「歩様の定量化について考える」の3回目です。<<前回はこちら>>
11/9、宝ヶ池特別にてサムシングジャストが優勝を果たし、準オープン馬へと出世しました。これにてサムシングジャストは本「歩様の定量化について考える」シリーズで採り上げた「グリーンファームの活躍馬」のグループに仲間入りすることになります。
そこで先ず、サムシングジャストについて前肢角・後肢角・肩角の3値を測定し、更に、これらの値を用いて前回の計算式によるマハラノビスの距離を求めると次の様になりました。
前肢角:44度
後肢角:46度
肩角 :41度
マハラノビスの距離:5.6
上記の様に、見事にサムシングジャストも3つの角度が小さな値に収まっており、グリーンファーム活躍馬グループの特性と合致していることが確認されました。さらにマハラノビスの距離は5.6と算出され、前回閾値とした6ポイントを下回っています。これはフィードフォワードテストの一種と考えられ、先に示した3つの角度からなる歩様の評価指標の有用性を改めて証明したことになります。
ところで、今回サムシングジャストが「グリーンファームの活躍馬」のグループに入ったことで、前回マハラノビスの距離を計算するベースとなった8頭(ブランドベルグ・マキシマムドパリ・パラペーニョペパー・サザナミ・ボールライトニング・レインボーフラッグ・セネッティ・アンデスクィーン)のデータに今回のサムシングジャストのデータを加えることで、活躍馬グループのデータをより手厚くすることが可能になります。
馬名 | 前肢角 | 後肢角 | 肩角 |
ブランドベルグ | 46 | 44 | 42 |
マキシマムドパリ | 48 | 43 | 44 |
パラペーニョペパー | 43 | 43 | 39 |
サザナミ | 48 | 42 | 45 |
ボールライトニング | 49 | 43 | 43 |
レインボーフラッグ | 47 | 39 | 41 |
セネッティ | 43 | 38 | 44 |
アンデスクィーン | 45 | 45 | 40 |
サムシングジャスト | 44 | 46 | 41 |
平均 | 45.89 | 42.56 | 42.11 |
そして、この更新された「グリーンファームの活躍馬」グループのデータを用いて、2017年産と2018年産の全募集馬(ネーラペルレの18は除外)についてマハラノビスの距離を再計算した結果を次に示します。
順位 | 馬名 | 前肢角 | 後肢角 | 肩角 | マハラノビス の距離 |
1 | アースグリーンの2018 | 49 | 44 | 42 | 3.1 |
2 | レイヨンヴェールの2018 | 44 | 42 | 39 | 3.5 |
3 | クーデンビーチの2018 | 50 | 42 | 44 | 3.8 |
4 | ツルマルオトメの2018 | 44 | 42 | 44 | 4.0 |
5 | オールドパサデナの2018 | 44 | 46 | 42 | 4.3 |
6 | アイアムルビーの2018 | 49 | 45 | 41 | 4.7 |
7 | ゼマティスの2018 | 48 | 47 | 40 | 5.7 |
8 | トゥルーストーリーの2018 | 50 | 43 | 46 | 5.8 |
9 | デザートオブムーンの2018 | 50 | 45 | 46 | 8.0 |
10 | リリーアメリカの2018 | 51 | 46 | 45 | 8.7 |
11 | オープンユアアイズの2018 | 50 | 50 | 40 | 14.4 |
12 | マンハッタンフィズの2018 | 53 | 47 | 43 | 14.9 |
13 | モンシュシュの2018 | 45 | 44 | 47 | 15.8 |
14 | レースウィングの2018 | 54 | 47 | 44 | 17.8 |
15 | ブルーモントレーの2018 | 52 | 43 | 40 | 19.3 |
16 | ノーブルリーズンの2018 | 54 | 46 | 40 | 27.6 |
17 | アースサウンドの2018 | 57 | 45 | 48 | 28.9 |
18 | スルーレートの2018 | 46 | 46 | 52 | 56.7 |
1 | グランマリアージュ | 46 | 45 | 41 | 1.1 |
2 | シュアゲイト | 46 | 45 | 43 | 2.1 |
3 | ナショナルアンセム | 48 | 41 | 42 | 2.5 |
4 | ファビュラスライン | 49 | 44 | 42 | 3.1 |
5 | ワンスウィートデイ | 49 | 44 | 42 | 3.1 |
6 | ノルトシュライフェ | 47 | 45 | 44 | 3.3 |
7 | ルヴエルソー | 49 | 44 | 41 | 4.6 |
8 | ピンクレガシー | 48 | 47 | 43 | 4.9 |
9 | フラワーエッセンス | 48 | 47 | 44 | 6.5 |
10 | エピデンドラム | 47 | 50 | 41 | 9.6 |
11 | ルヴァンヴェール | 51 | 46 | 41 | 10.6 |
12 | ノワールフレグラン | 52 | 46 | 46 | 12.0 |
13 | グレースオブナイル | 48 | 46 | 47 | 14.1 |
14 | スペラーレ | 53 | 41 | 49 | 16.0 |
15 | エールプレジール | 49 | 50 | 45 | 17.2 |
16 | サウンドトラック | 48 | 52 | 44 | 21.9 |
17 | エレガンテレイナ | 54 | 49 | 48 | 28.4 |
幾つか順位の入れ替わりが発生しましたが、目立った所だけフォローすると、先ず2018年産ではオールドパサデナの2018の評価値が上がって出資圏内に入っています。一方、2017年産ではシュアゲイトが大きく評価値を上げました。また、ノルトシュライフェもスコアを伸ばして出資圏内に入っています。