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シンワアートオークション

この銘柄、今週に入り急落しています。急落のトリガは先週末に開催されたオークションの売り上げが昨年比でマイナスだったこと。この結果を見て、会社の通期予想の甘さが改めてクローズアップされ、買い手不在の相場に陥っています。

実はこの銘柄、私は投資先として検討していました。私が考えたのは..

 ・今後、日本は資産インフレの方向へシフトすると予想していること。
 ・海外では美術品への投資が盛んに行われていること。
 ・中国を始めとしたアジアの作家の価値が急騰していること。
 ・在庫を持たない身軽な運営が可能なスキームであること。
 
基本的に有利な条件が揃っており、後は美術品オークションの市場が広がることで、会社業績の上昇が期待出来ると考えていました。


そこで、投資の是非を判断するためと、好きな現代アートの見物をかねて、先週末のコンテンポラリーアートオークションを見てきました。(落札する気は始めからなかったので、参加してきたとは言えませんが..。)

..で、その成果ですが、「この会社は投資対象としては不適格である」と言う結論が得られました。オークション自身はそれなりに盛り上がっていた様に思います。終盤は1000万円を超える落札が続き、庶民の金銭感覚を完全に破壊してくれました。(笑)

まぁ、それはそれで良いことなのですが、問題はオークションの運営。信じられないくらいダメダメです。顧客第一主義と言う考え方は、この会社には存在しない様です。一部の大口の画廊だけを相手にしていれば良いと考えているなら、継続的な業績の向上は期待できません。マーケットを広げる努力をしないならば、現在の割高な株価を正当化することは出来ません。

以下、目に付いたダメダメな運営。

 ・Webサイトでは混雑するので早めに来る様に促していながら、受付開始は開始の
  30分前。お客さんは外で待たされてました。受付は30分では終わらず、結局
  開始が遅れることに。
  
 ・会場の席の数が全く足りません。半数の人は2時間ほど立ちっぱなし。事前に
  チケットを事前配布している以上、参加者の数は予想できるはず。あまりにも椅
  子の数が少なすぎます。(もし私が立たされてたら、即座に帰りました。)
 
 ・ついでに、椅子がしょぼい。パイプ椅子に2時間も座ったら腰がたまりません。
  お年寄りには更に堪えたことでしょう。(それなりに参加者には資産家の方も
  居るでしょうに、庶民でも呆れちゃう設備です。)
  
 ・社員があまりに使えない。沢山いるのに、誰一人案内もなにもしない。突っ立っ
  てるだけ。挨拶も会釈も出来ない。(時代遅れの画廊的感覚?)
 
 ・一部の大口を明らかに偏重している。それ自体は理解出来ますが、参加者を増や
  すことを考えるならば、それなりにさりげなくやる気配りは必要でしょう。逆に
  言えば、大口さえ大事にすれば、後は如何でも良いと言う雰囲気がミエミエです。
  
細かい点を入れれば、この何倍も改善点を挙げることが出来ます。私がフロアマネージャーなら、多数の社員を説教することになったでしょう。一般人にとって、次も積極的に参加したいと思わせる運営ではありませんでした。商売で参加する人や、コアな美術品コレクターは参加すると思いますが、これではマーケットの拡大は期待できません。

でも、きっとこの会社には永遠にそれが解らないと思います。そういう会社であることが良く判っただけでも、直接見てきた価値がありました。こういう姿勢は、株主に対しても変わらないと思います。恐らく、大株主だけは大事にして、個人株主数を拡大する努力などは思いもしないことでしょう。

現在の株価の崩落も当然の成り行きに思えています。

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2007年04月19日 01:00に投稿されたエントリーのページです。

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