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マネー!(Money!)

■ タイトル

 "Money!"
 
■ デザイナー
 Reiner Knizia

■ 発売元

 Gold Sieber(ドイツ)

■ プレイ人数

 3~5人

■ ゲームの概要

今回紹介する「マネー」は、為替の取引をモチーフにしたシンプルなカードゲームです。プレイヤーは手持ちの資金を用いて入札を行い、狙いの通貨に換金して行くことによって得点を競います。(出来るだけ1つの通貨に絞り込んで資金を集めるほど、高い評価が得られます。)

「マネー」は、入札に使った資金が即座に次のトレードの対象になると言う点で、独創的なゲームシステムを有するゲームです。作者は今もトップゲームデザイナーの1人であるReiner Knizia。1998年のドイツゲーム賞とドイツ年間ゲーム賞にダブルノミネートされたゲームです。


■ ルールの概要

始めに、各プレイヤーに6枚の銀行券カードをランダムに配り、更に1枚の子供銀行券を配ります。そして、残ったカードを中央に山札として置き、その両サイドに4枚つづカードを山札からめくって並べます。これでゲーム開始。
ここで、山札の両側に置かれた2組みのカードが入札の対象になる通貨です。即ち、テーブル上が為替マーケットそのものを表します。

入札の方式は一斉入札。各プレイヤーは手持ちのカードから入札に使用するカードを選び自分の前に裏向きにして出します。このとき、入札に使うカードの枚数に制限はありません。ここで、子供銀行券は無価値なのですが、カード枚数をゴマ化す為の、ハッタリとして使用することが出来ます。

さて、全員の入札金額が決定したら、一斉にオープンし、合計ポイントが高い方から順に取引権を獲得します。

ここで、取引権を獲得したプレイヤーは以下の中から行動を選択します。

  (1) 自ら入札したカードと、中央に出ている2組みのカードの何れかを交換する。
  (2) 自ら入札したカードと、他のプレイヤー1名が入札したカードを交換する。
  (3) 取引きをパスして、入札したカードを手元に戻す。

この様に、紙幣を交換して行く部分が、為替の取引きを表現しているという訳です。(子供銀行券は取引対象外ですから、交換しないで手元に戻します。)

こうして1人のプレイヤーが行動を終えたら、取引権は次の入札順位のプレイヤーに移動します。全員が取引権を行使したら1ラウンド終了。中央の2組みのカードが4枚未満になってしまった場合は、山札からカードをめくり、4枚になるまで補充した後、次の入札を開始します。こうしてラウンドを続け、場の補充が効かなくなった時点でゲーム終了。清算タイムとなります。

さて重要なのが、得点の計算方法。得点は紙幣の種類毎に計算するのですが、単純に加算するのでは無く、以下のルールが適用されます。

  ・1つの紙幣について、合計ポイントが200点を越える場合は、その全てが得点となる。
  ・1つの紙幣について、合計ポイントが100~200点の場合は、「合計点-100」が得点と
   なる。
  ・1つの紙幣について、合計ポイントが100点以下の場合、その紙幣に付いての得点は無し。
  ・1つの紙幣の同じ数字が描かれるものを3枚集める度に、100点のボーナス。

要するに、重要なことは特定の通貨に的を絞って紙幣を集めること。複数の種類に跨って紙幣を集めても、高得点は得られないと言うことになります。

■ ゲームのポイント

「マネー!」では、狙いを絞った紙幣を如何に多く集めるかがポイントで、そこで重要になるのが、場の流れを読むことです。即ち、他のプレイヤーが集めていなさそうな、人気の薄い通貨に狙いを定めます。人気の薄い通貨はトレード市場に現われる確率が高く、安く入手出来る可能性が高まります。着実にそれを拾って行けば自然と同一紙幣を揃えることが出来るでしょう。

他にも重要なポイントとして、「たまには価値の低いカードで入札を行う」と言うことが上げられます。例えば、マーケットに価値の高い紙幣が多数並ぶケースがあります。この様な場合、大抵のプレイヤーは価値の高い紙幣で入札し、これを落札にかかることでしょう。しかし、ここで敢えて1人だけ価値の低いカードで入札すると如何なるか? もちろん、取引順位は最下位となりますが、他プレイヤーが出したカードの価値が高ければ、最終的にそれらのカードと交換することが可能です。即ち、価値の高いカードを価値の高いカードで競り落とすよりも、結果的に利幅が取れる可能性があると言う訳です。

■ アートワークについて

このゲームが秀逸である点の1つがカードのデザインにあります。カードの裏面には実在する9種類の紙幣が、そのまんまデザインされています。もちろん、経済大国日本の円も含まれています。その他にも米ドル、ポンド、ユーロ等が確認できますが、私の知らない紙幣も2~3見られます。昨今の為替取引の流行的には、流行の豪ドルやランドがあったりすると、嬉しいかも。

■ 入手について

残念ながらこのゲームも現在は絶版になってしまいました。しかし、ドイツ本国ではゲーム賞にノミネートされたこともあり、流通量は決して少ないゲームではありません。恐らく、ドイツのおもちゃ屋さんの片隅には埃を被りながらも残っていると思われます。

そんな状態ですので、ドイツのEbayをチェックすれば、比較的容易に新品の出品物を見つけることが出来ると思います。見つけることが出来れば10ユーロもあれば落札できるでしょう。(前にも書きましたが、多少の英語力と度胸さえ出来れば、ドイツのEBayでも大抵のトレードは可能です。)

日本で探す場合は、やはりヤフオクでウォッチし続けるよりありません。..とは言え、全く出品されない様なゲームでもないので、気長に待てば見つけられると思います。値段的には円安ユーロ高の現状では、新品で2500円程度がフェアバリューじゃないかと思います。

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2007年07月18日 23:31に投稿されたエントリーのページです。

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