顔負けのレベルに達する可能性も有ると思います。

6位の「黒ヒゲ」には、多少違和感を覚えますがパーティゲームと言う見地からすれば、一定の評価を与えて良いのかもしれません。むしろ、日本産ゲームとしては9位の野球板とならんで、2つだけのエントリーなので貴重と言えば貴重かも。

逆に言えば、トップ10内の8つまでが海外生まれである点が、日本のおもちゃメーカーの怠慢さを露呈するものでもあるわけです。(ちなみに、人生ゲームもその起源は海外で、原型はキリスト教の布教を目的としたものでした。尤も現在の人生ゲームは純日本製。単なるスゴロクの変形に過ぎません。)

注意が必要なのが7位の「モノポリー」。優れたボードゲームだとは思いますが、負けるとメチャメチャ悔しいのが問題です。これが始めてのボードゲームだと、ゲーム嫌いを生み出す恐れすらあります。「人間関係を壊すゲーム」との意見もあるほどで、子供が遊ぶには注意が要るかもしれません。(だからこそ、意外にランキングが低いのかも。)


記事の中で最も賛同できたのが、

 「知能の発達につながるとのイメージから、親は対象年齢の高いゲームをやらせたがる傾向が
  見られるが、それは関係ない」(一階さん)

の部分。これは私も100%同意します。もちろん、「黒ヒゲ危機一髪」や「人生ゲーム」を数多く遊んでも知能の発達には疑問ですから、よいゲームを選ぶ必要はあります。問題は、それが対象年齢ではないと言うこと。恐らく、8~10歳がベストでなないでしょうか。対象年齢が12歳を超えるゲームは大人だって気軽に遊べない、敷居の高いだけのゲームだと思ってます。ちなみに、パッケージに「知育ゲーム」と謳うゲームは、100%ゲームとしては楽しめない代物だと思って間違いありません。

2007年12月24日

雰囲気、変わったかも?

日経平均15500円台から急落して始まった先週でしたが、週末に向かって盛り返し、なんだか雰囲気に変化が感じられる気がします。特に、CMEの終値を見るとは15630円と、15500円台を既に回復しており、一週間掛けて底値を探って帰ってきた格好です。東京市場は月曜日も休みですから、月曜日のNYが更に高騰するようですと、東京市場で売りポジを持ち越した投資家にはちょいと怖い展開になるかもしれません。

先週末、何故にあそこまで雰囲気が回復したのが良く判りません。恐らく、米国の消費指標はそれほど悪くなかったこと、RIM(BlackBerryを作った会社ですね)を始めとするハイテク企業に好決算が続いたこと、シティが音頭を取ったSIV救済基金が実質白紙に戻ったこと、欧米中央銀行による市場への資金供給が安定的に続いていること、などが積み重なって、相場の雰囲気を転換したものと思われます。

特にシティのSIV基金が白紙に戻ったことは、悪材料と言う捉え方よりは、むしろ「こんな物に頼らなくても済む見通しが立った」と言う好材料な捉え方がされているみたい。金融セクターの決算発表が一通り終わったことも、嵐が過ぎるのを待っていた投資家の出勤を促すことになったかもしれません。

「多少はゴタゴタが続くだろうけど、基本は回復基調」と言うコンセンサスになるならば、今が仕込み時となる可能性もありそうですが、さて如何なることか?

また、日本株に関して言えば、1つのネガティブ要素だった税制措置として2007年中に利益確定した分に対するキャピタルゲイン課税の減免措置による売り圧力が終息することも、相場の重石をすこし軽くするかもしれません。尤も、日本の証券税制自体は再び迷走を開始していますので、「日本株なんて買ってられっかい」と言う雰囲気は変わらないかもしれません。

..とまぁ、こんな状況ですので、外国株式については基本的に週明けも強気の方針で臨みたいと思います。一方、日本株に関しては、基本的に現状維持。但し、万一15000円を割り込む展開になったら、その時は買い向かうことを考えます。


最後に、先週のトレードのまとめです。

日本株式に関しては、予定通り15300円を割り込んできたところで、「ブル2.5倍日本株ポートフォリォ」を買い増し(結局15000円ちょいで約定)。 その後、15000円割れで追加ナンピンを考えていましたが、結局そこまでには至らず。

一方、海外に関しては細かい売り買いを継続。前週に、作っておいたキャッシュで、まず週初にSKFを買い戻し。相場下落に対する精神的クッションを作成しました。(僅かでもベアファンドを持っていると、全面安の展開の時にも精神的に楽なんです。マジお勧め。)

更に、週末の相場の雰囲気転換を感じて、CAFを購入。本当ならFXIを買い戻す予定でしたが、別エントリーで書いたように、ディスカウントレートを考慮してCAFを選択。また同様の観点で売り込まれている、FAXとGIMの債券CEFの買い増しを実行。

最後に、DGSの打診買いを少し実施。DEMでも良かったのですが、ここまでの下落幅が大きかったことからこちらを選択してみました。

あと、先週書いた様に、MOOの買い増しをしたいと狙っていたのですが、やはり強い銘柄は簡単に買い場を与えてはくれない様です。再び、年初来高値を超えて行ってしまいました。残念。

保有銘柄(2007/12/21・円建て)

・TOPIX連動型ETF(1306)を用いたシステム運用を停止。
・下落局面で「ブル2.5倍日本株ポートフォリオ」を買い増し。


■ファンド

 - 三菱UFJ投信:外国株式インデックス *1
 - みずほ投信:みずほウェルズファーゴ・エマージング株式 *2
 - みずほ投信:みずほJ-REIT *2
 - DIAM:中国関連株オープン
 - HSBC:ブラジルオープン
 - 東京海上:エネルギー・食料関連ファンド
 - ブラックロック:グローバル・フレキシブル・バランス・ファンド
 - セゾン投信:バンガード・グローバル・バランス・ファンド
 - 大和証券投信:ブル2.5倍日本株ポートフォリオ
 
  *1: 三菱UFJ銀行のATMと振込み手数料無料化のために保有
  *2: みずほ銀行のATMと振込み手数料無料化の為に保有


■個別銘柄

[長期ホールド]
 - 東芝(フラッシュメモリ・原子力)
 - JR東日本(電子マネー・駅中開発)
 - 任天堂(DS・Wii)
 - 雪印乳業(優先株償却)

[バリュー]
 - セガミメディクス(セイジョーと合併・東証1部へ)
 - ADM
 - 東京カソード

[バスケット運用]
 - 好配当銘柄バスケット(DNLトラッキング)
   日産自動車、ホンダ、野村HD、JFEH、新日鉄、関西電力、大和証券
   九州電力、アステラス製薬、中部電力、第一三共、エーザイ
   神戸製鋼、東北電力、花王
   
 - 貸金業銘柄バスケット
   アコム、武富士、アイフル、プロミス、クレディセゾン、UFJニコス
   イオンクレジット、OMCカード、SFCG、ロプロ

 - 1Q好決算銘柄バスケット
   島精機製作所、ダイキン工業、JUKI、グローリー、芝浦メカトロにクス
   スタンレー電気、富士フィルム、生化学工業、日野自動車、アイシン精機

[塩漬]
 - ジャストシステム(xfy)


■その他

[コモディティ]
 - 地金積立(田中貴金属・G&Pプランナー)

保有銘柄(2007/12/22現在・外貨建て)

・インド株式のファンドを新規に買い付け。
・FXIを一旦処分し、CAFを新規に買い付け。
・SRSとSKFを一旦処分し、SKFのみ買戻し。
・DGSを新規に買い付け。


■長期保有銘柄

[Unit Trust Fund]

- Fidelity ASEAN
- Fidelity Euro Balanced Fund
- Franklin Mutual European Fund
- Templeton Eastern Europe
- INVESCO Asia Infrastructure Fund
- HSBC Managed Growth Fund
- JF Philippine
- FWF India Focus Fund
- Shloder Select BRIC's Equity


■トレーディング銘柄

[中南米]
- iShares MSCI Brazil Index (EWZ)

[中国]
- Morgan Stanley China A Share Fund (CAF)

[インド]
- iShares BSE SENSEX India Tracker (2836.hk)

[東欧・ロシア]
- Lyxor ETF Russia (2831.hk)
- SPDR S&P Emerging Europe ETF (GUR)

[アジア・太平洋]
- PowerShares Dynamic Asia Pacific Opportunities Portfolio (PUA)
- Indonesia Fund (IF)

[アフリカ・中東]
- SPDR S&P Emerging Middle East & Africa (GAF)

[新興国]
- Claymore/BNY BRIC ETF (EEB)
- WisdomTree Emerging Markets High Yielding Equity Fund (DEM)
- WisdomTree Emerging Markets SmallCap Dividend Fund (DGS)

[北米]
- ProShares Ultra Short Financials (SKF)

[西欧]
- 現在なし

[グローバル]
- 現在なし

[個別セクター]
- PowerShares Global Water Portfolio (PIO)
- Market Vectors Gold Miners (GDX)
- Market Vectors Environment Index ETF Fund (EVX)
- Market Vectors Agribusiness ETF (MOO)

[REIT・不動産]
- 現在なし

[コモディティ]
- PowerShares DB Agric (DBA)
- United States Natural Gas Fund (UNG)

[債券]
- Aberdeen Asia-Pacific Income Fund (FAX)
- Templeton Global Income Fund (GIM)
- PowerShares Emerging Markets Sovereign Debt Portfolio (PCY)
- Morgan Stanley Emerging Markets Domestic Debt Fund (EDD)

[為替]
- PowerShares DB G10 Currency Harvest (DBV)

2007年12月26日

バーンレート(Burn Rate)

%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88.gif■ タイトル

 バーンレイト(Burn Rate)
 
■ デザイナー

 Rich Koehler

■ 発売元

 Cool Studio(米国)

■ プレイ人数

 2~4人


■ ゲームの概要

ITバブルの波に乗って生まれ、泡となって消えていった、無数のドットコム企業を風刺した、ブラックユーモアの溢れるカードゲームです。

バーンレートとは企業が毎月の収益を上回って消費する金額を意味しており、新興企業の存続性を図る一つの指標です。即ち、バーンレートが高いほど、月々の経営は赤字であり、資本を急速に食いつぶして行き、最後に企業はバーン(燃え尽きる)してしまいます。

そしてこのゲームですが、プレイヤーは新興企業の経営者となり、会社を運営して行きます。しかしこの会社、基本的に収入の道がありません。営業が持ってくる企画がダメダメで、技術がどんなに頑張って仕事を仕上げてもそれが売上に結びつかないのです。つまり、営業収入が0でバーンレートは∞と言う悲惨な状況なワケで、当然こんな会社は潰れます。そう、このゲームの会社は必ず潰れる運命にあるのです。

では、プレイヤーの目的は何かと言うと、それは会社を可能な限り潰さないこと、即ち、他のプレイヤーよりも少しでも長く会社を存続させることにあります。そしてその為に、企業間では醜い争いが展開されることになります。ライバル企業の優秀なマネージャーを引き抜く一方で、逆に無能な役員を送り込んだり、ろくでもない企画を持ち込んで仕事を混乱させたりして、互いの足を引っ張り合うのです。


■ ルールの概要

各企業は営業・開発・財務・人事の4つの部門で構成されています。そして、その何れを欠いても、他のプレイヤーに付け込まれる隙を与えることになります。

人事部門が弱いと、優秀な社員を引きぬかれたり、逆に役立たずの社員を送り込まれたりします。また、営業部門が弱いと、ダメダメな企画をどんどん持ってきます。一方、開発が弱いと、プロジェクトが進まない上に、コストの高い外注業者に設計依頼をしなければなりません。財務部門に関しては、特に弱くても弊害は無いのですが、逆に財務部門が強いと、どこからともなく資金調達をしてくれます。これがこのゲームに存在する唯一の資金源であり、優秀な財務担当は本当に頼りになる存在です。


■ ゲームのポイント

%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%882.gifブラックユーモア満載のゲームで、業界人には笑えないところがあるゲームです。仕事が終わらないので外注業者を入れることになり、結果的に人件費がアップする辺りは本当に身につまされてしまいます。また、高給を取るだけで無能なマネージャーが配属されたりすると、怒りがこみ上げてくること間違いありません。^^;

多くの場合、この種のテーマに走ったゲームは、肝心のゲーム性の方がイマイチだったりすることがあるのですが、このゲームは高いゲーム性を保ちつつ、テーマを実現しているところが、見事というよりありません。業界人な方には、是非一度プレイしてみて欲しいゲームだと思います。


■ アートワークについて

アメリカのキャラクターっぽいデザインのカードです。種々の情報が上手にカード上にまとめられており、ゲームが遊び易くなっています。往々にして、欧米のゲームを遊ぶ上での壁として、カード上に記される多量の外国語があるのですが、このゲームはここが上手く処理されており、デザインでカードの意味の殆どが理解可能になっています。如何しても覚えなければならないカードは、数種ある程度です。

尚、このゲームにはカードしか付属せず、資金の計算は紙にメモ書きしながら進めることになります。これは、無用なパーツは省略してその分だけ値段を下げるという、アメリカのゲームらしいスタイルなのですが、日本人には少し違和感があるかもしれません。遊び易くするために、ポーカーチップなどをお金の代わりに用意すると良いでしょう。


■ 入手について

現在でも発売されており、入手は比較的容易です。製作元のウェブサイトでも通信販売されていますが、国内の輸入ゲームショップでも扱っている所がありますので、日本国内でも入手は可能です。但し、値段はどうしても高め(恐らく3000円台)になってしまいます。因みに、米国国内での定価は、$19.95です。

2007年12月30日

最後まで冴えません

大納会も終わり、今年も一つの締めを迎えました。しかし、情けないというか今年を象徴していると言うか、年末最終日までも200超の下げを記録してしまうとは、東京市場はもう如何にも成りません。「こんな状況下で1週間もポジションを持ち越せない」って言う気持ちは判らんでもないのですが、ここは人の逆を行って買い向かう方が正解な気がします。まぁ、大納会でこれだけ下げたのだから、大発会はご祝儀相場も加わってプラススタートになってくれることを信じたいと思います。

さて、今週末の下げの直接原因は米国市場の下落で、その原因は経済指標の悪さとパキスタンのテロでした。結果的に、これらが年末ラリーに冷や水を浴びせる格好となり、ラリーも一服の雰囲気です。只、米国外に目を向けると、特に新興市場の勢いは持続している気もします。すこし、米国市場とは独歩調をとるのかもしれません。(むしろ、為替が急変しているのが、気になります。一気に2円の円高に振れてます。)

ところで、先週このエントリーでネタにした4つのCEFですが、この一週間の騰落率は次の通りでした。(注:CAFとEDDはこの間に分配がありましたので、その分は補正しています。)

 CAF: 13.03%
 EDD: 3.86%
 MGB: 3.46%
 EOD: 4.51%

単純に評価することは難しいのですが、同期間のNYダウの騰落率が-0.63%だったことを考えれば、これらは別次元の値動きと言って良いでしょう。(ちなみにCAFと比較して、2823.hkの騰落率は3.56%で、これも大きく異なる値動きです。)これらの結果からして、売られ過ぎ状況に対する修復の動きが始まっていると考え方が成り立ちそうです。ここは、もう少し割安なCEFへの投資に関して調べて見たいところ。


最後に、先週のトレードの記録です。まず、日本株式に関しては一切のトレードなし。只管、アホールドの継続中。

海外については、CEFのDiscountの行き過ぎをネタにした所も有って、CAFの買い増しとEODの打診買いを実施しています。(結果的にこれが成功。)

また、気になっていたTAOが値を下げてきたので打診買いしてみました。TAOは中国本土の不動産セクタに投資すると言う、バブルの真ん中を直球勝負する銘柄です。かなりボラが高くなることが予想されますが、中国バブル祭りに参加しようと思ったら、これ以上のETFは無いと思います。(それに、かのQさんは、中国の不動産バブルはまだまだ弾けないって言ってますし。^^)

一方、購入のための資金を作るために、仕込んだばかりのSKFを再び処分しています。この辺り、ちょっと相場観が揺らいでます..。

07年・ポートフォリオの成績

まだ31日の海外市場は残しますが、概ね今年07年の相場も終了と成りました。そして、今年1年間の我がポートフォリオの騰落状況は如何だったかと言うと、結果は+2.36%の僅かなプラス。(目標の+10%には遠く及ばず..。)まぁ、今年は日経平均が-11.1%だったことを考えれば、プラスなだけでも良しとしなければいけないのかもしれません。

今年の投資成績をマクロに見ると、日本株で被った損失を、海外(特にBRICs)で補填した格好です。8月・11月と、世界同時株安が来る度に、日本株式を処分して新興国株に切り替えていったことが、戻りの遅かった日本株式から受けるダメージを軽減することに繋がりました。特に、8月の急落時に中国H株に大きくシフトしたことが、結果的に投資成績を大幅に改善してくれています。

以下、主な投資セクタについての覚書。


■日本株式

全体的に、3月頃まではそこそこの成績でしたが、その後、急速に成績が悪化して行きました。長期投資銘柄として保有する、任天堂&東芝のツートップの功績に救われた1年と言って良い状況です。逆に、最も酷かったのが、ジャストシステム。実際問題として売り場はあるにはあったのですが、結局塩漬けにして保有し続けることにしました。(まだxfyに賭けてみたい。)

バリュー投資については、前半こそ機能しましたが、8月以降はボロボロでした。PERもPBRの様なバリューファクターが全く機能しない展開で、正にバリュー銘柄が総受難の状況。結局、かなりの銘柄を処分し、その資金を海外投資(特に中国)に振り向けて乗り切りました。

同様に1306(TOPIX連動ETF)を用いたシステム運用も、結局1年実施した後、運用停止。前半の成績はマズマズでしたが、後半が悪化。それでも、トータルではTOPIXを上回っていたのですが、所詮はマイナスと言うことと、最大ドローダウンがバックテストを大幅に上回ってきたことから、運用に危険を孕むと判断して運用中止。

最後に、今年から始めた試みがミニ株を用いたバスケット運用。「好配当銘柄バスケット」「1Q好決算銘柄バスケット」「貸金業銘柄バスケット」の3本を組成し、現在も継続保有中。只、成績は日経平均同様、芳しくありません。..とは言え、「好配当銘柄バスケット」「1Q好決算銘柄バスケット」の2本は日経平均&TOPIXの両指標に概ね連動し、トントン若しくは僅かに上回るリターンですので、インデックスファンドの代わりとしては十分利用できています。
一方、「貸金業銘柄バスケット」については、現在も大幅な含み損を抱えている状況。只、このバスケットは9月末に大底を打った気配があるので、ここからは買い向かうのが面白いかも。


■外国株式

基本的に新興国株でプラスを出した1年。前半は、シンガポール・マレーシアと言ったASEAN関連ファンドで利益を出し、後半は中国株で利益を出しました。また、所謂BRICsファンドの類は、只管ホールドし続けて、結構なリターンを稼いでいます。

一方、サブプライム問題の震源である米国株に関してはベアファンドを購入して対処。売り時が難しく、利益を減らしましたが、それでも若干のプラスは残せました。


■外貨・外債

サブプライムローン問題が債券市場の暴落を誘い、サブプライムローンとは無関係の債券まで売られる状況。一方、為替に関してはDBVのスイングトレードで、一定のリターンを獲得。結局、トータルでは-1%の微減と言う結果でした。


■コモディティ

振り返ってみると、なかなか好調だった1年。年初に仕込んだ原油・金・食料の各ファンドが順調に上昇。この内、原油のみ+20%台の利益で利益確定済み。一方、金と食料についてはホールド継続中で、含み益は+20%を越えている。唯一、10月以降に仕込みを開始した天然ガスが、現在含み損の状況。

また、国内で長期保有しているファンド「エネルギー・食料関連ファンド」も順調にリターンを出してくれている。


■不動産

J-REITは好調から不調へ急降下するジェットコースター相場。「森ヒルズリート」「ビ・ライフ」と言った個別銘柄では+40%弱の大きな利益を確定。逆に、利益確定をせず、現在も保有し続けているJ-REITインデックスファンドの騰落率は±0%で、一時期あった利益を全て飛ばしてしまっています。

一方、海外REITに関しては見せ場の無いままサブプライムローン問題に取り込まれ、撤退。


■現代アート

今年から始めた新たな投資アイテム。..とは言え、基本的には趣味的な要素が強く他の投資対象とはちょっと違う代物。1年越しの注文作品を10月に入手した後、12月にも、別の作家の小品を一点購入(正確にはまだ支払ってないので予約状態)し、現在2作品を保有。尚、資産評価は購入価格のままとして計算することにした。


■ポートフォリオ

最後に、07年最終のポートフォリオの構成を示します。日本株式が約20%に対して外国株式の割合が約30%となっており、年初に立てた計画以上に、日本株式→外国株式へのシフトが進む結果となった。

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2007年12月31日

1年間ありがとうございました

サブプライムローンに揺れた2007年も、直に過ぎようとしています。そして当ブログも、開始から早1年が経とうとしています。新年を機に、見切り発車した当ブログでしたが、なんとか1年間続けることが出来ました。尤も、最初の頃はほぼ毎日更新していたものが、最近では週末にまとめて更新するのが常となってしまいましたが..。

こんな適当な当ブログですが、1年経ってみるとカウンタが10000ヒットを超えるに至りました。実際、何人の方に当ブログを読んで頂けているのか、興味のある所ではありますが、兎にも角にも眺めて行ってくれる方が居るだけでも、本当にありがたいことだと思っています。振り返れば、ブログをつけ始めて3ヶ月程の間は、訪問者ほぼ0人が続いてましたから、良くまあここまで来れたものだと、自分でも感嘆している所です。


ここで、私がこのブログを付け始める時に、決めていたことが1つありました。それは、「他の方のサイトにお邪魔して、自らのサイトの宣伝活動を行わないこと」でした。相互リンクを依頼することは勿論、トラックバックを送ることも行わないと決めて、当ブログはスタートを切りました。

何でこの様なルールを設けたか? それは、「宣伝を行わなくても、人は訪問してくれるものなのか?」、また「宣伝なしでも、人が読んでくれるだけの、内容のある文章を書くことが出来るか?」その辺りを確かめてみたいと言う気持ちからでした。

この1年間に得た10000ヒットと言う数字が、世間一般のブログから見て多いのか少ないのかは判りません。しかし、自分的には望外なまでに沢山の方々に来てもらえたものと、ポジティブに捉えている数字です。(*^-^*)


実は、私は過去に某ネットワークゲームのファンサイトを立ち上げていた頃がありました。その時は、ある意味で宣伝活動もしましたし、その甲斐もあってかポータルサイトの地位も獲得していたと思います。ミリオンヒットも記録し、雑誌にも何度か取り上げられました。1日に10000ヒットを数えることも普通にあったと思います。

しかし、そういう状態を維持するためには不断の努力が必要であるのもまた事実であり、知らず知らずの間に自らの生活が破壊的になっていることに気付きました。実際、本業の仕事よりもサイトの運営に悩むことの方が多くなっていたかもしれません。

また、訪問してくれる沢山の方々も、根本はそのネットワークゲームがあってこそ訪問してくれるワケであり、本質的な所で、「自分の力だけで皆が来てくれるサイトが作れているワケではない」と言う思いもありました。そして、色々なことがありそのサイトは最終的に閉鎖するに至りました。

その後数年間、サイト運営の様なネットへのアクティブな関わりは絶った生活を送りました。そしてこの期間に、オークションを手がけて小金を貯める術を見つけたり、更に貯めた資金で投資も開始しました。

しかし、自分の考えたことや調べたことをネットに情報発信することは、やっぱり好きと言うか人間の本能的な部分であり(マズロー曰く「自我の欲求」でしたっけ?)、自らの負荷にならない程度に、もう一度何かをやってみたいと言う気持ちが強くなりました。そして始めたのがこのブログと言うワケです。

そう言うことですので、当ブログの更新は気ままなペースのままですし、内容も好き勝手に書くだけです。でも、もしこんなブログでも見てくれる奇特な人が居てくれるのであれば、それを望外の喜びとして、継続の糧にして行きたいと考えました。ですから、今年得た10000ヒットは、私にとって、かつて記録したミリオンヒットに勝るとも劣らない、数字なのです。

最後に改めまして、今年1年間、当ブログを読んで下さった方々、本当にありがとうございました。来年も、引き続きマイペースで書いて行きたいと思いますので、お時間のある方はお付き合い頂ければ、これ以上の幸いは御座いません。


■最後の最後に...。

最後に、もう一つ謝辞を送りたいと思います。ある日のこと、「東大卒医師が教える科学的株投資術」の著者であるKAPPA氏のサイトで、「勝手リンク」の所に当ブログへのリンクを発見しました。

KAPPA氏の著作は私も過去に読んでおり、その考え方は私のバリュー投資のスタイルに反映されています。特にPERの代わりに「経常益利回りの逆数」を使用したり、RODを計算したりする所は非常に有用だと思っています。

ですから、そんなKAPPA氏のサイトにリンクを張って頂いていることを発見したことで、「自分が書いていることも一定の支持を受けているんだ」と思うことができ、嬉しいと同時に、当ブログを続ける上での拠り所とすることが出来ました。

遠いところから失礼なこととは思いつつ、感謝の気持ちを表させて頂きたいと思います。ありがとうございました。

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