馬を買わずに株を買う話(2)

馬を買わずに、株式投資で儲けてみようと言う話の続きです(前回はこちら)。今回は自分が投資している東京都競馬(9672)について、銘柄分析をしてみたいと思います。

注:今回は言うなれば提灯記事です。投資については各自の判断でお願いします。


東京都競馬(東証1部:9672) 

1.事業内容

東京郊外にある大型プール「サマーランド」の運営や、賃貸倉庫の運営も実施していますが、最も大きな収益の柱は大井競馬場の大家としての収入です。競馬場と言う施設そのものを貸し出すことで、その賃料を歩合で得ています。更に、地方競馬のネット投票システムであるSPAT4は東京都競馬が開発したシステムであり、このシステムを貸し出すことで、競馬場と同様の賃料を収入として得ています。これらの賃料は歩合制として契約されている模様で、競馬本体の売り上げが上がれば、連動して東京都競馬の収入も増加します。特に影響が大きいのがSPAT4の収入で、全国の地方競馬場で開催される競馬の馬券がSPAT4で販売されることで、SAT4からの収益は今後も増大することが期待できます。ちなみに現在の地方競馬の売り上げの中で、SPAT4からの売り上げは約30%を占めており、この割合は今後も増えて行くものと考えています。システムの維持・開発費は今後も発生するものと思われますが、それ以上のリターンは得られると見ています。

2.企業業績

過去4年間、売上高は連続して増加しており、2018年度も増加する見込みです。さらに素晴らしいのが売上高営業利益率(ROS)で、2017年度は28%を超えると言う驚異的な利益体質を誇っています。売り上げの増加分が効率良く収益に寄与している、極めて稀有な優良企業と言えます。2018年度の会社側業績予想は減益と保守的ですが、1Qの業績(前年度同期比10%増収)から見ても、何れ利益予想も上方修正される筈です。これは市場もその様に見ているらしく、1Q決算が出て株価は上がりました。

3.財務体質

まず、2017年度決算で自己資本比率が70.2%あります。一方、流動負債16.82Mに対して、流動資産が16.1Mであり、僅かですが流動負債が流動資産を上回る状況です。但し、投資有価証券が2.8Mありますので、これも流動性のある資金と考えれて合わせれば、流動負債の額を上回ります。そもそも2017年度決算では、流動負債9.3Mに対して流動資産が17.2Mあり、十分な流動比率が確保されていたのですが、社債の償還が2017年度に発生したことで、固定負債が減って流動負債が減ることになりました。再度、社債を発行して流動比率を改善する可能性もありますが、大型投資を考えていないならば、現状のままで問題は無いと考えらえます。
また、流動資産16.1Mに対して固定資産は69.2Mなので、総資産に占める固定資産の割合が高い状況ですが、これは競馬場と言う大型不動産を資産として有する事業形態からすれば、当然の資産構成とみなすことが出来ます。何れにしても、財務体質は盤石と言えます。

4.株価水準

2018/5/7の終値は4465円でした。これにより、PER(会社予想)=37.61倍,PBR(実績)=2.12倍,配当利回り(会社予想)=0.9%となります。指標的には割高とも見なせる水準ですので、バリューを重視する投資家さんには手を出し難い銘柄になると思います。言い換えれば、今後の成長性がプレミアムとして乗った株価ですので、この成長が何時まで続くと予想するかが、出資判断のポイントとなります。

自分の判断は、現在の地方競馬の売り上げ高は最盛期には遠く及ばず、まだまだ伸び代があるとみていますので、今の株価は十分に上昇余地のあるものと考えています。
さらに、東京オリンピックに向けてインバウンド需要も膨らみますので、その時に大井競馬場のナイトスポットとしての利用価値も高まる筈です。但し、そのためにはそれなりの投資が必要であり、その際は単独で開発するのではなく、優れた事業者と組んでオシャレな開発をする必要があると思います。流石に現在の大井競馬場のスタンドや設備では集客能力に限界があります。競馬以外に顧客層を広げる工夫が必要と考えます。

5.テクニカル

実は今回のネタは半月ほど前に書こうと思って温めていたものでしたが、色々と後回しになってしまい、ここまで遅れてしまいました。その間、1Q決算が発表されてしまい、5%程株価がハネてしまいました。短期的な値上がりを狙う方には、正直言って今は買い時ではないかもしれません。逆に、中長期的な値上がりを狙うのであれば、ここでの5%はそれほど意味がないと見ることも出来ます。

一応、投資の目途を示すとすると、1つ目の投資タイミングは年初来高値である4700円を再度ブレイクするときになると思います。ここを超えれば、2013年4月に記録した5490円が次の目標になってきます。
そして、その次の投資タイミングがこの5490円をブレイクする時です。これはウイリアム・J・オニールが提唱したカップウィズハンドルにも似た形であり、ここラインを超えることが出来るならは、バブル期に記録した最高値を目指してゆく大相場も期待できると思っています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. macKy より:

    自己レスです。

    本日、朝から急騰してあっさりと4700円をブレイクしてしまいました。窓を空けてしまったのはイマイチですが、終値で4700を越えているのは良かったと思います。
    もし、1日急騰が早かったら、このネタはお蔵入りになるところでしたので、助かりました。一人でも、この記事を読んで昨日の内に仕込んでくれた方が居れば嬉しい限りです。