2019年度グリーンF募集馬の管囲について

今回は改めて管囲について考えてみたいと思います。これまでクラブから測尺が発表されたとき、管囲については「19cm未満はNG。あとは太いほどGood」程度に考えて来たのですが、これをもう少し深堀してみます。

始めに、管囲に関連して一般に語られている情報を列挙します。

①管囲は体高や胸囲ほどは成長に連れて変化しない。
②管囲はトレーニングによって殆ど変わらない。
③管囲は測定誤差が大きい。朝夕で最大6mm変化する。
④管囲は骨量と相関する。管囲が太いほど馬格がある。
⑤管囲は体重との相関性が体高や胸囲に劣る。
⑥体重は重い方が競争成績が良い。(重すぎはNG。)
⑦体重が重たいほど脚元の故障率が上がる。
⑧脚元の故障率は管囲と体重の関係に依存する。

まず、①と②から管囲は生まれ月をあまり考慮しないで扱うことが出来ると考えられます。但し、③の誤差は大きな問題であり、30%も変動するデータを過信することは注意が必要です。

次に、管囲と体重の相関性は他の測尺値よりは低いことと、体重と競争成績の相関性が高いことから、「管囲と競争成績の相関性はそれほど高いものではない」と考えることが出来そうです。

そこで、管囲の利用価値ですが、それは脚元の故障リスクを評価することにあると考えられます。但し、「単に管囲が細いから故障リスクが上がるワケではなく、体重が重くて管囲の細い馬が故障リスクが高い」と言うことを⑧は述べています。

そうなると問題は「体重と管囲がどの様な関係にあると故障率が上昇するのか」です。そして、これについては一口馬主DBさんにデータがありまして、「500Kg以上の馬で管囲が19.5mm~19.9mm」の馬の故障率が著しく高いことが示されています。

そこで、これを評価値に変えることを考えます。脚元の故障率が管に掛かる圧力に相関すると考えれば、「馬体重÷管囲^2」を求めることで一種の指標が得られることになります。具体的に、「体重500Kgで管囲19.9mm」と言うのが最も厳しい条件になるので、このときの指標値は500÷19.9^2≒1.26と得られます。即ち、「馬体重÷管囲^2」を求め、これが1.26を超えてくる馬は「脚部に故障リスクが生じる」と考えられます。

なお、ここで言う馬体重はあくまでも出走時の馬体重であって募集時の体重ではありません。そこで出走時の馬体重としては、今回も一口馬主DBさんの馬体重成長シミュレーションの力を借りることにします。

誕生日 管囲 体重 予測
体重
予測体重
÷管囲^2
モンシュシュの2018 5/15 20.0 433 506 1.27
リリーアメリカの2018 2/17 20.7 433 474 1.11
ツルマルオトメの2018 2/9 20.5 459 474 1.13
ゼマティスの2018 3/13 20.5 447 494 1.18
ブルーモントレーの2018 5/5 21.0 445 512 1.16
マンハッタンフィズの2018 3/21 19.0 414 452 1.25
オープンユアアイズの2018 2/18 19.5 463 480 1.26
スルーレートの2018 3/18 19.4 428 462 1.23
トゥルーストーリーの2018 5/15 19.3 392 456 1.22
オールドパサデナの2018 4/5 20.8 437 494 1.14
アースサウンドの2018 2/5 20.0 455 470 1.18
レイヨンヴェールの2018 4/15 20.1 428 492 1.22
アイアムルビーの2018 3/17 19.1 412 450 1.23
アースグリーンの2018 2/10 19.5 412 436 1.15
クーデンビーチの2018 4/10 19.3 421 466 1.25
デザートオブムーンの2018 2/13 19.8 445 464 1.18
レースウィングの2018 4/1 20.0 449 486 1.22
ノーブルリーズンの2018 4/1 19.7 420 462 1.19
ネーラペルレの2018 4/16 21.0 445 506 1.15

上記は2019年度募集馬について「馬体重÷管囲^2」を求めた結果です。本考察を信じるのであれば、モンシュシュの2018,オープンユアアイズの2018,マンハッタンフィズの2018,クーデンビーチの2018 辺りは評価値が境界ラインに位置しており、「今後の太り過ぎには注意を払う必要がある」と言うことになります。

これに対し、アイアムルビーの2018については管囲が19.1mmしかありませんが、予想体重が軽いことから「必要以上に故障をケアする必要はない」と考えることが出来そうです。

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