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ブローカー(Broker)

■ タイトル

米国のオリジナル版は "Broker", ドイツ版は "Borsenspiel"
 
■ デザイナー

F.Murray, S.Spencer

■ 発売元

Ravensburger社(ドイツ版)

■ プレイ人数

2~5人


■ ゲームの概要

経済ゲームの古典とも言える作品です。オリジナルは1960年に米国にて発売され、その後ドイツに渡り"Ravensburger"社より"Borsenspiel"の名で発売されました。その後、ドイツでは若干のルールとアートワークの変更を伴いつつ、数度のリメイクがされています。

経済ゲームの中でも株式取引だけに特化したゲームです。その分、ルールは比較的シンプルで、実際に株取引をする方ならばより理解し易い内容だと思います。プレイヤーは、乱高下する株式市場のなかで、高騰しそうな株を買い、下がりそうな株を売り抜けることで、巨万の富を築くことを目指します。


■ ルールの概要

株式市場を舞台にしたゲームですが、登場する株式は4つの有名企業だけです。プレイヤーはこの4つの企業の株価を上げ下げしながら、株を買い、時には売り抜け、回転売買により資産を増やして行きます。

手番のプレイヤーがすることは、株を売買することと手持ちのアクションカードを1枚使用して、会社の株価を上下させることだけです。アクションカードはゲーム開始時に各プレイヤーにほぼ均等な内容のカードが10枚づつ配られます。これを1枚ずつ消費し、手番を10回行ったらゲーム終了です。

アクションカードの内容は何れも株価の上下に関するものです。特定の会社の株を上げ下げするものから、マーケット全体に影響を及ぼすものもあります。また一定額上下するものもあれば、2倍・1/2倍と、極端な変化をするカードもあります。(株価が安いときは一定額上下するカードが有効ですが、株価が高くなると、2倍・1/2倍のカードが威力を発揮します。)

手番のプレイヤーは株の売買を自由に行うことが出来ますが、「一回の手番の中で、特定の株を買って、アクションカードで株価を釣り上げて、更にその株を売却する」と言った、一気に利益を確定する様な売買は禁止されています。単に、株価を上げたあとで保有株を売ったり、株価を下げてから株を買うことは可能です。

このゲームのミソは正にココにあります。即ち、特定の株の株価を上げたり下げたりするには、他のプレイヤーの思惑に乗じる必要があります。自分一人で利益を確定することは出来ません。「他人が騰げようとする株を買い、下げようとする株を売る。」これは実際の投資にも共通する所です。そして最後にはライバルを出し抜くのです。

またこの市場では株価は250を超えることはありません。250を超えるような値動きがあった時は、差額を現金で決済し、その後、株式を2分割します。(この辺りのメカニズムは、実際の投資家なら良く分かってもらえると思います。)

逆に、株価が10以下になることもありません。株価が10以下になる様な値動きをしたときも差額を現金で決済しなければなりません。このとき、現金決済が出来なければ破産します。要するに追証が払えずに破産するみたいなもんです。^^;
尚、このときに限り、他の保有銘柄を売って現金化し、決済に充てることは許されていません。従って、キャッシュポジションを落とし過ぎることは、ライバルに漬け込まれる隙を与えることになります。

その他、オプショナルルールとして、株式の寡占のルールがあります。特定の企業の株式を過半数所有したプレイヤーは、好きなタイミングで増資を行う権利が与えられます。増資を決定した場合、各プレイヤーは保有株の比率と等しく、増資される株式を購入する権利が与えられるのですが、ここで増資するプレイヤーの特権が効いてきます。即ち、他のプレイヤーの手持ちの現金が少ないときを狙って増資を発表すれば、他のプレイヤーは買い増しで応じることが出来ません。

アクションカードによって株価がドラスティックに変化するため、極端な印象を受けることもありますが、徐々に扱う金額が大きくなって行く様は、株式トレードがバブル化して行く様を、上手く醸し出していると思います。


■ アートワークについて

株価ボードは価格を示すピンを上下させるだけですので、レトロと要ればレトロですが、しょぼいと言えばしょぼいです。只、この辺りのコンポーネントは版によっても結構違います。株券は大ぶりの格好よいものが附属しています。

このゲームの雰囲気を最高に良くしているのは、ゲーム中に登場する4つの企業が、全て実在する企業であることです。企業の種類は版によっても異なるのですが、何れも有名企業であることには代わり無いようです。ちなみに、写真で紹介しているバージョンでは、IBM・シーメンス・ドイツバンク・BPカストロールの4社が登場しています。


■ 入手について

残念ながら絶版です。但し、ドイツでの発行数は多いゲームなので、版に拘らなければ比較的入手し易いゲームでもあります。(米国のオリジナル版はまず入手不能です。あったら、私も凄く欲しい。)

ドイツ版は、EBayでの取引経験があれば、恐らく入手可能です。但し、ドイツのEBayで探す必要があります。ドイツ語でのやり取りに不安を覚える方も居るやもしれませんが、心配はありません。大抵のドイツ人出品者は英語でコミュニケーション可能です。(英語もダメだと流石に無理なので、この手は諦めて下さい。)

日本で探す場合はヤフオクをウォッチし続けるしかありません。但し、ドイツゲームの中でもメジャーでは無いゲームなので、出品される機会は少ないかもしれません。(日本で落札する場合、状態にも寄りますが、2500円~4000円が適正価格でしょう。未開封新品はかなり珍しいので、価値はぐっと上がります。)

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2007年02月06日 02:34に投稿されたエントリーのページです。

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