GFの2024年度出資馬について、その出資判断に至る検討内容を備忘録に残しておくシリーズです。2025年度の募集が目前に迫る中で巻きを入れて書いて行きます。今回は締め切りギリギリまで粘って出資を決断したフローラルアーチことジュリエットベールの23について。
■種牡馬
父マインドユアビスケッツは米国の競争馬でUAE・ドバイゴールドシャヒーン(G1・ダート1200)を2連覇した快速馬です。G1×3勝を含めて重賞を6勝し内5勝は1400M以下の短距離戦です。但し、1600M超でもG3を1勝し、G1で2着が3回あることから、必ずしも短距離専門でもありません。
現役引退後は社台スタリオンが購入し日本で種牡馬生活に入りました。その初年度産駒から全日本2歳優駿を制したデルマソトガケを筆頭に、ホウオウラビッツ・マルカラビットの重賞勝ち馬を輩出しています。特に、2歳戦から活躍する産駒を出したことは種牡馬としての価値が高まります。2年目は少し成績が下降しましたが、初年度産駒の出来を見て繁殖の質が上がったのか、AEI値は年々増加傾向にあります。
■牝系
母母マリアロワイヤルはアイルランド産の競争馬でロワイヤリュー(仏G2)を制した活躍馬です。引退後は日本で繁殖入りし、その2番仔が本仔の母ジュリエットベール。ジュリエットベールの成績は中央・芝中距離での1勝に留まり、引退して繁殖に入りました。
ジュリエットベールが然して目立たない成績でも社台スタリオンに残れた理由は名馬モンジューの血を有する母母マリアロワイヤルの牝系に価値を見出したものと想像します。そして、本仔の世代は母母マリアロワイヤルからの隔世遺伝が期待できます。実際、兄姉の成績を見ると1番仔の半兄ロミオボスはダート1600Mで2勝。2番仔の半姉アトリウムチャペルも芝/ダート1600の1勝クラスで勝ち負けの狙えるところまで来ています。少なくとも母ジュリエットベールは産駒が堅実に勝ち上がる繁殖と見なすことが出来ます。
■測尺(参考)
募集開始時点(2024/8/2)の測尺情報は以下の通り。
体高:160.0 胸囲:178.0 管囲:19.8 体重:470kg
体高が高く、胸囲があり体重も5月生まれの牝馬とは思えないほど立派です。一口馬主DBの馬体重成長シミュレーションによれば3歳春の予測体重が516kgと推定され、牝馬としては相当な大型馬です。一方で、管囲は標準的な値であり、骨量的にはダートよりも芝適正かもしれません。
■駐立写真(参考)
明かな胴長体形ですが短足と言う程でもありません。胸幅とトモ幅が広く、胴長の割に背中は短い作りです。スタイルとしては少しバランスを欠いている様にも見えますが、それ以上に胸とトモの立派さが目立ちます。飛節は曲飛傾向で、筋肉量も含めて中距離~は難しそう。
■歩様動画(参考)
キビキビした歩き方の一方で、可動域は然して広くありません。只、曲飛の分だけ踏み込みは深くシッカリしています。反対に蹴るときの脚の伸びはもう一歩。繋ぎの運び方には芝適正を感じます。前後から見た動きは、僅かに外向がある程度で問題なし。筋肉の質感は柔らかい感じではないので距離適性は短くなりそう。極端な緩さは感じないので、ある程度早い時期から競馬に使えると予想。
■誕生日と母年齢(参考1、参考2、参考3)
本仔の出産時の母年齢は9歳で、参考1よりベストな母年齢。また、祖母の出産年齢は7歳でこれも理想値の範囲。そして、母との平均年齢は8歳となり、参考2に示す通りこれもベスト。年齢構成については言うこと無しです。
一方、本仔の誕生日は5/8であり、参考3に示す通り誕生日の評価はネガティブ。但し、本仔の場合は既に馬格があるので、遅生まれの影響は小さいかもしれません。
■生産と育成(参考)
本仔の生産と育成は安定の社台ファーム。外厩には山元TCが利用可能です。近年の社台ファームは外厩の整備も進み、ハードウェアはノーザンFに追いつきつつあると思っています。
■厩舎(参考)
預託先厩舎は美浦の武藤厩舎。厩舎リーディングは一時の50位台から100位以下に急落しています。只、この1~2年は少しずつ成績が回復基調にあります。2023年にはモリアーナが紫苑Sを制覇しましたが、G1を勝ったことはありません。個人的に重視する厩舎指標である「クラブ馬勝ち上がり率=37%、クラブ馬回収率=122%」は”もう少し頑張りましょう”の成績。
武藤厩舎の最大の懸念事項は武藤雅Jに偏重した騎手起用。実に自厩舎の約45%のレースに騎乗しています。勝負気配に関わらずこの傾向は変わりません。ちなみに、直近3年の武藤Jの勝率は3%台ですが、自厩舎の馬に限れば勝率6%台にアップします。この辺りは調教から乗ってくれるメリットでしょう。
■価格(参考①, 参考②)
募集価格は1400万円。牝馬とは言え、社台生産馬で1400万円は安価な募集馬と言えます。一方で、個人的に算出してるプレミアム値で評価すると、マインドユアビスケッツの種付料が200万円と安価で、プレミアム値は「-155」となり、ギリギリでノーマルクラスに分類されます。グリーンF募集馬には「ディスカウントクラスの社台牝馬は走らない」のアノマリーがありますが、本仔は僅かにディスカウントクラスを逃れましたので、出資対象条件は満たしています。
■テシオ理論(参考)
父マインドユアビスケッツは本仔の世代から劣勢期に入り活性値は1。母父ヴィクトワールピサの活性値は6。母母父モンジューが2。母母母父Zafonicが8。母系に最大活性値の父がいることから、ジュリエットベールの産駒の多くは母系に似ることが多いと占われます
