3/18阪神2R:ミスティックロアはスタートで滑るも能力で差し切り勝ち

3/18、阪神2R・未勝利(ダート1800)に愛馬ミスティックロアが出走しました。未勝利戦デビューとなった前走では、歩いてゲートを出る大出遅れから、タイム差無しの2着まで追い込んだ本馬ですが、圧倒的な地力を示したことで、本走では単勝1.2倍の圧倒的1人気に推されました。

この人気には川田Jへの乗り替わりが無視できませんが、一方で、「危うい気性」・「水の浮く不良馬場」・「内枠が苦手なArrogate産駒」と言った懸念材料も存在しており、ここまで買われるのは正直言って想像を超えていました。

先ず、気性面の危うさに関しては馬場入り直後の暴走が心配されていましたが、ここは川田Jが上手に宥めてくれたとのことで、無難にクリアすることが出来た様です。一方で、不安が的中したのがスタート。前走と違って反応速度は十分でしたが、最初の蹴りで後肢を滑らせてしまい、左によれた格好で出遅れてしまいます。

しかし、ここで光ったのが川田Jの騎乗。焦って前を追うことなく、馬群がばらけたところまでポジションを下げ、そこから外に持ち出して上手くキックバックを避けてくれました。最後尾まで下げることなく、7番手のポジションで1角に侵入し、埒から2頭目でコーナをロスなく回れたことは、前走との大きな違いになりました。

バックストレートに入っても、焦ることなく7番手をキープ。3角手前から本格的に進出を開始すると、大外を回して4角出口では4頭横並びの状態に。この段階で脚色はあきらかに優っており、ラスト1Fでは勝ちを確信したのですが、予想外に逃げていたラップスターが伸び直します。ここからはJustify産駒ラップスターとArrogate産駒ミスティクロアと言う夢のある叩き合いを演じ、最後はクビ差を差し切ったミスティックロアの勝利となりました。

2着馬に対してはタイム差無しの辛勝でしたが、3着馬には10馬身の大差をつけており、「未勝利戦を圧倒的な能力で勝利した」と評価して差し支えありません。Target-JVの補正タイムでも「110」の評価値が出ており、これは1勝クラスでも勝ち負け出来る時計であることを示してます。加えて、本レースは「田圃状態の不良馬場」、「脚を滑らせて出遅れ」と言う悪条件を背負ったもので、条件が整っていれば更に上の時計が出せたことは疑いありません。

レース後の矢作師からは、「思っていたほどの上積みはありませんでした。」旨の厳し目のコメントがされていますが、これは本馬に対する期待の裏返しと考えたいと思います。実際、稍重で行われた前走に対して時計を2秒も詰めており、ゲートの反応も含めて確実に前進は見られたと思います。

今後の予定については明らかにされていませんが、先ずは高いテンションをケアしてリフレッシュ放牧に出されています。矢作師からは「しっかりするまでは休み休み使っていきたいと考えています。」のコメントもあり、少なくとも詰めて使う考えは無さそうです。

ここでローテーションを考えた時、一つのパターンは青龍S(OP)→ユニコーンS(G3)のマイル路線を使って行くことですが、「将来はサウジ・ドバイに向かいたい」と目論む馬にマイルを走らせることは賛成できません。

理想はJDD(G1)への出走ですが、その為には1勝クラスとOPを2勝して収得賞金を積み上げることが必須です。その場合、5/21の鳳雛S(L)を勝つことが必須で、さらに1勝クラスも勝つことが前提となると、詰めて使う状況が避けられません。4/30の京都・1勝クラス(ダート1800)をステップに挟めばワンチャンありそうですが、月1回のレース起用を矢作師が想定しているのかは微妙な感触です。

そうなると、ジックリ育成コースとして最も現実的なローテーションは夏のレパードステークスを目標にすることかもしれません。レパードS(G3)であれば、地道に平場の1勝クラス~2勝クラスを勝つことで出走は確実です。その上でレパードSを勝つことが出来たなら、昨年のカフジオクタゴンの様にJBCクラッシック(G1)への道も開けるかもしれませんし、叶わなければ浦和記念(G2)に回る道もあります。

本気でサウジ・ドバイを目指すのであれば、ここで焦ってマイルに日和るのではなく、2000Mを走れる馬にジックリと育てて欲しいと思います。

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