2020年グリーンFから募集して欲しい仔馬③

2020年度グリーンFから募集して欲しい仔馬の3回目です。(一覧はこちら

今月末には募集馬リストが発表されるものと考えると、流石に本シリーズもピッチを上げて行かなければならない状況になりました。少なくとも5頭はピックアップしたいと思っているのですが…。


No3:マキシマムドパリの2019

1.基本情報(netkeiba.com参照

父  :ハービンジャー
母父 :キングカメハメハ
性別 :牡馬
毛色 :芦毛
FN :5号族
誕生日:2019年3月25日
生産 :社台ファーム

2.牝系情報

母マキシマムドパリはグリーンファームの所属馬にして愛知杯(GⅢ)、マーメイドS(GⅢ)を制した活躍馬です。加えて、秋華賞3着・エリザベス女王杯4着とGⅠレースでも一定の戦績を残しており、グリーンファームの過去の所属馬の中でもその実績は際立っていると言えるでしょう。本仔はその初仔となります。

一方で、マキシマムドパリの兄姉を見ると準オープン馬サトノエトワールが目立つだけで、他に目立った成績を残した馬は出ていません。

3.種牡馬

父ハービンジャーはキングジョージ六世&クイーンエリザベスステークス(GⅠ)を制したドイツ血統の輸入種牡馬です。種牡馬として産駒がデビューした当初は活躍馬を出すことが出来ませんでしたが、その後は配合上のポイントが見いだされ、ブラストワンピース・ディアドラを始めとする多数のGⅠ馬を輩出しています。

只、昨年デビューの現3歳馬については目立った成績を残せていません。更に現4歳馬まで広げて見ても重賞勝ち馬がハッピーアワーの唯1頭であり、一時の勢いに明らかな失速が見られます。これが種牡馬デビュー当初の成績不振による繁殖の質の低下に拠るものなのか、本年度以降の産駒の成績が注目されるところです。

ちなみに種付料は産駒の活躍により、2018年の350万円に対して、2019年からは600万円に跳ね上がっています。本仔の種付年度は2018年ですので、価格高騰のギリ手前の世代と言うことになります。

4.血統配合

本仔に対する期待値を高める要因の1つが配合上の妙にあります。父ハービンジャー+母父キングカメハメハの組み合わせからは、ブラストワンピース・モズカッチャンの2頭のGⅠ馬が輩出されており、NIXの関係にあると考えて間違いありません。さらに母系にサンデーサイレンスの血があることも重要であり、この条件も本仔は満たしています。

一方で、フェデリコテシオの理論で本仔の血統を考察すると、幾つかの懸念材料が浮上してきます。

優先祖先:Highest Honor
基礎体力:41% (2020/06/15訂正)66%
41%(2020/06/30再訂正)

まず、フェデリコテシオの理論によれば、本仔の優先祖先は母系のHighest Honorであり、これが最大活性である点は好評価したい材料です。Highest Honorの脚質は芝のマイル~中距離であり、母親よりも若干短い方向に適性がシフトするかもしれません。

これに対し、懸念材料は基礎体力値の低さです。続けてレースに使えない様な体質的な弱さを抱えないか、実馬を見て判断したいところです。ちなみに、この基礎体力値の低さは祖母マドモワゼルドパリの基礎体力値の低さに起因するものであり、マキシマムドパリを除いて兄姉に活躍馬が出ていない原因になっている可能性があります。

(2020/06/15訂正)↑基礎体力値の算出に誤りが見つかりました。正しい基礎体力値は66%であり、本仔の基礎体力値は十分な値を示しています。体質的な懸念材料には当たりません。

(2020/06/30再訂正)基礎体力値は41%を正解と考えます。

そして、もう一つの懸念材料が父ハービンジャーの活性値が劣勢期の4である点です。ハービンジャーは2016年産駒より劣勢期に入っており、これは近年のハービンジャー産駒の成績が優れない年度と合致しています。もし父親似の産駒が出せない点が活躍馬の出ない原因であるならば、この年の産駒も苦戦を免れないかもしれません。

5.予想価格(予想モデルは本稿を参照

予想価格:1800万円(基本価格:1000万円、本馬補正:200万円、父系補正:350万円、母馬補正:300万円、兄姉補正;-100万円)

予想募集価格は1800万円と算出されました。ハービンジャーの種付料が割安だった時期の産駒である点と、初仔である点が割り引かれての予想価格ですが、グリーンファームにおける母のプレミア性を考えると、もう少し高い募集価格であっても全く不思議はありません。

6.まとめ

普通に考えて、2020年度のグリーンファーム募集馬として最も期待されているのが本仔であると思います。現時点で、本家からの募集もセレクトセールへの上場も回避されましたので、グリーンファームから募集される蓋然性は極めて高まっていると思います。牡馬で誕生日も手頃ですから、初仔で余程小さく出ていない限り、募集されれば人気化することに疑いはありません。

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