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利益・廃液(Mull+Money/Industrial Waste)

mull%26money.gif■ タイトル

 利益・廃液
 原題:Mull+Money
 英題:Industrial Waste
 
■ デザイナー

 Jurgen Strohm

■ 発売元

 Hans Im Gluck(ドイツ)
 RIO Grande(米国)


■ プレイ人数

 2~4人


■ ゲームの概要

なんとも、ゲームのタイトルとしては奇異な印象を受けますが、「利益・廃液」は工場経営をテーマとする一種の経済ゲームです。オリジナルデザインはドイツのHans Im Gluck社で、原題は"Mull+Money"と韻を踏んだものに成っていることから、邦題も「利益・廃液」と呼ばれるのが一般的です。ちなみに、英題は"Industrial Waste"(産業廃棄物)なので、タイトルのつけ方としてはこちらの方がシンプルで良かったかもしれません。

プレイヤーは工場経営者として、原材料、加工、人件費、技術開発などをマネージメントし、利益を生み出すと同時に社会的地位を築くことが求められます。ここで、このゲームが今風と言うか特徴的なのが、環境問題をテーマとしている点にあります。工場の生産活動と同時に必ず発生してしまう廃棄物処理を、如何に処理して行くかがこのゲームのメインテーマに成ります。要するにCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)が問われるゲームってワケ。

プレイヤーは工場の経営者として利益を追求する一方で、発生する産業廃棄物の処理に頭を悩ませることになります。廃棄物の処理に十分なコストを掛ければそれだけクリーンな工場が実現できますが、その分だけ得られる利益は少なくなります。逆に、産業廃棄物を放置したりすれば、利益率は向上するかもしれませんが、社会的制裁を受ける可能性があります。

尚、作者のJurgen Strohmは産業廃棄物に関する専門家とのことです。ゲームデザイナーとしての作品は一般にこの1作しか知られていません。


mull%26money3.gif■ ルールの概要

ゲームの構成は比較的シンプルです。プレイヤーは手持ちの行動カードを使いながら、必要なアクションを行い会社を発展させ、利益を確保して行きます。


■ ゲームのポイント

ポイントは行動カードの内容です。カードには原材料の売買、製造契約、生産性向上、リストラ、廃棄物発生の抑制、廃棄物処理、不法投棄、賄賂 ...etc リアルかつ多彩な内容が示されています。

生産性を向上させリストラを推進しコストダウンを図るも良し、リサイクルを推進しクリーンな工場を目指すも良し、廃棄物を不法投棄しておいてヤバクなったら賄賂で切り抜けるのもまた1つの経営方針です。

原料の売買は相場に従って行われますので、極端の話、原材料をタイミングよく売買するだけでも、利益を得ることが可能です。これに集約して、単に原料を売買するだけで生産活動を行わなければ、廃棄物も発生しません。これも1つの作戦ですが、もはや工場ではなく商社です。(勿論、取り得る作戦の幅が広いと言うことはゲームとして優れていると言うことになります。)


mull%26money2.gif■ アートワークについて

本ゲームは非常に戦略的かつシンプルな好ゲームだと個人的に評価しているのですが、ドイツ本国での人気はそれほど高くありません。原因は、重たいテーマ性もあるのですが、アートワークがリアリスティックだったことも原因な気がします。もう少し柔らかい絵にしておけば、取っ付き易かったかもしれません。

但し、ユーロ風にデザインされた紙幣は良く出来ていると思います。


■ 入手について

本国ドイツでは絶版だと思いますが、米国版はまだ入手可能です。通販で買うことも可能です。値段はUS$30弱でしょう。
それほど有名では無いゲームと言うこともあり、国内のボードゲームショップでの在庫は無いと思いますが、オーダーすれば輸入してくれるかもしれません。

何れにしても、環境問題が取り立たされる今こそ、見直されるべきゲームだと思います。正に、早すぎた名作です。

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2008年01月25日 00:27に投稿されたエントリーのページです。

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