他の一口馬主クラブでは募集馬の発表が開始されたところで、グリーンFでも今月末を想定して募集馬が発表される見込みです。そこで毎年の恒例ネタですが、現時点で去就の明らかになっていないグリーンF縁故馬の中から募集確度の高い馬で魅力的な馬をピックアップしたいと思います。昨年は10頭採り上げて6頭が実際に募集されました。今年も半数以上が募集されることを期待しつつ、個人的な期待度の高い仔から順に種牡馬の重複は避けて挙げて行きます。
No1:ナスノシベリウスの2024
父 :キタサンブラック
母父 :Unbridled’s Song
性別 :牝馬
毛色 :芦毛
誕生日:2024年5月15日
母年齢:15歳(8番仔)
生産 :ハシモトF
母優先:なし
募集期待馬の筆頭はクラブでお馴染みのナスノシベリウス産駒です。極めて小出しの良い母馬として常に産駒に掛かる期待は大きいのですが、特に今年度はキタサンブラックを配合したことで注目度は高まります。最大の問題は本当に募集してくれるのかですが、昨年のナスノシベリウス産駒は募集を予告していながら、事故により募集が叶いませんでした。その経緯を考えれば本仔はクラブに回される蓋然性は高いと考えています。
なお、ナスノシベリウス牝系からはアイリッシュムーンもキタサンブラックを配合しており、こちらは牡馬に出ています。ナスノシベリウスまたはアイリッシュムーンの何れか一方は募集して貰えると信じています。
No2:アンデスクイーンの2024
父 :マインドユアビスケッツ
母父 :タートルボウル
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
誕生日:2024年3月10日
母年齢:10歳(4番仔)
生産 :ノーザンF
母優先:あり
元グリーンFの重賞勝ち馬、アンデスクイーンの4番仔です。既出走の1番仔と2番仔は早々に勝ち上がりを決めており、仔出しの良さも疑いありません。特に本仔は初めての牡馬ですので自ずと期待も大きくなります。
問題は人気化が必至なこと。本仔には母馬優先権が適用されるため、権利無しの会員が出資する為には、極めて高い出資実績が求められます。昨年の3番仔の際の必要実績は到底手の届かないレベルでしたので、今年もダメ元で応募するより無さそうです。
No3:エトワールドパリの2024
父 :サリオス
母父 :クロフネ
性別 :牝馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2024年3月26日
母年齢:9歳(4番仔)
生産 :社台・白老F
母優先:あり
元グリーンFの所属馬で中央重賞を2勝したマキシマムドパリの姪に当たります。母エトワールドパリもグリーンF所属馬ですが、こちらは1勝に留まりました。本仔はその4番仔ですが、上2頭はセレクトセールに上場されてしまい、クラブに回されることはありませんでした。今年度はセールに掛かっていませんし、本家クラブからの募集もされていません。マキシマムドパリの産駒は社台RHから募集されていることから、本仔の方はグリーンFに回して貰いたいところです。父サリオスは新種牡馬ですが、2歳でマイルG1を勝ったスピード馬なのでハズレない種牡馬だと思っています。
No4:ファストアズエバーの2024
父 :アドマイヤマーズ
母父 :スウェプトオーヴァーボード
性別 :牝馬
毛色 :芦毛
誕生日:2024年2月20日
母年齢:8歳(2番仔)
生産 :那須野
母優先:あり
母は元グリーンFの所属馬の準オープン馬。激しい気性が難点でしたが、新潟1000直で2勝を上げる快速馬でした。本仔はその2番仔で、初仔のキャストアイズミー(父ダイワメジャー)もグリーンFから募集されています。キャストアイズミーの成績はこれからですが、夏競馬デビューが視野に入る様に順調な成長を示しています。特に、気性面が母程は危うく見えないところが評価できます。本仔の父アドマイヤマーズはダイワメジャーの後継種牡馬ですから、本仔とキャストアイズミーは3/4同血となります。
No5:シングシングシングの2024
父 :ダイワメジャー
母父 :ヨハネスブルグ
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
誕生日:2024年3月24日
母年齢:9歳(3番仔)
生産 :那須野
母優先:あり
母は元グリーンFの所属馬の2勝馬。ポイントは1勝クラスで2着×5回、3着×2回を上げたこと。「勝ち切れない」と言えばそうなのですが、この成績は馬主孝行以外の何者でもありません。募集総額1000万円で獲得賞金4700万円ならば文句なしでしょう。本仔はその3番仔で、2番仔のアイムシンギングはグリーンFから募集されています。
父ダイワメジャーの成績に関しては言わずもがなですが、年齢的に種付けはPrivateに移行しており、頭数が絞られています。その中で牡馬の産駒はそれだけで希少価値があります。牝系はダート短距離に適性があることから、ダイワメジャーとの配合はマッチすると思います。
No6:オールドパサデナの2024
父 :ルーラーシップ
母父 :Empire Maker
性別 :牡馬
毛色 :鹿毛
誕生日:2024年5月5日
母年齢:15歳(7番仔)
生産 :社台F
母優先:なし
母オールドパサデナは中央5勝を上げたオープン馬。本仔の3代母Chipは海外10勝(重賞4勝)の名牝で、その牝系からは多数の活躍馬を出しています。オールドパサデナの産駒からはローズボウルとローズパレードの2頭がグリーンFから募集されており、ローズボウルは準オープンまで進んだ後に地方に転出して現在も現役です。オールドパサデナは受胎率が悪く、年齢の割に産駒数が少ないのですが、ローズボウルとジャスリーの2頭が準オープン馬ですから、仔出しの良い繁殖牝馬と言えます。本仔はそのオールドパサデナの7番仔で、ジャスリーの全弟に当たります。
ちなみに、本年の募集が予想される仔馬なかでルーラーシップ産駒としてはレーヌジャルダンの2024がいます。レーヌジャルダン産駒はブラゾンロワイヤルの成績が壊滅的に終わったことで本仔への期待感はダダ下がりとなっていますが、父ルーラーシップ+母父ディープインパクトの配合は近年注目のNIXですので、オールドパサデナの2024と同様に注目をしています。
No7:シネマソングスの2024
父 :リオンディーズ
母父 :ハーツクライ
性別 :牝馬
毛色 :青鹿毛
誕生日:2024年3月21日
母年齢:9歳(3番仔)
生産 :那須野
母優先:あり
母は元グリーンFの所属のオープン馬。JBCレディスクラッシック(Jpn1)にも出走し、8着の成績を残しています。本仔はその3番仔で、上2頭は何れもグリーンFから募集されています。そう言う意味では、本仔がグリーンFから募集される蓋然性は極めて高いと考えられます。
本仔への期待が高まるのは初仔のグレイテストソングが早々に勝ち上がりを決めたこと。2番仔のウォータスパウトも順調に育成が進んでおり、札幌デビューが予定されています。その上で、この3番仔の出来は非常に良いと言う風聞も聞かれることから、注目度は自ずと上がっています。ちなみに、父リオンディーズ+母父ハーツクライの配合は今年の皐月賞馬ミュージーアムマイルと同一です。
No8:オープンユアアイズの2024
父 :ロゴタイプ
母父 :ヴィクトワールピサ
性別 :牡馬
毛色 :栗毛
誕生日:2024年4月27日
母年齢:11歳(7番仔)
生産 :社台F
母優先:あり
本仔の母母アーヴェイは海外5勝(内G1×1勝)を上げた活躍馬で、繁殖牝馬として日本に輸入されました。そして、その産駒からオープンユアアイズとベファーナがグリーンFから募集されています。オープンユアアイズは3戦目にして初勝利を上げましたが、屈腱炎を発症してしまい、そのまま繁殖入り。その初仔であるワイドアウェイクはグリーンFから募集されて2勝を上げています。特筆すべきは2番仔のラブリイユアアイズ(父ロゴタイプ)が阪神JF(G1)で2着の成績を残したことで、本仔はその全弟に当たります。
ラブリイユアアイズ以降の産駒はセレクトセールに上場されていたのですが、落札額は伸び悩んでおり、今年はセールに名前がありません。クラブから募集されるチャンスだと思います。
No9:グレースオブナイルの2024
父 :イスラボニータ
母父 :タートルボウル
性別 :牡馬
毛色 :黒鹿毛
誕生日:2024年4月3日
母年齢:7歳(初仔)
生産 :社台F
母優先:あり
本仔の母母ジェルオブナイルは元グリーンF所属馬で、小倉2歳Sを制したオープン馬。その牝系からは多数の産駒がグリーンFより募集されており、本仔の伯母ゴールドケープはフィリーズレビュー(G2)で3着の成績を残しました。母グレースオブナイルは芝の1600~1800で2勝を上げ、本仔はその初仔になります。父イスラボニータはもはやマイナー種牡馬の感がありますが、産駒の適性は芝マイルなので本仔の父としてはマッチする様に思います。
No10:ルヴェルソーの2024
父 :サトノクラウン
母父 :ルーラーシップ
性別 :牡馬
毛色 :青鹿毛
誕生日:2024年2月26日
母年齢:7歳(初仔)
生産 :社台F
母優先:あり
本馬の牝系は5台母スカーレットインクから連なる一大牝系で、所謂スカーレット一族の末裔に当たります。母母リボントリコロールと母ルヴェルソーは元グリーンF所属馬で、各々2勝を上げています。本仔はルヴェルソーの初仔ですが、ルヴェルソーは本仔の出産後に他界しており、本仔が唯一の産駒でもあります。そう言う背景を含めて、ルヴェルソーの元出資者の方には思い入れの強い産駒になると思います。
一方で、懸念材料は父サトノクラウンの種牡馬能力。勝ち上がり率が低迷しており、牡馬で20%を切る成績は許容し難いレベルです。特に牡馬の脚質は芝の長距離に偏重しており、裏を返せばスピード能力に不安が生じます。
番外編(その1):特別募集馬候補
ここからは番外編で、先ずは今年の特別募集馬を予想します。過去の傾向も含めて候補になりそうな産駒をピックアップします。
・エイシンバンバの2024(牡馬・父サトノアラジン)
・ガーデンコンサートの2024(牡馬・父シャンハイボビー)
・ラヴアズギフトの2024(牝馬・父フォーウィールドライブ)
・ジャンドゥーヤの2024(牝馬・父ルヴァンスレーヴ)
・アースグリーンの2024(牡馬・父サトノクラウン)
・エレンシアの2024(牡馬・父エフフォーリア)
個人的にはエイシンバンバの2024が来ると胸熱です。
番外編(その2):募集可能性は低いけど密かに期待したい産駒
・マゲバの2024(牝馬・コントレイル)
・ナスノシンフォニーの2024(牝馬・サートゥルナーリア)
・フリスコベイの2024(牡馬・ヘニーヒューズ)
・デグラーティアの2024(牡馬・シスキン)
・メールデゾレの2024(牝馬・ドレフォン)
ハラペーニョペパーの2024(牝馬・ドレフォン)
マゲバの2024がグリーンから募集されたら卓袱台をひっくり返す騒ぎになるでしょう。一応、現時点で去就先は明らかになっていませんが、それでも可能性は低そう。
ナスノシンフォニーの2024は、ナスノシベリウスの2024が募集されれば可能性は無いでしょう。反対に、ナスノシベリウスが募集されない場合には代替え候補になり得ると思います。
フリスコベイの2024は当歳時にハシモトファームのサイトに画像が掲載されていたのですが、現在は削除されてしまいました。何らか事故の可能性が高そうですが、無事であることを祈りつつ..。
デグラーティアの2024はサンデーRの募集リストに名前があったのですが、その後のトラブルで取り消されています。重篤な故障でなければ、アウトレットなグリーンFからなら募集される可能性もあり?父シスキンが魅力です。
メールデゾレの2024とハラペーニョペパーの2024はドレフォン産駒が欲しくてピックアップ。募集される蓋然性は低いのですが、募集されないと言う根拠もありません。可能性は残されています。特に、ハラペーニョペパーの産駒は過去1頭もグリーンFから募集されていないので、そろそろ回して貰えても良い頃合いかと。