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すべてのフィクサーたちへ
Posted Shining @ 2/21,2002 
この記事では私たちのデザインチームの一人が、各職業をそれぞれどう向上させてゆくのかという説明と、具体的にフィクサーと呼ばれる職業をどのように向上させるつもりなのかということに焦点を当ててゆきます。

ゴート氏が前回職業を「向上」させると言っていたその意味は、私たちがそれにプライオリティをつけて、またパッチを計画するときにその職業に焦点を当てるということです。

ある職業に焦点を当てるということは、そのパッチが埋めるであろう「空間」の前に座って、デザイナーたちが集まり議論をするということを意味します。その時にはその職業に対しプレイヤーがもっとも悪質だとしている問題点についての情報は集まっており、将来実装されるべきものに欠けている何かを見出そうとしていることでしょう。また以前その職業について焦点を当てたことがあるということは、前回の修正に欠けていたものについて考えなければいけないということを意味します。私たちの議論はいくつかの向上案というタスクを考えた段階で(また保留すべきタスクについても)終わり、そのタスクを全員に配布します。その職業を修正し、新しいものを追加するために。

これらのタスクがしばしば持っている特性のために、また時間とリソースが限られているために、いくつかのものは次のパッチが導入されるまでに完了しないことがあります。それは時にはゲームに導入することができるまで数ヶ月の時を要することもあります。気の短い人には(またこれは私たちのほとんどが当てはまります)、これは遅すぎると思えるでしょうが、しかしそれはこの体制の強みでもあるのです。そうすることにより、ある能力がゆっくりと変化し強化されるとき、バランスがどのように変化するのかを全体から見ることができ、またそれをコントロールすることが容易になります。一晩で大きく変わってしまうことは避けなければなりません。

一般的に言って、AOの戦いを生き抜くには三つの方法があります。ひとつは高いヒットポイントとACを持つこと、また強い攻撃力を持っていること(武器やナノプログラム、ペットやペットにしたモンスターなど)、そして最後は強い回復手段を持つことです。エージェントとフィクサーは、これらのどの観点からも優れているとは言えず、またそのように作られたわけではありません・・・むしろ、彼らはその中間に立つものとして位置付けられていたのです。エージェントはおそらくエイムドショットを使えば十分なダメージを与えることができるでしょうが、しかしその初撃のあとは、しばしばダメージを与えることと、また打撃に耐えることに苦労することでしょう。エージェントには独創性な能力が与えられており、それは他の職業に変身することによりドクターやソルジャーといった職業の力を多少なりとも活用することができるということなのですが、それでも苦労することはあるかもしれません・・・しかしここでエージェントについて語るのはやめておきましょう。

フィクサーにはエージェントのような自由度は与えられていません。彼女は(*1)ほとんどどんな相手でも走りで負けることはないでしょうが、それにより彼女に経験値が入ることはありえません。彼女の持つ「持続回復」(*2)ナノプログラムはなかなか有効ですが、それはしばしば彼女のソロでの戦いが終わるまで十分に持つとはいえないでしょう。・・・またその戦いは、他の職業よりも相当長い時間がかかる傾向があります。フィクサーたちはまだ苦しんでいます。そして私たちはそれを変えたいと思っています。私たちはその変更で「キャラクターとして」強い肉体を持たせるようなことは考えていませんし、またエージェントがよりヒールの達人になるようなことが良いとは思いません。しかし、私たちは攻撃力をいわば「フィクサースタイル」として強化することを考えていますし、またそれが「理にかなった」SMG(サブマシンガン)のスタイルに合うであろうと思っています。注意してほしいのは、たとえばソルジャーはいまもそしてこれからも遠距離攻撃のダメージ量において優位に立つべきだということです。

この決定は、現在少しずつ導入されつつあるより強いSMGとして実現しつつあります。問題は、現在有効な「反タウント機能」(*3)を持つツールがさほど存在しないため、それらの武器を強すぎるものに変えることができないということです。それはチームにソルジャーやエンフォーサーがいるのにも関わらず、フィクサーがすべてのモンスターをタウントするという結果をもたらすでしょう。普通のフィクサーはタンクプレイヤーとなるのに適してはいません・・・。

またその他の問題として、多くのフィクサーにとって高すぎるナノスキルのIPコストがあげられます。このスキルのほとんどは生き残るために重要なものですし(たとえばヒールや走る速度)、これらを無視することは「できません」 何人かはこれによりそのポイントを投資(IP)することが不可能であると感じているでしょうし、その他の特徴的なスキル、たとえば「スパイとしての」スキルや、「トレードスキル」、またはSMGとアサルトライフルの組み合わせを試したりするためにIPを使うことができないことでしょう。私たちはこれについて何らかの対処を実施するつもりです。しかしそのためにはまだ欠けている前提があると見ています。
その変更はたとえば私たちが「深い青のスキルを薄い青に」するようなものではありえませんが、おそらくその導入はもう少し遠回りな形で実施されることになるでしょう。

三番目の問題は、ルート(足止め)やスネア(足を遅くする)ナノプログラムのターゲットに対する有効性です。これらのナノはもともと逃げるための状況を想定して作られたものであり、また「クラウドコントロール」としての役割も果たすはずでした。フィクサーの「ルート」はその役割を果たしていますが、「スネア」の力はあまり発揮することができていないようです。ベータテストが終わる頃は、フィクサーたちはもっとも「力を与えられた」職業でした。それは「凧揚げ(カイティング)」と呼ばれるテクニックを用いることができたからです(ご存知ない人のために。「凧揚げ」とはモンスターの足をスネアで遅くし、遠距離攻撃ができる武器でダメージを与えながら、追って来るモンスターの攻撃を一切受けないようにするテクニックです)。「凧揚げ」は、バランスを取られていなかったバースト能力と合わさって、やり手のフィクサー(とその友達)に、敵との遭遇の際まったく攻撃を受けずにすばやく倒す方法を提供していたのです。その結果として、私たちはフィクサーのスネアが解除される確立を上げることにしました。しかし私たちはその確立を上げすぎたようです。私たちはスネアが「解除」される確立を少しばかり下げることを試みるつもりです・・・言い方を変えれば、「凧揚げ」テクニックが再び可能に(しかし危険が伴うように)なるように。また同時に、対人戦闘においてスネアが強力すぎるものにならないような機能を導入するでしょう。

これはほとんどがフィクサーの戦闘能力についてのものですが、フィクサーには戦闘以外にも重要な役割が与えられています。彼女は優秀な運び屋であり、また同時に情報収集のプロフェッショナルでもあるはずです・・・しかも誰よりも速く。また彼女はトレードスキルにおいて何でも屋として働くことができ、いかがわしい裏通りの市場に詳しい者でもあるでしょう。彼女のその名前が象徴するように、彼女は他の者のためにさまざまなものの修理(*4)をすることもできるべきです。今現在のゲームにおいて、上記の能力を十分に生かせる可能性はまだそれほど無いかもしれませんが、私たちはそれを常に念頭においてゆきます。パッチ13.8にて、私たちは彼女が自分の役割をより良く生かせる特徴を導入したつもりです。

「とてもいかがわしい機能」(*5)と呼ばれるものはこれとは少し異なります・・・それは直接彼女の「修理」を手助けするものではありませんが、それについても今後実施してゆきます。しかしその機能は絡まりあったタスクの難しさのため、導入するにはまだ時間がかかりそうです。

私はこの文章がすべてのフィクサーたちに少しばかりの安心を与えることを願っています。

ジム=サラビム
アナーキーオンライン ライブチーム
デザイナー


彼女は(*1)・・・原文はShe。ここではフィクサーのことを女性になぞらえている。以後「彼女」というのはすべてフィクサーのことを指している。

「持続回復」(*2) ・・・原文は"Heal over Time"時間がたつごとに回復してゆくナノプログラムのこと。ちなみに時間がたつごとにダメージを与えるのはDoT、Damage over Timeと呼ぶ。

「反タウント機能」(*3) ・・・原文は"de-taunts"。一度攻撃ターゲットに選ばれてしまうと、それを自分では解除できないとうことだろう。それには他プレイヤーの攻撃が必要になる。

修理(*4)・・・原文はもちろんFIX。FIXERという言葉は不正取引をするもの、という意味や八百長のおぜんだてをするものという意味があるが、修理をするものという意味にも読み取れないこともない。ここではややひっかけて書いてある。

「とてもいかがわしい機能」(*5)・・・原文は"Super duper feature" DUPERはだますとか、だまされるとか言う意味。あえて解説は控えます;D


邦訳: Shining
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